ドラマ『CODE―願いの代償―』は、どんな願いも叶える代わりに過酷な代償を課す謎のアプリをめぐり、欲望と裏切りが渦巻くクライムサスペンスです。

第8話では、物語が最終章へ突入し、黒幕とされるランリーテクノロジー社や市川省吾の思想が明らかになり始めます。
アプリの拡散によって社会全体が揺らぎ、二宮や仲間たちが直面する危機は一層深刻に。
ここでは、第8話の流れを振り返り、その見どころを整理していきます。
「CODE/コード」8話のあらすじ&ネタバレ

芯の失踪と市川との対峙
第8話は物語の最終章の幕開けとなります。前話で二宮たちは、ランリーテクノロジー社こそがCODEを発注した黒幕であり、社長の市川省吾がケアリングクラウンの正体であると突き止めました。
そんな中、病室で見張っていた三輪円の息子・芯が突然姿を消し、病院全体に緊張が走ります。必死に探す二宮が辿り着いたのは病院の屋上。そこでは芯が市川と談笑しており、まるで危険を感じさせない不思議な光景でした。
市川は「子供たちを笑顔にするためにクラウン活動をしている」と語り、自らの行動を正当化。さらに「願いを叶えるアプリは夢のようなサービスだ」と強調し、アプリそのものは悪ではなく、使い方を誤る人間こそが問題だと主張します。欲望に溺れる弱い人間が排除されることで社会はより良くなるとまで断言する市川に、二宮は「CODEを作ったのはお前だろう」と迫ります。しかし市川は直接的な答えを避け、余裕の態度を崩しません。
横にいた石井理央は二宮を「バグ」呼ばわりし、「バグは小さいうちに修正すべき」と冷笑しました。ここで市川と理央が人間をいかに冷徹に“プログラム”として扱っているかが浮き彫りになります。芯はそんな二宮に、再び「願いが叶う青いミサンガ」を手渡し、彼との信頼と絆を示しました。
二宮の退院と決意
田波課長の死後、警察の体制は大きく変わり、二宮は病院を退院します。芯から再度ミサンガを受け取り、その小さな願いが彼に大きな勇気を与えました。
退院後すぐに椎名たちの拠点へ向かった二宮は、咲が入手したハッキング映像を確認。そこには、チーフプログラマーの後藤が市川に「CODEを使い続ければ犠牲者が増える」と必死に訴える姿がありました。命懸けで危険を警告していた後藤の姿に、二宮は胸を打たれ、市川と直接対峙して真相を聞き出す決意を固めます。
ランリー社潜入と緊迫のハッキング
同じ頃、椎名と咲は「市川の慈善活動の取材」を名目にランリー社に潜入しました。市川は不在と告げられるものの、システム開発部の取材許可が下ります。
セキュリティが厳しい中、咲はあえて荷物を床にぶちまけ、周囲の視線を逸らして後藤のパソコンにUSBを差し込みます。トイレに駆け込みネットワークへ接続し、ハッキングを開始。椎名は広報担当を相手に取材を装いながら時間を稼ぎ、三輪円は遠隔で二人を監視するという息の合った連携が描かれました。
咲は市川のオフィスのPCにもアクセスし、ついに後藤と市川の会話映像を入手します。しかし、こうした一連の行動は全て市川に把握されており、二宮たちが監視され続けている現実を突き付けられます。
後藤の悲劇
映像の中で後藤は、市川に「このままでは犠牲者が増える」「CODEは制御不能になる」と必死に訴えます。そして「プロジェクトの危険性を世間に公表する」と宣言しました。市川は「少し考える時間をくれ」「君がいなくなるのは損失だ」と柔らかく説得するものの、その直後、後藤は外で配達員にぶつけられ、抱き起こされる瞬間に薬物を注射されます。
病院へ運ばれた後藤は心臓発作で死亡。目の前で命を失った光景に二宮と椎名は愕然とします。市川の冷徹な支配力、そしてランリー社が彼らの行動を常に監視し一手先を読んでいる恐怖が決定的に描かれました。市川はモニター越しに二人を見下ろしながらカウントダウンを行い、ゼロになると画面を切断して嘲笑するという不気味な余裕を見せました。
CODEの拡散とルールの崩壊
後藤が命懸けで訴えた通り、市川はCODEを社会的なシステムに拡散しようとしていました。テレビでは警官から拳銃を奪った犯人が「CODEの指示だった」と語る映像が流れ、事態は社会問題に発展。これまで招待制だったアプリはネットに流出し、無差別に拡散し始めています。咲は「アプリは群衆を操る道具に進化している」と分析しました。
その最中、二宮のスマホが電源を切っていたにもかかわらず勝手に起動し、「最後の願いから1ヶ月が経過した。10分以内に願いを入力しなければ制裁を下す」と通知。逃げ場のない状況に追い込まれ、二宮たちは「願えば他人を犠牲にする」「願わなければ自分が死ぬ」という残酷な二択を迫られます。
二宮はこれまで犠牲者を見続け、誰も巻き込みたくないと悩む中、咲は「市川の1日ボディーガードをしたい」と願いを入力する策を提案。危険を承知で行動に移す決断を下します。椎名は反対しますが、CODEは願いを承認し、円と椎名も市川のボディーガードとして任務に組み込まれました。
市川誘拐計画と爆発の罠
任務当日、二宮と椎名は市川のボディーガードを装い、車に同乗して指定の場所へ向かいます。市川は「いつもと違う」と違和感を覚えつつも、「面白そうだから」とあえて同行。咲は「プレーヤーホイホイ」と名付けたアプリを開発し、円のスマホにインストールして警戒を強化します。
CODEの指示は、市川の送迎車に置かれたアタッシュケースを廃ビルへ運ぶというものでした。車内にはIDカードの入ったケースがあり、それを運ぶ任務が下されます。咲は「自分も何かしなければ」と焦り、円に待機を頼みながらも自ら廃ビルへ。円も「咲は私が守る」と同行を決意し、二人は真夜中の街へ向かいます。
途中、プレーヤーホイホイが反応し別のプレイヤーの存在を検知。慎重に行動しようとした瞬間、廃ビルの入口で大爆発が発生。咲と円は炎に包まれ、安否は次回へ持ち越されました。この場面は、運営側が常に仲間の行動を読み先回りしていることを鮮烈に示しました。
二宮と市川の直接対決
一方、二宮と椎名は市川をアジトに連れ込み、後藤との会話映像を突き付けます。市川は「幸せになった人もいる」と正当化しながらも、二宮が「恋人は真相を調べたせいで殺された」と訴えると「彼女が悪用したのでは?」と挑発。二宮の怒りを逆手に取る狡猾さが描かれました。
動画を公表すると脅す二宮たちに、市川は「止められない」と開き直り、「仲間は大丈夫か?」と念を押した直後、廃ビル爆発の報せが届きます。自分が常に優位に立ち、すでに計画が動いていると示す市川の不気味な自信が際立ちました。
次回への布石
第8話は、CODEが社会全体に拡散していく脅威と、ランリー社が国家規模の陰謀に関与している実態を描きました。市川の冷酷な支配力と仲間の危機が重なり、物語は最終決戦へと大きく舵を切ります。単なる犯罪アプリではなく、社会インフラを揺るがす存在へ進化したCODE。その正体と目的を暴く戦いが、次回以降本格的に展開していくことになります。
「CODE/コード」8話の感想&考察

市川の哲学とCODEの本質
第8話で最も印象的だったのは、市川が語った「CODEは人を幸せにする夢のようなアプリ」という主張でした。二宮は恋人や仲間を次々と失っているため、この言葉に強い怒りを覚えます。
しかし市川は「悪いのはアプリではなく、それを使う人間だ」と断言し、弱者や卑しい人間が淘汰されることで社会は良くなると説きました。つまりCODEは、単なる便利なツールではなく、人間の欲望を可視化・データ化し、それをもとに社会を浄化する“選別装置”として利用されている可能性が浮かび上がります。
CODEの運営者たちは願いを叶える連鎖を作る気はなく、むしろ人間の弱さをあぶり出し、それを利用して権力や利益を得ているように見えます。
後藤の忠告と市川の冷酷
ランリー社のチーフプログラマー・後藤は、プロジェクトの危険性を認識し「このままCODEを使えば犠牲者が増える」と市川に訴えました。
開発者だからこその警鐘は、CODEが本来の目的から逸脱していることを証明していました。しかし、市川は彼を宥めるばかりで、すぐに後藤は暗殺のような形で命を奪われてしまいます。
外部から仕組まれた薬物注射によって倒れる後藤の姿は、意見を持つ個人の良心が巨大な組織の利益によって簡単に消される構図そのものでした。さらに市川は総務省副大臣の前では穏やかに振る舞いながらも、裏では容赦なく反対者を排除しています。後藤の死は、ランリー社が単なる一企業を超え、国家規模の権力を握る存在であることを象徴する事件となりました。
ハッキング戦とルール崩壊のサスペンス
咲によるランリー社への潜入ハッキングは、これまでの調査戦から一気にサイバー戦へとシフトした瞬間でした。荷物をわざと落とし、トイレでUSBを使ってアクセスするなど機転を利かせたものの、結果的には全て市川に見抜かれていました。市川が監視カメラ越しにカウントダウンを行い、ゼロになった瞬間に画面を切断する場面は、彼らの行動が全て掌握されていることを示す強烈な演出でした。
さらに、CODEアプリがネット上に流出したことで一般人にまで広がり、警官襲撃事件まで発生。これまで一部の招待制で動いていたルールが崩れ、社会全体を巻き込む無秩序なツールへ変貌していきます。市川がハッキングを黙認していたのも、二宮たちに「自分たちは常に監視されている」という心理的圧力を与えるためだったのでしょう。ルールの崩壊は、社会混乱を意図的に引き起こすための布石とも考えられます。
願い事を強制するCODEとプレーヤーホイホイ
二宮のスマホが電源を切っていたにもかかわらず勝手に起動し、「願い事をしなければ制裁する」という通知が届く場面は衝撃でした。プレイヤーが逃げられない仕組みを象徴しており、願えば他者を犠牲にし、願わなければ自分が死ぬという究極の選択を迫られます。
一方で咲が開発した「プレーヤーホイホイ」は、周囲のプレイヤーの接近を探知するアプリ。
仲間を守るために自ら行動する咲の姿は頼もしいものの、その善意すら罠に利用され、爆発に巻き込まれてしまいます。ここには「善意の行動すら裏目に出る」というドラマ全体の残酷なテーマが凝縮されていました。
直接対決の心理戦
二宮と椎名は市川を拉致し、後藤との会話映像を突きつけて真相を迫ります。しかし市川は「CODEで幸せになった人もいる」と開き直り、人間の欲望を持ち出して揺さぶりをかけます。
二宮が恋人の死を訴えても「彼女がアプリを悪用したのでは?」と挑発。怒りを逆手に取り、彼の感情を操作しようとする市川の狡猾さが際立ちました。
さらに市川は「どのみち止められない」と自信を持って断言。計画は既に動き出しており、一時的な拘束など意味を持たないことを示します。最後に「仲間は無事か?」と告げ、直後に爆発の報が入る流れは、二宮に仲間を人質に取られているかのような恐怖を与えました。観る者にも背筋が凍る心理戦であり、次回への引きを最大限に高めた構成でした。
今後の展開と大きな陰謀
第8話で描かれたのは、市川の思想とランリー社が持つ巨大な権力の一端にすぎません。彼が「より良い世界を作る」と語る裏には、人々の犠牲を厭わず社会をコントロールしようとする冷酷な思想が潜んでいます。CODEの拡散は偶発的ではなく、意図的に社会不安を煽り、最終的には量子コンピュータやビッグデータを使って人々を監視・操作することが目的なのではないかと考えられます。
終盤では街中にプレイヤーが溢れ出し、社会全体がCODEのゲームに巻き込まれる予兆が描かれました。二宮は愛する人々を守るために戦い続けますが、冷静さを失えば市川の思うつぼ。残された仲間とどう信頼を築き、巨大な陰謀に挑んでいくのかが最終局面の大きな見どころです。
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