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ドラマ「プライド」全話ネタバレ&あらすじ。最終回の結末と「メイビー」と「マストビー」を完全解説

ドラマ「プライド」全話ネタバレ&あらすじ。最終回の結末と「メイビー」と「マストビー」を完全解説

ドラマ「プライド」は、アイスホッケーという激しいスポーツの世界を舞台にしながら、恋愛・過去・誇りといった人間の弱さと向き合う物語として、多くの視聴者の心に残る作品となりました。

2004年に放送され、木村拓哉さんが主演で月9枠で最高視聴率28.8%という数字を叩きつけています。

本記事では、第1話から最終回までの全話ネタバレを含めつつ、ストーリーの流れだけでなく、登場人物の感情の変化や伏線、印象的なセリフの意味まで細かく解説していきます。

「結局どう終わったのか」「なぜあの選択に至ったのか」を改めて整理したい方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

目次

プライドの「メイビー」と「マストビー」の意味

プライドの「メイビー」と「マストビー」の意味

「プライド」といえば、里中ハルの口癖である“メイビー”。そして最終回で放たれる“マストビー”。この2つは、ただの英語表現ではなく、ハルの恋愛観そのものがどう変化したのかを映し出す、非常に重要なキーワードです。

単語としての意味(英語のニュアンス)

まずは、言葉そのものの意味から整理しておきます。

maybe(メイビー)=「たぶん」「もしかしたら」
断言を避け、可能性を残す言い方。はっきり決めずに逃げ道を残すニュアンスがあります。

must be(マストビー)=「〜に違いない」「きっと〜だ」
状況や気持ちを踏まえたうえで、「ほぼ確信している」ことを示す表現です。

ここで大事なのは、mustには「〜しなければならない(義務)」という意味もあるけれど、must be になると文脈次第で「絶対そうだ」「間違いない」という“確信”のニュアンスが前面に出る、という点

つまりマストビーは、縛られる言葉というより、「逃げずに選び取った結論」に近い表現なんですよね。

ドラマの中での意味(ハルの“逃げ”と“決意”)

ドラマ序盤のハルは、恋愛を「ゲーム」だと言い切り、本気にならないことで自分を守ってきました

その背景には、安西健吾から刷り込まれてきた「ホッケーをやっている間は女に本気になるな」という価値観もあり、恋愛=足かせ、という意識が根強く残っていたように思います。

だからこそ、ハルの“メイビー”は単なる口癖ではなく、

・本気になったら負け
・傷つくくらいなら、最初から曖昧にしておく

という、彼自身を守るための“鎧”のような言葉でした。

実際、物語の終盤で亜樹に「自分から誰も愛そうとしないのはずるい」と指摘される場面は、ハルがずっと避けてきた核心を突かれる瞬間でもあります。

メイビーで誤魔化し続けてきた生き方が、通用しなくなる決定的な場面なんですよね。

そして最終回。
亜樹が一度は「いいよ、Maybe…」と揺れたその瞬間、ハルははっきりと「Must be」と返します。
“たぶん”じゃなく、“絶対”。曖昧な可能性ではなく、確信として選ぶ

私の中でこの“マストビー”は、

・恋愛をゲームにしない
・曖昧に逃げない
・俺はお前を選ぶ

という、ハルの人生でいちばん大きな決意表明だと感じました。

メイビーが「保留」だとしたら、マストビーは「覚悟」

だから「プライド」は、恋愛の結末を描いたドラマというだけでなく、ハルが自分の弱さを認め、誰かを本気で愛ぶことを選ぶまでの物語として、今も強く心に残るんだと思います。

【全話ネタバレ】プライドのあらすじ&ネタバレ

【全話ネタバレ】プライドのあらすじ&ネタバレ

1話:愛と青春の絆ーーゲームから始まる運命の出会い

氷上の男と、待ち続ける女

実業団アイスホッケーチーム「ブルースコーピオンズ」のキャプテン・里中ハルと、同じ会社の本社で働くOL・村瀬亜樹

氷の上では誰よりも熱く、恋愛は「ゲーム」と割り切る男と、2年間も音信不通の恋人を待ち続ける女性という、真逆の2人の物語が1話で静かに動き出します。

バー「フェイスオフ」で始まる距離感

試合後のバー「フェイスオフ」では、チームメイトの友則と大和の軽快なノリが場を支配し、ナンパのターゲットになるのは亜樹・百合・知佳の3人。友則は知佳狙い、大和は百合に浮き足立つなか、なぜかハルだけが「外れ枠」のように残された亜樹へと視線を向けるのが印象的です。

ケンカを装って外に放り出される一連の茶番から、さりげなく亜樹のアドレスを聞き出すハルのスマートさと、2年も連絡のない彼をなお信じ続ける亜樹の一途さ。その対比が、この出会いをただの偶然では終わらせない空気を作っています。

ハルの“氷の心”を作った存在

一方で、ハルの“氷の心”の理由も1話から丁寧に示されます

重い病を抱えた元コーチ・安西は、かつてのアイスマンであり、ハルに「ホッケーをやっている間は女に本気になるな」と教えた人物。現在は入院中で、ハルは治療費を気にかけながらも、誰よりも彼を慕い続けています。

病室を抜け出してまで指導し、スティックを握ったまま静かに眠りにつく安西の姿は、スポーツドラマという枠を超え、家族を失う瞬間のような深い喪失感を残します。夕焼けの海辺で託される「アイスマンのプライド」と、そのまま訪れる別れの切なさは、1話の感情を大きく揺さぶる場面でした。

看病の夜に滲む、亜樹の優しさ

そんな“父親代わり”の存在を失った夜、ハルが思わず頼ってしまうのが亜樹です。社員証を届けに来ただけのはずが、びしょ濡れで高熱を出し、彼女の部屋で倒れ込んでしまうハル。

文句を言いながらも看病し、ソファで眠る彼にそっと毛布をかける亜樹の姿は、ハルが口にする「古き良き時代の女」という言葉そのものです。遠距離恋愛の彼を信じて待ち続ける強さと、目の前で弱っている人を放っておけない優しさ。その両方が、凍りついていたハルの心を少しずつ溶かしていくのが伝わってきます。

“仮の恋人”という名の契約

クライマックスは、彼氏との思い出が残る“約束の橋”で交わされる恋愛契約のシーン。ホッケーに集中するため恋愛はゲームだと割り切るハルと、「戻らないかもしれない恋」をそれでも信じる亜樹が、「恋人が戻ってくるまでの仮の恋人」という条件付きの関係を結びます。

本気にならない、嫉妬や束縛はしない、戻ってきたら笑って別れる。そんな冷静なルールを並べながらも、亜樹の瞼にそっとキスを落とし、「Maybe」と囁くハル。唇に触れかけてやめる、その一歩手前の距離感が、ゲームと本気のあいだで揺れ始める2人の関係を鮮やかに象徴していました。

1話で判明する伏線

  • ハルが「アイスマンでいる間は本気で女を愛さない」と安西と交わした約束
  • 亜樹が2年間、音信不通の恋人を信じて待ち続けていること
  • 彼氏との思い出の橋で「日曜のこの時間にまた会おう」と約束しているエピソード
  • 新コーチ・兵頭の就任と、ハルが練習メニューをめぐって真っ向から対立していること
  • 安西コーチの病状が「もう長くない」と示され、スティックに“最後の夢”を託していること
  • 安西の妻・容子が、車内で見知らぬ男性と会っていること
  • 大和が外車は自分のものだと誤解されているのを訂正できないまま、百合との関係を進めてしまっていること
  • 友則が知佳をその場のノリで口説き、彼女だけが本気になっている温度差
  • ハルと亜樹が「彼氏が戻るまでの仮の恋人」という“恋愛契約”を結ぶこと
  • 試合中、スタンドの亜樹を見つけてスティック越しに投げキスを送るハルのさりげない仕草

2話:孤独に負けない強さーー“待ってくれる人”を求め続ける心

第2話「孤独に負けない強さ」は、ゲームのように始まったハルと亜樹の“契約恋人”関係の奥に、それぞれが抱えてきた本物の孤独が静かににじむ回でした。

亜樹は百合と知佳に誘われ、ブルースコーピオンズの試合を観戦。乱闘続きの激しいプレーに戸惑いながらも、リンクの上で余裕の笑みを浮かべるハルから目を離せなくなっていきます。

試合後のバー「フェイスオフ」では、仲間が救急搬送された直後とは思えない大騒ぎの選手たちに唖然とする亜樹の前で、ハルがテレビインタビューで彼女を“自分のママ”と紹介。軽口めいたその一言が、ふたりの関係に妙な余韻を残すのがこのドラマらしいところです。

祝勝会の夜に見えた、二人の温度差

祝勝会後、大和は友則の車を借りて百合を送り、彼女は相変わらず“大和=優しくてお金持ち”と信じたまま恋に落ちていく

一方ハルは亜樹を家まで送り届け、「彼氏が戻るまでの仮の恋人」という契約を当然のように更新します。

身を削るような試合直後の姿を見た亜樹は、「もっと自分を大事にして」と真っ直ぐに訴えるのに、ハルは折れた自分の奥歯を“プライドであり魂”と言ってお守り代わりに手渡すだけ。亜樹がうっかりその歯をゴミ箱に落としてしまう場面は、2人の感情の温度差とすれ違いを象徴していて、胸がぎゅっと締めつけられます。

新コーチ登場で揺れるハル、そして語られる過去

翌日、ハルは安西の妻・容子の家で新コーチの兵頭と顔を合わせ、亡き師匠への想いや嫉妬をむき出しにしてぶつかってしまいます。

そのころ亜樹は近所の定食屋で偶然大和と出会い、ハルが幼い頃に母親に置き去りにされた過去を聞かされることに。「寂しさなんて感じたことがない」と笑うハルの裏に、心が凍りついたまま“待ってくれる女性”を求め続ける痛みが潜んでいたことを、亜樹は初めて知ります。

“作り話”とごまかすハルの横顔が語った、本当の孤独

その夜、ハルはビデオを抱えて亜樹の部屋を訪れます。亜樹が聞いた大和の話を「作り話だよ」と軽く流そうとするものの、画面の中のヒロインにどこか母の姿を重ねているような横顔が、言葉よりも雄弁に彼の孤独を映し出していました。

第2話は、強く見える人ほど深い孤独を抱えているという事実を、ハルの無邪気な笑顔と痛ましい沈黙の両方を通して見せてくる回でした。亜樹が次第に彼から目を離せなくなっていくのは、きっとその裏にある“愛されたいと願う弱さ”を感じ取っているからなのかもしれません。

2話で判明する伏線

  • ハルがテレビインタビューで亜樹を「自分のママ」と紹介すること
  • 試合で折れた奥歯を「プライド」「魂」と呼び、亜樹にお守りとして預けるが、ゴミ箱に落ちてしまうこと
  • 亜樹と大和が“ご近所さん”で、実は同じようなアパート暮らしだと分かる会話
  • 大和の口から語られる、ハルの母親の蒸発と、行方を捜すテレビ番組に出演していた過去
  • ハルが「寂しさなんて感じたことがない、一度も」と語っていること
  • 安西の妻・容子から、前コーチ安西と兵頭の関係について何らかの事情が語られること
  • ハルが兵頭に「容子に近づくな」と言い放ち、新コーチと深く対立する構図が示されること
  • 百合が「気は優しくてお金持ち」という誤解のまま大和に本気になってしまうこと
  • 亜樹が「本当はもう彼を待っているわけではない」と、大和に自分の本音を明かしてしまうこと
  • ビデオのヒロインに母の面影を重ねるようなハルの描写から、“母親”との関係が今後の大きなテーマになると匂わされていること

3話:美しきリーダーの形ーー“冷酷キャプテン”の正体が見えた夜

第3話「美しきリーダーの形」は、ブルースコーピオンズのロッカールームから幕を開けます。

新コーチ・兵頭が「退部候補」を読み上げ、その中にムードメーカー・島村真琴の名前がありました。大和や友則が必死に反対する一方で、キャプテン・ハルだけが兵頭の判断に賛成。ロッカーの空気は凍りつき、亜樹が感じていた“ハルの冷たさ”が現実味を帯びてくる瞬間でした。

亜樹の不安と、大和の恋の迷走

職場では、亜樹が百合と知佳に“恋愛契約”のことを打ち明けます。「ハルは恋愛をゲームにしている」「心が氷みたい」と言われ、亜樹は反論しながらも胸に小さな不安を抱えます。

一方で大和は、百合にセレブを装ってしまった本音をハルに見抜かれ、「本当の自分を言えない弱さ」を痛烈に突かれます。そこへ偶然帰宅した亜樹が加わり、3人でバー「フェイスオフ」へ。

大和が“好きだから嘘をついた”苦しさを吐き出すと、亜樹は「分かる」と寄り添い、「百合の価値観を変えてあげて」と優しく背中を押します。この静かな包容力が、彼女の魅力としてじんわり伝わってきました。

真琴の涙、ハルの拳

そんな穏やかな空気を破るように、真琴とチームメイトがバーになだれ込みます。

「辞めさせないでくれ」と真琴が涙ながらに訴えた次の瞬間、ハルは冷たく言い放ち、ついには人前で殴りつけるという暴挙に。キャプテンらしくない振る舞いに亜樹は怒り、「優しさとは何か」を問いかけます。

しかしハルは「俺はアイスマン」と笑い、感情を見せる気配すらありません。その場面は、ハルの“冷酷さ”が事実なのか、“何かを隠すための仮面”なのかを深く考えさせられる描写でした。

追い詰めるための“優しさ”

迎えた試合当日、真琴は半年前の怪我の恐怖からリンクに立つことすら怯えていました兵頭は「1アシストで残留」という無茶な条件を提示。ここでようやく、ハルが真琴を突き放していた理由が明らかになります。

彼は真琴の“恐怖に向き合う力”を信じ、敢えて追い詰めることで前へ進ませようとしていたのです。

試合終盤、真琴は体を張ってパスコースを開け、ハルのゴールを見事にアシスト。退部は撤回され、ハルからパックを渡され号泣する真琴の姿に、“冷たいキャプテン”像は一瞬で覆されました。厳しさの奥にある信頼――それこそがハルのリーダーとしての本質なのだと分かる名シーンでした。

ゆっくり近づく心と、製氷車の夜

ラストシーンは、照明が落ちた静かなリンク。製氷車に腰かける亜樹とハルが、ひんやりした空気の中でそっと寄り添います。「もう少し二人でいたい」という気持ちを素直に言えず、“メイビー”で誤魔化すふたり。

その曖昧で優しい距離が、ゲームだった関係がそっと恋に変わりつつあることを静かに知らせてくれる、胸に残るエンディングでした。

3話で判明する伏線

  • ハルが「一番を目指さない奴が嫌い」「諦めないで目指せ」と語る、極端な“プライド”の価値観
  • 高校時代、過酷な練習で問題となり、一人だけ責任を取らされて退部させられたというハルの過去
  • ハルの退部後に、もう1人チームを辞めたメンバーがいるという示唆(大和の本当の想いの伏線)
  • 島村真琴が、半年前の怪我が原因で相手選手を恐怖の対象として見てしまうトラウマを抱えていること
  • 兵頭が「1アシストで残留」という条件を出し、ハルと密かに真琴を成長させようとしていること
  • チームメイトたちが一度ハルをキャプテンとして否定し、友則を新キャプテンにしようとする流れ
  • 百合がお金やステータス重視の価値観を持ち、大和はそれを“変えるため”に嘘を重ねて付き合い始めること
  • 兵頭が容子に対して「ずっと一人でいてほしい」と口にするほどの感情を抱いていること
  • 亜樹が、元カレが戻らないことにホッとしてしまう自分の本音に気づくシーン(ハルへの気持ちの芽生え)
  • リンクでの製氷車デートで、ハルと亜樹が「もう少し二人でいたい」とゲームのルールを超える本音を漏らすこと

4話:男の友情と女の意地ーー嘘と本気がぶつかる夜

4話の幕開けは、ハルのドキュメンタリー映像。トレーニングルームでも総務課でも同じ映像が流れ、ハルはチームメイトに冷やかされ、亜樹は自分が映っていることに顔を真っ赤にして慌てる

ところがその和やかな空気は一瞬で破られ、ジムを出たハルの前に女子大生グループが現れ、「友だちが妊娠した、相手は里中だ」と突然ビンタを浴びせてきます。

事情を聞くために移動したバー「フェイスオフ」には亜樹たちも合流。妊娠したと訴える平田真理子は、合コンで“里中”と関係をもったと主張しますが、フルネームで呼んだのは「里中冬樹」。真理子が姿を現した瞬間に動揺したのはハルではなく友則で、相手は友則だったことが判明します。

大和の嫉妬、亜樹の怒り

翌日、友則は慰謝料の受け渡しに付き添ってほしいとハルに依頼。

ハルは軽く「いいよ」と引き受けますが、大和は「引退後に友則の実家へ転がり込むつもりだろ」と噛み付き、亜樹もその話を聞いて怒りを隠せません。

夜、訪ねてきたハルに対し、亜樹はドア越しに「ヌルい人とズルい人が嫌い」と感情をぶつけます。その言葉には、まっすぐな性格ゆえの正しさと、“ゲーム恋愛”を掲げるハルの曖昧さへの苛立ちがにじんでいました。

“愛の未経験”を暴かれるハル

一方でハルは、安西コーチの妻・容子に封筒を渡し、パートを辞めたと聞いたからこれからは自分が支えると申し出ます。

しかし容子には兵頭が新しい仕事を紹介しており、そこへ現れた兵頭は「死んだ亭主を思いながら生きさせるのは男のエゴだ」とハルを挑発。「お前は誰かを真剣に愛したことがあるのか」と突きつけ、ハルの“愛の未経験”が浮き彫りになります。容子をめぐる複雑な過去と、兵頭との対立がちらりと見える場面でした。

真理子との対決、亜樹の“女の意地”

その頃、ひとりで真理子のいるバーを訪れた友則は、金目当ての合コンサークル仲間に袋叩きにされ、「チームに迷惑をかけられない」と本気で退部を考えるほど追い詰められていました

ハルは傷だらけの友則を担ぎ出し、「うちらオフェンスだから」と言って再び彼女たちの元へ向かいます。車内でハルは、友則が社長の愛人の子として生まれ、認知もされず金だけで埋め合わせをされてきた過去を語り、「金じゃないものを求めてホッケーに来た本物のアイスマンだ」と亜樹に伝えます

その言葉には、友則への深い友情と、ハル自身が“本気の情”を理解していることが滲んでいました。

クラブでの対決シーンは、まさにサブタイトル回収。

妊娠が嘘だと発覚した瞬間、亜樹は真理子を平手打ちし、「女がつく嘘の中で一番ひどい」と一喝。合コン頼みで恋を語る彼女たちに、「女だったらね、出会いに運命求めなさいよ!」と叫びます。

失笑が起きても怯まずに立つ亜樹の“女の意地”が眩しい。真理子側の男に突き飛ばされた亜樹をハルが抱きとめ、さらに相手を殴り飛ばしたところで大和たちが駆けつけ、“氷の外の乱闘”が勃発します。

リンクに響く“胸へのタッチ”

翌日、青あざだらけで整列する選手たちを見て、兵頭は「偉そうに言ったが、自分も誰かを真剣に愛したことはなかった」とハルに告白。

その裏で容子は電話越しに「弱い人間は愛を語っちゃいけないの? 弱いから愛を語るのよ」と静かに訴え、待たせた男と待ちきれなかった女のすれ違いが匂わされます。

そしてラスト。試合を見に来た亜樹を見つけたハルは、リンクから視線を送り、仲間は亜樹を「あれは古き良き時代の女」と茶化しつつも「手放したら後悔する」と囁きます。

ハルと亜樹は、声にはしないまま左胸に拳を軽く当てる。それは“運命を信じる自分”と、“この出会いを大切にしたい”という思いをそっと交わす、静かで美しいラストシーンでした。

4話で判明する伏線

  • 平田真理子の「妊娠」は大学の合コンサークルが金づるを脅すためについた嘘で、標的は友則だったこと
  • 友則が社長の愛人の子として生まれ、戸籍上も認知されず、実家の会社を継ぐつもりがないとハルの口から語られること
  • 若い頃にグレて暴走族に入り、金をばらまいても虚しさが消えず、ホッケーに居場所を見つけた“本物のアイスマン”であること
  • ハルが「苦しんだり悲しんだりしたやつが好き」と語り、痛みから逃げない人への共感を見せることで、彼自身の過去と価値観のヒントが置かれること
  • 容子が兵頭の紹介で再就職し、安西への想いに区切りをつけて新しい一歩を踏み出そうとしていること
  • 兵頭と容子のあいだに「彼女を待たせた男」と「待ち切れなかった女」としての過去の関係があると匂わせる描写があること
  • 亜樹が「妊娠を装う嘘」を女の嘘の中で最悪と断じ、「女だったら出会いに運命を求めなさいよ」と、自身の恋愛観=プライドを強く宣言すること
  • ハルたちが合コンサークル相手に乱闘騒ぎを起こし、翌日に傷だらけでリンクに立つことで、チームとして“氷の外の戦い”も共有したこと
  • 兵頭が「自分も誰かを真剣に愛したことはなかった」と告白し、これからのキャラクター変化を予感させること
  • 試合前、スタンドの亜樹に視線を送りながらハルが左胸に拳を当て、仲間たちが「あんな女を手放したら後悔する」と語ることで、2人の関係が“ゲーム”から“運命”へ傾き始めていると示されること

5話:心の傷ーー罪を背負った男と、待てなかった女の告白

5話は、百合と知佳が仕掛けた“鍋パーティー作戦”から幕を開けます。

狙いはもちろん、亜樹とハルの距離を縮めること。百合は張り切って料理上手アピールを試みますが、味は残念な方向へ…。それでも大和がさりげなくフォローし、友則&知佳、大和&百合、そしてハル&亜樹と、それぞれのカップルがいい雰囲気になりかける、穏やかな夜でした。

空気が変わる“写真”と、暴かれた恋愛契約

場の空気が一変したのは、真琴が部屋に飾られた写真を見つけた瞬間。

写っていたのは、亜樹と“帰ってこない恋人”。そこでハルが、彼氏の存在を知ったうえで恋愛契約を結んでいるとあっさり暴露してしまいます。百合は怒り、亜樹も動揺。さらにハルへの非難を、

大和が「他人が口を挟むことじゃない」と制し、場の緊張は最高潮に。たった一言が、4人の関係を大きく揺らす回でした。

大和の“心の傷”が明らかに

その少し前、チームバスが“いつもの道ではない道”を通ったことで、大和は震え出していました。道路脇の花束を見たハルがカーテンで視界を遮る。その描写だけで、大和の心の傷がどれほど深いものかが伝わってきます。

リンクでは、いつも大和にだけヤジを飛ばす中年男性・江川の姿が。怒る真琴や友則とは対照的に、ハルと大和だけが妙に冷静で、その違和感が「何かあるのか」という視聴者の疑念へつながっていきます。

「人を殺した」ーー大和が背負ってきた罪

亜樹は大和の部屋を訪ね、「百合と別れたらしい」と聞き勇気を出して踏み込みます。そこで大和が口にしたのは、「自分は女の人と恋愛してはいけない人間」という言葉。そして続けたのは、「人を殺した」という衝撃の告白

動揺した亜樹がハルを問い詰めたことで、大和の過去が明らかに。バイク便のアルバイト中に子どもをはねてしまい、その子は帰らぬ人に。大和は罪悪感から逃げるようにホッケーを始め、“亡き少年の身代わり”として氷上に立ち続けていたのです。

江川は、その少年の父親でした。彼は「大和を憎むことで、息子を忘れずにいられた」と語りつつ、「本当は許している」とも口にする。ただ、母親だけはまだ許せない。その揺れがとても丁寧に描かれ、胸が締めつけられるシーンでした。

“待てなかった女”と“待たせた男”ーー容子と兵頭の告白

同じ回では、安西の妻・容子と兵頭の過去も明かされます。かつて二人は恋人同士。

しかし容子は“待てなくて”安西と結婚してしまった。兵頭は「待たせる男のほうが悪い」と言い、今になって胸の内を吐露する。
この“待てなかった女/待たせた男”の物語が、2年間帰らない恋人を待ち続ける亜樹の状況と静かに重なり、物語に深い痛みを与えています。

ハルが導いた“生き直し”

クライマックスで、ハルは大和を事故現場へ連れ出し、「ちゃんと向き合え。ここから生き直そう」と訴えます。

仲間たちがバスで迎えに来る中、一歩を踏み出せない大和の背中を支えるのは、ハルと亜樹の視線。その後の試合で懸命にプレーする大和を見守る江川夫妻や百合の姿は、涙を誘う名場面でした。

雪の夜、ふたりが共有した“本気”

ラスト、雪が舞う中、亜樹の部屋前で語り合うハルと亜樹。「この関係、うまくいきそうでいかない」と苦笑するハルに、亜樹は「それでいい」と微笑み、「もう本気になりかけてるでしょ」と核心を突く。

ハルが素直に「そうかもしれない」と認め、二人でビターなチョコを分け合うシーンは、ゲームだった関係が“恋”へと変わりゆく瞬間を美しく捉えていました。

5話で判明する伏線

  • 大和がバイク便のアルバイト中に少年を死なせてしまい、その罪悪感から“身代わり”としてアイスホッケーを続けている過去があること。
  • 毎試合ヤジを飛ばす江川が、事故で亡くなった少年の父親であり、「憎しみを手放せないまま、実は大和を許している」という複雑な感情を抱えていること。
  • 江川の妻がまだ大和を許せずにいる一方で、試合会場に足を運んでおり、今後の心情変化が示唆されていること。
  • 兵頭と容子の過去に「待たせた男」と「待てなかった女」という関係性があり、兵頭が“恋人と親友を同時に失った”という背景が語られること。
  • 容子が「待っていられなかった自分が悪い」と自分を責める一方、兵頭は「待たせる男の方が悪い」と語り、恋愛観の違いが今後の関係性に影響しそうなこと。
  • ハルが亜樹に対し、「この関係が苦しいなら言ってほしい」と、恋愛契約では見せなかった本音と弱さをちらりと見せること。
  • 百合と大和の別れの本当の理由が“大和の罪悪感”にあり、百合はそれを知ったうえで「待つ」と決める、もうひとつの“待つ女”の姿が描かれること。
  • ライバルチーム・グリーンモンスターの偵察が現れ、今後の対決やチーム成長への伏線が張られていること。
  • ハルが大和に「ちゃんと手を合わせて、ここから生き直そう」と促し、過去と向き合う重要性を説く姿が、のちのハル自身の“心の傷”への伏線となっていること。
  • 雪の中で亜樹が「もうハルは私に本気になりかけてる」と核心を突き、ハルも否定しきれないラストが、ゲームだった関係が“本気の恋”へ移行していく転換点になっていること。

6話:母へーー凍った心が「さよなら」と言えた夜

ドキュメンタリー放送と、揺れ始めるリンクの外側

第6話は、ハルのドキュメンタリー番組の放送から始まります。

リンクでの姿や素顔が映し出され、ブルースコーピオンズへの注目度は一気に上昇。王者グリーンモンスターズの選手たちが偵察に現れ、バー「フェイスオフ」では挑発的な空気が漂います。センターの玲志が兵頭をスカウトに来たと宣言する一方で、ハルだけは静かにグラスを傾けていました。

二十年ぶりの母からの電話と、再会への不安

ハルの心を占めていたのは、「里中ハルの母」と名乗る一本の電話。幼い頃に姿を消した母・千恵子からの連絡でした。「二人きりだとひどいことを言ってしまいそうだから」と、ハルは亜樹に同席を頼みます。強いキャプテンの顔の裏に、捨てられた子どもの不安が透けて見える瞬間です。

甘すぎる再会と、亜樹が受けた違和感

二十年ぶりに再会した千恵子は驚くほど軽やかで、ハルは恋人のような距離感で接します。「全然恨んでない」と笑う姿は、亜樹の目には幼い子どものままに映りました。あとで大和に「ショックだった」とこぼすほど、その光景は彼女の胸に引っかかります。

兵頭と容子が背負う、待たせた男と待てなかった女の過去

同じ頃、兵頭は容子に就職祝いを渡しながら「今もあなたが好きだ」と告白します。亡き安西をめぐる三角関係が、ハルと母の関係と重なるように描かれ、大人たちの過去の選択が静かに浮かび上がります。

金の無心と、母への怒りが爆発する瞬間

リンクのスタンドで、千恵子は亜樹に「お金に困っている」と打ち明け、「ハルには言えないから頼んでほしい」と頭を下げます。ハルを守ろうとした亜樹の忠告に、ハルは「お前に何がわかる」と激昂。母への執着と恐怖が、一気に噴き出した場面でした。

東京駅で見た“母ではない姿”と、静かな別れ

それでもハルは母のために大金を用立てます。

しかし帰り道、東京駅で見知らぬ男と楽しげに談笑する千恵子を目撃。声をかけられず立ち尽くすハルに、千恵子は近づかず「ありがとう、ハル」とだけ告げて去っていきます。この一言が、彼にとっての本当の別れでした。

契約が終わり、本物の恋が始まった夜

その夜、ボロボロになったハルは亜樹の部屋へ。言葉にならない不安を抱えたまま彼女の胸に顔を埋めるハルを、亜樹は黙って抱きしめ返します。キスを経て、二人はついに結ばれる。ゲームだった関係が、本物の恋へ変わった瞬間でした。

6話は、ハルが母への未練に区切りをつけ、「さよなら」を言えた夜であり、同時に誰かを本気で信じる一歩を踏み出した回だったと思います。

6話で判明する伏線

  • ドキュメンタリー番組の放送をきっかけに、ブルースコーピオンズが一気に注目され、王者グリーンモンスターズから偵察される存在になったこと
  • グリーンモンスターズのセンター・山本玲志がオーナーの息子であり、兵頭コーチの引き抜きを狙っていること
  • ハルの母・千恵子は、幼い頃に若い男と蒸発した人物で、20年ぶりの再会の目的が“金の無心”であったことが示されること
  • ハルが千恵子に対して恨みよりも甘えを優先し、恋人のような距離感で接していることから、「乳離れしていない子ども」の側面が浮き彫りになること
  • 千恵子がリンクのスタンドで亜樹に「自分では言えないから、ハルにお金が必要だと伝えてほしい」と頼み、亜樹が板挟みになる構図が描かれること
  • 兵頭が容子に就職祝いを渡しつつ、「今もあなたを想っている」と現在の気持ちをはっきり伝え、二人の関係がまだ終わっていないと示されること
  • 東京駅の階段で、千恵子を“母ではなく一人の女”として見たハルが、呼び止めずに立ち止まり、「自分から母の元を去る」選択をしたこと
  • 千恵子が今後もハルと距離を置くつもりであることが、「これからも電話していい?」という言葉を遮る「ありがとう、ハル」という返答から匂わされること
  • ハルが心の拠り所を完全に失った夜、亜樹の部屋で子どものように甘え、二人がついに肉体的にも“ゲーム”を越えて結ばれること
  • ハルと亜樹の関係が進んだタイミングで、グリーンモンスターズ側の動き(兵頭スカウトや玲志との因縁)が表面化し、今後の恋愛とスポーツ両面での波乱を予感させること

7話:波乱ーー幸せの頂点で鳴った“もしもし”

恋人になった二人と、日常に入り込む未来の気配

7話の冒頭、ハルと亜樹の関係はすっかり“恋人モード”に入っています。

前回の夜を経て距離は縮まり、亜樹は昼休みに料理本を読みながら、ハルのための手料理を研究中。恋愛を「ゲーム」と割り切ってきた二人が、少しずつ生活や未来を共有し始めていることが、ささやかな描写から伝わってきます。

百合と大和に走る、価値観のズレ

百合と知佳に誘われて訪れたデパートでは、ウェディングコーナーでの記念撮影がひとつのきっかけになります。

そこで出会ったのが、グリーンモンスターズのセンター・山本玲志。裕福な背景を持つ彼に、百合の視線が揺れる一方、大和との関係には目に見えない亀裂が入り始めます。

夜の誕生日パーティーでそのズレは決定的になり、百合は玲志の車で去ってしまう。この場面は、「好き」だけでは埋まらない価値観の差を突きつける瞬間でした。

酔った本音と、言ってはいけない一言

泥酔した大和をアパートに送り届けたあと、亜樹はひとりで彼に寄り添います。

祝福の言葉の裏で、大和が漏らしたのは「忘れられない人がいるだろ」という本音。亜樹は平静を装いながらも、思わず「その人、日本に帰ってくるらしい」と口を滑らせてしまいます。幸せな時間の中に、静かに不安の種が落とされる、苦い場面でした。

兵頭と容子が語る“賭け”

一方、兵頭は容子と墓参りをしながら、ハルに賭けている思いを打ち明けます。

自分には見えなかったものを、ハルなら見せてくれるかもしれない。その期待と野心が、次なる嵐を予感させます。容子に対し、ハルは「上手くいっているほど不安になる」と正直な弱さを吐露し、恋愛をゲームにしてきた理由が、恐れからだったことが浮かび上がります。

幸せの頂点で鳴った電話

ラスト、昼休みのオフィスで料理本を眺める亜樹に一本の電話が鳴ります。

受話器を取った瞬間、表情が凍りつく亜樹。2年間待ち続けた恋人・夏川啓介からの声でした。幸福の絶頂で響いた“もしもし”は、ゲームで始まった恋に本物の嵐が迫っていることを告げる合図。7話は、その余韻だけを残して幕を閉じます。

7話で判明する伏線

  • ハルと亜樹の関係が“ゲーム”を超えて本気の恋に近づき、亜樹が料理本でハルのための手料理を研究するなど、日常レベルでの親密さが描かれること
  • デパートのウェディングコーナーで撮影したインスタント写真をきっかけに、百合とグリーンモンスターズのセンター・山本玲志が出会い、「本物の金持ち」への憧れが百合の中で膨らみ始めること
  • ハルのサプライズ誕生日パーティーで、百合が玲志を同伴して現れ、大和と大喧嘩した末に玲志の車で去ることで、百合と大和のカップルに決定的な亀裂が入ること
  • 泥酔した大和を慰める亜樹に対し、大和が「ハルと亜樹を祝福しつつも、亜樹には忘れられない人がいると心配していた」と語り、その“彼氏”が日本に帰ってくるらしいと漏らしてしまうこと
  • 兵頭が安西コーチの墓前で、日本に帰国した理由が「ハルのプレー映像に、自分には見えないものが見えるかもしれないと感じたから」だと明かされ、ハルを“氷の女神”へ導くキーマンであることが強調されること
  • 容子が「夫や兵頭がハルに賭けていることへの嫉妬」を吐露し、ハル自身も「恋愛が上手くいくほど不安になる」と打ち明けることで、彼の愛へのトラウマと今後のすれ違いの種がはっきり言語化されること
  • 亜樹が大和に「待っていた彼氏のことはもういい」と告げた直後に、実際にはその恋人・夏川啓介が日本に戻ってきていると知らされる、“言葉と現実のズレ”が描かれること
  • エピソードのラストで、昼休みのオフィスに夏川からの電話がかかってきて、亜樹の時間が再び“過去の恋”に引き戻される構図が提示され、次話の橋の再会シーンへの強烈な予告となっていること
  • 夏川啓介が本格的に物語に参戦することで、「春(ハル)・夏(夏川)・秋(亜樹)・氷上の冬」という“四季”の名前遊びがはっきりと形を持ち始め、三角関係の本番がここから始まること

8話:悲劇ーー渡せなかった鍵と、崩れ落ちるプライドたち

合鍵が象徴する「本気」と、すれ違った夜

8話の象徴は、やはり“合鍵”です。ハルが亜樹へのプレゼントに選んだのは、自分の部屋のスペアキー。「ここが君の居場所だよ」と無言で伝える、彼なりの最大級の覚悟でした。

けれど、思い出の橋で亜樹を待っていたのは、2年間待ち続けた恋人・夏川。ハルが鍵を握りしめて駆けつけたとき、亜樹はすでに夏川の胸へと歩いていきます。ポケットに残された合鍵が、そのまま渡せなかった想いの重さを突きつけるようでした。

笑顔の裏で進む、ハルの決別

翌日、「フェイスオフ」に集まった仲間たちの前で、友則が半ば冗談めかして「ハル、フラれました!」と発表します。

場を盛り上げるように笑うハルは、一見すると吹っ切れた男前キャプテン。しかし帰りの車内で亜樹にだけ、「あれは気を遣わせないための演技だった」と打ち明け、「これで本当に終わりにしよう」と告げる姿が、痛いほど切なく胸に残ります。

大和と百合、見栄が壊した恋

同時に、恋愛班のもう一組・大和と百合にも亀裂が入ります。

安いうどん屋を嫌がる百合に違和感を覚えつつも、大和はどこか落ち着かない。やがて百合は、大和が乗っていた高級車が借り物だったと知り、「好きだからこそ見栄を張った」という正直な告白も受け止めきれず、扉を閉めてしまいます。ここでもまた、プライドが本音を覆い隠す結果になってしまいました。

亜樹の迷いと、言葉にならない後悔

コインランドリーでの亜樹と大和の会話も印象的です。

「ハル、ショック受けてたよ」と聞かされ、亜樹は「私だってショックだった」とぽつり。なぜあの瞬間、ハルではなく夏川を選んだのか自分でも分からない。

それでも「選んだことに後悔はない」と言い切る亜樹の言葉と本心のズレが、静かに胸を締めつけます

プライドが愛を遠ざける瞬間

ハルの部屋では“大和の失恋パーティー”が開かれ、友則が酔った勢いで「プライドなんて捨てて追いかければよかった」とハルを責めます。ここで初めて、プライドがハルの強さであると同時に、愛を掴む機会を奪う刃にもなっていることがはっきり描かれました。

崩れ落ちる予兆としてのラスト

さらに重なるのが、兵頭コーチとライバル・山本玲志の密会

ハルを覚醒させるため、あえてチームを叩きのめすという狂気じみた選択。そしてその直後、山本に呼び出された大和は、百合を“ゲーム”のように扱う態度に耐えきれず追いかけ、転落事故を起こしてしまいます。

恋も友情も、そしてホッケーも。誰もが守ってきたものが、この8話で一気に音を立てて崩れ始める。その始まりが、渡せなかった一本の鍵だったことが、あまりにも残酷で、美しいエピソードでした。

8話で判明する伏線

  • 夏川と亜樹の再会をハルが目撃していること
    (夏川がハルの存在に気づく可能性、のちの疑念やDV展開の種になる)
  • 亜樹が「なぜ自分が夏川を選んだのか分からない」とこぼす自己矛盾
    (後の心の崩壊と、恋の選び直しにつながる重要な内面の伏線)
  • 兵頭がグリーンモンスターズにチームデータを渡す決断
    (スコーピオンズの完敗と、“氷の女神”覚醒へ向かうための布石)
  • 大和と百合の決裂、そして山本の「遊び」宣言
    (大和のエスカレーター事故と、その後のリハビリ編へ続く導入)
  • 友則の「プライドを捨ててでも引き止めるべきだった」という言葉
    (最終盤でハルが“プライドよりも愛”を選ぶ流れへの前振り)

9話:号泣ーー「名もなき戦士」と殴られた恋

大和の事故が突きつける、取り返しのつかない現実

試合中の事故で大和が緊急搬送され、ハルたちは病院へ駆けつけます。

手術は成功したものの、脊髄を損傷しており、リハビリで回復してもアイスホッケー選手としての復帰は極めて難しいと告げられる。いつもなら冗談で空気を和ませるハルが、眠る大和を前に一言もかけられない沈黙。その重さが、この回の感情を支配していました。

「名もなき戦士」の告白と、キャプテンの揺らぎ

皆が病室を出たあと、ハルと大和は二人きりになります。

「なんでホッケー始めたの?」という問いに、ハルは、報われなくても氷に立ち続けてきた自分たちは“名もなき選手”だと語る。それを受けて大和は、自分は途中で消えていく名もなき戦士だと静かに告白し、もう背中を押せないことを詫びます。冗談で返そうとして言葉を失うハルの姿が、痛々しいほど切ない。

リンクでは真琴がゴーリー役を志願するものの、ハルは気力を失ったまま。友則に「今こそキャプテンが立て」と叱咤され、ハルは「大事な人が次々いなくなる」と本音を漏らします。母、亜樹、そして大和。笑いで返されるその場面が、かえって胸に刺さります。

亜樹が背負う“責任”と、暴力の現実

一方の亜樹は大和を見舞い、容子との会話で、自分がハルに本気になってしまったことを見抜かれる。夏川の元に戻った理由も、待たせてきた二年の責任を取らなければならないと思ったからだと明かします。

しかし家では、婚約指輪を用意した夏川が待っていた。けじめをつけたいという彼の誠意を、亜樹は受け取れない。ハルを加害者のように扱う夏川に反論した瞬間、怒りは暴力へと変わり、亜樹は壁に叩きつけられてしまいます。恋の選択が、現実の恐怖に直結する瞬間でした。

ハルの理解と、抑えきれない怒り

翌日、体調不良で会社を休んだ亜樹は定食屋でハルと再会します。

帽子を取った瞬間に見える傷跡に、ハルは全てを悟る。冗談めかした言葉とは裏腹に、目に宿るのは怒りと悲しみ。その足でハルは夏川のもとへ向かい、感情のままに殴りかかってしまう。

恋も友情も誇りも、守ろうとしたものが次々と壊れていく第9話。号泣と暴発が重なり、次回の留置場パートへと物語は否応なく進んでいきます。

9話で判明する伏線

  • 大和の怪我が「下半身ほぼ麻痺」であり、リハビリで回復しても選手としての復帰は極めて難しいと明言されること
    (のちの奇跡的復活シーンの土台になる)
  • 大和が自分を「途中で消えてしまう名もなき戦士」と位置づけ、ハルの背中を二度と押せないと謝ることで、彼の復帰と“最後の檄”への伏線になること
  • 真琴が正式にキーパー練習を申し出て、ブルースコーピオンズの新ゴーリー候補として動き出すこと
    (大和不在での終盤戦に向けた布石)
  • ハルが「大事な人間が次々いなくなる」と漏らし、友則が「氷の女神に嫉妬されているのでは」と返すやり取りが、最終回の“氷の女神を見る”シーンを強く意識させること
  • 容子が、ゲームで始まったハルと亜樹の恋が本気になっていると確信し、あえて亜樹から「なぜ夏川の元に戻ったか」を聞き出すことで、後の“告訴取り下げ”に深く関わる伏線になっていること
  • 亜樹が「ハルとのことを夏川に許してもらうつもりはない」と言いながら、それでも夏川の元に戻った理由を語るシーンが、最終的に夏川との結婚を選ぼうとする流れの原点になっていること
  • 夏川が、ハルの言葉を「全部嘘だ」と決めつけ、事実をねじ曲げてでも自分のプライドを守ろうとする性格が、10話以降の告訴騒動に直結していくこと
  • 亜樹が夏川から受けた暴力によって顔に傷を負い、それを隠すように帽子を目深にかぶっている描写が、ハルの怒りの爆発と留置場パートへの伏線になっていること
  • 百合が大和のお見舞いに来ず「次の恋を探したい」と口にする一方で、大和がなおも彼女への想いを捨てきれていないことが、10話以降の“より戻し”展開への種になっていること

10話:希望ーー留置場の底から見えた光と、「結婚します」の一言

留置場から始まる“希望”の物語

10話は、どん底に落ちたハルの姿から始まります。

夏川を殴ったことで留置場に入れられ、兵頭からも突き放され、「オレ、プライドなくしたんです」と力なくつぶやくハル。事件が表に出れば選手生命は終わり――そう分かっていながら、これまで自分を支えてきた“誇り”すら信じられなくなっている姿は、見ていて胸が痛みました。

そこに差し出されるのが、大和からの長い手紙。

退部になった高校時代、安西コーチに拾われたことを“運命”だと信じてきたこと、そして「強い気持ちがあれば、まだチャンスはある」という言葉。あの手紙は、大和自身のリハビリ宣言であり、同時にハルへの“希望のパス”でした。

仲間がつなぐリンクへの道

手紙を読んだハルは、留置場の中で黙々とトレーニングを始めます。同室の加賀美とのやり取りを通して、母に捨てられた過去を持つハルが、「産みたいなら産ませてやれ」と背中を押す場面は、彼が“親になる覚悟”を語る重要なシーンでもありました。

一方リンクでは、キャプテン不在のブルースコーピオンズを友則がまとめ上げます。「ハルと大和が戻る場所を空けたまま勝ち続ける」という檄に、真琴たちが応える姿は、チームそのものが希望を背負っているようでした。大和が一か月後の復帰を目指してリハビリを始めたと語られることで、タイトルの“希望”がより現実味を帯びてきます。

告訴取り下げと、亜樹の選択

会社では亜樹が兵頭と冴子に呼び出され、夏川への告訴取り下げを頼まれます。

亜樹は「頼まれなくてもそうするつもりでした」と答えますが、その裏には「彼にはホッケーしかない」という切実な思いがありました。容子が「たかが女なんて言わせない」と釘を刺す場面も含め、男社会の論理と、ひとりの女性の決断が強く対比されます。

亜樹は夏川のもとへ向かい、恋愛感情とは切り離した上で「彼からホッケーだけは奪わないでほしい」と頭を下げます。DVを受けた直後にもかかわらず、そこまで言わなければならない現実が、彼女の強さと脆さを同時に浮かび上がらせていました。

「結婚します」が残した余韻

告訴は取り下げられ、ハルは大和の病室を経て再びリンクへ。

試合後、兵頭から「世界を目指す条件」を聞かされ、物語は恋愛から大きな舞台へと広がっていきます。仲間の前で禊としてボディーブローを受ける場面は笑いを誘いながらも、ハルの葛藤がにじむ印象的な一幕でした。

そしてラスト、亜樹は容子と知佳に「結婚することにした」と告げます。安定した選択を自分に言い聞かせるような表情は、決して晴れやかではありません。アパート前で交差するハルと亜樹。祝福と本音が交錯する短い会話は、「プライドを捨てることも、またプライド」というテーマを強く残しました。

希望とは、必ずしも幸福な未来の約束ではない。それぞれが違う形の希望を胸に動き始めた回――それが10話だったと感じます。

10話で判明する伏線

  • 大和の手紙によって、高校時代に退部となった過去と「強い気持ちさえあれば、自分にもハルにもチャンスは来る」という信念が語られる
    これが最終戦での奇跡的復帰と、“名もなき戦士”として最後まで戦い抜く姿勢につながっていく。
  • 留置場での加賀美との会話を通して、ハルが「母親が産みたいと言うなら産ませてやれ」と語る
    母に捨てられた過去を持つ男が、“誰かの人生を守る側”へ変わり始めていることが示される。
  • 友則がキャプテン代行として「ハルと大和が戻るまで勝ち続ける」とチームを鼓舞する
    二人の復帰を前提に、ブルースコーピオンズが最終決戦へ進んでいく流れが明確になる。
  • 兵頭が亜樹に深々と頭を下げ、夏川に告訴取り下げを頼んでほしいと懇願する
    「リンクのために女を犠牲にする」価値観と、それに異議を唱える容子の立場がはっきり対比される。
  • 容子が「亜樹が不利益を被っているのでは」と疑い、実際に亜樹が夏川に“何らかの条件”を提示して告訴取り下げを納得させたことが示される
    これが、後に亜樹が「結婚する」と決断する流れの伏線になっている。
  • 兵頭が、安西とともに「ハルをNHL・マディソンスクエアガーデンのセンターに立たせる」という夢を抱いていたことが明かされる
    その条件として、グリーンモンスターズ撃破が課され、最終回の大一番への布石となる。
  • ハルがフェイスオフで「禊ぎをしたい」と宣言し、仲間全員から殴られるシーン
    彼の罪悪感と「リンクに戻る資格があるのか」という揺れ、そして最終的にチームを離れカナダへ向かう決意への前振りになっている。
  • 百合が大和のリハビリに付き添いながらも「よりを戻したわけじゃない」と線を引く描写
    二人の関係再構築と、“大和の新しい人生”のスタートを予感させる。
  • 亜樹が容子と知佳に「夏川と結婚する」と告げ、ハルとの時間を「写真一枚の思い出」としようとする
    その一方で本心では揺れている様子が描かれ、最終回での“選び直し”につながっていく。
  • ラストで亜樹がハルに「ハルに合う女はいない。自分は誰も愛そうとしない」と告げ、泣きながら部屋に入っていく
    二人が一度は完全に別の道を選んだこと、そしてそれでもどこかで繋がり続けていることを示す重要な締めとなっている。

11話(最終回):愛という名の誇り――「待つ女」をやめた亜樹と、“凛々しく生きる”と決めたハル

最終回を見終えたあと、胸に残ったのは単なる感動や爽快感ではなく、静かに熱を帯びた余韻でした。「プライド」というタイトルが、ここまで丁寧に回収されるとは思っていなかった、というのが正直な気持ちです。

留置場の底で見つけた“希望”

物語は、留置場にいるハルから始まります。

夏川を殴ったことで拘束され、「プライドをなくした」と自嘲するハル。事件が公になれば選手生命は終わりかもしれない。その現実に直面し、これまで強がりで固めてきた男が、初めて自分を信じられなくなっている姿は痛々しいほどでした。

そこに届くのが、大和からの手紙。高校時代に退部になった過去、それでも安西コーチに拾われ、運命だと信じてきたこと。「強い気持ちさえあれば、またチャンスは来る」。この言葉は、大和自身のリハビリ開始の宣言であり、同時にリンクから遠ざかったハルへの“希望のパス”でもありました。

チームが示した「戻る場所」

一方リンクでは、キャプテン不在のブルースコーピオンズを友則がまとめ上げます。

「ハルと大和が戻るまで勝ち続ける」。その言葉に真琴たちが応える姿は、チームが単なる勝敗を超えた“居場所”であることを強く印象づけました。大和がリハビリ中であることも語られ、物語は「再生」へと舵を切っていきます。

亜樹の選択と、容子の覚悟

亜樹は、兵頭とマネージャーから夏川への告訴取り下げを頼まれます

「リンクのため」という大義名分の裏で、犠牲になるのはいつも女である現実。そこに容子が割って入り、「亜樹が不利益を被るかもしれない」とはっきり釘を刺す場面が、強く胸に残りました。

それでも亜樹は、自分の意思で夏川と向き合います。恋愛感情とは切り分けながら、「ホッケーだけは奪わないでほしい」と頭を下げる彼女の姿は、強さと弱さが同時に存在する、とても人間的な選択でした。

優勝決定戦と“氷の女神”

グリーンモンスターズとの優勝決定戦。

ハルは仲間たちに「自分はいない来季でもチームは大丈夫だ」と鼓舞します。そこには、リンクにすがる男ではなく、未来を託す覚悟がありました。

試合は劣勢から始まりますが、満身創痍の大和がリンクに立ち、流れを変える

そして亜樹が会場に現れ、ハルの名を叫んだ瞬間、彼は“氷の女神”を見る。怒涛の展開の末、ブルースコーピオンズは悲願の優勝を果たし、ハルは世界への切符を手にします。

別れと再会、そしてプロポーズ

試合後、亜樹は夏川から解放されます。

彼の過去の過ちと、「愛する人のところへ行け」という言葉。結果的に、最も誠実だったのは夏川だった、という皮肉もこの物語らしい余韻です。

ハルと亜樹は一度、それぞれの道を選びます。
「一緒に来てくれ」とは言わないハル、「待つ」とは言わない亜樹。互いに自立したまま生きる選択は、大人の恋の形でした。

そしてラスト。

日本でスケートを続ける亜樹の前に現れたハルが、軽口を交わしたあとに告げる「一緒にカナダに来てくれない?」というプロポーズ。仲間たちが仕掛けた花火の中で交わされるキスは、王道でありながら、この物語にふさわしい締めくくりでした。

「誰かのためにプライドを折る」のではなく、「誇りを抱えたまま、誰かと生きる」。それが、このドラマが最後に示した“愛という名の誇り”だったのだと思います。

11話(最終回)で判明する伏線

  • 亜樹が、夏川との「結婚」を条件にハルへの告訴取り下げを成立させていたことが、容子の口から明かされる
    これにより、10話まで描かれてきた亜樹の苦しい選択と自己犠牲の裏側が、はっきりと言語化される。
  • 友則と知佳が夏川に「2年間も亜樹を放っておけた理由」を問い詰めたうえで、「ハルに譲ってほしい」と頼む
    このやり取りが、後のチャペルでの浮気告白と婚約破談へと直結していく流れになる。
  • 兵頭の視力悪化と辞表提出が具体的に示され、ハルが「その時には容子さんがそばにいた方がいい」と伝える
    その言葉がきっかけとなり、最終的に容子が兵頭を支える決意を固める伏線になっている。
  • 最終決戦でハルが語る「1点取られてからが勝負」「モンスターズの守りは自分が砕く」という作戦
    山本の先制点からハルの大反撃という展開を通して、兵頭と安西が託した“氷の女神”とNHLへの夢が回収される。
  • 大和が無理を押して最終戦のリンクに立ち、短い時間でチームに流れを呼び戻したあと、再び第一線を退く
    彼が「名もなき戦士」として、最後までハルたちの背中を押す役割に落ち着く未来が示される。
  • 真琴がハルからの“置き土産”として、背番号9・ネーム「MAKOTO」のユニフォームを受け取る
    シーズン中に続けてきた自主練や禁酒・禁煙の努力が報われ、次世代キャプテンとしてバトンを継ぐ伏線になる。
  • ハルがNHLでつける背番号11が、かつて兵頭がスコーピオンズで背負っていた番号だと明かされる
    安西・兵頭からハルへと受け継がれてきた“ホッケーの誇り”が、数字という形で象徴される。
  • 日本に残った亜樹が「もう二度と『待ってる』とは言わない」とハルを見送ったあと、仕事とスケートに打ち込む
    夏川との失敗を繰り返さないために、“誰かを待つ人生”ではなく“自分の人生を生きる選択”をした伏線となる。
  • ラストで、友則がリンクを貸し切り、花火まで準備していたことが明かされる
    最終シーンの「二人だけのリンク」と花火付きのキスが、仲間たちの祝福と「Love & Fight」の集大成として用意された舞台だったと分かる。

ドラマ「プライド」主要キャスト・登場人物相関

ドラマ「プライド」主要キャスト・登場人物相関

「プライド」は登場人物が多く見えるけれど、軸は意外とシンプルです。

①ハル×亜樹×夏川の恋愛ライン、②ブルースコーピオンズ(チーム)の絆、③大人たちの過去の因縁

この3つだけ頭に入れておけば、全話ネタバレに入っても迷子になりにくいです◎

恋愛の中心人物(ここが一番ドラマを動かす!)

里中ハル(木村拓哉)
ブルースコーピオンズのエース。恋は“ゲーム”派で、強がりがデフォルト。口癖の「メイビー」で本音をはぐらかしてきたのに、亜樹と出会ってからそのルールが少しずつ崩れていきます。

村瀬亜樹(竹内結子)
スポンサー企業で働くOL。2年間待ち続けた恋人がいる“待つ女”。優しくて真面目で、自分の気持ちを後回しにしがちだからこそ、ハルのまっすぐさに心が揺れてしまうんですよね…。

夏川啓介(谷原章介)
亜樹が待ち続けた恋人。突然帰国して、物語を一気に“波乱”へ引きずり込む存在。亜樹の「過去」であり、ハルと亜樹の「今」を試す火種にもなっていきます。

ブルースコーピオンズ(チーム)側の主要メンバー

堀田大和(坂口憲二)
チームのゴーリー。穏やかで優しいのに、心の奥に大きな罪悪感を抱えている人物。彼の“背負い方”が、後半に進むほど胸に刺さってきます。

池上友則(市川染五郎)
ムードメーカーであり、いざという時に本質を突く“正論担当”。軽口の中に仲間への愛が詰まっていて、気づくと泣かされる男です。

島村真琴(佐藤隆太)
チームの若手ポジション。明るくてノリがいいのに、ピンチの時ほど体を張るタイプ。物語が進むにつれて存在感が増していきます。

園田冴子(滝沢沙織)
チームを支える運営側の人間。選手の熱さと“大人の事情”の間で動くので、物語に現実味を持ち込む役割も担っています。

※みんなが集まるバー「フェイスオフ」は、チームの“家”みたいな場所。恋も友情もケンカも、だいたいここで加速します。

大人たちの因縁(ここが物語の“裏の心臓”)

兵頭雄一郎(佐藤浩市)
スコーピオンズのコーチ。冷たく見えるけれど、勝利と才能に対して誰よりも執着している人。ハルを“覚醒”させるためなら、ときどきかなり非情な手も使います。

安西容子(石田ゆり子)
亡き安西コーチの妻で、ハルの理解者。亜樹を支えたり、ハルの弱さをズバッと見抜いたり…この人がいるだけで物語の温度がぐっと上がります。

安西健吾(時任三郎)
ハルが心から尊敬した元コーチ(すでに故人)。彼の言葉と存在が、ハルの生き方や恋愛観にずっと影を落とし続けます。

亜樹の友だち(恋をかき回すのも、救うのもこの2人)

相澤百合(中越典子)
亜樹の親友。玉の輿願望もあるけれど、情が深くて“友だちの恋”に本気で腹を立てられる子。かわいいのに、時々ズシンとくることを言います。

石川知佳(MEGUMI)
亜樹の親友で辛口担当。現実をちゃんと見ている子だからこそ、修羅場で放つ言葉が刺さる…!

ライバル&波乱の火種(後半の加速装置)

山本玲志(山下徹大)
ライバルチーム「グリーンモンスターズ」のエース。挑発的で勝利至上主義。ハルにとって“氷の上の壁”のような存在です。

加賀美浩(新井浩文)
あるきっかけでハルと関わる青年。ハルの言葉が“誰かの人生”に刺さってしまう感じが、終盤の余韻を濃くしてくれます。

プライドに出てくる「安西コーチ」の死因

プライドに出てくる「安西コーチ」の死因

「安西コーチって、結局どうして亡くなったんだっけ?」と、見返すたびに気になる人も多いと思います。

結論から言うと、劇中では具体的な病名は明言されていません。ただし、公式情報や作中描写を丁寧に拾っていくと、死因の“方向性”はかなりはっきり示されています。

安西健吾は「病気で入院」していた(=事故死ではない)

第1話の冒頭、安西健吾は病院の病室に入院しており、そこへハルが見舞いに行くシーンが描かれています。
この時点で、すでに彼は入院治療が必要な状態だったことが分かります。

さらに、同じ公式あらすじの中で安西健吾について、

  • コーチになってから酒を飲みすぎて身体を壊していた

という説明がはっきりと書かれています。

そして第2話では、ハルが安西容子の家を訪ね、兵頭が「健吾の焼香に来ただけだ」と口にすることで、すでに亡くなっていることが示されます。

作品情報を整理すると、

  • 第1話の時点で病気による入院中
  • コーチ就任後、過度の飲酒で体調を崩していた
  • 第1話の終盤までに亡くなり、第2話では葬儀(焼香)が描かれる

という流れになります。

つまり、安西コーチの死因は、病名こそ語られないものの、過度の飲酒によって体を壊し、入院中に亡くなった病死と受け取るのが、もっとも自然な解釈です。

なぜ「病名」をあえてぼかしたのか(私なりの考察)

安西健吾の死は、医療ドラマのように「何の病気だったのか」を突き止めるための設定ではありません。
この出来事が持つ意味は、ハルにとっての“象徴性”にあります。

安西健吾は、

  • “アイスマン”と呼ばれるほどの名選手だった
  • しかし怪我によってホッケーを断念した
  • その後、酒に溺れ、身体を壊していった

という過去を背負った人物でした。

この人生の流れは、ハルの生き方と強く重なっています。

  • ホッケーだけに全てを賭ける
  • 恋愛や人間関係を「ゲーム」にして距離を取る
  • 大切なものから逃げることで、自分を守ろうとする

ハルのこうした価値観は、安西健吾という“強くて壊れた大人”を間近で見てきた影響が、確実にあるように思えます。

だからこそ、安西コーチの死因は具体的な病名で説明されない。
それよりも、

  • 強く見えた大人でも壊れてしまう
  • 誇りや才能だけでは、自分の人生を守りきれない

という現実を、静かに突きつける役割を果たしていたのではないでしょうか。

安西健吾の死は、ハルにとって「恐れるべき未来の姿」であり、最終回でハルが“メイビー”を捨て、“マストビー”を選ぶ決断へと向かうための、とても重要な起点だったように感じます。

恋愛軸で整理する「ハル×亜樹」感情の変化(時系列まとめ)

恋愛軸で整理する「ハル×亜樹」感情の変化(時系列まとめ)

全話ネタバレを読んだあとって、「結局ふたりの気持ち、どのタイミングでどう変わったの?」って整理したくなりますよね。

ここではホッケーの話はいったん脇に置いて、ハル×亜樹の恋愛だけを抜き出し、感情の流れを時系列でまとめます。
(読み返すと分かるけれど、この恋って“出来事”よりも“気持ちのズレ”が積もって壊れて、そしてもう一度選び直していくんです…)

出会い:契約/ゲーム

(「メイビー」で逃げる男と、「待つ女」の出会い)

最初のハルは、恋愛をまともに扱う気がない。

自分の感情を傷つけないために、恋を「ゲーム」にしておけば安全だと思っている人です。

一方の亜樹は、恋愛に対して真面目で、信じた相手を簡単に手放せない。2年間待ち続けてきた恋人(夏川)がいるから、ハルの軽さや強引さに対しても、どこか「そんなのに乗れない」距離感がある。

だからこの時期のふたりは、恋を始めたというより、“ハルのルール”に亜樹が巻き込まれていく感覚に近い。

  • ハル:近づくけど、本気は見せない(=メイビーで誤魔化す)
  • 亜樹:気になるけど、踏み込めない(=自分を止める)

この時点で、すでに恋が噛み合っていないのに、なぜか離れられない“引力”だけは生まれている。そこが、この恋のいちばん怖いところです。

距離:日常が入ってくる

(ゲームのはずが、生活が混ざってしまう)

ハルの“ゲーム”が崩れ始めるのは、派手な告白や事件じゃなくて、もっと地味な瞬間。
ふたりの間に、少しずつ生活の匂いが入り込んでくるんですよね。

たとえば、

  • 仲間の前で一緒にいる時間が増える
  • 連絡を取り合うことが当たり前になる
  • 亜樹の料理や気遣いが、ハルの部屋に残る
  • ふたりの会話が「駆け引き」じゃなく「相談」に変わっていく

このフェーズの亜樹って、恋人というより“居場所”になっていく。ハルはきっと、そこにいちばん弱いんだと思います。

母のこと、過去の傷、誰にも見せたくない部分を、亜樹にはうっかり見せてしまうから。

そして決定的なのが、ふたりが一線を越える夜。

あれは「盛り上がったから」じゃなくて、もっと切実な、“逃げ場がなくなった人間同士”の抱擁に見えるんですよね。

  • ハル:本気になっている自覚が怖い
  • 亜樹:本気になっているのに、まだ“過去”が片付いていない

幸せなのに、どこか薄氷。

この甘さが、あとで爆発する前フリになってしまうのが切ない…。

崩壊:夏川の帰還

(「正しさ」に負けて、「本音」がこじれる)

そして、夏川が帰ってくる。

ここからが「プライド」の恋愛の残酷さが、一気に加速するところです。

亜樹は、ハルを好きになっている。

でも同時に、「2年間待った自分」を裏切りたくないし、待っていた恋人が戻った事実を簡単に無視できない。つまり亜樹は、“本音”より“正しさ”を選ばざるを得ない状況に追い込まれていきます。

あの橋の場面が象徴的で、ハルは“未来の鍵”(スペアキー)を差し出そうとして、亜樹は“過去の恋人”の方へ走ってしまう

この瞬間って、誰が悪いとも言い切れないのに、ハルだけが「自分が選ばれなかった」と一発で理解してしまうのが苦しいです。

ここでの崩壊は、単なる失恋じゃない。

亜樹の中で、

  • ハルを好きな気持ち(本音)
  • 夏川を選ぶべきだという思い(正しさ)
  • 自分の過ちを背負わなきゃという罪悪感

この3つが絡まりすぎて、もう自分でほどけなくなっていく。

そして夏川側も、失ったプライドが暴走していく。

亜樹の傷、ハルの怒り、暴力事件、告訴、結婚という取引…恋愛が一気に“現実の痛み”を持ってしまうのが、この崩壊フェーズです。

再生:最終回の“選び直し”

(「待つ女」も「ゲーム男」も卒業する)

「プライド」の恋愛が救いなのは、ここから。
ただ復縁するんじゃなくて、ふたりがちゃんと自分の弱さと癖を知った上で、もう一度選ぶところなんです。

ハルは、恋をゲームにして逃げてきた。
亜樹は、待つことで自分を守ってきた。
でも最終回では、そのどちらも“正解”じゃないと気づく。

  • ハル:曖昧に逃げるのをやめる(=メイビーの卒業)
  • 亜樹:待つだけの愛をやめる(=自分で選ぶ)

だからラストのリンクでの再会は、奇跡のご褒美というより、ふたりがそれぞれ一度ちゃんと壊れて、立ち直った“その先”の再会に見えるんですよね。

そして極めつけの「Maybe」と「Must be」。
あれは決め台詞というより、

  • 「曖昧な自分でいない」
  • 「あなたを選ぶ」

という、ハルの人生の返事だと思います。

恋愛の結末としては甘いのに、後味はどこか大人。“選び直す”って、いちばん誠実なハッピーエンドなのかもしれないな…って、見返すたびに思います。

スポーツ軸で整理する「スコーピオンズの成長」と優勝まで

「プライド」って恋愛ドラマとして語られがちだけど、実はホッケーの成長物語がものすごく丁寧で、そこが分かると終盤の熱さが何倍にもなるんです。

ここでは、スコーピオンズの“勝ち方”だけじゃなく、「なぜ勝つ必要があったのか」まで含めて整理します。

弱小から“チーム”になるまで

(勝つ前に、まず折れない心が必要だった)

スコーピオンズは、最初から王者じゃない。むしろ、どこか寄せ集め感があって、個々の事情もバラバラ。

それでも戦えたのは、リンクの外に“家”みたいな場所(フェイスオフ)があって、言い合って、笑って、少しずつ仲間になっていく時間があったからだと思います。

ここは恋愛だけを追っていると見落としがちなんだけど、ハルが「強い男」になれたのって、恋人がいたからというより、“戦友がいたから”という側面もかなり大きい

特に大和。
あの人がゴールを守ってくれていることが、ハルの背骨みたいな存在になっていた。

兵頭のやり方が正しいのか問題

(勝たせたいのか、壊したいのか)

兵頭コーチの存在は、スポーツ軸のいちばん難しいところです。
彼のやり方って、正直「正しい」と言い切れない瞬間が何度もある。

  • 選手を追い込む
  • 心まで折りにいくような言葉を使う
  • ときにチームごと崩壊しかねない賭けに出る

見ている側としては、「そこまでやる?」と思ってしまう。
でも兵頭は、ただのスパルタじゃなくて、ハルに“氷の女神”を見せたい。
つまり、勝利の先にある景色をハルに見せるために、あえて地獄を用意してしまう人なんですよね。

ここで問いが生まれます。

  • 選手を守るのがコーチなのか
  • 才能を開花させるのがコーチなのか

兵頭は後者を選びがちで、その代償は決して小さくない。
だからこそ、最終戦で「勝った」こと以上に、そこまで辿り着く過程に重みが出るんだと思います。

ライバルとの構図(玲志)

=「誇りの形」のぶつかり合い

ライバルのグリーンモンスターズ、そして山本玲志は、単なる強敵じゃありません。
彼はハルの“鏡”みたいな存在です。

  • 玲志:勝つのが当たり前。肩書きと支配の勝利
  • ハル:名もなき戦士。失う恐怖を抱えた勝利

玲志は余裕があるから、人を見下せる。
ハルは余裕がないから、プライドで踏ん張る。

同じ“エース”でも、背負っているものが違う。
だからあの対決は、点数の勝負というより、「どんな誇りで立っているか」の勝負に見えてきます。

そして玲志の存在によって、チームは初めて「勝つ理由」を自分たちの言葉で持ち始める。
“ただの憧れ”から、“倒すべき壁”へと変わる瞬間が、物語を一気に熱くしていきました。

最終戦の意味

(“勝つ”だけじゃない)

最終戦がグッとくるのは、優勝がかかっているからだけじゃありません。
あの試合には、登場人物それぞれの「再出発」がかかっている。

  • ハル:恋も人生も失いかけた状態から、キャプテンとして立つ
  • 大和:選手生命が絶望的でも、リンクに戻る意味を選ぶ
  • チーム:エースがいなくなる未来を見据えて、“自分たちで勝つ”を証明する

つまり、あの勝利は“栄光”というより、
「ここまでやってきた自分たちを肯定するための勝利」なんですよね。

そしてハルは、その勝利を“ゴール”にしない。
勝ったあとに、次の世界(カナダ)へ行く。

ここがすごく「プライド」らしくて、
“勝って終わり”じゃなく、“勝った上で選び直す”。

恋愛軸とも、きれいに呼応しているところだと思います。

恋愛ドラマだと思って見ていた人ほど、スポーツ軸を整理すると、
「あぁ、このドラマ、最後に泣かせにきたのは恋じゃなくて“人生”なんだ」
って気づくはず。

スコーピオンズの優勝は、ハルと亜樹が「Must be」に辿り着くための、もう一つの道でもあったんだと思います。

ドラマ「プライド」最終回の結末はどうなる?

「結局どうなるの?」「ハルと亜樹は一緒になるの?」「スコーピオンズは優勝できるの?」――最終回って、気になることが一気に回収されるからこそ、ここだけ先に知りたい人も多いはず。

結論から言うと、恋愛もスポーツも“ちゃんと着地する”、月9らしいハッピーエンドです。

結末のポイントを超まとめ(まずこれだけ)

  • 亜樹は「夏川と結婚する」方向に進むが、最後はその結末にならない
  • 優勝決定戦は「ブルースコーピオンズ vs グリーンモンスターズ」
  • ハルは最終戦で“氷の女神”を見て覚醒し、優勝に導く
  • その後ハルはカナダ(NHL挑戦)へ渡る
  • 数年後、亜樹と再会して「メイビー」じゃなくなる(=関係を選び直す)

亜樹は夏川と結婚するの?

最終回序盤、亜樹は「夏川と結婚する」という選択を貫こうとします。そもそも亜樹が、ある条件と引き換えに“関係に区切り”をつけようとしていたことを、容子から知らされる流れが入ってきます。

そして実際、亜樹は夏川と一緒にウエディングドレスを選びに行く場面も描かれます。

でも、最終的には「結婚」という形では終わりません。夏川側が、ここまでの時間の中で生まれた亜樹の気持ちの真実を突きつけられ、関係を終わらせる方向へ動きます

このあたり、正直ちょっと苦い気持ちにもなるんですよね。亜樹って「誰かのために、自分を後回しにできてしまう人」だからこそ、結婚すら“責任”で選びかけてしまう。でも最終回は、そこからようやく、亜樹自身の心が救われるルートに戻ってくれるんです。

優勝決定戦の勝敗は?スコーピオンズは勝てる?

最終戦は、常勝チーム・グリーンモンスターズとの大一番

開始早々、モンスターズの山本玲志のショットが決まり、スコーピオンズは劣勢に立たされます

でもこの試合、ただの「根性勝ち」じゃなくて、ちゃんとドラマの中で積み上げてきた“勝ち方”にしてくるのが良いんです。ハル自身がロッカールームで「1点取られてからが勝負」と仲間を鼓舞し、兵頭もチームを前へ押し出す。

そして試合中、ハルが倒れて頭を打つ場面があり、そこに亜樹が駆けつけた瞬間――ハルは“氷の女神”を見て立ち上がり、流れを引き寄せます。結果としてハルが決勝点を決め、スコーピオンズは優勝

ここ、スポ根的な快感もあるんだけど、いちばんグッとくるのは、勝利が「恋のご褒美」になっていないところ。

勝つことは勝つこと。でもその勝ち方が、ハルが“一人で勝つ選手”から“仲間と勝つ選手”へ移動した証明になっている。恋愛だけじゃなく、人生そのものの矢印が変わった感じがして、最終回の説得力になっているんですよね。

ハルはカナダへ行く?亜樹とはどうなる?

優勝後、ハルはカナダ(NHL)へ挑戦する流れになります。

ただ大事なのは、ここで2人が「よくある遠距離恋愛の約束」をしないこと。

亜樹が「待ってる」とも言わないし、ハルも「待っててくれ」とは言わない。

この“言わなさ”が、本当にいい。だって、待つ/待たせるって、言った瞬間に関係が“契約”になってしまうから。亜樹はもう、誰かの都合で自分を縛る恋に戻りたくないし、ハルもまた「縛れば安心」という恋を卒業し始めている。

ここで一度離れるのは切ないけれど、最終回が本当にやさしいのは、離れた時間が“別れ”ではなく“再会の準備”として描かれるところなんですよね。

ラストはどう終わる?「メイビー」から「マストビー」へ

時間が流れ、ハルはメディアにも取り上げられる存在に。亜樹は亜樹で、日常を生きている。そんな中で、亜樹がテレビを見ていて、ふっと消してしまう描写が入ります。

これがまた…亜樹らしい。見たい、でも見ているだけじゃ前に進めない。だから一度消す。胸がきゅっとなります。

そして夜のリンク。花火が上がり、周囲が“仕掛けられたみたいに”静かになっていく中、ハルが現れる。

そこでハルは、亜樹に「一緒に来てほしい」とはっきり言う。曖昧に濁すんじゃなくて、逃げるための言葉じゃなく、選ぶための言葉で

亜樹が返すのは「メイビー?」。
でもハルは、もうそこで終わらせない。「マストビー」と返して、2人の関係が“ゲーム”から完全に抜ける瞬間が来ます。

このラスト、派手で王道で、ちょっと照れるくらいの月9なんだけど、それでも泣いてしまう。

だってここって、恋が盛り上がった瞬間じゃなくて、恋を引き受けた瞬間だから。

最後は、仲間たちも集まる中で、リンクにパックが落とされるような終わり方で幕を閉じます。

終わりなのに、始まりみたいな終わり。メイビーじゃなくて、マストビーで始め直す2人――この余韻が、ずっと残る最終回です。

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