毎週日曜日夜9時よりフジテレビ系列で放送されるドラマ「HOPE〜期待ゼロの新入社員〜」の第7話が終了しました。

第7話では新たに営業3課に江部が配属されてきました。何かと疑惑の多い、江部は営業3課にどのような影響を与えるのでしょうか。
毎週日曜日夜9時から放送の9月11日(日)「HOPE〜期待ゼロの新入社員〜」の第8話のあらすじと感想を紹介したいと思います。
※以後ネタバレ注意
HOPE(ドラマ)8話のあらすじ&ネタバレ

第8話は、営業三課に降ってきた“500億円規模”の太陽熱発電プロジェクトを軸に、仲介会社の介入・キックバック疑惑・社内政治が一気に噴き出す回。
物語は、一ノ瀬歩(中島裕翔)が江部徹(宮川一朗太)から再び“封筒運び”を命じられる場面から始まります。
封筒には高額手数料を伴う契約書。
財務・法務の承認印が並ぶその紙に、歩と安芸(山内圭哉)は異様な違和感を覚えるが、江部は「承認済みだ」と取り合わない。ここから、営業三課の綱渡りが始まります。
太陽熱発電“500億円案件”に浮かぶ「九垓社」の影
専務・鷹野義郎(風間杜夫)が持ち込んだのは、中国の汀洲社との合同プロジェクト。
スケールは500億。織田(遠藤憲一)は引き受けを決断するが、“窓口は江部に任せるように”という専務の指示にすでに違和感が漂う。
契約直前、汀洲社が突然「九垓社」という仲介会社の介入を要求。与一物産のマージン3%に対し、九垓社の手数料は2.5%。途中挟み込みと高率設定という二重の不自然さに、三課の中で警戒が高まっていく。
歩と安芸の疑念、織田の“沈黙”
江部宛てに日本語の拙い不審電話が続く中、安芸は汀洲社の過去案件を洗い直し、歩は九垓社の登記を調べる。
そこに記された「赤城プランニング」の名が、江部の契約書に出てきた会社と一致。
偶然とは思えない符号に、安芸は織田に報告するが、織田は「もう掘るな」と制止。いつもなら筋を通す織田の異例の判断に、歩は強い不安を抱く。
桐明×結城――“仕事を楽しむ”という職業観
鉄鋼二課では桐明(瀬戸康史)と結城(丸山智己)の距離が近づく。
サウナでの偶然の出会いから始まった会話は、路上での語り合いに。結城は「仕事を楽しめるかどうかで結果は変わる」と語り、桐明は「課が大きくなると誰が得をする?」と問う。
その会話の中で、桐明は織田が“歩を正社員にするために大きな仕事を引き受けた”可能性に気づく。
香月あかねと桧山主任――“撤回”と“是正”
資源二課では、香月あかね(山本美月)が寺崎課長(矢柴俊博)からセクハラまがいの接待指示を受ける。
そこへ桧山主任(松田賢二)が立ちはだかり、「正当な評価をすべきだ」と公然と反論。過去の自分の在り方を“撤回”し、組織のハラスメントを止める姿が、職場の空気を変える。
「守ってみせる」――屋上で交わされた3人の本音
屋上で、歩は織田と安芸に「この案件は手を引いてください。僕のために危険を冒さないでください」と頭を下げる。
織田は「これが最後のチャンスだ。必ずお前を守ってみせる」と返し、涙をにじませる。
“守られる側”だった歩が、“守る側”へ一歩踏み出す瞬間。三課の絆が再確認される場面となる。
料亭の卓と“囲碁”の縁――専務・鷹野の掌の上
専務の料亭での会食に呼ばれた織田と歩。鷹野は歩の囲碁の経歴に触れつつ、「私が副社長になれば三課は直属にしてやる」と甘言を垂らす。
その一方で、「高卒・契約社員」という歩の壁を、あえて織田の目の前で強調。織田は歩を席から外し、鷹野と真っ向から対峙する。
鳴海の“張り込み”と、人見の肩すかし
繊維一課の人見(桐山照史)は、鳴海(マギー)のキックバック疑惑を追って張り込むが、彼が受け取ったのは現金ではなく“キス”。
コメディの緩急を差し込みつつ、物語の本筋――“真の不正”――は三課側へと収束していく。
歩の“うっかり”と、織田の一線
上海駐在の竹下(山中聡)から「高品質パネルを確保できれば仲介は不要」との連絡を受けた歩が、思わず専務の思惑を口にしてしまう。
織田は火消しに走り、ついに決断。「エージェント条項を外してほしい。できないなら手を引く」と専務に条件を突きつける。
織田が自分の“正しさ”を取り戻した瞬間だった。
特別監査(特捜)の急襲――“罠”が姿を現す
直後、社長の指示による特別監査が入り、三課の太陽熱発電関連資料が押収される。
歩は「自分の不用意な発言が原因だ」と自責の念に駆られる。
最終回目前の第8話は、三課の善意と矜持が巧妙な罠に巻き込まれ、組織の論理が人の誠実さを飲み込む瞬間で幕を閉じる。
HOPE(ドラマ)8話の感想&考察

第8話は、「希望=守ること」の再定義を描いた回でした。
希望とは与えられるものではなく、“誰かを守るために自分が選ぶ規範”であると描き直されます。
「守られる側」から「守る側」へ——希望の転換点
屋上の会話は、感情の告白ではなく、規範の継承でした。
歩が「いつもの課長のやり方を貫いてください」と願ったことで、織田は“正しさ”を取り戻す。
専務への条項削除要求は、現場が自律的に希望を選び直す象徴的な一手でした。
「九垓社」と「赤城プランニング」——統制の隙が見せた病理
契約終盤になって仲介会社を差し込む構図。高額手数料、承認印の羅列、責任の不在。
これらは大企業の“形式的統制”が生む曖昧さを浮き彫りにする。歩の記憶力と安芸の洞察が、グレーゾーンを逆照射する形で描かれた。
香月と桧山——ハラスメントを変える“撤回の勇気”
桧山の「今までを反省した」という一言が効いたのは、過去の自分を否定したから。攻撃ではなく“組織規範の更新”としての行動が、職場に小さな希望をもたらした。
専務・鷹野の話法——“囲碁”を使った支配
鷹野は飴と鞭を同時に使い、歩の高卒・契約という壁をあえて見せつけた。
織田が歩を席から外し、一対一で対峙する構図は、“部下を盾にしない上司”という営業三課の信条を体現していた。
ミドルの意思決定——「手を引け」と「踏ん張れ」の狭間
織田の葛藤は、ミドル層が抱える現実そのもの。
政治と倫理の間で揺れながらも、最終的にルールに立ち返る。その判断が、三課の誇りを守った。
日本版『未生』としての翻案の妙
韓国版原作の構造を生かしつつ、日本企業の“空気と沈黙”を巧みに置き換えている。
屋上や会食など、間で語る演出が、日本的な希望の温度を感じさせた。
第9話への布石
監査はどこまで上層に及ぶのか。江部個人で切れるのか、それとも専務ラインに及ぶのか。
歩の正社員化はどう描かれるのか。
最終回直前の第8話は、制度と感情の狭間でHOPEを“選び取るもの”として提示した重要回でした。
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