第6話「有馬記念」は、シリーズ屈指の“神回”と言っていいほどの濃密さでした。
ロイヤルホープが雨の中で魅せた魂のラストラン、耕造の突然の引退宣言と病の告白、そして父を拒絶し続けてきた耕一の心に少しずつ生まれる変化――競馬ドラマの枠を超え、家族の絆と人生の“継承”を丁寧に描き出したエピソードです。
レースの興奮と同時に、登場人物の生き様が胸を打つ第6話を、物語の流れに沿って振り返ります。
ザ・ロイヤルファミリー第6話のあらすじ&ネタバレ

日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』第6話(タイトル「有馬記念」)は、ロイヤルホープのラストランと、その裏にある父子の確執、そして“ロイヤルファミリー”チームの思いが交錯する、シリーズ屈指の感動回となった。
前回第5話で、山王耕造(佐藤浩市)は自分の隠し子である中条耕一(目黒蓮)と初対面。
しかし耕一は「今後一切僕には関わらないでください」と告げ、父を拒絶したまま立ち去った。第6話は、この“決裂”を抱えたまま、耕造の突然の引退宣言と、最後の大舞台・有馬記念へ向かう姿を中心に描いていく。
耕造の突然の引退宣言と、山王家の揺らぎ
2017年の有馬記念が終わった直後、耕造は秘書・栗須栄治(妻夫木聡)に「来年の有馬記念で引退する。ロイヤルホープも引退だ」と告げる。突然の宣言に栗須は驚愕する。
この方針は山王家の家族会議でも共有され、耕造は次期社長に長男・山王優太郎(小泉孝太郎)を指名する。優太郎は急な指名に動揺しつつも、父の決意の重さを理解し始める。
さらに耕造は、「自分の体が癌に侵されている」と告白。
競馬事業については、「新しい馬はもう買わず、今いる馬の管理だけを別会社で一人でやる」と語り、栗須が会社に残れるよう優太郎へ頼み込むなど、これまでの耕造からは想像できない弱さと覚悟がにじみ出る。
家族の中でただ一人、耕一と向き合えていない状況での病気告白。山王家は大きく揺れ動くことになる。
耕一を取り戻したい栗須の奔走と、揺れる親子の距離
栗須は耕造の病状を知り、耕一との仲を取り持とうと奔走する。しかし耕一は「会うつもりはない」と栗須にも拒絶を示し、父との再会を頑なに拒む。
それでも耕一の心は完全に閉ざされていたわけではなかった。
彼はロイヤルホープの走りを密かに追っており、その活躍には胸を熱くしていた。血のつながりとは別のところで、耕一の心は“ロイヤルホープ”という存在に反応していたのだ。
ロイヤルホープ復活への軌跡と、有馬記念への切符
ロイヤルホープは相変わらず国内G1であと一歩が続くものの、海外遠征のドバイゴールドカップで優勝を果たす。この勝利で勢いを取り戻し、ジャパンカップでは2着に食い込むなど復調ムードが高まる。
そして遂に、ホープは悲願の有馬記念への出走権を獲得。“ロイヤルファミリー”の面々──耕造、栗須、調教師・広中博(安藤政信)、騎手・佐木隆二郎(高杉真宙)らは、チーム一丸となり最後の夢に向かう。
しかし、耕造の体調は日に日に悪化。
有馬記念当日、耕造はついに中山競馬場に向かうことができなかった。病院のベッドで、「自分は行けなくてもホープに全てを託す」と覚悟を決め、テレビ中継を見守る。
雨の有馬記念──ロイヤルホープ、奇跡の“二の脚”
当日の中山競馬場は冷たい雨。ロイヤルホープは静かにゲートへ向かう。
耕造は病院での感染になるも、耕一は栗須の招待で有馬記念の会場に観戦に来ていた…。
スタートすると、ホープは序盤からまさかの“大逃げ”を敢行。重馬場をものともせず独走し、スタンドは大歓声に包まれる。しかし中盤になるとスタミナが尽き、ヴァルシャーレ、イマジンドラゴンが猛追。一旦は先頭を明け渡し、「やはり届かないか…」と場内には重い空気が流れる。
だが、ロイヤルホープは諦めなかった。
最後の直線、ホープは驚異的な“二の脚”を発揮し、再び先頭へ並びかける。雨に煙るゴール板を三頭が横一線で駆け抜け、場内騒然。
その瞬間──
・栗須
・病院の耕造
・スタンドの耕一
三人がそれぞれの場所から「行け!!」と叫んでいた。
視聴者も鳥肌を覚えたであろう、圧巻の名場面である。
三着がほぼ同一にゴールして、結果は写真判定になる…。
写真判定の結末と、耕造の“死ねるかよ”の叱咤
写真判定の結果、勝ったのはイマジンドラゴン。ロイヤルホープはわずかに及ばず2着となり、有終の美は飾れなかった。
悔しさからうなだれる栗須。そのとき、栗須の携帯が鳴る。病院の耕造から電話だった。
耕造「ここ最近、俺が死ぬ前提で話してないか?勝手に殺すんじゃないよ。負けたまま死ねるかよ。」
そして耕造は言う。
耕造「ホープの嫁さんも探さなきゃなんねえんだ。」
どこか楽しそうなその声に、栗須はハッとする。耕造は“まだ終われない”と、力強い生の意志を取り戻していた。
ホープの執念が、耕造にも火を灯したかのような瞬間だった。
耕一の心に起きた変化──初めてのメール
レースを見届けた耕一の心にも変化があった。帰宅後、栗須の携帯に耕一からメールが届く。
「まずは一度、栗須さんにお会いしたいです。」
山王家との関係を断ち続けてきた耕一が、自ら心を開いたのだ。
ロイヤルホープが繋いだ父子の絆が、ようやく動き出した瞬間だった。
第6話は、涙雨の中のラストランと、それがもたらした家族の変化が重なり、視聴者からも「最終回みたい」「ホープ頑張った」「涙が止まらない」と大きな反響を呼んだ。
ザ・ロイヤルファミリー6話の感想&考察

第6話を見終えて、胸に熱いものが込み上げてきました。
レースシーンの迫力と感動はもちろんですが、それ以上に、人と馬の絆、そして親子の物語が丁寧に絡み合って描かれていたことに心を打たれます。
まさに競馬ドラマの枠を超えて、「血」と「想い」の受け継がれ方を描いた名エピソードだったと思います。
ロイヤルホープの“負けて強し”の激走について
まず、ロイヤルホープの走り。結果は2着と敗れたものの、あのラストランはまさに「負けて強し」と言える内容でした。
雨の中山競馬場で見せた大逃げからの二の脚というドラマチックな展開には、思わず手に汗を握りました。
ゴール前で競り負けてしまった瞬間は悔しさを覚えましたが、それでも胸に残ったのは清々しさ。1着ではないのに、これほど視聴者の心を揺さぶる競走馬はそう多くありません。
むしろ勝ったイマジンドラゴン以上に、ロイヤルホープの勇姿が強烈に記憶に焼き付いたと感じます。
病室でレースを見守る耕造の横顔も印象的でした。ホープの走りを誇らしげに見つめるその表情は、まるでホープ自身が「諦めない生き方」を体現しているかのよう。
雨のレースという演出も相まって、映画のワンシーンのように心に深く残る激走でした。
レース後の耕造の“復活宣言”が持つ意味
レース後の耕造の電話シーンも圧巻でした。
ホープの激走に視聴者が涙する中、耕造は「負けたまま死ねるかよ」と強い口調で言い放ちます。こちらとしては感情を爆発させる準備をしていたのに、まさかの復活宣言に思わず息を呑んでしまいました。
しかし、このセリフをよく噛み締めると、耕造の生命力と競馬への愛がにじみ出ています。
「ホープの嫁さんも探さなきゃなんねえ」という冗談めいた言葉も含め、耕造にとってホープはただの競走馬ではなく“生きる理由”なのだと痛感します。
絶望的な病にあっても、「未来にまだやるべきことがある」と思える人は強い。耕造の言葉には、人生を諦めない者だけが持つ力強さが宿っていました。第6話序盤では弱々しさも見えた耕造が、ホープの走りと共に再び強い眼差しを取り戻したことに深い感動を覚えます。
耕一の心を揺らした“メール”の意味
そして何より印象的なのが、ラストの耕一から栗須へのメール。「まずは一度、栗須さんにお会いしたいです。」というシンプルな文面に、強く胸を打たれました。
ホープの走りが、血縁や過去の確執を超えて耕一の心を突き動かしたのは間違いありません。長年父を拒絶してきた耕一の背景には、母・美紀子の存在や心の傷が影を落としていました。そんな耕一が、「自分のルーツと向き合いたい」と思うまでに変化したのだと想像すると、この一通のメールの重みがいっそう際立ちます。
これは単なる再会のフラグではなく、耕造の“生き方”を耕一が受け継ぎ始める物語の第一歩のようにも感じられます。ロイヤルホープを介して、親から子へ受け継がれるものが確かに存在していると感じた瞬間でした。
“引退”と“継承”が交錯する転機の回
第6話全体を通して強く感じたのは、物語が「引退」と「継承」の二つのテーマを交錯させて描いていた点です。
ロイヤルホープのラストランは確かに“終わり”ですが、同時に耕造は「まだ終われない」と再起を宣言し、耕一は「始めてみよう」と決意を固めたように見えます。
通常、最終回に置かれてもおかしくないほど濃密なドラマがこの第6話で展開されたことに驚かされました。SNSでも「今日最終回かと思った」という声が多く見られるほど、感情を揺さぶる回でした。
今後の展開への期待──父子の対峙とホープの“その後”
次回以降の展開としては、ついに耕造と耕一が正面から向き合うことになるでしょう。予告映像では白髪の耕造が「有馬で勝つ。それでホープは引退だ。俺も一緒にやめる」と語っていたとの話もあり、物語はさらに時間軸を進めていきそうです。
また、「ホープの嫁探し」という耕造の台詞が伏線としてどう回収されるのかも気になります。競走馬の引退後といえば種牡馬としての未来があり、劇中でその“新たな使命”がどこまで描かれるのか、注目ポイントのひとつです。
日曜劇場らしい熱さと重厚な人間ドラマが一気に加速した第6話。ここから耕造・耕一親子の物語、そしてロイヤルホープの“その後”がどう描かれていくのか、ますます目が離せません。
筆者としても、来週以降の展開を楽しみに一緒に見守っていきたいと思います。
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