『ラムネモンキー』第1話は、物語の説明より先に「過去が掘り起こされる感覚」を視聴者に突きつけてくる回でした。
建設現場で見つかる人骨、丹辺市という地名、そして1988年という時間軸。これらは単なる事件の導入ではなく、登場人物たちが“終わったと思っていた人生”に再び引き戻される合図として機能しています。
この1話で描かれるのは、犯人探しではなく、記憶と罪悪感が現在を侵食していく過程。
ここから先、どの伏線がどんな形で回収されていくのかを読み解くことが、このドラマの楽しみ方になりそうです。
ドラマ「ラムネモンキー」1話のあらすじ&ネタバレ

第1話は、人生が詰みかけた51歳の男3人が、37年前の“未解決”に引きずり戻される回です。
ユン(雄太)は逮捕、チェン(肇)は降板、キンポー(紀介)は介護――それぞれ現代で身動きが取れなくなったところへ、「建設現場から人骨。丹辺市」という一文が刺さってくる。ここが転換点でした。
※ここから先は、第1話のラストまで含むネタバレです。未視聴の方はご注意ください。
ユン(雄太)の逮捕で“順風満帆”が崩れる
吉井雄太(反町隆史)は、多澤物産の営業部長として公私ともに順調に見えた男でした。ところが贈賄容疑で突然逮捕され、釈放後も職場復帰できず「自宅待機」を命じられる。社会的な信用と、本人のプライドが同時に削れていく状態です。
ここが上手いのは、雄太の“罪の重さ”よりも「生活の音が止まる怖さ」を先に見せてくる点。
仕事の連絡が来ない、外に出る理由もない。本人の中では、逮捕より“その後”がじわじわ効いてくる。第1話の現在パートは、この停滞がずっとベースにあります。
チェン(肇)も崖っぷち:こだわりが“居場所”を奪う
藤巻肇(大森南朋)は映画監督。こだわりが強く偏屈――その性格がじわじわと仕事を減らし、ついには自分が持ち込んだ連続ドラマの監督を外されるところまで追い込まれます。
雄太が「社会的に転落した人」なら、肇は「信念が居場所を消した人」。
タイプは違うのに、2人とも“自分はまだ終わってない”という気持ちだけが空回りしている。ここが、のちの「過去へ戻る衝動」に繋がっていきます。
キンポー(紀介)は理容室と介護で“逃げ場がない”
菊原紀介(津田健次郎)は小さな理容室を営みつつ、認知症の母の介護に追われています。
彼は逮捕も降板もしていない。でも逆に言うと、派手に壊れない代わりに、毎日が削れていくタイプの詰み方です。
第1話で重要なのは、紀介が「過去の話をできる相手がいない」位置にいること。
だからこそ、あの人骨ニュースを見た瞬間、37年前の“あの頃の自分”が一気に噴き上がってくる。
「建設現場から人骨。丹辺市」…一文が3人を再起動させる
そんな2人のもとに届くのが、紀介(=キンポー)からのメッセージ。
中身はシンプルで、ニュースリンクと「建設現場から人骨。丹辺市」という言葉だけ。
この短さが逆に怖い。説明がないぶん、受け取った側は“心当たり”を勝手に再生してしまうんですよね。
雄太と肇にとって丹辺市は、ただの地名じゃない。1988年の“異世界”そのもの。逃げたはずの場所から呼び出される感覚が、ここで発火します。
理容室で37年ぶりの再会:呼び名が戻ると、距離も戻る
雄太のもとには起訴状が届き、肇も日銭の仕事に追われる中、2人は紀介の理容室を訪れる。
そこで37年ぶりに再会した瞬間、空気が一気に“当時”へ引き戻されます。
ここで面白いのが、彼らが「昔の呼び名」に戻っていくこと。
ユン/チェン/キンポー。大人になった今はダサく聞こえるのに、口にした瞬間だけ当時のテンポが戻る。
そして戻るのは楽しいだけじゃなく、同時に“言ってないこと”も一緒に戻ってくる。第1話は、再会の甘さよりも、この不穏さの方が強いです。
回想1988①|映画研究部誕生。ユンが「カンフー映画ごっこ」に拒否反応を示す
ここから物語は1988年に飛びます。
中学2年生の雄太(ユン)は、野球部を辞めさせられた直後。心が折れたというより、「自分の立ち位置が崩れた」焦りが強い状態です。
そこで声をかけてくるのが、肇(チェン)と紀介(キンポー)。
2人はカンフー映画にどハマりしていて、「映画研究部を作って俺たちで撮ろう」と息巻くわけですが、雄太はそのノリを一蹴します。
ここ、ただの“陽キャ/陰キャ”じゃないのが良い。
雄太は、2人が嫌いというより、自分が今その輪に入ったら人生が終わると思っている。中学生って、世界が狭いからこそ一回の失点が致命傷なんですよね。
回想1988②|臨時教師・宮下未散(マチルダ)が割って入り、空気を変える
揉めていた3人の前に現れるのが、臨時教師の宮下未散(通称:マチルダ)。この人の登場で、1話のトーンが“青春コメディ”から“何かの始まり”に変わります。
マチルダは、子どもたちの痛いノリを笑い飛ばすでも、説教で潰すでもなく、するっと間に入る。この“距離感の取り方”が、のちに「彼女がいなくなった」事実の重みを増やすんですよね。
そして、肇と紀介は一気に彼女に心を持っていかれる。
ガンダムの文脈で彼女を「マチルダ」と呼ぶ空気も含めて、いわゆる中二病の“眩しさと痛さ”が全開で描かれます。
回想1988③|“ガンハラ”級のオタク語りが、逆にリアルな青春として刺さる
1話で印象的なのが、彼らのオタク語りの濃度。
作中ではガンダム関連のワードが飛び交い、視聴後SNSでも「ガンハラ(ガンダムハラスメント)」なんて言葉で盛り上がっていました。
これ、単なる小ネタじゃなくて、物語上の役割があると思っています。
“共有できる人には一瞬で距離が縮まる”一方で、共有できない人は置いていかれる。青春って、まさにその残酷さがある。だから笑えるのに、ちょっと苦い。
丹辺市へ:妙な記憶がよみがえり、「行方不明」の紙が出てくる
現在に戻り、3人はかつて住んでいた丹辺市を訪れます。
昔話に花を咲かせるうちに、彼らは“妙な記憶”を思い出していく。ここが第1話の中盤の核です。
そして紀介が自宅で見つけたという紙。そこには「行方不明」の文字と、マチルダの写真がある。
ここで初めて、青春の思い出が「事件」へ変換されます。思い出話で済ませるつもりだったのに、証拠が出てしまった。だから、もう戻れない。
ガンダーラ珈琲の裏側:映画研究部の部室が“そのまま”残っていた
3人が話し込む場所になるのが、喫茶店「ガンダーラ珈琲」。店員の西野白馬(福本莉子)に、3人はとにかく“話しまくる”。
途中、国への不満などをきっかけに雄太と肇がヒートアップし、言い合いに。
そこで紀介がこぼすのが、「自分はしがない一般人」「見下しにきたんでしょ?」という、被害妄想にも似た本音です。
でもこの本音が出たから、3人は次に進めた。
席を立ち、ガンダーラ珈琲のバックヤードへ行くと、そこは映画研究部の部室と“変わっていない”空間だった。紀介はマチルダと撮った写真を持ってきていて、3人の記憶が一気に濃くなる。
ラスト|フェンスを越えて掘り返す:出てきたのは“あしゅら男爵のボールペン”
白馬は突然、「骨を見つけたのは私です」と告白します。
彼女に案内され、3人は人骨発見現場へ。
そして“門(フェンス)を越える”シーンが、第1話のクライマックス。
肇が越え、紀介も越え、「ユン、来い!」と雄太を呼ぶ。雄太は「仮保釈中だぞ」と躊躇するが、それでも何かに突き動かされるように越えてしまう。
3人は現場を掘り返す。
すると雄太のスコップに何かが当たり、土をかき出すと出てきたのは、マチルダが愛用していた“あしゅら男爵のボールペン”。
ここで挟まれる1988年の回想が、めちゃくちゃ刺さる。
マチルダは「臨時職員だから」「私は私の場所に帰る」と言い、イスカンダルの近くへ行くと語り、「じゃあね。約束守りなさいよ」と去っていく。
現在に戻り、3人は声を揃えるように「マチルダは殺された」と確信する。
第1話はここで終わり。青春は“思い出”じゃなく“未解決事件”になり、3人の人生はもう一段ギアが入ってしまいました。
確定ポイント整理(第1話時点)
- 雄太は贈賄容疑で逮捕→釈放後も自宅待機、起訴状が届く
- 肇は仕事が減り、連ドラ監督を外される
- 紀介は理容室+認知症の母の介護生活
- 「建設現場から人骨。丹辺市」のニュースが3人を再会させる
- マチルダ(宮下未散)失踪に「行方不明」メモと写真が絡む
- 現場で“あしゅら男爵のボールペン”が見つかり、3人は「殺された」と確信する
ドラマ「ラムネモンキー」1話の伏線

第1話は、事件の“説明”より先に「証拠」と「感情」を投げてくるタイプです。
だから伏線も、いわゆるミステリーの小道具だけじゃなく、“記憶の歪み”や“人生の行き詰まり”そのものが仕掛けになっていると感じました。
伏線1|「建設現場から人骨。丹辺市」=過去と現在を繋ぐ起爆剤
キンポーのメッセージは短いのに破壊力がある。
丹辺市という地名だけで、3人の関係と、1988年の空気が復活してしまうからです。これは単なる“事件の入口”ではなく、「逃げ切ったつもりの過去が、人生のどん詰まりに刺さる」装置。
回収されるべき焦点は、骨が“誰のもの”なのか。
第1話のラストでボールペンが出たことで、視聴者の頭の中では「人骨=マチルダ」に一気に近づきました。
伏線2|「行方不明」の紙と写真:思い出が“事件化”する決定打
紀介が見つけた「行方不明」の文字とマチルダの写真。
これがあることで、“懐かしい先生”が“失踪者”に変わる。第1話は、ここでジャンルを切り替えています。
次回以降は、この紙が「いつ」「誰が」「何のために」残したのかが鍵。
単なるメモなら事件性は弱い。でも“残す理由”がある時点で、当時の誰かがすでに危機を感じていた可能性が出ます。
伏線3|ガンダーラ珈琲バックヤード=“時間が止まった部室”
現在のガンダーラ珈琲のバックヤードが、映画研究部の部室と変わっていない。
これ、ただのエモ演出じゃなくて「記憶の保存庫」です。
要するに、3人だけが“当時のまま”入れてしまう場所。
だからこそ、ここで白馬が「骨を見つけた」と告白するのが効く。思い出の中へ戻った瞬間に、現実の死体が割り込んでくる構図になっています。
伏線4|白馬=“発見者”であり、“案内人”でもある
白馬が発見者だと明かした時点で、彼女は目撃者であり、物語を前に進める案内人になりました。第1話だけでもう、彼女は「ただの聞き役」じゃない。
ここが伏線なのは、案内人って“情報を持ってる側”になりやすいから。
彼女が何を見て、何を隠していて、なぜ3人に付いていくのか。次回以降、白馬の立ち位置次第で物語の色が変わるはずです。
伏線5|フェンスを越える=戻れないラインを越えたサイン
現場へ入るシーンで、雄太は「仮保釈中だぞ」と躊躇します。
それでも越えてしまうのは、「社会的な正しさ」より「過去の答え」を優先したってこと。
これが意味するのは、3人が“正しい捜査”をする話じゃなくなる可能性。
思い出と罪悪感に駆動される調査は、時に暴走する。第1話はその危うさを、身体感覚で見せました。
伏線6|あしゅら男爵のボールペン=物証であり、記憶の針
ボールペンは完全に「物証」です。しかも“マチルダが愛用していた”レベルで個体特定できる。
つまり、骨とマチルダの線が一気に濃くなる。
同時にこれは、「記憶を現実に縫い付ける針」でもあります。
思い出は曖昧でも、物は嘘をつかない。だからこそ、彼らは“思い出したくない何か”まで掘り当ててしまう怖さが出てきます。
伏線7|マチルダの言葉「イスカンダル」「約束」=真相の暗号
1988年の別れ際、マチルダは「私の場所に帰る」「イスカンダルの近く」と語り、「約束守りなさいよ」と言い残す。
この“約束”が未回収の最大要素です。
約束の内容が、
- 事件の動機に繋がるのか
- 3人が忘れていた“罪”に繋がるのか
- マチルダが守ろうとした誰かに繋がるのか
ここが明かされた瞬間、単なる失踪ミステリーじゃなく、1988年そのものが再解釈されそうです。
ドラマ「ラムネモンキー」1話の感想&考察

第1話は「何が起きたか」より、「なぜ今それが刺さるのか」を丁寧に積んでくる作りでした。
人骨とボールペンというド直球のミステリーがありつつ、根っこは“中年の再起動”の物語に見えます。
ここからは感想と、僕なりの考察です(ネタバレ込み)。
① 「人生が詰んだ3人」が、過去にだけ動けるのが切ない
雄太は逮捕、肇は降板、紀介は介護。
現代だと3人とも前に進めないのに、丹辺市とマチルダの話になった途端に“動けてしまう”。
これ、希望というより逃避にも見える。
でも逃避って、悪いだけじゃなく「人が生き延びるための装置」でもあるんですよね。第1話はそこを肯定も否定もせず、フェンスを越えるところまで一気に走らせた。だから後味がいい意味で落ち着かない。
② 記憶が一番怖い:都合よく書き換えたのは“誰”なのか
現場で出てくる「記憶は都合よく書き換えられている」という言葉。
これ、ミステリーのセリフであると同時に、テーマ宣言だと思いました。
つまり次回以降は、
- 彼らが忘れていた“出来事”
- 忘れたふりをしていた“責任”
- そして「忘れさせた誰か」
この三層を剥がしていく話になる。
ボールペンが出た瞬間、3人は「マチルダは殺された」と結論を急ぐ。
でも、そこに至る“間”がまだ黒い。第1話はあえてその“間”を残して終わらせた印象でした。
③ 白馬は安心要員にも、最大の不穏にもなれる
白馬は、3人の話を聞き、部室(バックヤード)へ通し、発見者だと名乗り出て、現場へも付いていく。
普通に考えると、行動力がありすぎる。
もちろんドラマ的には“若い視点の橋渡し役”で、3人の暴走を止める存在にもなれる。
一方で、ミステリー的には「案内人=情報を握ってる側」でもある。だから、白馬がどこまで知っていて、どこからが偶然なのかが次の焦点だと思います。
④ 視聴者の反応は「キャストの掛け合い」+「謎のジャンル感」に寄っている
Yahooのリアルタイム検索を見ると、初回を見て「面白かった」「キャストが良い」「次回も観る」という声が並ぶ一方で、SFなのかサスペンスなのかまだ掴めない、という反応もありました。
この“掴めなさ”は、たぶん制作側が意図しているはず。
あと個人的に納得だったのが、香港映画ネタやガンダム系の小ネタに触れている投稿が複数あること。
ユン/チェン/キンポーという呼び名自体が、そういう“カルチャー”で繋がった友情を示してるので、ここは今後も効いてきそうです。
⑤ 次回の注目ポイント:真相は「殺された」だけで終わらない
第1話のラストは「殺された」で締めた。
でも僕は、真相の核心はそこじゃない気がしています。なぜなら、マチルダが残した「約束」が強すぎるから。
次回以降の注目は、ざっくり3つ。
- 約束の中身:守られたのか、破られたのか、そもそも誰と誰の約束か
- 「行方不明」の紙の出所:事件の発火点はいつで、誰が最初に異変を掴んだのか
- 3人の“書き換え”の正体:忘れていたのか、忘れたかったのか、忘れさせられたのか
要点整理(第1話の感想まとめ)
- 第1話は「事件の導入」より「人生が詰んだ男たちが過去へ引き戻される構造」が刺さる
- 物証(ボールペン)が出たことで“マチルダ=人骨”の線が一気に濃くなった
- ただし怖いのは“犯人当て”より、記憶が誰かの都合で書き換えられている可能性
必要なら、この第1話の記事の流れをそのまま使って、第2話の「回収された伏線/回収されなかった伏線」を追記できる更新用テンプレも作れます。
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