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ドラマ「多すぎる恋と殺人」9話のネタバレ&感想考察。真奈美の出家と脱マイラブ宣言、桐生犯人説が崩れ始める回

ドラマ「多すぎる恋と殺人」9話のネタバレ&感想考察。真奈美の出家と脱マイラブ宣言、桐生犯人説が崩れ始める回

ドラマ「多すぎる恋と殺人」9話は、谷崎真奈美がついに“マイラブ”との関係を断とうとする回です。50人の恋人たちを狙う連続殺人事件は、神木譲の自首によっていったん動いたように見えましたが、その神木が殺害され、元夫・桐生徹に疑いが集中します。

真奈美はこれまで桐生犯人説を否定し続けてきましたが、凶器の指紋と目撃情報によって、さすがに彼をかばいきれなくなっていきます。9話の見どころは、真奈美が恋を捨てようとするところです。

寺に向かい、出家して禁欲を宣言するという展開は、いつものラブコメ的な勢いもありますが、実はかなり苦い意味を持っています。マイラブたちが殺されるたびに、真奈美は自分の恋愛そのものが人を傷つけているのではないかと追い詰められていくからです。

ただし、この回で本当に問われるのは、真奈美が恋をやめるかどうかではありません。桐生は本当にアイチャンなのか。

神木はなぜ殺されたのか。真奈美の恋は罪なのか、それとも誰かに罪として利用されているのか。

この記事では、ドラマ「多すぎる恋と殺人」9話のあらすじとネタバレ、伏線、見終わった後の感想&考察について詳しく紹介します。

目次

ドラマ「多すぎる恋と殺人」9話のあらすじ&ネタバレ

多すぎる恋と殺人 9話 あらすじ画像

9話は、神木譲の殺害によって桐生徹への疑いが決定的に強まり、真奈美が“脱マイラブ宣言”をして姿を消す回です。神木は自ら「アイチャン」を名乗って自首してきた人物でしたが、その神木が何者かに殺害されたことで、事件は再び混乱します。

凶器のナイフに付いた指紋と目撃情報から、警察は桐生を緊急指名手配し、真奈美は事件直前まで神木と一緒にいたため、再び自宅謹慎を言い渡されます。ここで真奈美は、今まで守ろうとしてきた元夫・桐生への信頼と、マイラブたちを死なせてしまった罪悪感の間で崩れていきます。

神木譲の死で、桐生徹への疑いが濃厚になる

9話の冒頭で大きく動くのは、神木譲の死です。神木は、事件の指示役「アイチャン」を名乗って自首してきた人物でした。

しかし、神木の証言はすべてを解決するものではありませんでした。むしろ彼の自首には不自然さがあり、真奈美や黒岩たちは、本当に神木が黒幕なのか疑いを残していました。

そんな中で、神木が殺害されます。神木が死んだことで、事件は「アイチャンが自首したから終わり」ではなく、「アイチャンを名乗った人物まで消された」という段階へ進みました。

凶器の指紋と目撃情報が、桐生を追い詰める

神木殺害の凶器となったナイフには、逃走中の桐生徹の指紋が付着していました。さらに目撃情報もあり、警察は桐生が犯人である可能性を強く見ます。

ここまでの流れでも、桐生の探偵事務所からは実行犯へのメールや凶器の購入履歴などが見つかっていました。毒殺に使われた薬品からも桐生の指紋が出ており、桐生をアイチャンと見る材料は積み重なっています。

ただ、証拠があまりにも桐生へ向かいすぎているところが逆に不穏です。事件のたびに、桐生を犯人へ見せる証拠が都合よく出てくる。

9話はその疑惑をさらに強める回でもありました。

神木は、本当にアイチャンだったのか

神木が殺されたことで、彼が本当にアイチャンだったのかという問いはさらに深くなります。もし神木が本当の黒幕なら、彼を殺す必要は誰にあるのか。

逆に神木が誰かに利用されて自首しただけなら、口封じとして殺された可能性があります。神木は真奈美を追い詰めるための駒だったのかもしれません。

9話の神木殺害は、桐生犯人説を強める材料でありながら、同時に“本物のアイチャンが別にいる”可能性を濃くする出来事でした。ここがかなり重要です。

真奈美は再び自宅謹慎を言い渡される

真奈美は、事件の直前まで神木と一緒にいたため、再び自宅謹慎を命じられます。刑事として事件を追いたいのに、当事者として捜査から外される。

しかも今回は、彼女の元夫・桐生が神木殺害の有力容疑者になっています。真奈美にとって、これはただの捜査上の制限ではありません。

自分の恋人たちが殺され、自分の元夫が犯人として追われる。自分の恋愛が事件の中心にあることを、改めて突きつけられます。

真奈美が自宅謹慎になるたびに、彼女は刑事として事件を追う立場から、自分の人生そのものを疑われる立場へ引き戻されています。9話ではその孤独がかなり強く出ます。

真奈美は、もう桐生をかばいきれなくなる

これまで真奈美は、桐生犯人説を否定し続けてきました。元夫だから信じたいという気持ちもありますが、それだけではなかったと思います。

真奈美は、桐生が自分のマイラブたちを殺すような人間ではないと、感覚で知っていたのでしょう。けれど、神木殺害の凶器から桐生の指紋が出て、目撃情報まであるとなれば、さすがに彼をかばいきれません。

この場面で真奈美が折れるのは、桐生を疑うからではなく、信じる根拠を奪われていくからです。彼女の中で、元夫への記憶と現在の証拠がぶつかっていきます。

刑事としての真奈美と、当事者としての真奈美が分裂する

9話の真奈美は、刑事として事件を冷静に見ることができません。それは弱さではなく、事件の中心に彼女自身の恋愛と過去が入りすぎているからです。

マイラブたちが殺される。元夫が指名手配される。

神木が自分と会った後に殺される。これだけ重なれば、捜査対象と捜査する側の境界は崩れます。

真奈美が自宅謹慎になることは、組織としては当然ですが、物語的には真奈美が“刑事の顔”をいったん外され、“恋した人間”として自分の罪悪感と向き合わされる展開でもありました。

真奈美は黒岩に弱音を吐き、脱マイラブ宣言をする

失意の真奈美は、後輩刑事・黒岩壮馬に珍しく弱音を吐きます。そして、「マイラブと会うの……もうやめようと思う」と口にします。

真奈美にとって、マイラブはただの遊び相手ではありません。彼女なりの恋愛の形であり、人生の楽しみであり、誰かとつながる方法でした。

その真奈美がマイラブをやめると言うことは、単なる禁欲宣言ではなく、自分の生き方そのものを否定しようとしているということです。9話はここで、真奈美の明るさの裏にある深い罪悪感を見せます。

黒岩は、真奈美の弱さを初めて近くで受け止める

黒岩はこれまで、真奈美の多重恋愛にツッコミを入れながらも、彼女を支える後輩刑事として動いてきました。真奈美への好意もにじませていますが、普段は彼女の奔放さに振り回される立場です。

しかし9話の真奈美は、いつものように笑ってごまかすことができません。マイラブをやめると弱音を吐く真奈美を、黒岩は真正面から見ることになります。

黒岩にとって9話は、真奈美を“恋多き先輩”としてではなく、傷ついて自分を責める一人の人間として受け止める回でもあります。彼の真奈美への感情も、ここでさらに深まったはずです。

脱マイラブ宣言は、真奈美の自己否定だった

真奈美の脱マイラブ宣言は、反省というより自己否定に近いものです。自分が多くの人を愛したから、マイラブたちが狙われた。

自分が桐生を傷つけたから、彼が事件に関わったのではないか。自分の恋が人を壊しているのではないか。

真奈美はそう考え始めているように見えます。けれど、本当に問題なのは真奈美が恋をしたことではなく、その恋を殺人の理由に変えようとしている誰かがいることです。

9話の時点では、真奈美はまだそこへ戻れていません。

真奈美は姿を消し、寺で出家・禁欲宣言をする

脱マイラブ宣言をした真奈美は、そのまま姿を消し、音信不通になります。そしてたどり着いたのが寺です。

真奈美が寺へ向かい、出家して禁欲宣言する展開は、コメディとしてかなりインパクトがあります。これまで50人のマイラブを持ち、奔放に恋愛してきた真奈美が、いきなり恋も色欲も断とうとする。

ただ、この“出家”は笑いの展開であると同時に、真奈美が自分の欲望を罪として処理しようとしている痛い行動でもあります。恋をやめれば事件が止まるのではないか。

そんな追い詰められ方が見えます。

真奈美は、恋を断てば誰も死なないと思い込む

真奈美が禁欲を選ぶのは、自分の恋愛が事件を呼んでいると思い込んでいるからです。マイラブたちが次々と殺される以上、彼女がそう考えてしまうのも無理はありません。

でも、これは犯人が一番望んでいることかもしれません。真奈美に「自分の恋は罪だ」と思わせること。

それによって彼女の生き方を壊すこと。出家は真奈美の逃避であると同時に、アイチャンの狙いが真奈美の恋愛観そのものを壊すことにあると示す展開でもありました。

寺は、真奈美が恋を罰する場所になる

寺という場所は、真奈美にとって恋を静めるための場所として描かれます。ただ、真奈美の恋は本当に罰せられるべきものなのでしょうか。

たしかに彼女の恋愛観は過剰で、黒岩をはじめ周囲を振り回してきました。けれど、相手を騙し、支配し、利用する恋ではありません。

真奈美なりに、複数の人をそれぞれ愛していたのです。9話の寺の場面は、真奈美が自分の恋を罪として処理しようとする場所であると同時に、その考え自体が間違っていると後に気づくための場所だったと思います。

桐生の逃亡目的が、少しずつ気になり始める

9話では、逃亡を続ける桐生の目的も大きな焦点になります。警察から見れば、桐生は神木を殺し、アイチャンとしての罪を隠すために逃げているように見えます。

けれど、ここまで証拠が桐生に集まりすぎていることを考えると、彼は犯人というより、真相に近づいたために追い込まれている人物にも見えます。桐生が逃げているのは罪からではなく、真奈美を守るため、あるいは本物のアイチャンに近づくためではないかと考えたくなります。

9話は、桐生犯人説を強めながらも、同時にその違和感を残す作りでした。

桐生は、神木を殺す理由が本当にあるのか

桐生が本当にアイチャンなら、神木を殺す理由はあります。自分の罪を語られたくない、あるいは神木の自首が邪魔だった。

しかし、神木はアイチャンを名乗って自首していました。桐生に罪をかぶせるなら、神木はむしろ利用価値のある人物です。

そこで神木を殺すのは、逆に事件を大きくし、桐生への疑いを強める行動でもあります。この不自然さから見ると、神木殺害は桐生の犯行ではなく、桐生を完全に犯人に仕立てるための一手だった可能性があります。

9話で感じるべき違和感はここです。

桐生の過去が、真奈美の恋愛観の核心へつながる

9話では、姿を消した真奈美と桐生の過去も明らかになる流れになります。2人は元夫婦です。

つまり桐生は、真奈美がマイラブを持つ前後の恋愛観を知っている人物であり、彼女がなぜ一人を本命にしない生き方を選んだのかにも関係しているはずです。桐生の過去を知ることは、アイチャンの正体に近づくことだけでなく、真奈美自身の“多すぎる恋”の原点を読み直すことでもあります。

ここから10話の地元回へつながっていきます。

9話の終盤は、10話の桐生自殺偽装へつながる

9話の流れを受けて、10話では桐生の車と遺書が千葉の埠頭で見つかることになります。つまり9話は、桐生を追い詰め、真奈美の心を折り、次に“桐生が自殺した”という結論へ誘導するための前振りでもあります。

ただ、遺体が見つかっていないという点が重要です。車と遺書だけで自殺と判断するには、あまりにも都合が良い。

9話で桐生犯人説が強まるほど、10話で出てくる桐生の遺書は、事件を終わらせる証拠ではなく、真犯人が用意した最終的な偽装工作に見えてきます。9話はそのための土台でした。

真奈美が自分を責めるほど、犯人の罠は完成に近づく

9話で真奈美が恋を捨てようとするほど、犯人の狙いは成功に近づいています。真奈美が自分を責め、捜査から外れ、マイラブをやめる。

その間に、桐生は犯人として追い詰められ、神木は死に、事件は真奈美の恋愛のせいだったように見せられていきます。アイチャンの本当の狙いが真奈美を壊すことなら、9話はまさに真奈美の心を折る回でした。

だからこそ、次に必要なのは真奈美が恋をやめることではなく、恋を罠に使う相手を見抜くことです。

黒岩が真奈美をどう連れ戻すかが重要になる

9話で真奈美が姿を消した後、黒岩がどう彼女を連れ戻すかも重要です。黒岩は真奈美に好意を持っています。

しかし、ここで必要なのは恋愛感情だけではありません。真奈美が自分の恋を罪だと思い込んでいる時、黒岩はそれは違うと伝えなければいけません。

黒岩が本当に真奈美を支えるなら、マイラブを否定するのではなく、真奈美が自分自身を罰しすぎないように引き戻すことになるはずです。9話は、黒岩の愛情の質も問う回でした。

ドラマ「多すぎる恋と殺人」9話の伏線

多すぎる恋と殺人 9話 伏線画像

9話には、桐生犯人説を強める証拠と、それを疑わせる違和感が同時に置かれています。神木の死、凶器の指紋、目撃情報、真奈美の自宅謹慎、脱マイラブ宣言、出家、桐生との過去。

ここで大事なのは、9話が“桐生が犯人だと決まる回”ではなく、“桐生を犯人に見せる罠が完成へ近づく回”としても読めることです。9話の伏線を整理すると、10話以降の自殺偽装や地元回へのつながりが見えてきます。

神木譲の殺害は、アイチャンの口封じを示す伏線

神木譲が殺害されたことは、本物のアイチャンによる口封じの伏線に見えます。神木はアイチャンを名乗って自首しました。

しかし、本当に彼が黒幕なら、彼を殺す必要はありません。むしろ、神木の死によって事件は再び桐生へ向かいます。

神木は本物のアイチャンではなく、真相に近づきすぎたか、誰かに利用された人物だった可能性があります。彼の死は、桐生犯人説を強めながら、同時に真犯人の存在を示す重要な伏線です。

凶器の指紋は、桐生を犯人に見せる伏線

凶器のナイフに桐生の指紋が付いていたことは、表向きには決定的な証拠です。警察が緊急指名手配へ動くのも自然です。

ただ、これまで桐生の押収物から実行犯へのメールや凶器の購入履歴が見つかるなど、桐生に不利な証拠はやけにきれいに出てきています。9話の指紋も、犯人が桐生である証拠というより、桐生を犯人に見せるために置かれた証拠の可能性があります。

真奈美が違和感を持つべきポイントはそこです。

真奈美の自宅謹慎は、捜査から切り離すための伏線

真奈美が再び自宅謹慎を言い渡されることは、彼女を捜査から切り離すための伏線です。神木と最後に会っていたこと、桐生の元妻であることを考えれば、組織としては当然の判断です。

しかし、物語的には、真奈美を事件の中心から遠ざけることで、桐生犯人説を進めやすくする流れにも見えます。真奈美が現場にいれば、証拠の違和感を拾える可能性があるからです。

真奈美が捜査から外されることは、アイチャンにとって都合のいい展開でもあります。ここにも罠の気配があります。

脱マイラブ宣言は、真奈美の自己否定を示す伏線

真奈美の脱マイラブ宣言は、事件が彼女の恋愛観を壊し始めたことを示す伏線です。彼女はこれまで、50人のマイラブを持つ自分を隠さずに生きてきました。

しかし、マイラブたちが殺され、元夫が犯人扱いされる中で、真奈美は自分の恋が人を死なせていると思い込んでいきます。これは、アイチャンが真奈美を心理的に追い込むうえで最も効く罠です。

真奈美が自分の恋を否定するほど、犯人は彼女の人生を破壊できるからです。

出家と禁欲宣言は、恋を罪として処理しようとする伏線

真奈美が寺へ向かい、出家して禁欲宣言をする流れは、コメディに見えてかなり重い伏線です。彼女は恋をやめれば事件が止まるのではないかと考えています。

しかし、恋をやめることは事件の解決ではありません。むしろ、真奈美が自分を罰することで、真犯人の狙いに近づいてしまいます。

出家は、真奈美が本来の自分から逃げようとする行動であり、後に“恋を取り戻して戦う”ための反動として機能するはずです。

桐生の逃亡は、犯人逃亡ではなく真相追跡の伏線

桐生が逃亡していることは、犯人が逃げているように見えます。しかし、これまでの流れを見ると、桐生はむしろ誰かに罪を着せられている可能性が高いです。

もし桐生が本当にアイチャンなら、ここまで分かりやすく証拠を残すでしょうか。探偵である彼が、凶器の購入履歴やメール、指紋をあまりにも都合よく残している点は不自然です。

桐生の逃亡は、罪から逃げているのではなく、本物のアイチャンを追うため、あるいは真奈美を守るための行動かもしれません。

真奈美と桐生の過去は、マイラブの原点を示す伏線

9話で真奈美と桐生の過去が明らかになることは、真奈美の恋愛観の原点へつながる伏線です。桐生は真奈美の元夫です。

つまり、彼は真奈美がどのように人を愛し、なぜ一人に決めない恋愛へ進んだのかを知る人物です。真奈美にとって、桐生は過去の失敗や傷とつながる存在でもあります。

桐生を知ることは、アイチャンを知ることだけでなく、真奈美の“多すぎる恋”の理由を知ることでもあります。これが10話の地元回へつながります。

黒岩の弱音受け止めは、真奈美を救う役割への伏線

真奈美が黒岩に弱音を吐くことは、黒岩が単なる後輩刑事から真奈美を支える存在へ変わる伏線です。黒岩は真奈美のマイラブを否定的に見てきました。

しかし9話で必要なのは、真奈美の恋愛観を責めることではありません。真奈美が自分を責めすぎないように止めることです。

黒岩が真奈美を本当に好きなら、彼女の恋を独占するのではなく、彼女が自分の生き方を罰しないよう支える必要があります。9話は黒岩の愛情の成熟にもつながる回です。

10話の桐生自殺偽装は、9話で作られた桐生犯人説の延長にある

10話で桐生の車と遺書が見つかる展開は、9話で桐生犯人説が強められた延長線上にあります。9話で警察も真奈美も桐生を疑わざるを得ない状況になったからこそ、遺書が出た時に自殺と処理されやすくなります。

しかし遺体がないなら、それは自殺の証明ではありません。むしろ、桐生を事件の幕引き役にするための偽装工作に見えます。

9話の桐生指名手配は、真犯人が10話で用意する“桐生自殺”を成立させるための下準備だった可能性があります。

ドラマ「多すぎる恋と殺人」9話の見終わった後の感想&考察

多すぎる恋と殺人 9話 感想・考察画像

9話を見終わって強く残るのは、真奈美の“多すぎる恋”がついに本人の中で罪として扱われ始めたことです。今までは、事件が起きても真奈美はどこか明るく、マイラブたちへの愛を失わずにいました。

しかし神木が殺され、桐生が指名手配され、自宅謹慎になったことで、真奈美は初めて本気で自分の恋を断とうとします。出家という突飛な展開の裏に、かなり深い自己否定がある回でした。

真奈美の出家は笑えるのに、かなり痛い

真奈美が寺に行き、禁欲宣言をする展開は、字面だけ見るとかなり笑えます。50人のマイラブを持つ刑事が、突然すべてを断とうとする。

このドラマらしい振り切ったコメディです。ただ、笑いながらも見ていて痛いのは、真奈美が本気で自分を罰しようとしているからです。

真奈美は恋が多すぎるから軽いのではなく、恋が多すぎることを誰よりも自分で引き受けている人でした。その彼女が恋を捨てると言うことは、自分の核を手放すことでもあります。

マイラブは、真奈美にとって欲望だけではなかった

マイラブは、真奈美にとって単なる色欲の相手ではありません。癒し枠、筋肉枠、おしゃべり枠など、それぞれの相手にそれぞれの意味がありました。

もちろん、その恋愛観はかなり特殊です。黒岩が戸惑うのも当然です。

けれど、真奈美は相手を道具のように扱っていたわけではないと思います。だから彼女がマイラブをやめると言う時、それは欲望を断つというより、人とつながる方法を捨てることに近いです。

9話の苦さはそこにありました。

犯人は、真奈美の恋を罪に見せたい

この事件の一番怖いところは、真奈美の恋を罪に見せようとしていることです。マイラブが殺されるたびに、真奈美は自分が悪いのではないかと追い詰められます。

桐生が犯人扱いされれば、元夫が嫉妬でマイラブを殺した物語が完成します。そうなると、真奈美の恋は事件の原因として処理されてしまいます。

でも本当に悪いのは、真奈美が多くの人を愛したことではなく、その愛を利用して殺人を起こしている誰かです。9話は、真奈美がまだその構造に戻れていない回でした。

桐生犯人説は強まったけれど、やはり不自然

9話で桐生犯人説はかなり強まりました。凶器の指紋、目撃情報、過去の押収物、緊急指名手配。

警察が桐生を疑うのは当然です。真奈美も、今回ばかりはかばいきれません。

けれど、見れば見るほど桐生へ証拠が集まりすぎています。ミステリーとしては、ここまで分かりやすく桐生を犯人へ寄せるほど、逆に桐生は犯人ではないのではないかと思えてきます。

9話は、警察目線と視聴者目線で見え方がズレる回でした。

神木の死は、桐生に罪をかぶせるために見える

神木の死は、桐生犯人説を完成させるために利用されたように見えます。神木が死んだことで、桐生は自首した偽アイチャンを消した犯人に見えます。

しかし、神木を殺して一番得をするのは誰でしょうか。桐生ではなく、本物のアイチャンかもしれません。

神木を消し、桐生の指紋を残し、警察を桐生へ向かわせることで、真犯人は事件の視線をコントロールしています。9話は、その操作がかなり露骨に見え始めた回です。

桐生は、真奈美を守るために逃げている可能性

桐生が逃げ続ける理由も、単純に犯人だからとは限りません。探偵である桐生なら、自分に罪を着せる証拠が出ていることには気づいているはずです。

それでも出てこないなら、警察に捕まるより先にやらなければならないことがあるのかもしれません。真奈美を守る証拠を探しているのか、本物のアイチャンを追っているのか。

9話の桐生は、逃亡犯に見えながら、実は真相に最も近い人物として描かれている可能性があります。この読み方を残したまま10話へ進むのが面白いです。

黒岩の役割が、かなり重要になってきた

9話で黒岩の役割はかなり重要になりました。真奈美が弱音を吐く相手が黒岩だったからです。

黒岩は真奈美の恋愛観を理解しきれていない人物です。むしろ、これまでは彼女の多重恋愛にツッコミを入れたり、引いたりする側でした。

でも9話では、真奈美が自分を罰しようとするところを一番近くで見る人物になります。彼がどう受け止めるかで、真奈美が戻ってこられるかどうかも変わりそうです。

黒岩は、真奈美を独占したいのか、支えたいのかを問われる

黒岩は真奈美に好意を持っています。だから、真奈美がマイラブをやめると聞けば、どこかでうれしい気持ちが生まれてもおかしくありません。

でも、本当に真奈美を大切に思うなら、彼女の自己否定に乗ってはいけません。マイラブをやめろと迫るのではなく、真奈美が自分の恋を罪だと思い込まないように支える必要があります。

9話は、黒岩の恋が“真奈美を独占したい恋”から“真奈美を壊れないよう支える恋”へ変われるかを試す回でもありました。

黒岩は、真奈美の恋愛観を否定しないところまで行けるか

黒岩にとって難しいのは、真奈美の恋愛観を完全に理解することではありません。理解できなくても、否定しないことです。

真奈美は多すぎる恋をしている。それは普通ではないかもしれません。

しかし、それが彼女の生き方です。黒岩が最終的に真奈美のそばに立つなら、彼女の恋を全部受け入れるというより、彼女が自分の恋を罪として捨てようとする時に止められる人になってほしいです。

9話は、その入口になっていました。

9話の結論:真奈美が捨てるべきなのは恋ではなく、罪悪感だった

9話を一言でまとめるなら、真奈美が恋を捨てようとした回です。でも、見ている側としては、捨てるべきなのは恋ではなく罪悪感だと感じました。

マイラブたちが殺されたことは真奈美の責任ではありません。桐生が犯人かどうかもまだ分からない。

神木の死も、むしろ真犯人の口封じに見えます。真奈美は、自分の恋が人を殺しているのではなく、誰かが自分の恋を殺人の理由として使っていることに気づかなければいけません。

それが10話以降の最大の課題です。

恋をやめても、事件は終わらない

真奈美がマイラブをやめても、事件は終わりません。なぜなら、犯人が狙っているのは真奈美の現在の恋だけではないからです。

真奈美の過去、桐生との結婚、元夫への信頼、黒岩との関係、警察内の判断。アイチャンは、それらすべてを使って真奈美を追い詰めているように見えます。

だから真奈美が本当に向き合うべきなのは、恋をやめることではなく、自分の恋を罪に変えようとする構造そのものです。

10話は、桐生を信じる根拠を取り戻す回になりそう

9話で真奈美は、桐生を信じる力を失いかけました。でも10話では、桐生の車と遺書が見つかり、その遺書に真奈美が違和感を覚える流れになります。

ここで真奈美は、元妻として桐生をもう一度読み直すはずです。警察の証拠ではなく、自分が知っている桐生の言葉、字、癖、過去から違和感を拾う。

9話が真奈美の心を折る回なら、10話は真奈美が自分の記憶を信じ直し、桐生犯人説の罠を見抜く回になると予想します。

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