火曜の深夜ドラマ「闇金ウシジマくん シーズン3」の第6話が終了しました。

闇金ウシジマくんも最終章に入ってきました。上原家がついに滅亡の危機に。ここからウシジマ達とどのように関わっていくのか、注目です。
2016年8月30日(火)深夜25時28分放送のドラマ「闇金ウシジマくん シーズン3」第7話のあらすじ(ネタバレ)と感想を紹介します。
※以後ネタバレ注意
闇金ウシジマくん(シーズン3)7話のあらすじ&ネタバレ

第7話では、登場人物たちの運命が一気に加速し、闇金業界の歪んだ構造と人間の脆さがむき出しになる。
竹葉ユキ(上原まゆみ)は自殺未遂から生還するが、彼女を取り巻く家族と神堂(中村倫也)との関係は、もはや修復不能なほどに歪んでいた。
「占い」と「愛」を武器にした神堂は、優しい言葉と罪悪感を巧みに使い分け、上原家の全員を支配していく。
まゆみ一家への洗脳と崩壊
まゆみの両親の前に現れた神堂は、娘の自殺未遂の原因を“親のせい”にすり替える。
「家族のため」と称して父・昭に土地の名義変更を迫り、さらに「自分の手を汚して家族を守れ」と心理的に追い詰める。
結果、昭は理性を失い、部下に抱きつくという問題行動を起こし、それを神堂が“不貞の証拠”として利用することで、完全な支配体制を築いていく。
一方で、妹・美由紀は「家族を守るため」という名目で風俗の仕事に手を出すよう仕向けられる。
神堂は「性風俗は尊い職業」「悪い記憶は俺が消してあげる」と囁き、彼女に“自分で選んだ”という錯覚を植え付ける。
こうして上原家全員が金銭と心理の両面から束縛され、まるで“家族ぐるみの奴隷契約”が完成していく。
JP&美奈――ギャンブルと裏社会の罠
母と借金を返すためにデリヘルで働く美奈は、犀原茜(高橋メアリージュン)と村井の取り立てに苦しむ中、元カレ・JP(福山翔大)と再会する。
JPは、金髪の男から持ちかけられた「3日で200万円を用意すれば3000万円が手に入る」という危険なギャンブルに乗ろうとする。
賭けに負ければ“片目を潰される”という極端な条件にもかかわらず、JPは「これしかチャンスはない」と自暴自棄のように美奈を説得し、借金を重ねる。
奇跡的に大勝したものの、その裏では富裕層を殺害したJPの狂気が爆発。
美奈は“勝っても救われない”世界の現実を突きつけられる。JPは組織に追われ、やがて裏社会に身を沈めることを決意。
金を得ても地獄から抜け出せない――本作の構造を象徴する展開となった。
コセとメシア――裏切りと贖罪
かつてのニート仲間だったコセ(本多力)は、パソコン教室で働き始めた矢先、
友人・メシアが高齢者を狙った詐欺をしていたことを知る。
被害者の怒りを目の当たりにしたコセは、メシアに電話をかけ、詐欺の事実を認めさせた上でその音声を被害者に聞かせる。
「返金は自分が責任を持つ」と宣言した彼の姿には、これまでの怠惰から一歩踏み出した“人間の再生”が見える。
闇金という絶望の中にあっても、コセの物語は希望の象徴として機能している。
丑嶋とカウカウファイナンスの動き
主人公・丑嶋馨(山田孝之)は、テシガワラ神堂の素性を探るため、情報網を駆使して調査を進める。
犀原茜と村井はデリヘル経営者・金子から取り立てを行い、同時に上原家の妹・美由紀に「簡単な副業」と称して風俗の仕事を斡旋。
彼らは借金者の弱みを握り、再び“金を貸して仕事を与える”という二重構造の搾取を行っていた。
第7話は、まゆみの自殺未遂から始まり、神堂の支配と家族崩壊、JPと美奈の転落、コセの贖罪が交錯する重厚な構成。
登場人物それぞれの欲望と恐怖が一気に交わり、闇金という装置の中で“人間”がどう壊れていくかがリアルに描かれる。
闇金ウシジマくん(シーズン3)7話の感想&考察

洗脳と家族崩壊――神堂の巧妙な支配構造
神堂は単なる詐欺師ではなく、人間心理を熟知した支配者として描かれている。
「親のせい」「家族のため」といった“正義の言葉”を使い、罪悪感を武器に被害者を縛りつける手法は、現実のカルトやDV加害者にも通じる。
特に父・昭が「汚い手で家族を守れ」と言われ、倫理を崩壊させてしまう展開は、家族という絆がどれほど脆く、また容易に悪用され得るかを見事に描いていた。
視聴者は神堂の言葉にゾッとしながらも、“信じたい気持ち”の危うさを突きつけられる。
JPと美奈――“勝っても地獄”のギャンブル構造
JPと美奈のギャンブル編は、一瞬の成功の裏に“抜け出せない闇”を象徴する。
JPは「楽に金を稼ぐ」という幻想に取り憑かれた典型的な依存型人間であり、その結果、暴力と血にまみれた裏社会へと堕ちていく。
美奈もまた、愛と依存を履き違え、JPと共に破滅の道を歩む。
彼女がJPの凶行を止められなかったのは、“愛する人を見捨てられない”という自己犠牲の形を装った逃避である。
この物語が痛烈に描くのは、「一発逆転」は存在しないという現実だ。
コセの覚醒――唯一の再生の物語
コセの行動は、シリーズ全体の中で最も希望のある描写だった。
他人に依存して生きてきた彼が、初めて“自分の責任”を引き受ける。
詐欺を止め、被害者に頭を下げる姿は、本作の中で最も人間的で、そして最も勇気ある行為だった。
しかし同時に、彼の善意が再び搾取される危険もはらんでおり、「善意すら利用される世界」であることを忘れさせない構成になっている。
丑嶋という“観察者”の哲学
第7話のウシジマは、積極的に介入せず、冷静に人間を観察している。
「金を貸す=人生を見届ける」という彼のビジネス哲学は、まゆみや美奈たちの転落を通してより鮮明に浮かび上がる。
ウシジマは救済者ではないが、誰よりも“現実”を語る存在。
彼の無言の視線が、視聴者に「自分はどちら側の人間か」と問いかけているように感じられた。
総括――“信じる力”が人を壊す
第7話は、「信じる」という行為がどれほど危険で脆いものかを描いた回だった。
家族愛、恋愛、友情――どの形の信頼も、依存と紙一重である。
神堂の洗脳、美奈とJPの狂気、コセの贖罪、ウシジマの観察。すべてが「人間は考えることをやめた瞬間に堕ちる」というテーマで繋がっている。
次回、第8話では神堂とウシジマの直接対決が予想され、まゆみ一家の崩壊がどんな結末を迎えるのか――“救いのない地獄”の終焉が、ついに始まろうとしている。
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