ドラマ「黒革の手帖」第3話では、銀座の表と裏で繰り広げられる熾烈な争いが一気に加速しました。
第2話で野望を打ち砕かれた波子(仲里依紗)は元子(武井咲)への復讐を誓い、ついに銀行時代の因縁・村井(滝藤賢一)を巻き込んで動き出します。

一方で、元子は命の危機に直面するも、安島(江口洋介)の登場によって救われることに。
そして物語は「幸せとは何か」「お金に勝つとはどういうことか」というテーマを深掘りし、彼女の胸の内が少しずつ明らかになっていきます。銀座の女たちの因縁と男たちの欲望が交錯する、見逃せない一話となりました。
「黒革の手帖」3話の見どころ…熾烈化する女の戦いと新たな野望

第3話では、原口元子(武井咲)がさらなる野望へと踏み出す一方、彼女を憎む人々の反撃が表面化し、緊迫した駆け引きが描かれました。
波子(仲里依紗)の復讐心、村井(滝藤賢一)の執念、そして安島(江口洋介)をめぐる政略結婚問題が交錯し、銀座の夜に一層の緊張感が漂います。ここでは、第3話の主要な見どころを整理していきます。
元子 vs 波子:銀座で火花を散らす因縁の対決
第2話でクラブ出店の夢を潰された波子は、冒頭からカルネに怒鳴り込み、元子を責め立てます。しかし元子は一切動じず、冷静にボーイへ指示して波子を店から追い出しました。プライドを深く傷つけられた波子は「銀座で商売できないよう潰してやる」と宣言し、ついに元子への復讐を誓います。
波子はその矛先を元子の過去に向け、東林銀行時代を知る村井を訪ねます。波子にとっては、元子の弱点を突くための格好の駒。銀座の掟を無視してでも元子を引きずり下ろそうとする波子の執念が浮かび上がりました。
村井の再登場と執念の復讐劇
波子の焚き付けで動き出した村井は、元子にとって最大の脅威となります。横領事件で左遷され人生を狂わされた彼は、積年の恨みを抱えカルネへ現れました。酔客として絡むだけにとどまらず、閉店後には元子に詰め寄り「俺の人生をめちゃくちゃにした」と怒声を浴びせます。
怒りは支店長の死にも及び、「謝罪しろ」と迫る村井。逆上の末にはウイスキーを浴びせ、首を絞めるという暴走まで見せました。元子が命の危険に直面するこの修羅場で現れたのが安島です。彼は毅然と村井を制止し、元子を救い出しました。
安島に「大丈夫か?」と問われた元子は、「大丈夫です」と平静を装いますが、その表情には動揺と複雑な思いが滲んでいました。この一幕は、彼女の強さと脆さの両面を際立たせています。
安島の政略結婚問題と揺れる思い
同時進行で描かれるのが、安島の私生活に関わる政略結婚の問題です。将来を嘱望される秘書である彼は、大物代議士から有力企業の令嬢との結婚を勧められました。見合いの席で女性は「選挙のための結婚」と公言し、愛情抜きの取引関係を当然のように受け入れます。
一方で、後援会や政界の思惑に縛られ、安島自身は誠実さと野心の間で揺れ動いていました。元子と夜景を眺めながら「幸せ」について語り合う場面は、華やかな銀座の世界と政界の打算的現実を対比させ、第3話に深みを与える重要なシーンとなっています。
新たな標的「ルダン」登場 ― 元子の野望は銀座一へ
波子や村井の脅威を退けた元子は、すぐさま次の目標を定めます。それは銀座一の高級クラブ「ルダン」。数億円で売りに出されたという情報を耳にし、彼女の目は再び野望に燃え上がりました。
第3話のラストは、「カルネ」を足掛かりにさらに頂点を狙う元子の不敵な笑みで幕を閉じます。銀座の女帝へと駆け上がろうとする彼女の物語は、ここから一層激しさを増していくことを予感させました。
ドラマ『黒革の手帖』3話のあらすじ&ネタバレ

原口元子(演:武井咲)が巡らせた策により、山田波子(演:仲里依紗)の新店オープンの話が頓挫。
楢林謙治(演:奥田瑛二)から「文句があるなら『カルネ』のママに言え!」と言われた波子は、「楢林先生に何をしたの!?」と元子に詰め寄る。しかし、元子はそんな波子を軽くいなし、ボーイを使って店から追い出してしまう。
「銀座で商売できないように潰してやる…」と怒りを露わにする波子は、元子が東林銀行で何をしたのか、当時の次長・村井亨(滝藤賢一)から聞き出そうと…?
そんな中、『カルネ』に上星ゼミナールの理事長・橋田常雄(演:高嶋政伸)が来店。橋田は元子に「ふたりきりで旅行に行こう」と提案するが、なかなか首を縦に振ってもらえず、元子に男がいるのではないかと嫉妬心を募らせていく。
一方、元子は楢林クリニックを辞めた中岡市子(演:高畑淳子)に、銀座にエステサロンを出店させようと焚き付ける。自分の人生を親身になって考えてくれる元子に心を許し始める市子だったが…?
ある日、『カルネ』に村井がやってくる。元子の横領事件をきっかけに大きく人生が変わってしまった村井は、元子を逆恨みしていた!
「黒革の手帖」3話の感想&考察

第3話は、序盤から波子と元子の直接対決、そして終盤には村井の復讐劇と、手に汗握る展開が畳み掛けるように描かれました。
視聴後の余韻は強烈で、物語の軸にある「愛と金」「幸せとは何か」というテーマがさらに深掘りされた印象です。ここでは論理的に感想と考察を整理していきます。
波子と村井の復讐劇が生む緊張感
まず特筆すべきは、波子と村井の復讐心が生み出した緊迫感です。波子はクラブ開店の夢を元子に潰された恨みを抱え、銀行時代の元子を知る村井を焚き付けました。波子自身が直接手を下すのではなく、元子の“過去”を利用しようとする狡猾さは、彼女がすでに銀座の掟を超えた危険な存在であることを物語っています。
村井の怒りはさらに強烈でした。彼は横領事件で左遷され、人生を狂わされた被害者でもあります。カルネに現れて暴れる場面では、滝藤賢一の鬼気迫る演技が光り、視聴者を戦慄させました。特に元子の首を締め上げるシーンは「このまま本当に命を落とすのでは」と錯覚させるほどの迫真性。悪女として冷徹に振る舞う元子も、この瞬間ばかりは危機に追い詰められました。
そんな絶体絶命の場面で現れたのが安島です。冷静に「警察を呼ぶぞ」と威嚇し、暴力に手を染めず村井を退けた姿はまさに理性的なヒーロー。江口洋介の落ち着いた存在感が、スリルに包まれた空気を一気に収束させました。救われた元子は「大丈夫です」と強がりますが、その裏に潜む動揺は見逃せません。ここに、彼女の脆さと虚勢が浮かび上がっていました。
元子の野望と「お金に勝ちたい」という真意
第3話で最も印象的だったのは、夜景を前に元子が安島へ語った「私はお金に勝ちたい」という告白です。単なる強欲ではなく、両親が「お金に負けた人生」を送った無念さを背負っていることが語られました。
元子にとってお金は幸福そのものではなく、「負けてはならない敵」であり、人生を支配する力を握るために克服すべき対象です。そのため彼女は銀行横領という禁断の手段に走り、黒革の手帖を武器に銀座でのし上がろうとしています。
この「お金に勝つ」という表現には、悲壮な決意と人生哲学が込められていました。視聴者にとっても、元子がなぜそこまで金に執着するのかが明確に示された重要な瞬間だったと思います。今後彼女が「お金に勝つ」ことで本当に幸せを掴めるのか、それともさらなる孤独へと向かうのか――物語の核心に迫る問いが突き付けられました。
幸せとは何か?「大丈夫です」の裏に隠れた本音
第3話全体を通して響いていたキーワードが「大丈夫」です。安島に「大丈夫か」と問われた元子は、毅然と「大丈夫です」と返しました。しかし実際は強がりであり、彼女が人に弱みを見せないよう必死に鎧を纏っていることが浮き彫りになりました。
一方で、30年尽くした市子から「あなたは本当の女の幸せが分かっていない」と突き付けられる場面もありました。市子の人生は報われぬ愛に費やされたものでしたが、その言葉は元子の胸を鋭く刺します。元子が「幸せよ」と即答したのも、どこか空虚に響き、やはり「私は大丈夫」と言い聞かせているように見えました。
さらに、安島のお見合い相手の令嬢も「選挙のための結婚なら大丈夫」と割り切る姿を見せました。ここにも「大丈夫」という言葉が持つ虚しさが込められており、第3話のテーマを象徴していたと思います。
安島と元子のすれ違い ― 似て非なる者たち
安島と元子の関係は、第3話で一層複雑さを増しました。安島は元子を助け、彼女に惹かれつつも政略結婚という現実に縛られています。元子は安島に心を許すどころか、彼を「利用できる人間」として冷静に位置付けているように見えました。
しかし二人には共通点もあります。どちらも「愛よりも野望」を選び、犠牲を覚悟で進もうとしている点です。だからこそ互いを理解できる部分もある一方で、決して同じ道を歩むことはできない。夜景を眺めながら交わした会話は、そのすれ違いを象徴していました。
総括 ― 悪女の強さと脆さを描いた一話
第3話は、村井との死闘、波子の執念、安島との夜景の語らいを通して、元子という女性の強さと脆さの両面を際立たせた回でした。
仲里依紗の迫真の悪女ぶり、滝藤賢一の鬼気迫る怪演、江口洋介の渋さ、そして武井咲の圧倒的な存在感――キャスト陣の熱演も相まって、緊張感に満ちた内容でした。視聴率が右肩上がりなのも納得できる完成度です。
ラストで元子が銀座最大のクラブ「ルダン」を次の標的に定めたことで、物語はさらにスケールを増していきます。波子や村井の執念もまだ消えておらず、彼女の足元には新たな火種が燻っています。
果たして元子は「お金に勝つ」ことで何を得るのか、そして「大丈夫」という強がりの裏に隠された孤独がどのような結末を迎えるのか。第4話以降も、緊張感と期待が高まる展開になりそうです。
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