MENU

終幕のロンドの5話のネタバレ&感想考察。“欠落”が繋ぐ三つの家族…消された理由と、残された想い

終幕のロンドの5話のネタバレ&感想考察。“欠落”が繋ぐ三つの家族…消された理由と、残された想い

第4話までで積み重ねられてきた“欠落”の謎が、第5話で一気に輪郭を現した。

遺品整理会社「Heaven’s Messenger」を舞台に、企業の闇、母娘の過去、そして家族の歪みが同時に動き出す。

樹は“消された理由”を追い、真琴は“忘れられなかった愛”に触れ、ゆずはは“断ち切る勇気”を試される。

それぞれの欠落が互いに響き合いながら、物語は静かに臨界点へ。

第6話の「樹と利人の衝突」に向け、感情と構造が最も美しく交わった回だった。

目次

終幕のロンド5話のあらすじ&ネタバレ

終幕のロンド5話のあらすじ&ネタバレ

第5話は、遺品に刻まれた“欠落の理由”を探る捜査線と、家族の感情がぶつかる人間劇が同時進行で加速する回です。

遺品整理会社「Heaven’s Messenger」の面々が日常の依頼をこなす一方、樹(草彅剛)は上司・磯部豊春(中村雅俊)から“息子の死”の核心に踏み込む依頼を受けます。

真琴(中村ゆり)とこはる(風吹ジュン)の母娘は、過去の恋と向き合うために封じてきた箱を開け、ゆずは(八木莉可子)には“毒親”が再来

背徳の密会を続ける静音(国仲涼子)と利人(要潤)の線も不穏に絡み、第6話の対決予告へ直結する大きな分岐点となりました。

磯部が明かす「文哉の死」の違和感

ある朝、樹は磯部に呼び出され、息子・文哉(米田惠亮)が“自ら命を絶った日”の詳細を聞かされます。

磯部の証言によれば、文哉の部屋には自殺を裏づける遺品が一切残っておらず、むしろ“何者かに持ち去られた形跡”があったという

彼が勤めていた「御厨ホームズ」は、いまも社員の自死が相次ぐ異常な企業でした。磯部はその実態を知り、樹に調査を依頼。捜査の火は再び企業の闇へと向かっていきます。

こはるの生前整理──“文箱”が開く、道ならぬ恋の記憶

一方で、こはるの生前整理は着々と進みます。

真琴も立ち会いますが、「もう一度、お父さんに会わなくていいの?」という真琴の一言がこはるの怒りを買い、母娘は激しく口論。

場が凍る中、天袋を整理していた樹が、美しい“文箱”を発見します。そこには、こはると“俊(しゅん)さん”と呼ばれる男性(=真琴の父)にまつわる私的な品々が収められていました。その箱の手触りが、封じてきた過去の扉を静かに開けていきます。

伊豆への小さな旅──“俊さん”の足跡をたどる二人

樹と真琴は、文箱を手がかりに“俊さん”の足跡を追って伊豆へ向かいます。

宿や古い写真館、喫茶店を訪ねながら、こはるが愛した人の痕跡を一つずつ拾い直すささやかな“巡礼”。

しかし道中で真琴が高熱を出し、樹が看病する事態に。互いの距離は確実に近づき、同時に真琴の夫・利人との関係の綻びを浮かび上がらせる“前触れ”となります。

ゆずは編──“毒親”の再来と、同僚・海斗が聞いた秘密

ゆずはのもとには、かつて深い傷を残した母・真理奈(雛形あきこ)が再び現れ、金の無心をします。

拒むゆずはに、真理奈は“驚きの提案”を口にします。

その会話を、同僚の矢作海斗(塩野瑛久)が物陰から聞いてしまう。第3話から続く“毒親の呪縛”は、ここでさらに悪化。ゆずはの心は激しく揺れながらも、同時に自分の殻を破る変化の兆しを見せ始めます。

企業の闇──「御厨ホームズ」は何を消したのか

樹は磯部の証言と過去の資料を照らし合わせながら、御厨ホームズに関する情報を収集します。

文哉の死の日、部屋から“何か”が持ち去られたという事実は、単なる自死の枠を超えるものでした。さらに同社では、その後も複数の自殺が起きていることが判明。樹の視線は「死の理由」ではなく、「理由が消された理由」へと移っていきます。

静音×利人──背徳の密会が露呈させるもの

別の線では、静音が真琴の夫・利人と密会。

ベッドで抱き合う姿が明確に描かれ、彼らの関係は単なる不倫スキャンダルの域を超えていきます。

真琴と樹の伊豆行き、こはるの過去。これらが積み重なるほどに、利人の“所有欲”と“支配の構造”が露わになり、次回以降の樹vs利人の対立に向け、静音は“導火線”として機能していきます。

文箱が告げた“欠落の輪郭”──そして次回への布石

伊豆での聞き込みと文箱の中身から、こはるの“道ならぬ恋”が決して一方通行ではなく、互いに確かな想いで結ばれていたことが明らかになります。

こはるが封じてきたのは罪悪ではなく、未完の愛の記憶だったのかもしれない——そう受け止める樹と真琴。

しかしその一方で、利人の影は濃く長く伸び、ゆずはの問題も火種を抱えたまま。

会社の闇、母娘の過去、不倫の現在——三つの糸は互いを締め合い、第6話の“樹と利人の正面衝突”へと繋がっていきます。

終幕のロンド5話の感想&考察

終幕のロンド5話の感想&考察

第5話は、〈消えた遺品/消された理由〉という“欠落のミステリー”を軸に、三つの家族線を同時に進める構成が見事でした。

以下、論点別に深掘りします。

「理由が消された理由」──御厨ホームズの構図

磯部の証言(遺品が“持ち去られた形跡”)は、文哉の死が事後工作の対象になっていることを示す強い状況証拠です。

自死の現場から遺書やPCデータ、勤務関連の物品が消えているのだとすれば、会社、もしくは利害が絡む第三者が「因果関係の証拠」を排除した可能性は高い。さらに“その後も自殺者が出ている”という点を合わせると、

①労務管理・パワハラなどの構造的不正
②外部露見を防ぐためのテンプレ化された“回収動線”(社内または外注)

という二段の仮説が立ちます。樹が見ているのは「死の真相」ではなく、「真相が隠され続けた仕組み」

第5話は、その焦点移動を丁寧に描きました。

文箱=“未完の愛の証拠保全”

こはるが大切にしまっていた文箱は、単なるノスタルジーではなく“証拠保全”の器として機能しています。

過去の写真・小物・手紙——個人的記憶の断片は、本人の語りが歪められたときに反証の礎となる。

こはるが怒りを露わにするのは、過去を否定されたからではなく、“他者の価値観で再解釈されること”への抵抗だったのではないか。

文箱を起点に伊豆で拾われた断片は、こはるの恋を“道ならぬ”から“確かだった”へと再定義し、真琴の「父不在という空白」の輪郭を温かく埋め直していく

ここに、遺品ドラマとしての本作の本懐があると感じました。

ゆずは──毒親線の転相点

ゆずはの母・真理奈の“再来+金の無心”は、依存関係の更新を狙う典型的な行動です。

真理奈が持ちかける“驚きの提案”は、保険金・借金肩代わり・同居再開など、いずれに転んでも主導権の奪還が動機。ここで重要なのは、ゆずはが“殻を破る”と語られている点です。

彼女が「与えない」選択を取るなら、毒親のスキーマ(罪悪感=金の供出)を断ち切り、同僚・海斗の立ち会い(目撃)が外部証人として機能する。

職場という“見守る他者”が介在するとき、家族の呪いは物語的に断ち切りやすくなる。第5話は、その地ならしを着実に済ませた印象です。

静音×利人──背徳は“支配の設計図”

静音と利人の密会は、単なる道徳違反で終わらせない撮り方でした。利人は、真琴という“所有物”に揺らぎが生じるほど、他者(静音)で空隙を埋めるタイプ。これは“恋に落ちる”というより“支配の維持管理”です。

静音の側に情念があるとしても、利人の作法(嘘のつき方・怒りの使い方)は、次回予告の“対決”に向けて明確に危険信号を点滅させています。

樹と真琴の伊豆行き(看病シーンを含む)は、倫理のグレーを孕みつつも“心の救急”として描かれ、利人の背徳とコントラストを成していました。

構成美──三線並走のリズム

第5話の編集は、

①企業捜査(消えた遺品)
②母娘の過去(文箱と伊豆)
③恋と毒親(静音×利人/ゆずは×真理奈)

という三線を対位法で進め、各線の“欠落”が他線の“補填”と呼応する設計になっています。

文哉の部屋から“持ち去られた何か”と、こはるが文箱に“取り置いた何か”が“保全/抹消”の対比を成し、さらに真理奈が“金を吸い上げる”ことと、利人が“人の心を奪う”ことが搾取という同根性で結線されていく。

一本の解決に向かわず、“失われたものは何か”の問いを各線に刻むことで、最終盤の収束に弾みをつけました。

第6話への“読み”──対決の勝敗より“証明”

第6話では、樹と利人の“正面衝突”が前景化するはずです。争点は“倫理”ではなく、「誰の物語で生きるのか」。真琴が自分の父の記憶と向き合う過程で、彼女の“声”は確実に強度を増している。

ゆずはの線は“自分で選ぶ”へ舵を切り、企業線は“証拠の消失/保全”をテーマとして再浮上。つまり全線が“主語の奪還”に向かっている。

第6話は、対決の勝敗よりも、“証明”が先にあるエピソード構成になると読んでいます。

終幕のロンドの関連記事

終幕のロンドの全話ネタバレはこちら↓

終幕のロンドの次回以降の話についてはこちら↓

終幕のロンドの過去の話についてはこちら↓

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次