第3話でようやく噛み合い始めた大河とリンの関係は、第4話でいったん静かな朝を迎えます。
恋が始まったばかりの、やわらかくて少し照れくさい時間。けれどそのぬくもりは、長くは続きません。
第4話「ヌルンジと涙」は、恋が動いたからこそ避けてきた“過去”と向き合わされる回です。
実家、挫折、家族の期待、そして今続けている仕事への迷い。大河とリンそれぞれが背負ってきたものが、現在の選択にどう影を落としているのか。甘さと苦さが同時に迫る第4話を、あらすじとネタバレを交えて整理していきます。
※ここから先は、第4話のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
ドラマ「キンパとおにぎり」4話のあらすじ&ネタバレ

第4話「ヌルンジと涙」は、甘い朝の余韻と、胸の奥に沈んでいた“過去の痛み”が一気に押し寄せる回でした。
恋が始まったからこそ、隠してきた家族のこと、挫折のことが“今の自分”に直結してくる。そんな転機の回として描かれます。
リンの新居、ふたりで迎える「初めての朝」
初めての喧嘩を乗り越えた大河とリンは、リンの新居で朝を迎えます。ベッドで目が合うだけで気まずくなるのに、どこか嬉しそうで、ふたりの距離が少しだけ“恋人の体温”に近づいたことが伝わってくる始まりです。
朝食は、リンの母・ミエが用意したわかめスープ。温かい湯気と香りが、そのまま“守られている時間”みたいに部屋に広がっていきます。大河もその一杯に、ほっと心がほどけるような表情を見せます。
その流れで、大河はリンのために覚えた韓国語を口にします。気持ちはまっすぐなのに、発音がうまくいかないところも含めて、ふたりの関係が自然に深まっていく空気が描かれました。
「クルマッ」と言えないかわいさ、言葉が近づく瞬間
大河が使った韓国語のひとつが「꿀맛(クルマッ)」。意味としては「とても美味しい」というニュアンスで、リンに伝えたい気持ちが言葉になっていきます。
一方で、大河は「담은지무치(タンムジムチム)」のような言葉がなかなか言えず、リンの前で空回りします。でも、その“言えなさ”が、ふたりの間では恥ずかしさよりも愛嬌として落ちていく。笑って許してもらえる関係に変わってきたことが、ここで見えてきます。
朝の空気はやわらかく、喧嘩の傷跡もどこか遠い。けれど、この幸せは長くは続きません。
ふいに訪れる現実、兄からの電話
帰宅後も大河は甘い余韻に浸ります。けれど、スマホに表示されたのは兄・正樹からの着信。大河の表情が一瞬で固くなり、空気が冷えるのが分かります。
正樹が告げたのは「父の法事だから実家に帰ってこい」という用件でした。大河はこれまで、ある理由から実家を避け続けていた様子があり、電話一本で“戻らない選択肢”が消えていきます。
重い腰を上げた大河は、夜行バスに乗って長野の実家へ向かうことになります。ここから物語は一気に、恋の甘さから“過去の苦さ”へ切り替わっていきます。
夜行バスの中でよみがえる、挫折の記憶
バスの中、大河の脳裏に浮かぶのは学生時代の記憶です。大河は陸上に打ち込み、推薦で大学へ進み、練習に明け暮れる日々を送っていました。
けれど努力だけでは届かなかった現実が、容赦なく描かれます。成績が伸びず、選手として選ばれないまま補欠に回される。自分の居場所がじわじわ失われていく感覚が、画面越しにも痛いほど伝わります。
さらに大河は、寮の食堂を手伝うように言われる場面が出てきます。走ることでは認められなくなり、別の役割を与えられる。その瞬間の悔しさが、今の大河の“料理”と直結しているのが切ないところです。
高校時代には勝てていたのに、全国レベルの中で自分が“平凡”だと知る。努力が努力のまま残って、結果に結びつかない。大河の挫折は、派手な事件ではなく「積み重ねた時間が報われない痛み」として描かれていきます。
父の13回忌、親戚の輪と「入れない」大河
実家に着くと、家は親戚で賑わっています。
けれど大河はその輪に入れず、気配を薄くするように佇みます。笑い声や世間話が響くほど、大河だけが取り残されていく感じが強くなっていきます。
法要は父の13回忌。家族の時間であるはずなのに、大河にとっては“苦しい記憶が詰まった場所”として映ります。大河が実家を避けていた理由が、輪郭を持って迫ってくる場面です。
そんな中で大河は、母・ひろ子の料理を手伝います。話の中心にいられなくても、台所なら手を動かせる。大河が“言葉じゃなく手”で家族に近づこうとする姿が、静かに描かれます。
兄・正樹の言葉「誰にでもできる仕事だろ」
法要の後、正樹は大河に今後のことを尋ねます。大河は、東京で小料理店「田の実」で働いていること、店主から新メニューを任せられることなどを語ります。
けれど正樹は、その言葉を認めません。「誰にでもできる仕事なんだから勘違いするな」といった厳しい言葉で、大河の今を切り捨てます。
大河が一番守りたかった“今の自分の拠り所”が、家族の言葉で簡単に否定される。兄の正しさは分からなくもないのに、言い方だけで刺さってしまう。その痛みが、大河の表情にそのまま出ます。
この時点で大河はまだ、兄に反論しきれません。言い返したところで、過去の自分がまた否定される気がしてしまうから。逃げたいのに、逃げられない空気が続きます。
河原でリンに電話、怒りながら肯定してくれる声
大河は外に出て、河原でリンに電話をします。正樹に言われたことをそのまま伝える大河は、どこか自分の価値を確かめるように、言葉を選びながら話します。
それを聞いたリンは、正樹に憤ります。大河が店で必要とされていること、任されていることを強い口調で肯定し、大河の“今”を守ろうとします。
大河は「自分じゃなくても誰でもいいのでは」と言ってしまうのですが、リンはそこを折りません。今の修行は無意味じゃない、時間をかけて繰り返すことは強い、と言葉を重ねます。大河が学生時代に積み重ねた“走る練習”まで、切り捨てずに抱きしめるような励ましでした。
電話を終えた大河は、リンからもらっていたヌルンジ味の飴を口にします。落ち込んだときに元気が出る、温かい味。リンの言葉と飴の甘さが、大河の背中を押す形でつながっていきます。
もう一度だけ、兄に「料理を続けたい」と言う
実家に戻った大河は、正樹に「料理を続けたい」と本音をぶつけます。
誰にでもできると言われても、それでも自分が続けたいものとして料理を選んだ。その決意を口にすること自体が、大河にとっては大きな一歩です。
大河は、誰にでもできることでも続ければ自分だけのものになる、という趣旨の言葉も伝えます。けれど正樹はさらに踏み込み、「続ける覚悟はあるのか」と問いかけます。
そこで大河は、答えに詰まってしまいます。「わからない」と口にしてしまい、正樹は失望したように「中途半端なら時間の無駄だ」と突き放します。大河の“今”が、また一段深く傷つく瞬間です。
大河はその言葉を受け止めきれず、早々に東京へ戻ることを選びます。実家に残るほど、過去も今も否定される感覚が強くなるからです。
一方その頃、リンは母・ミエの「安定」に押し返される
この回は、大河だけでなくリン側の“家族の圧”も描かれます。ミエが帰国することになり、荷物運びのためにジュンホが迎えに来ます。
道中で3人は食事をし、ミエはジュンホを気に入った様子で、恋人の有無や趣味などを根掘り葉掘り聞きます。リンはうんざりした顔を見せつつ、ジュンホは兄妹みたいな仲だと釘を刺します。
そして空港で、ミエはリンに“次の道”を提示します。韓国の専門学校で非常勤講師の空きが出たことを告げ、卒業後はそこで働くように言うのです。
リンはアニメ作家の夢を簡単には手放せず、反論します。
けれどミエは安定した生活を理由に押し切ろうとし、リンの表情には言い返せない悔しさが残ります。大河とリン、それぞれが“期待される道”に苦しむ構図が、ここで強く重なります。
母・ひろ子の励ましと、大河の複雑な気持ち
実家を出る際、ひろ子は大河に「大河なりに頑張ればいい」といった形で励まします。母は母で、無理に押しつけず、見守ろうとしている。
それでも大河は、その言葉を素直に受け取れません。優しいはずの励ましが、逆に「期待されていないのかもしれない」という寂しさに変わってしまう。家族の中で自分の居場所が曖昧になっている痛みが残ります。
大河はそのまま東京へ戻り、田の実へ足が向きます。逃げ帰ったようでいて、ここが今の大河の“帰る場所”になっていることが分かる流れです。
田の実でシゲさんにこぼす「昔と変わってない、むしろ落ちてる」
田の実で大河は、実家での出来事をシゲさんに話します。
兄と向き合えなかったこと、母にも顔向けできない気持ち、そして自分が情けないという自己否定。大河の声は、言葉以上に疲れているように聞こえます。
シゲさんは大河を否定しません。慰めるでも叱るでもなく、ただ「明日時間あるか」と聞き、翌朝の仕入れに連れ出します。立ち止まった気持ちを、外の空気で少し動かそうとする選択が、シゲさんらしいです。
市場の朝、シゲさんの過去と「今のお前には何もないのか」
翌朝、大河はシゲさんと市場へ。活気のある場所で、素材の選び方を教わりながら歩くことで、気持ちが少しずつ現実に戻っていきます。
その流れでシゲさんは、自分の過去を語ります。高校中退で生活のために料理の仕事を始め、続けているうちに今に至ったこと。人生を“立派な一本線”にできなかった人間の言葉だからこそ、重みがあります。
そしてシゲさんは大河に問いかけます。「今のお前には何もないのか」。その一言が、大河の中の“どうせ自分なんて”を揺らし、まだ見えていないものを見つけるきっかけになります。
リンの部屋へ、「お帰りなさい」と抱きしめられる
市場のあと、大河はリンのもとへ向かいます。リンは「お帰りなさい」と言って抱きしめ、大河を迎え入れます。実家では言葉にならなかった感情が、ここでは身体ごと受け止められる。大河の表情がほどける場面です。
リンはキンパを作り、それを持ってふたりで公園へ行きます。キンパを食べながら、大河は兄とのやりとりを振り返ります。うまく向き合えなかったけれど、行ってよかったと笑顔を見せる大河に、リンも同じように笑います。
ただ、大河の中にはまだ刺さったままの棘があります。
家族の期待通りに生きられなかった過去を口にすると、リンは強い口調で「一方的に期待されたり未来を決められるのは違う」と言います。大河を責めるのではなく、大河を追い込んだ構造そのものに怒る言葉でした。
シゲさんからの電話「姉が倒れた、店を任せたい」
公園で過ごす時間の中、シゲさんから電話が入ります。姉が倒れたため、2〜3日店を任せたいという連絡でした。突然の出来事に大河は驚きつつも、任される重さを受け取ります。
田の実は“大河の居場所”であると同時に、まだ店主ではない大河にとっては“大きすぎる責任”でもあります。それでも大河は、ここから一歩進むように店に立ちます。
ひとりで切り盛りする田の実、そして伊藤と作本の来店
翌日、大河はひとりで田の実を切り盛りします。段取りも接客も、いつも以上に緊張が続く中で、店に現れたのは大学同期の伊藤。伊藤は作本栄治という男性を連れてきます。
大河が料理を出すと、作本は「おいしい」と褒め、さらに大河が元スポーツ選手だったことにも触れます。そして、辞めた後に別の道を着実に歩んでいることが素晴らしい、と評価します。実家で否定された“今”が、まったく別の角度から肯定される瞬間です。
帰り際、作本は名刺を渡し、自分がアスリートの食事管理をしていることを明かします。大河は伊藤と作本を見送りながら、名刺を見つめます。走る道は閉ざされたはずなのに、料理が“過去と未来”をつなぐ入口になる気配を残して、第4話は幕を閉じます。
ドラマ「キンパとおにぎり」4話の伏線

第4話は、回収された伏線が大きい一方で、次回以降に効いてきそうな“新しい種”もたくさん蒔かれました。ここでは私が気になったポイントを、「回収済み」と「未回収」に分けて整理します。
回収済みの伏線
まずは「前から気になっていた謎が、今話で答えが出た」ものから。
- 大河が実家を避け続けていた理由(挫折の記憶)
父の法事で帰省し、夜行バスの中で陸上での挫折が描かれました。選手として選ばれず、寮の食堂を手伝うように言われた経験など、実家に戻れなくなるだけの痛みが“具体的な過去”として見えてきます。 - 兄・正樹との距離感の正体(言葉の圧)
「誰にでもできる仕事」と言い放つ兄の言葉で、大河が胸を冷やす理由がはっきりしました。兄弟の確執は“性格の違い”ではなく、大河の自己肯定感を削るほどの温度差として描かれています。 - 大河が料理に惹かれていく理由(走れなくなった後の居場所)
走ることで認められなくなった過去と、台所で手を動かす今が重なり、料理が大河にとって「続けられるもの」「努力が積み上がるもの」として形を持ち始めました。 - リンの家庭事情(母の“安定”圧)
ミエがリンに「卒業後は講師として働け」と安定路線を勧め、リンが夢を諦めきれず反論する流れで、リン側にも“親の期待”が重くあることが明確になりました。
未回収の伏線
ここからは「まだ答えが出ていない」「次回以降に動きそう」な要素です。4カテゴリ(物/セリフ/タイトル/沈黙)でまとめます。
物
- ヌルンジ味の飴
落ち込んだときに大河の背中を押した“温かい味”。今後も、大河が折れそうな場面でこの飴が再登場する可能性があります。 - 作本の名刺
“料理”が“スポーツ(過去)”とつながるアイテムとして置かれました。名刺が具体的なオファーにつながるのか、それとも別の形で大河の選択肢を広げるのかは未確定です。 - リンが作ったキンパ(公園の時間)
ふたりが対話をする「場」を作る食べ物として機能していました。今後も“食”が、言いづらい本音を置くテーブルになりそうです。 - 夜行バス(帰省=過去に戻る装置)
大河が過去と向き合う導線として強く印象づけられました。今後も「帰る/戻る」がテーマになるとき、移動の描き方が鍵になりそうです。
セリフ
- 「誰にでもできる仕事」
大河の自己否定を呼び出す呪いみたいな言葉。これが“上書きされる日”が来るのか、それとも大河が別の言葉で塗り替えるのかが気になります。 - 「わからない」
覚悟を問われた大河が出した答え。ここに大河の怖さ(もう挫折したくない)が詰まっていて、今後“覚悟の形”が変わっていく伏線になりそうです。 - リンの「一方的に期待されたり未来を決められるのは違う」
大河に向けた言葉であり、同時にリン自身にも返ってくる言葉です。ミエとの関係が動くとき、リンがこの言葉を自分にどう適用するのかが見どころになりそう。 - 韓国語(クルマッ/タンムジムチム)
ふたりの距離が縮まる“言葉の橋”。今後、嬉しい場面だけじゃなく、すれ違いや誤解の場面でも言葉の壁が再燃する可能性があります。
タイトル
- 「ヌルンジと涙」
ヌルンジ(おこげ)は、焦げた部分でも“温かい味”として人を救う。涙は挫折の象徴であり、同時に再出発の合図にも見えます。タイトル自体が「失敗の見え方を変える」伏線として効いていました。
沈黙
- 正樹が言わなかった「認める言葉」
正樹は否定の言葉ばかりで、肯定が一度も出てきませんでした。彼の本音が“厳しさだけ”なのか、言えない事情があるのかはまだ分かりません。 - ひろ子が強く引き止めなかったこと
励ましはしたのに、深追いはしない。優しさにも見えるし、距離にも見える。この沈黙が大河の“期待されていないかも”につながっていて、親子の課題として残りました。 - リンがミエに言い切れなかった夢の強さ
反論はしたけれど、最後は押される形で場面が進みました。リンの夢がどの程度“現実に結びつくルート”を持っているのか、まだ描き切られていません。 - ジュンホの立ち位置
“兄妹みたい”と言われた関係が、本当にそのままなのか。ミエがジュンホを気に入ったことで、リンと大河の恋に別の角度の圧がかかる可能性が残っています。
ドラマ「キンパとおにぎり」4話の感想&考察

第4話って、ただ泣ける回じゃなくて、「痛いところに触れたのに、温められて終わる回」だったと思います。ヌルンジの飴の“温かい味”が、ずっと冷えたままだった大河の心にじわっと広がっていく感じが残りました。
甘い朝の幸福があるから、帰省の孤独が刺さる
冒頭のふたりは、もう言葉が少なくても通じ合っていて、見ているだけで頬が緩む空気でした。わかめスープの温かさも、韓国語を覚えようとする大河の不器用さも、全部が“生活の距離”に近い。
だからこそ、兄からの電話で大河の顔が一瞬で変わった時、私の胸も一緒に冷えました。幸せって、壊される前提で存在してるわけじゃないのに、現実はいつも遠慮なく割り込んでくる。
恋が始まると、過去が癒えるんじゃなくて、むしろ過去が“今の恋を壊しに来る”。この回はその怖さを、すごく丁寧に見せた気がします。
「誰にでもできる」の破壊力と、大河の“わからない”
兄の「誰にでもできる仕事」という言葉って、たぶん“仕事そのもの”をバカにしたいわけじゃなくても、結果として大河の存在を削る刃になっていました。
大河が「わからない」と言ってしまうところ、私はすごく苦しかったです。でも同時に、ものすごくリアルでした。挫折って、一度味わうと「次も同じになるかもしれない」って恐怖が身体に残るんだと思う。
大河は“料理が好き”だけでは、また足りなくなる瞬間が来るのを知ってる。だから覚悟を問われた時、口が止まる。その止まった時間そのものが、大河の挫折の深さを物語っていました。
リンの怒りは、いちばん優しい肯定だった
リンが私の中で本当にかっこよかったのは、励ますだけじゃなく「怒った」ことです。大河が自分を責める前に、外側の理不尽に矢印を向けてくれた。
大河って、自分が悪い、自分が足りない、と言いがちな人だから、放っておくと“自分の価値”まで手放してしまう。その手前で、リンが「それは違う」と言ってくれたのが、救いの形として強かったです。
しかもその怒りは、ただ強いだけじゃなくて、時間をかけることの価値まで言葉にしていた。大河が学生時代に積み重ねた“走る努力”を、無意味にしなかったのが、私はすごく嬉しかった。
母たちの対比が、ふたりの恋をもっと現実にする
今話、私は「母」の描き方が印象に残りました。ひろ子は大河を急かさず、励ましもするけれど、強く引っ張らない。優しいんだけど、その優しさが大河には“距離”として刺さってしまうのが切ない。
一方でミエは、リンに安定を提示して「正しい道」を決めようとする。ミエの言葉も、愛から出ているんだろうけど、リンの夢を“今ここで”置いていかせる圧になっていました。
大河もリンも、恋人としてすれ違う前に、家族の価値観で揺さぶられている。このドラマの恋って、ふたりだけの問題じゃなくて、育ってきた場所の問題なんだと改めて感じました。
シゲさんの市場は、大河の“もう一つの家族”に見えた
私は正直、シゲさんの存在がこの回の“酸素”だと思いました。実家で否定されて、東京に逃げ帰って、それでも大河をゼロにしない大人がここにいる。
市場で「今のお前には何もないのか」と問うのも、説教じゃなくて確認なんですよね。大河に“あるもの”を思い出させるための問い。こういう問いかけができる人って、強いと思う。
血のつながりがあっても傷つくときはあるし、血がつながらなくても救われるときがある。大河が田の実に帰ってくる理由が、今話でさらに強くなった気がします。
名刺のラストが、静かに熱い
最後に登場した作本の名刺。あれ、派手な展開じゃないのに、心臓がじわっと熱くなりました。
大河は“走る側”としては折れてしまったけれど、料理がスポーツの世界にもう一度つながるかもしれない。過去を否定するんじゃなく、過去を別の形で活かす可能性が見えた。
それに、実家で否定された直後に“プロの目”で褒められるのがドラマとして上手い。大河が「わからない」と言った、その弱さごと抱えたままでも、未来は開いていくのかもしれないと思わせてくれました。
次回が気になるポイント
次回以降、私が特に気になるのはこの3つです。
- 大河は名刺を“自分から”使いにいけるのか、それとももう一度怖くなってしまうのか。
- リンはミエの「安定」に押し切られず、夢のための選択肢を作れるのか。
- ジュンホがミエに気に入られたことで、恋が“外側の事情”に巻き込まれていかないか。
第4話は、泣いた後に少しだけ呼吸がしやすくなる回でした。ヌルンジの飴みたいに、焦げたところも含めて、温かい味に変えていけるのか。大河とリンの“次の一歩”を、ちゃんと見届けたくなる終わり方でした。
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