第4話は、吉岡家にとっての「亮介のお受験」という日常的な決断が、そのまま事件の入口になっていく回でした。
名門小学校受験塾「あすなろ若葉塾」の入塾説明会で起きた集団食中毒、そして直後に発覚する塾長の転落死。一見すると無関係に見える二つの出来事が、少しずつ一本の線として結びついていきます。
食べ物ではなく“空間”に注目した詩織のひらめき、教壇という高低差が生んだ感染構造、そして追い詰められた講師の選択。第4話は、科学で事件を解き明かしながらも、「勝つための場所」が抱える歪みと、家族が下した決断を静かに描いたエピソードでした。
※ここから先は、第4話のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
ドラマ「元科捜研の主婦」4話のあらすじ&ネタバレ

第4話は、吉岡家の「亮介のお受験」という日常の決断が、そのまま事件の入口になっていく回でした。名門の小学校受験専門塾「あすなろ若葉塾」の入塾説明会で起きた集団食中毒騒動と、塾長の転落死。二つの出来事が一本の線でつながっていきます。
そしてもう一つ、家族の奥で進む“別の謎”も、そっと置かれていました。道彦が亡き兄・修一の手帳に残された「414」という数字に気づき、答えがないまま胸の奥に引っかかったまま、次へ持ち越されます。
道彦が見つけた「414」──家族の中に残る未解決
物語の冒頭、道彦は母から預かった亡き兄の手帳を見て、そこに書かれた数字「414」に目を止めます。意味が分からないまま、ただ“妙な引っかかり”だけが残る。事件に追われる日常の裏で、道彦の視線が少しずつ「兄の死」に近づいていることが示されます。
この「414」は第4話の事件とは別のルートで、吉岡家の時間に静かに絡み始めているサインでした。今はまだ“数字”でしかないのに、道彦の顔が一瞬固まるところが、重いんですよね。
亮介の「行きたい小学校」──お受験が家族の議題になる
ある日、亮介が「行きたい小学校がある」と言い出し、詩織と道彦は驚きます。年中の息子が口にした“未来の希望”は、親にとってはうれしさと同時に、責任の重さも連れてくる。二人は相談のうえ、小学校受験を視野に入れて動き始めます。
そこで名前が挙がったのが、受験専門塾「あすなろ若葉塾」。保護者たちの目当ては、評判の高いカリスマ講師・四方田達真で、通称“だるま先生”と呼ばれる存在です。
詩織と道彦は、入塾説明会に参加することを決めます。家族の予定表に「受験」が書き込まれた瞬間、暮らしの優先順位が少しずつ変わっていくのが分かる入りでした。
入塾説明会の空気──“だるま先生”の講演が始まる
説明会の会場には、子どもの将来を背負ったような保護者たちが集まっていました。そこに登場するのが四方田。保護者が彼の話を聞きたくて集まっていること自体が、塾という場所の「商品価値」を象徴しているようにも見えます。
詩織の隣には、ベテランのお受験ママ・武藤佳代が座り、自然に会話が生まれます。佳代は“受験の空気を知っている側”の人で、何気ない言葉が、これから起きる違和感の導線にもなっていきます。
そして説明会が進むなかで、会場の空気をいきなり壊す人物が現れます。
クレーマー保護者の乱入──三上奈央の怒りが爆発する
説明会の最中、三上奈央が乗り込んできます。彼女は「息子を塾に通わせたのに、どこにも受からなかった」と受験の結果を逆恨みする形で、塾への抗議をやめません。会場は騒然となり、保護者たちの視線が一気に三上へ集まります。
四方田はその場を収めるように三上をなだめ、退席させます。カリスマ講師としての対応力が見える一方で、“怒りの受け皿”を一人で背負う危うさも同時に滲みます。
この時点で三上は、塾にクレームを言っていた人物として捜査線上に浮上しやすい立ち位置になってしまう。第4話は、この「目立つ怒り」が、のちに“疑われる理由”として機能していきます。
集団食中毒の発生──倒れる保護者たち、詩織も被害に
説明会が終わろうとしたタイミングで、会場にいた保護者たちが次々に体調不良を訴え始めます。嘔吐や腹痛といった食中毒のような症状で倒れ、詩織もその中に含まれていました。
混乱の中で現場は一気に事件現場へ変わり、警察の捜査が入ります。「食べたものが原因なのか」「塾側の衛生管理の問題なのか」──まずは誰もが“食”を疑う流れになります。
詩織は入院することになり、道彦は捜査側として事件を追う立場へ。夫婦は同じ出来事を、違う距離から見つめる形になります。
さらに起きる転落死──塾長・平井の死で事件が二層になる
集団食中毒騒動の裏で、塾長の平井孝一朗が塾の屋上から転落し、死亡しているのが見つかります。最初は自殺の可能性も考えられますが、のちに「他殺」と断定され、捜査は一気に重くなります。
「食中毒(集団感染)」と「転落死」。一見別々に見える二つの事件が同じ塾で起きたことで、捜査は“つながり”を前提に進み始めます。塾に恨みをぶつけていた三上奈央は、重要参考人としてさらに疑いの目を向けられます。
ただ、道彦の中には「三上が犯人だとは思えない」という感触が残っていました。疑うべき立場でありながら、決めつけたくない気持ちが、道彦の足を止めます。
入院中の詩織──“感染経路”を考え続ける
入院中の詩織は、集団食中毒の感染経路について考え続けます。もし食べ物が原因なら、同じものを口にした人全員が同じタイミングで倒れるのは分かりやすい。けれど今回の現場には、どこか説明のつかないズレが残っていました。
そんな詩織のもとに、武藤佳代が訪ねてきます。
佳代は「四方田が移籍するかもしれない」という噂を口にし、さらに「だるま通信」の発行が減っていることにも触れます。そして、その“だるま通信”を詩織に手渡します。
詩織にとってこの紙は、単なる配布物ではなく、あとで“科学の入口”になる重要アイテムでした。
亮介のひと言が引き金──「クエン酸?重曹?」
道彦からの着信で、詩織は事件の状況を共有されます。詩織はテレビ電話に切り替え、亮介とも話すことに。そこで亮介が、風呂掃除について「クエン酸?重曹?」と問いかけます。
詩織は「正解はどっちも使えます」と答え、風呂掃除をしている亮介の様子を見た瞬間、事件の糸を掴みます。子どもの生活の知恵が、母の“科学の回路”を一気に開く。第4話のひらめきは、まさにこの瞬間でした。
詩織の視線が、食べ物ではなく「空間」へ向き始めます。
科捜研へ──だるま通信の検出結果が示したもの
詩織は科捜研へ向かい、佳代から渡された「だるま通信」を調べます。そこで検出されたのは、エンテロトキシン。そして、同じプリントから赤いインクも検出されます。
赤いインクは、四方田が使っていた“だるま印”のインクでした。つまり、そのプリントを扱う過程で、エンテロトキシンが付着していた可能性が高い。詩織は、この検出結果をもとに「感染経路」と「犯人像」を組み立て始めます。
さらに決定的だったのが、加湿器の存在です。事務員が毎日掃除をしていたにもかかわらず、“あの日だけ”四方田がタンクの水を替えていたことが分かります。詩織はそこを線でつなげます。
真相解明──「高低差」が生んだ集団感染
詩織と道彦は四方田の前に現れ、「集団感染の理由が分かった」と告げます。詩織が示した結論は、四方田が意図的に菌を撒いたことによる集団感染でした。
四方田自身は「自分はその場にいたのに、なぜ感染しなかったのか」と反論します。そこで詩織が突きつけた答えが「高低差」。座っていた保護者は菌を含んだ空気(ミスト)にさらされ続けた一方で、四方田は教壇という“高い位置”にいて距離もあり、さらされた時間が違ったという説明です。
そして、プリント(だるま通信)からエンテロトキシンと赤いインクが検出されたことが決定打になります。四方田は“だるま印”を押したその手で、加湿器の水を入れた──その流れが、感染経路として成立してしまった。
脅迫メールと転落死──塾長を追い詰めた夜
道彦は、四方田のパソコンから脅迫メールが見つかったことも告げます。塾長の転落死は偶然ではなく、塾内で積み重なっていた火種の結果として浮かび上がります。
四方田は、自分の言葉で背景を語ります。塾の評判が上がるにつれ、塾は生徒に寄り添う方針から離れ、難関校の合格実績を最優先にする方向へ変わっていった。四方田は何度も忠告していたが、状況は変わらなかったといいます。
そして事件の夜、塾長に呼び出された四方田は、脅迫メールの存在を突きつけられます。さらに塾長は集団食中毒も四方田の仕業だと見抜き、警察へ行くと告げる。移籍の話がある四方田に対し、「警察沙汰になればこの業界では生きていけない」と、塾長は現実的な脅しをぶつけます。
追い詰められた四方田は、塾長の背中を押し、塾長は転落死します。詩織たちが追っていた二つの事件は、ここで一本の線として繋がり切ります。
塾長の手帳に挟まれた「7年前の写真」──残された“人の影”
事件の終盤、道彦は塾長の手帳に挟まれていた「7年前の写真」を四方田に渡します。塾長がその写真を大事にしていたことも明かされます。
写真そのものの意味は語り切られず、視聴者に“想像の余白”を残す形でした。ただ、塾長にもまた、塾長としての過去と守りたかったものがあった。その気配が、事件を単なる勧善懲悪にしない要素になっています。
事件後の吉岡家──亮介は「お受験」をやめる
事件が収束したあと、亮介はお受験をやめる選択をします。第4話は、子どもの「やりたい」が始まりだったのに、最後は「やめる」という結論に着地します。
それは敗北というより、家族にとっての“適切な距離”を選び直した結果にも見えました。塾の中で起きた事件を目の当たりにして、吉岡家は「勝つこと」よりも「守ること」を優先したのだと思います。
そして道彦の手元には、兄の手帳の「414」が残ったまま。第4話は解決した事件の裏で、次の未解決が確かに息をしていました。
ドラマ「元科捜研の主婦」4話の伏線

第4話は“お受験”という題材が強いぶん、伏線も「家庭の小さな会話」から「塾の小道具」まで散らばっていました。ここでは、回収済みと未回収を分けて整理します。
回収済み伏線
回収済みの伏線は、きれいに「菌の仕込み」と「転落死の動機」に収束しました。特に今回は“生活のヒント”がそのまま科学につながる作りが印象的です。
物(小道具)
- だるま通信(プリント):エンテロトキシンが検出され、事件解決の物証になる。
- 赤いインク(だるま印):プリントから赤インクも検出され、四方田の“だるま印”とつながる。
- 加湿器:事務員が毎日掃除していたにも関わらず、当日に四方田が水を替えた事実が“仕込み”の鍵になる。
- 四方田のパソコン:脅迫メールが見つかり、塾長転落死の流れと結びつく。
セリフ
- 亮介の「クエン酸?重曹?」:詩織が感染経路の糸口を掴む直前の“ひらめき装置”として回収。
- 詩織の「正解はどっちも使えます」:一見ただの子育て会話が、詩織の思考を切り替えるトリガーになった。
- 四方田の「なぜ私は感染しなかった」:犯人本人の疑問が、そのまま「高低差」という解答に回収される。
タイトル
- 「犯人はお受験ママ!?」のミスリード:クレーマーの三上奈央が“疑われる役”として機能する一方、犯人は別にいる構造で回収される。
沈黙(言わなかったこと/隠したこと)
- 四方田の“移籍の噂”:本人が積極的に語らないまま、塾内では噂として流れている。その沈黙が塾長の脅し(「警察沙汰になれば生きていけない」)に直結する。
- 塾の方針転換の裏側:四方田が「評判が上がってから変わった」と語り、保護者の過度な期待が塾を変えたという形で言語化される。
未回収の余白
第4話は事件としては決着しましたが、人物の背景や“家族の未解決”はまだ残っています。ここは今後の焦点になりそうです。
物(小道具)
- 塾長の手帳に挟まれた「7年前の写真」:塾長が大事にしていた写真の意味が語り切られないまま残る。
- 道彦が見つけた兄の手帳(「414」):数字の意味は未回収。第4話では“見つけた”ところまで。
セリフ
- 「親たちにも目を覚ましてもらいたかった」:四方田の言葉は動機として提示されるが、どこまでが本音で、どこからが自分を正当化する言葉なのかは余白が残る。
タイトル
- “元”科捜研の主婦という立場:詩織が科捜研に出入りすること自体が作品の前提ではあるけれど、作中のリアリティとの距離感は引き続き議論になりやすい部分。
沈黙(言わなかったこと/隠したこと)
- 塾長と四方田の“過去の結び目”:写真の存在が示すように、二人の関係が仕事だけではない可能性も匂うが、答えは出ていない。
- 吉岡家の「お受験をやめる」までの細かな心の経緯:結論は描かれるが、亮介の内側の葛藤はあえて言葉にされすぎない。だからこそ、次回以降の家族描写に繋がる余白になる。
ドラマ「元科捜研の主婦」4話の感想&考察

第4話を見終わって、まず胸に残ったのは「親の焦りって、音がするんだな」ってことでした。受験って、子どもの未来のために始めたはずなのに、いつのまにか親の不安が主役になって、子どもの呼吸が小さくなる。あの説明会の空気が、画面越しでも息苦しかったです。
それでもこの作品は、重さだけで終わらせない。亮介の何気ない生活の一言が事件を解く鍵になって、最後は「やめる」という選択に“守る強さ”が宿る。そこに、吉岡家らしいあたたかさがありました。
お受験の闇は「子ども」より先に、親を追い詰める
三上奈央の怒りって、もちろんやり方は荒いし、場を壊してしまう怖さもありました。だけど、あの人の「取り返せない時間」への怒りは、すごく生々しい。息子のために走ったはずの時間が、結果として“全落ち”で終わった時、誰にも返してもらえないんですよね。
「塾に通わせれば報われる」という期待が裏切られたとき、怒りの矛先が子どもに向く家庭もあるかもしれない。だから彼女の存在は、ただのミスリードではなく、お受験が家庭に落とす影を見せる役でもあったと思います。
そして皮肉なのが、三上の怒りが大きいほど、四方田の“静かな暴走”が見えにくくなるところ。大きな声があると、私たちはつい「犯人っぽい」と思ってしまう。第4話は、視聴者の目線のクセまで利用してきた回でした。
詩織の「母」と「科学」が同じ場所にあるのが、このドラマの強み
詩織が入院していても、頭の中ではずっと感染経路を追っている。そこに“元科捜研”の矜持があるのはもちろんなんだけど、私にはそれ以上に「母親の勘の強さ」を感じました。守るために考える人って、やっぱり粘りが違う。
そして決定打が、亮介の「クエン酸?重曹?」なのが最高にこのドラマっぽい。科学って、実験室の中だけの話じゃなくて、生活の中に落ちている。母の返答が、母のひらめきに返ってくる循環が、じんわり嬉しかったです。
「正解はどっちも使えます」って、事件解決のキーであると同時に、子育ての答えにも見えるんですよね。子どもの未来って、AかBかの二択にした瞬間、苦しくなる。
四方田の“正しさ”が怖い──善意が暴力に変わる瞬間
四方田の動機は「親たちにも目を覚ましてもらいたかった」という言葉で語られます。言葉だけ聞くと、教育者としての理想にも見える。けれど、やったことは集団感染という“他人の身体”を使った強制でした。
この回が刺さるのは、四方田が最初から悪人として描かれていないからだと思います。むしろ信頼されている先生で、本人もそれを分かっていたはず。その人が「正しさ」を理由に一線を超えると、こんなにも怖い。
私は、四方田が「塾長を変えたのは親だ」と言った場面が、胸に残りました。親の期待が塾をビジネスに変えて、先生の理想を削って、最後は先生が暴走する。誰か一人の悪意じゃなく、構造が人を壊す感じが、後味として重かったです。
「高低差」というトリックが象徴するもの
トリックとして提示された「高低差」は、理屈として納得がいく一方で、象徴的にも見えました。教壇の上に立つ人と、座って聞く人。知識を持つ側と、欲しい側。そこに上下が生まれた瞬間、関係は対等じゃなくなる。
しかも、四方田は感染しなかった。親たちだけが倒れた。教育の現場で“守られるのは誰か”っていう問いが、皮肉な形で表現されていた気がします。
そして物証として出てくる「だるま通信」と「赤いインク」も、信頼の象徴みたいでした。スタンプって、本来は“承認”や“合格”の合図。でも今回は、その印が毒と一緒に検出される。信じたものが、実は一番危ない形で返ってくる怖さがありました。
吉岡家が「やめる」を選んだラストが、いちばん救いだった
事件を見たあとで、亮介が「お受験をやめる」選択に着地したこと。私はここが、この回の“贖い”だと思いました。頑張ることが偉いんじゃなくて、やめることにも勇気がいる。
親って、つい「続けさせること=支えること」だと思いがちだけど、子どもの心を守るために引く判断も、同じくらい大切。吉岡家が、勝ち負けではなく“家族の温度”で選び直したのが、見終わったあとに残る救いでした。
ただ、その救いの横で、道彦の手帳に残った「414」が静かに存在感を増している。事件が終わっても、家族の中にはまだ終わっていないものがある。次回以降、吉岡家の“ほっこり”の裏側に、どんな真相が出てくるのかが気になります。
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