毎週日曜日夜9時よりフジテレビ系列で放送されるドラマ「HOPE〜期待ゼロの新入社員〜」の第2話が終了しました。歩の最後のプレゼンに感動しましたね〜。
第3話は、「正しさ」と「関係」のあいだで揺れる職場を描く回。
インターンを終えた4人がそれぞれの部署に正式配属され、歩(中島裕翔)は営業三課に残る。そんな矢先、資源二課とのあいだで「契約書が消えた」という騒動が勃発。
怒鳴り込んできた課長・寺崎(矢柴俊博)と主任・安芸(山内圭哉)が衝突し、安芸は懲罰委員会送りの危機に。その裏には、過去に“部下を守れなかった”という織田(遠藤憲一)の古傷が隠されていた。
ここの修羅場をくぐり抜けた歩がついに新人社員としてスタートします。それぞれの新入社員の葛藤!楽しみです。
毎週日曜日夜9時から放送の「HOPE〜期待ゼロの新入社員〜」の第3話(7月31日放送)のあらすじと感想を紹介したいと思います。
※以後ネタバレ注意
HOPE(ドラマ)3話のあらすじ&ネタバレ

第3話の副題は「事件勃発 上司の危機を救え」。
インターンを突破した4人が“正式配属”され、営業三課に残った一ノ瀬歩(中島裕翔)が、部署間の対立と“上司を守るための一手”に踏み出します。
中心となる事件は、資源二課と営業三課のあいだで起きた「契約書紛失」騒動。
そこに、過去のスキャンダルで心に傷を負った織田課長(遠藤憲一)と、雑用ばかりを押し付けられる香月あかね(山本美月)の葛藤が絡み、物語は“正しさ”と“関係”の綱引きへ進んでいきます。
4人の船出——配属と、それぞれの壁
採用試験を突破した4人は、桐明が鉄鋼二課、香月が資源二課、人見が繊維一課、そして歩が営業三課へ。だが現場は甘くない。
桐明(瀬戸康史)は上司・結城雅治(丸山智己)に資料作成を徹底的に直され、人見(桐山照史)は要領の良い主任・鳴海亮太(マギー)に利用される。
香月は男性色の強い職場で雑務を押し付けられ、歩は営業三課で地味な仕事に取り組みながらも、やがて部署間トラブルに巻き込まれていく。
契約書がない——資源二課長・寺崎の“乗り込み”と、安芸の一撃
資源二課長・寺崎京介(矢柴俊博)が「灯油の追加購入分の契約書が三課から届いていない」と怒鳴り込み、主任・安芸公介(山内圭哉)は「まとめて渡した」と反論。
やがて寺崎は、織田が営業一課時代に“部下へ責任を押し付けた”という過去を持ち出し、織田を罵倒。耐えきれなくなった安芸が寺崎を突き飛ばしてしまう。
“手が出た”という事実が、安芸を懲罰委員会に追い込むきっかけとなる。
明かされる“古傷”——契約社員スケープゴート事件
寺崎の暴言で触れられた“古傷”とは、十五年前に起きた契約社員のトラブル。
営業一課で起こった不祥事の責を押し付けられた契約社員が辞職し、その後命を絶ったという過去だ。
世間では「織田が押し付けた」とされているが、実際は当時の上司・鷹野専務(風間杜夫)の判断によるものだった。織田が抱える“守れなかった部下”という痛みは、鷹野との確執の根でもあった。
懲罰委員会の足音——歩の焦燥と、部長・宇野の“穏便”
寺崎を突き飛ばした安芸を、営業部長・宇野道隆(松澤一之)は「始末書で穏便に」と処理しようとするが、織田は「それでは全てが安芸の責任になる」と拒否。
騒動の核心は契約書の行方。歩は「まず契約書を探すべきだ」と動き始める。
香月の迷い——“女性管理職”の助言が背中を押す
香月は、男性優位の資源二課で裏方に追いやられながらも、偶然キャビネット内に問題の契約書を見つける。
食品二課長・白石涼子(中村ゆり)に相談し、「自分が正しいと思うなら、やり通しなさい」と助言を受ける。香月は決意し、暗証番号を歩に伝える。
夜の社内潜入——歩の“一手”と、織田の“落とし前”
深夜、歩は資源二課のキャビネットを開錠し、契約書を発見。
しかし寺崎らに見つかり窮地に立たされる。そこに現れた織田が、「お前が見つけたことにして始末書を書け」と提案し、事を収める。
安芸の懲罰回避を実現するため、織田は“誰の名で終わらせるか”を調整した。現場の秩序回復は、書類の一文に宿る。
残る棘——疑われる香月、同期それぞれの夜
事件は収束するが、香月が暗証番号を漏らしたのではと噂が立ち、彼女はさらに職場で孤立。
歩は“関係の代償”の重さを痛感する。
一方、桐明は結城に「事務も満足にできていない」と叱責され、人見は主任の“手柄横取り”に翻弄される。それぞれの孤独が、静かに積もっていく。
HOPE(ドラマ)3話の感想&考察

第3話は、事件そのものよりも“記録の整え方”が誰を救い、誰を傷つけるのかを描いた回。
契約書という紙切れの所在が、上司と部下、部署間、正社員と契約社員、男性社会と女性の境界を炙り出していきます。
副題「上司の危機を救え」は“循環”の命令
危機に陥ったのは安芸ですが、織田は“部下の責任は上司の責任”と受け止め、体を張って安芸を守る。
終盤、織田が“始末書の名義”を寺崎に背負わせたのは、過去に守れなかった部下の分まで、今度は自分が守るため。
これは過去の償いではなく、“倫理の循環”を成立させるための行為でした。
正しさvs関係——「誰の名前で終わらせるか」という政治
“契約書がどこにあったか”という事実の正しさより、「誰の名で決着するか」が重要になる。織田の手は、正しさと関係を両立させる現場の政治。
香月と歩が真実を担保し、織田が秩序を整える。それは理不尽の肯定ではなく、次に働ける場を守る現実的な善だった。
香月の「暗証番号」——ジェンダーの天井をこじ開ける小さな違法
香月が選んだのは、規則を越えて正しさを通す“危うい善”。
男性中心の職場で権限を持たない彼女にとって、鍵を渡す行為は“存在の再定義”。
彼女は“救われるヒロイン”ではなく、自ら決断して職場の歪みに挑む当事者として描かれた。
歩の“潜入”はヒーローの冒険ではない——「岡目八目」の実務化
暗闇でキャビネットを探す歩は、一見ヒーローだが、実際は“誰かが明日も働けるように場を整えた”だけ。
囲碁の格言「岡目八目」になぞらえれば、他部署という盤外から最適の手を打ったにすぎない。
第2話の“棒読みで時間を稼ぐ”と同じく、目立たない一手こそ最良の支援となる——このドラマの倫理は、ここでも一貫している。
契約社員というレンズ——“評価はされるが、守られにくい”位置
歩は一年契約。評価されても守られにくいその立場が、彼を“越境の担い手”にする。
内部と外部のあいだに立つからこそ、関係の責任を引き受けられる。歩の行動は、部署間の橋渡しであり、職場の潤滑油でもある。
織田の背中——「記録の言い回し」が秩序を作る
「お前が見つけたことにして始末書を書け」という織田の一言は、感情ではなく秩序のための手段。
記録の書き方一つで、誰が次の日も働けるかが変わる。
第2話の“頭を下げる背中”から続く現場の倫理が、ここでも貫かれている。
群像の立ち上がり——桐明・人見・香月、それぞれの孤独
桐明の基礎固め、人見の横取り、香月の疑念。それぞれの孤独が、「この職場で何を守るのか」という問いの初期条件になる。
正しさか、関係か、結果か——3人の選択が次回以降の物語を動かしていく。
第3話の視聴率は以下記事にまとめましたのでご覧ください。

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