火曜の深夜ドラマ「闇金ウシジマくん シーズン3」の第2話が終了しました。

第2話では上原まゆみ編が進展がありましたね、第3話ではそれ以外の話が大きく進みそうです。
2016年8月2日(火)深夜25時28分放送のドラマ「闇金ウシジマくん シーズン3」第3話のあらすじ(ネタバレ)と感想を紹介します。
※以後ネタバレ注意
闇金ウシジマくん(シーズン3)3話のあらすじ&ネタバレ

第3話では、シーズン3の各編が本格的に動き出す。
登場人物たちは金銭的な困窮や精神的依存から抜け出せず、さらに深い泥沼へと足を踏み入れていく。
ここでは、物語の流れとキャラクターの変化を時系列で整理する。
上原まゆみ編――仕事も恋愛も順調だが“運命”に飲み込まれる
雑誌編集者の上原まゆみは、仕事でも評価され、恋人とも将来を考え始めていた。しかしその矢先、謎の男・神堂(中村倫也)からプロポーズを受け、心が揺らぐ。
占い師・勅使河原の「運命の男を選べば幸せになれる」という言葉を信じ、まゆみは神堂を選択。一夜を共にし、彼への依存を深めていく。
神堂は優しさの裏で、彼女を監視するように行動しており、次第に支配の影が見え始める。
恋人との安定した関係よりも、“運命”という幻想に逃げたまゆみの選択が、後の悲劇を予感させる。
結城美奈編――母娘売春と脅迫の連鎖
ネットカフェ暮らしの家出少女・美奈は、母・恵美子と共に“母娘セット”で売春を続けている。
返済が滞る中、恵美子は新たに小学校教師・スキッパーを客として連れ込み、その立場を利用して「バラされたくなければ10万円払え」と脅迫を始める。
スキッパーは「もう失うものはない」と自暴自棄になり、職場で問題を起こす。
美奈は母の暴走に戸惑いながらも、借金と共依存の関係から逃れられない。
恵美子の“母親としての愛”はすでに形を失い、娘を巻き込んでさらに堕ちていく。この回では、親子の絆が“鎖”として機能する構図が際立つ。
小瀬章編――誘惑に負けたニートの代償
ニートの小瀬章は相変わらず働かず、無為な日々を過ごしていた。
そんな中、隣人の女性・希々空(き々空)が突然訪ねてきて、「髪を洗ってほしい」と頼む。下着姿で接近してくる彼女に小瀬は動揺しつつも断れず、彼女の頼みを受け入れてしまう。
やがてウシジマと鉢合わせし、希々空が借金をしていることが明らかに。小瀬は彼女に惹かれるあまり、衝動的に借金を肩代わりしてしまう。
一見“親切心”のようで、実際は愚かな現実逃避。
希々空の目的が何なのか、そしてこの借金が小瀬の人生にどう影響するのか――不穏な余韻を残す展開だ。
川崎編――欲望に溺れるサラリーマンの末路
キャバクラ通いがやめられないサラリーマン・川崎は、ウシジマに紹介されたデリヘル嬢・テルミに夢中になる。しかし、彼女との行為を盗撮して楽しもうと企み、隠しカメラを設置。
その行為が発覚し、テルミと彼女の恋人から「映像をバラされたくなければ10万円払え」と脅される。
川崎は慌ててウシジマに借金を申し込み、再び負債を背負うことになる。欲望に負けた愚かさと、それを代償にさらに深い闇へ堕ちていく人間の構図が強調される。
各エピソードをつなぐ伏線
第3話では、複数のストーリーが徐々に交差し始める。
まゆみは神堂に心も身体も捧げ、彼の支配が始まる。
美奈は母・恵美子に従うことで自らの人生を失い、小瀬は希々空への惹かれからウシジマの世界へ足を踏み入れる。川崎は欲望の果てに破滅の一歩を踏み出した。
それぞれの“甘い誘惑”が破滅への序章となる。
闇金ウシジマくん(シーズン3)3話の感想&考察

「運命」という幻想に溺れるまゆみの選択
第3話のまゆみ編では、“運命”という言葉が彼女の理性を完全に奪う。恋人との安定した関係よりも、占い師の言葉と神堂の優しさを信じる彼女の選択は、現実から目を逸らす自己暗示のように映る。
神堂は偶然を装いながら彼女の生活を侵食し、家族にも接近。
まゆみは「信じる」ことを理由に疑う力を失い、神堂の支配の始まりを視聴者に見せる形となった。
美奈と恵美子――貧困が生む“母娘の地獄”
母・恵美子は借金返済のために娘を売り、さらに男への貢ぎで借金を増やす。
娘・美奈はその愚行に嫌悪を覚えながらも、家族という枷から逃げられない。
母娘の関係は“愛”ではなく“依存”であり、犀原の冷酷な取り立てが二人を追い詰めていく。
このエピソードは単なるショッキングな描写ではなく、貧困の連鎖と人間の弱さがどう再生産されていくかを描いた社会的寓話である。
小瀬章の愚かさと“無知の罠”
希々空の登場は小瀬にとって“救い”ではなく“罠”だった。
彼は女性への憧れと承認欲求に飲まれ、何の見返りもなく借金を肩代わりしてしまう。
自分が搾取されていると気づかないほど無知で、優しさと欲望の境界が曖昧な人間が最も危ういということを象徴している。
彼がウシジマと出会ったことが、今後の転落の引き金となるだろう。
川崎の性依存――欲望は新たな借金を生む
川崎の行動は、笑えるほど浅はかで、同時に現代的だ。
快楽と孤独の間でバランスを失った人間が、欲望を満たすために借金を重ねていく構図は、SNSや性産業が身近な現代社会そのもの。
彼のような人物が生む“自己破産の連鎖”が、闇金を生かし続ける燃料になっている。
“弱さ”につけ込む構図と、ウシジマの静かな存在感
第3話で浮かび上がるのは、“弱さにつけ込む者”と“弱さに屈する者”の対比だ。
神堂はまゆみを、恵美子は娘を、希々空は小瀬を、テルミと恋人は川崎を利用する。
その裏で、ウシジマと犀原という“システムとしての闇”が全員をつなぐ。丑嶋の冷徹さ、犀原の残酷さ――両者は人の愚かさを糧にして生きる“現代の業”の象徴である。
総括
第3話のテーマは、“信じることの危うさ”と“欲望の連鎖”。
人は合理的に考えれば避けられる罠に、自ら足を踏み入れる。それは現実の私たちがSNSの情報や誰かの言葉を信じすぎる瞬間にも重なる。
「闇金ウシジマくん」は、金の話を通して人間の弱さを描く社会ドラマであり、第3話はその構造を最も明確に提示した回だ。
この先、まゆみが神堂の支配から抜け出せるのか、美奈が母親との縁を断ち切れるのか、小瀬が現実を直視できるのか。
そして丑嶋がどう介入するのか――そのすべてが地獄の中で交わる日を予感させる一話だった。
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