第6話ラストの“突然のキス”。あれは、関係が一段階進む合図だった——はずでした。
ところが7話では、そのキスが話題にされることもなく、平匡はまるで何事もなかったかのように日常へ戻っていく。
一方のみくりは、あの瞬間に確かに生まれた温度を抱えたまま、言葉にできない違和感と向き合うことになる。
「どうしてキスしたんですか?」
ドア越しのメール、ぎこちない“ハグの日”、そして誕生日の封筒に入った三万円。
7話は、甘さよりも“ズレ”が際立つ回だ。
この回で描かれるのは、恋が始まったからこそ露わになる恐怖と、契約という安全装置が感情を傷つけてしまう瞬間。
ムズキュンの先にある、いちばん痛い地点を、7話は静かに突きつけてくる。
逃げる恥だが役に立つ(逃げ恥)7話のあらすじ&ネタバレ

第7話は、サブタイトル通り「あのキスのあとさき」。
第6話ラストの“突然キス”が、二人の関係に火をつけた……はずなのに、平匡さんはまさかの完全スルー。
みくりの期待と不安が行ったり来たりして、見ているこちらも心が忙しい回です。放送は2016年11月22日(火)で、公式あらすじでも「キス後、何もなかったかのように接する津崎に疑問いっぱいのみくり」「“ハグの日”の態度に不満がつのる」ことが軸として描かれます。
キスの直後、幸せの“余韻”すら許されない朝
帰り道のキス。あんなに心臓が跳ねる展開のあと、普通なら“その話”でぎこちなくなるじゃないですか。
でも平匡さん、キスのあとに我に返ったように謝って(「すいません!」の衝動が彼らしい……)、そのまま触れない・語らない・なかったことにする方向へ逃げていきます。
みくりは「火を付けて放置とは……」状態。
自分の気持ちは燃え始めているのに、相手が消火活動(しかも無言)を始める。こんなに切ないこと、ある?と思わされる展開です。
家に戻ってからも空気は“平常運転”。
ベランダに来る鳥の話題で朝食が進む、その穏やかさが、逆にみくりの胸をざわつかせます。だって、その穏やかさの下に「キス」が沈んでいるから。
「焼いた鱚です」…言葉遊びが刺さる、みくりの小さな反撃
この回、地味に印象的なのが“キス(鱚)”のダジャレで、みくりが焼き魚を出すあの瞬間。
「焼いた鱚です」。
もう、みくりの中ではキスが“日常に混ざり込んで”いるのに、平匡さんはその単語だけで動揺する。
笑えるのに、笑いの裏側が痛い。
みくりは「嬉しかったなぁ……」と噛みしめているのに、平匡さんは「発展させない方が平穏」「あの時はどうかしていた」と自分に言い聞かせていく。
同じ出来事を見ているのに、受け取り方が真逆。ここで、すれ違いの種ははっきりと蒔かれていました。
“ハグの日”が、愛情のはずなのに、罰ゲームみたいになる
火曜日=ハグの日。
周囲に怪しまれないために始めた“新婚感の演出”が、今や二人の気持ちを測るリトマス試験紙みたいになっていきます。
ところが平匡さん、避ける、逃げる、ぎこちない。
せっかくの火曜日なのに「仕方なさそうに」ハグをする態度が、みくりを少しずつ削っていく。
みくりの目線だと、“キスしたのに”ハグが雑になる=「後悔してる?」に直結する。
言葉がない分、身体の距離と触れ方が全部メッセージになってしまう。恋って、残酷です。
ひとつ屋根の下で、ドア越しに送るメール「どうしてキスしたんですか?」
ここでみくりが選んだのが、直接問い詰めるんじゃなくて、メール。
同じ家にいるのに、ドア越しで「どうしてキスしたんですか?」と送る姿が、いじらしくて、見ているこちらが泣きそうになります。
自分が傷ついているのに、相手の心の安全を先に確保してから質問する。この“優しさ”が、みくりの強さなんだと思います。
「不適切でした」…誠実さが、いちばん欲しい答えを外してくる
メールの返事で平匡さんは「雇用主として不適切」と、きっちり謝る。うん、平匡さんらしい。正しい。誠実。
でも、みくりが欲しかったのは“正しさ”じゃなくて、「好きだったから」とか「抑えきれなかった」とか、そういう熱なんですよね。
みくりはそれでも大人に返します。
「これからもよろしくです。末永く」。
この“末永く”が、優しさの皮をかぶった、精一杯の「私、ここにいたい」。
平匡さんはその言葉に安心して、ベッドでニヤニヤしてしまう。かわいい。かわいいんだけど……みくりの心が置き去りなのが、苦しい。
みくりの誕生日が1ヶ月過ぎていた…「プレゼント」すら正解がわからない平匡さん
そんな矢先、平匡さんが気づく“致命的”な事実。
みくりの誕生日が、1ヶ月も前に過ぎていた。しかも自分だけ気づいていなかった。
日野さんは「そんなことしてたら熟年離婚されるよ」的な現実パンチを放つし、百合ちゃんもすでにプレゼント済み。
周りが普通に“妻の誕生日”を祝っているのに、自分だけが遅れている。その事実が、平匡さんの自己評価をさらに下げ、行動が空回りしていきます。
風見の“ちょっとした一手”が、平匡さんの心をえぐる
ここで爆弾を落とすのが風見。
「軽〜い気持ちでプレゼントあげました」。
しかも内容が「スリランカの、ちょっといい紅茶」。
みくりが以前淹れてくれた“ちょっといい紅茶”を思い出す平匡さん、そりゃ凹む。
風見はさらに「結構好みの女性」「よく相談してる」と匂わせてくる。
これ、たぶん半分は“挑発”、半分は“本音”。
そして沼田さんが勘違いして「君たちパッションだろ?」と騒ぎ出す流れ。笑えるのに、平匡さんの胸の内は全然笑えない。
「プレゼントではなく賞与です」——3万円の封筒が、みくりを冷やす
平匡さん、人生初の“女性へのプレゼント選び”で百貨店をうろうろしても、結局決めきれない。
そして帰宅して渡したのが、現金入りの封筒。
「それはプレゼントではなく、賞与です」。
言葉としては整っている。雇用主として筋が通っている。
だからこそ、みくりは笑えない。「これは……キスの慰謝料?」と疑心暗鬼になるの、わかりすぎてつらい。
3万円という具体性がまたリアルで、「金額」になった瞬間、気持ちが“商品”みたいに見えてしまう。
みくりが欲しいのは、値札じゃなくて、選ぶ時間とか、迷う姿とか、「あなたのため」を感じることなのに。
近づいたと思った夜、アイスワインと2度目のキス
それでも、ここからの二人は、ちゃんと恋に落ちていく。
火曜日のハグも少しずつ変わっていき、みくりのモノローグは「平匡さん旋風」「好きの嵐」へ。
土曜日の夜、百合ちゃんのワイン(アイスワイン)で乾杯。
甘いワインが、二人の距離を甘くしていくのに説得力があるのは、ここまでの“我慢”が積み重なっているから。
みくりは「雇っていただけてありがとうございます」と感謝を伝えようとして、途中で言葉が詰まる。
“従業員としての感謝”は言えるのに、“好き”は言えない。ここが、契約結婚の残酷なところ。
そして平匡さんが、2度目のキスをする。
やっと、やっと。
「いいですよ、私は…」と「ムリです!」——一線の前で、みくりが折れる
キスのあと、熱い抱擁。みくりは、勇気を出して言います。
「いいですよ、私は。平匡さんとなら、そういうことをしても」。
たぶん、みくりは“性”そのものが目的じゃない。
「あなたに拒絶されない私」でいたい。
「あなたが私を好きだと信じたい」。
そのために、一歩進む言葉を差し出した。
でも平匡さんはキャパオーバーで、「ムリです!」と拒絶してしまう。
みくりの手が震える。
恥ずかしさと、傷つきと、やり場のない感情で。
そしてみくりは夜行バスに乗り、実家へ戻る。
“逃げる”という選択が、ここでは痛いほど切実で、タイトルが胸に刺さるラストです。
逃げる恥だが役に立つ(逃げ恥)7話の伏線

第7話は「ムズキュン」の甘さだけじゃなく、後半に向けての地雷がぎゅっと詰まった回です。
恋が進んだように見えて、実は“契約”と“恋”が真っ向からぶつかる予兆がいくつも出ていました。
伏線1:キスを「不適切」と言ってしまう平匡さんの“自己防衛”
平匡さんがキスを「不適切」と定義したのは、誠実さでもあるけれど、同時に「好き」を言語化しないための防波堤でもあるんですよね。
これが今後、みくりの“欲しい言葉”を奪っていく伏線。
愛情表現を“ルール”に変換してしまうクセが、二人の間にズレを作り続けます。
伏線2:「賞与」という現金——“雇用関係”が恋より前に立つ危うさ
誕生日プレゼントが「賞与」。
これは笑えるようで、かなり怖い出来事です。
「感謝を形にしたい」気持ちは本物でも、形が“お金”になった瞬間、みくりは「私は妻?従業員?」という揺れに落ちていく。
契約結婚という仕組みが、恋の土台としては脆いことを示す、象徴的な伏線です。
伏線3:風見の「ちょっといい紅茶」——三角関係という“外圧”の存在
風見がさらっと渡した紅茶は、平匡さんの心を揺らすだけじゃなく、「みくりは外でも評価される女性だよ」という事実を突きつけます。
平匡さんは“競争”が苦手だからこそ、外圧がかかるほど自分の殻に戻りやすい。
風見がどこまで本気なのかも含めて、ここから嫉妬と焦りの火種になっていく伏線だと思います。
伏線4:「感謝とリスペクト」——恋愛感情だけでは越えられない壁
第7話で強く提示されるのが「感謝とリスペクト」。
これって今後、二人が“夫婦っぽさ”を超えて本当の関係に向き合うためのキーワードだと思うんです。
好きだけでは踏み外すし、契約だけでも冷える。
その間を繋ぐのが、敬意。ここが作品の背骨になっていく伏線です。
伏線5:みくりの“夜行バス”——「逃げる」ことでしか守れない自尊心
最後にみくりが家を出るのは、恋の駆け引きじゃなくて、心の避難。
この「逃げ」は、次回以降の“契約の見直し”“気持ちの棚卸し”に繋がる大きな起点です。
平匡さんにとっても、みくりがいなくなることで初めて「失う怖さ」が現実になる。つまり、二人が本当の意味で向き合うための伏線になっています。
逃げる恥だが役に立つ(逃げ恥)7話の感想&考察

第7話、私の中では「甘いのに、痛い」「近づいたのに、遠い」回でした。
火曜日のハグが“約束”から“感情の答え合わせ”に変わっていくのが、恋の始まりのリアルさそのものなんですよね。
みくりの「勇気」が、恋のアクセルであり、ブレーキでもあった
みくりって、攻めてるようで、実はすごく慎重。
同じ家にいてもドア越しにメールを送るのは、相手を追い詰めないため。相手の心を守りながら、自分の心も守ろうとしてる。
だけど、その慎重さが逆に「本音を言えない二人」を固定化してしまう怖さもある。
恋って、優しさだけだと進まないのが切ない…。
それでも、みくりは前に進もうとして「いいですよ、私は…」と言った。私はあの言葉を、“覚悟”だと思いました。
平匡さんの不器用さも、弱さも、全部ひっくるめて受け止めたいっていう覚悟。
だからこそ、「ムリです!」の拒絶は、みくりの自己肯定感を真っ二つに割る破壊力があったんだと思う。
平匡さんの「ムリ」は、拒絶じゃなく“恐怖”に見えた
平匡さんの「ムリです」は、みくりを嫌いだからじゃない。むしろ逆で、好きだからこそ怖い。
恋愛経験がない、失敗したくない、相手を傷つけたくない、でも自分がどうしていいかわからない。その全部が一瞬で噴き出して「ムリ」になる。
途中まではいい雰囲気だったのに、最後に一気に落ちる。あの空気感、視聴者の切なさそのものだったと思います。
でもね、恋って「怖い」だけじゃ続けられない。
みくりは今、“自分が受け入れられている”実感が欲しいのに、平匡さんは“正しくあろう”として、結果的にみくりを弾いてしまう。
このズレが、第7話のいちばん苦いところだと思いました。
「賞与」は最適解じゃなくて、“平匡さんの限界”の告白だった
誕生日の封筒、私は見てて声が出ました。
「うそでしょ」って。
でも考えると、あれは平匡さんの“できること”の最大値だったのかもしれない。
プレゼント選びって、相手を想像して、好みを想像して、自分のセンスを差し出して、外すリスクを背負う行為。
平匡さんにとっては、恋愛という未知の領域の「テスト」みたいなもので、怖すぎたんだろうなって。
ただ、みくりにとっては「あなたが怖いなら、私はどうなるの?」なんですよね。三万円は慰謝料じゃないのに、慰謝料に見えてしまう。
そこまで追い詰めてしまう“言葉の選び方”が、平匡さんの弱点でもある。
SNSの温度:第7話が「一番好き」という声もわかる
放送当時、第6話の突然キスの反響は凄まじく、その熱量を引き継いだ第7話は、感情がジェットコースターみたいな回でした。
特に印象に残っているのが、
「逃げ恥の第7話が、1番好き。ドアを閉めた後『かわいい~』って膝から崩れ落ちる平匡さんが、最高~!」
——この感想。
わかる…!わかります…!
あの“ドアの向こうでニヤける平匡さん”って、恋の生々しさの塊なんですよ。
好きって気持ちを自覚した瞬間の、どうしようもない崩れ方。
あれで「平匡さんも恋してる」って確信できるから、余計にラストが刺さるんです。
考察:「一線を越える」は、行為じゃなく“関係性の契約更新”だった
第7話のクライマックスって、表面的には「そういうこと(身体の関係)」の話だけど、本質はそこじゃない気がします。
みくりが越えたかったのは、“ライン”じゃなくて“壁”。
- 「雇用主と従業員」という壁
- 「契約だから」という壁
- 「好きって言えない」という壁
そして平匡さんが怖がったのは、“行為”じゃなくて、越えた先で「相手の人生に責任を持つ」感覚だったんじゃないかな。
だからこそ、次回以降は「恋の続き」じゃなく、「関係の定義」を更新する物語になるはず。みくりが逃げたのは終わりじゃなくて、更新のための“退避”なんだと思います。
以上、第7話でした。
次回(第8話)は、この“ムズキュンからの崩壊”をどう回収していくのかが見どころ。みくりの逃避が「恥」なのか、「役に立つ」のか…ここからが本番です。
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