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ドラマ「嘘の戦争」1話のネタバレ&感想考察。“嘘でしか届かない正義”が動き出す復讐の幕開け

ドラマ「嘘の戦争」1話のネタバレ&感想考察。“嘘でしか届かない正義”が動き出す復讐の幕開け

2016年冬の新ドラマで注目されている「嘘の戦争」

2015年放送されたドラマ「銭の戦争」と、同様に復讐系のドラマということもあり、頭をたくさん使う場面が多いのかなと思います。

今回も主は草なぎ剛さん演じるため、どのようにして因縁の相手を追い詰めていくのかというのに注目が集まっています。キレキレの詐欺師・浩一に目が離せません!

『嘘の戦争』第1話は、その男が日本へ戻り、“嘘でしか届かない正義”を武器に復讐を仕掛けていく物語の始まりです。

偶然の再会、再燃する怒り、そして信頼をも嘘で作り出す冷静な策略。真実と嘘の境界が静かに揺れ動く、緊迫の開戦編となりました。

2017年1月10日(火)夜9時スタートの新ドラマ「嘘の戦争」1話のあらすじ(ネタバレ)と感想を紹介していきます。初回2時間スペシャル

※以後ネタバレ注意

目次

ドラマ「嘘の戦争」1話のあらすじ&ネタバレ

嘘の戦争1話のあらすじ&ネタバレ

初回は2時間スペシャル。物語は現在の社交パーティーから始まり、過去1カ月前のタイ、そして再び現在へと戻る往復構成です。

主人公・一ノ瀬浩一(草彅剛)の“嘘の作法”と、復讐の起点が描かれます。

シリーズ全体の骨格である「30年前の冤罪と二科一族」は公式イントロに忠実で、家族殺害が仕組まれた事件であり、少年が“嘘つき”の烙印を押されるという過去が出発点です。少年の名は千葉陽一。のちの浩一です。

タイ──“アザのある男”との再会が、復讐を再起動させる

タイで相棒のハルカ(水原希子)と詐欺を仕掛けていた浩一は、腕に特徴的なアザを持つ男と遭遇します。

30年前、少年・陽一が目撃した“犯人の一人”と同じアザを持つ男——五十嵐久司(甲本雅裕)です。浩一は即座に身元を洗い、男の現在の立場(大学病院の准教授)と弱み(闇金・買春)を押さえると、日本へ帰国します。復讐の最初の的は五十嵐。ここで初回が動き出します。

東京──“チーム浩一”を編成し、足場を固める

帰国した浩一は師匠・百田(マギー)のバーに顔を出し、甥のカズキ(菊池風磨)を情報担当としてチームに加えます。

さらに遅れてハルカも合流。詐欺の現場オペレーション、調査、潜入を分担できる布陣が整います。

百田は現場のベース、カズキは足回りとデジタル担当、ハルカは潜入工作の実行担当です。

“二科の名”に触れる──五十嵐を追い詰め、黒幕の存在を掴む

浩一は五十嵐を呼び出し、「お前は俺の家族を殺した」と追い込みます。窮した五十嵐が思わず口にしたのは「二科」という名。

浩一はここで敵の“姓”を具体的に掴みます。その後、世間や二科側の追跡を欺くため、ネット上に「千葉陽一はオーストラリア在住」という偽情報を流布。二重の嘘で身を守りつつ、二科一族へ接近していきます。

標的の“窓”を探す──三きょうだいとの三つの接点

浩一が見た30年前の首謀者は二科興三(市村正親)ですが、直接会うには限られた“窓”しかありません。

長女の楓(山本美月)は医師で、人を診る目と倫理が滲む人物。浩一はそこに人間的な“裂け目”を見出します。長男の晃(安田顕)は子会社出向中で、人を疑えない性格。

次男の隆(藤木直人)は本社社長で、知略と統治を担う冷静な実務家です。浩一はこの三人の“温度差”を読み、まずは晃と楓から攻めます。

“経営コンサル”という仮面──晃を信じ込ませ、興三の領域へ

浩一は「ハーバード卒の経営コンサル」という肩書で晃に接触します。

SNSの同窓偽装や高校野球の思い出話を利用して距離を縮め、タイの病院経営者を紹介する“仕事”を餌に契約寸前まで持ち込みます。この“善意と虚勢の人”である晃を踏み台に、興三と面会する段取りを整えます。

しかし、立ちはだかるのが次男の隆。隆は照会や調査を通じて浩一の経歴に疑義を突きつけ、「兄に近づくな」と釘を刺します。疑わない兄と、疑い尽くす弟——この対比は物語の軸の一つです。

医師・楓の線──“救う人”の倫理を利用する

浩一は楓とも偶然を装って接触し、患者や子どもに向ける優しいまなざしを観察します。

楓は家族には厳しいが患者には優しい。その複雑さが浩一の“仕掛け”の余白になります。医師と患者という関係性が、のちの“刺傷”場面で重要な意味を持ちます。

パーティー会場──五十嵐を“暴発”させ、興三の懐へ

興三の席に辿り着くには、信頼が必要です。浩一は五十嵐を追い詰め、ハルカに唆しを任せて、興三の70歳パーティー会場で五十嵐を暴発させる計画を立てます。

結果、五十嵐はナイフを手に興三へ向かうが、その刹那、浩一が身を挺して刃を腹部に受けます。自らを刺させて得た信用。興三は「彼は私を守ったのか」と動揺し、浩一は“恩人”として二科家のテーブルに座る権利を手に入れます。ここが1話最大の“嘘の跳躍”です。

締め──“嘘でしか届かない正義”と、宿敵の輪郭

1話の終盤で、五十嵐が実行犯の一人であり、二科興三が事件の中枢であることが明らかになります。

晃はなお浩一を信じ、隆はさらに調べ、楓は“患者”として浩一を気遣う。三者三様の二科家と、嘘しか武器がない浩一が向き合い、舞台は整いました。浩一の「俺が見た地獄を見せてやる」という誓いは、“嘘の戦争”の開戦宣言でもあります。

ドラマ「嘘の戦争」1話の感想&考察

嘘の戦争1話の感想&考察

第1話は「嘘をどう使うか」を登場人物の倫理観で切り分け、“嘘×正義”という主題を提示する回でした。

復讐劇の快楽だけでなく、嘘でしか届かない領域と、嘘に頼らざるを得なかった人間の孤独が描かれています。

オープニングの設計──“現在→過去→現在”の往復が生む緊張

現在の社交パーティーでの刺傷、過去のタイでの再会と準備、再び現在へ戻る構成。

この往復により、「あの刺傷は偶然か計画か」という問いが観客に残ります。実際は誘導された暴発と、身を張った信用獲得という二段構えの嘘。因果を一度撹乱してから回収する脚本の妙が際立ちました。

“三きょうだい”の温度差──敵の中にも“裂け目”がある

晃=善意、楓=倫理、隆=秩序。それぞれの“温度差”で家族を描き分けています。

浩一はこの温度差の隙間、すなわち裂け目から侵入します。最も硬い隆にだけ正面突破を強いられる構図が、以降の読み合いを深くします。初回の段階でこの力学が明確に描かれているのが秀逸でした。

浩一の“嘘の作法”──嘘は目的ではなく橋である

ハーバード卒の肩書、ネット偽装、五十嵐の誘導、身を挺した刺傷。浩一の嘘は目的ではなく、現実へ渡るための“橋”として設計されています。

嘘の量ではなく配置に重きを置く姿勢に、このドラマの大人の知性が宿ります。

ハルカの存在──善悪の軸を外れて機能する“動物的判断力”

ハルカは倫理に縛られない実務担当。彼女の存在があってこそ、「刺させて信用を作る」という極端な策が成立します。

浩一の傷と理性の間を、ハルカの判断が支える関係性。理想と現実のバランスが、復讐劇を“爽快”に寄せすぎないブレーキとして機能しています。

五十嵐の造形──凡庸な悪が映す“構造の罪”

五十嵐は実行犯でありながら、准教授という地位と俗っぽい弱みを併せ持ちます。

凡庸な人間が追い詰められて暴発する姿は、“上に縋る構造の悪”を浮かび上がらせます。個人ではなく社会構造の歪みを早い段階で提示することで、「嘘×正義」の問いを広げていました。

演出の焦点──“身を刺させる”冷たい因果

刺傷の場面は感情的な演出ではなく、冷たく機能的に撮られています。恩を売り、障壁を崩すために身体を使う浩一。

その姿に観客は「そこまでやるか」と息を呑む。正義に必要な強度を身体で示すことが、以後の“言葉の攻防”の重さを支えます。

1話のテーマの言い換え──“嘘でしか届かない正義”はあるのか

少年時代に“嘘つき”と断じられ、嘘でしか世界に触れられなくなった陽一=浩一。

嘘を武器に正義に近づくという逆説が、どこまで許されるのか。1話時点での答えは「嘘は手段だが、手段が人を壊す危うさを伴う」という中庸でした。楓の倫理、晃の善意、隆の秩序に、浩一の嘘がどうぶつかり何を壊すのか——そこがこの物語の痛点であり、見どころです。

制作的考察──“銭の戦争”の血筋と、独立した完成度

脚本は後藤法子。『銭の戦争』の系譜にありながら、詐欺という構造設計と三きょうだいの温度差で独自性を確立しました。

主役の寡黙さ、兄弟の温度差、そして演出の冷静さが調和し、初回から完成度の高さを示しています。

まとめ

現在と過去を往復させる構成で、“偶然か計画か”を観客に考えさせる設計が巧みでした。

三きょうだいの温度差という裂け目から、浩一の嘘が侵入する構図が面白く、嘘は量ではなく配置が要。

身体を使って信用を得る“刺傷の嘘”が決定打となり、復讐劇を大人の議論へと引き上げています。2話以降は、晃の善意がどう壊れ、隆の監視がどこまで届き、楓の倫理がどこで折れるか——その壊れ方が浩一の嘘の代償を可視化していくでしょう。初回から「痛みを引き受ける復讐劇」として、強い印象を残しました。

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