『サレタ側の復讐〜同盟を結んだ妻たち〜』は、2026年春ドラマの中でもかなり“テレ東らしい攻め方”が見える一本です。
不倫サレタ3人の妻たちが手を組み、それぞれの夫へ“交換復讐”していくという設定はそれだけで十分に刺激的ですが、怖いのは単なる復讐劇で終わらなそうなところです。
ルールで結ばれた同盟、裏切りを許さない空気、そして復讐が進むほど思惑が外れていくという公式の打ち出しまで読むと、爽快さの先にかなり濃い心理劇が待っている気配があります。
しかも本作は、モラハラ夫に疲弊した妻、知性と行動力で同盟を引っ張る妻、別れる気はないが不倫は許さない妻という、立場も温度もまったく違う3人を並べているのが強いです。
同じ“サレ妻”でも怒り方も復讐の目的も違うからこそ、仲間になるほど物語が安定するのではなく、むしろ不穏さが増していく。そこに“漫画で描かれなかったもう一つの復讐劇”がドラマで用意されているという原作者コメントまで重なると、放送前の時点でもかなり先が気になります。
ドラマ「サレタ側の復讐〜同盟を結んだ妻たち〜」のあらすじ

『サレタ側の復讐〜同盟を結んだ妻たち〜』は、モラハラ夫に苦しむ奈津子、本気不倫した夫に怒る佳乃、玉の輿婚を守りたい麗奈という事情も性格も異なる3人の妻たちが、“復讐同盟”を結成し、夫たちへの交換復讐を誓うところから始まるリベンジドラマです。
秘密厳守・足抜け禁止・全面協力という鉄の掟のもと、3人はそれぞれの裏切りに報復しようとしますが、復讐が進むほどに怒りだけでは動けなくなり、友情や信頼、思惑の違いまで絡み合っていきます。
物語は単なる不倫制裁ではなく、傷つけられた妻たちが反撃の中でどこまで手を汚し、誰を信じ、最後に何を失うのかが問われるサスペンスとして描かれていく作品です。
【全話ネタバレ】「サレタ側の復讐〜同盟を結んだ妻たち〜」のあらすじ&ネタバレ

1話:クソ夫どもは地獄へ堕とす。奈津子が”復讐同盟”へ踏み出すまで
理想の結婚は、3年で”地獄”に変わっていた
1話の奈津子は、最初からかなりしんどい立場にいます。義隆とは”永遠の愛”を誓って結婚したはずなのに、3年後にはその優しさは消えて、義隆はモラハラ夫へ変貌している。
奈津子自身も、一人で生きていく自信も経歴もないまま、こんな生活から抜け出したいのに抜け出せない女性として描かれていて、この時点でもうかなり息苦しいです。
私はこの始まり方を見て、1話は不倫発覚の話というより、奈津子がずっと飲み込んできた”妻としての我慢”が限界まで来ていたことを見せる回なんだと感じました。
不倫現場を見た瞬間、奈津子は”耐える妻”ではいられなくなる
その息苦しさが一気に爆発するのが、自宅で義隆と不倫相手の若い女が激しく求め合っている場面を奈津子が目撃するところです。しかもそれがホテルでも外でもなく、自分の家だというのが本当にきついです。
私はここ、ただ裏切られたショックより、「家の中にまで踏みにじられた」感覚のほうがずっと重いと思いました。夫婦の生活も、自分の居場所も、何もかもが汚された瞬間だからです。
奈津子がその場で壊れてしまうのではなく、ショックを抱えたまま家を飛び出すのも、逆にリアルでつらかったです。
佳乃と麗奈の再会で、”私だけじゃない地獄”が見えてくる
1話で空気が変わるのは、奈津子が絶望の中で大学時代の親友・佳乃に呼び出され、そこに後輩の麗奈もいると分かったあたりからです。ここで初めて、奈津子の地獄は奈津子一人のものではないと見えてきます。
佳乃は「夫の浮気って、許せる?」と奈津子に問いかけ、麗奈もまた幸せそうな結婚生活の裏で別の傷を抱えている気配を見せる。
私はこの再会の場面がすごく良くて、ただ不倫された女が泣く話じゃなく、傷ついた女たちが”怒りを共有する場所”に変わる瞬間として一気にドラマの熱が上がったと思いました。
1話の一番熱い場面は、”復讐同盟”が希望にも見えること
1話の終盤で、奈津子、佳乃、麗奈の3人は”復讐同盟”を結成し、それぞれの夫に交換復讐していく流れへ入ります。ここは本来かなり危うい場面のはずなのに、1話の時点では妙に希望にも見えるんですよね。
奈津子にとっては、誰にも理解されないと思っていた痛みを、やっと共有できる相手ができた瞬間だからです。もちろん、同盟には鉄の掟があるとされていて、この時点で既にただの友情では済まない空気が漂っています。
それでも1話ではまだ、その危うさより”やっと一人じゃなくなった”熱のほうが強く見えました。私はそこがこのドラマのうまさだと思っています。
スカッとする復讐劇に見せながら、同時にもっと危ないものが始まっている感じが、すごく嫌で、すごく先を見たくなりました。
1話の伏線
- 義隆は「理想の夫」だったのに、3年後には奈津子を追い詰めるモラハラ夫へ変わっています。この”変貌”の理由は1話の時点ではまだ深掘りされておらず、今後の夫婦関係の歪みを読むうえで大きな伏線になりそうです。
- 佳乃の「夫の浮気って、許せる?」という一言は、ただの慰めではなく、奈津子を”復讐する側”へ引き込む合図でした。1話の段階で佳乃がどこまで覚悟を決めているのかが、すでに不穏です。
- 麗奈もまた同じ場にいることで、サレ妻が奈津子一人ではないと分かります。性格も夫婦関係も違う3人がなぜ同盟を組めるのか、そしてどこでズレるのかは、この先かなり大きな軸になりそうです。
- 1話で結成される”復讐同盟”は、単なる励まし合いではなく「交換復讐」へ向かう仕組みとして置かれています。原作者コメントでも、同じ境遇から始まった友情が次第に歪に形を変えると示されているので、1話の熱い連帯感そのものが後半の不穏さの伏線に見えます。
1話のネタバレについてはこちら↓

2話:破滅へのカウントダウン
2話の核は、奈津子が復讐を決意することより、自分だけが惨めなんじゃないと知ることだった気がします。佳乃に不倫した夫を許せるかと問われ、麗奈もまた別の形で夫に裏切られていると分かった瞬間、奈津子の涙はただのショックから”共有された怒り”に変わっていきます。私はここでようやく、このドラマの主役が奈津子ひとりではなく、3人の女たちの共闘なんだと見えてきました。
奈津子の涙が、ようやく言葉になる
奈津子はもともと、モラハラ夫の義隆との生活に心をすり減らしながらも、一人で生きていく自信も経歴もなく、逃げ出せずにいた人です。そこへ不倫現場を真正面から見せつけられたことで、もう何も平気なふりができなくなったんですよね。佳乃と麗奈の告白を聞いて、奈津子もやっと義隆の裏切りを涙ながらに打ち明ける流れは、復讐劇の始まりというより、まず”被害者が黙るのをやめた瞬間”としてすごく重かったです。
私はここがすごく好きでした。不倫ドラマって、裏切られた側が怒鳴るか、泣くか、すぐ仕返しに走るかのどれかになりやすいけれど、この作品は奈津子が言葉をこぼすまでの痛みをちゃんと見せてくれるんです。だからこそ、この夜の涙は弱さじゃなくて、人生を取り戻す最初の一歩に見えました。
佳乃と麗奈は、同じサレ妻でもまったく温度が違う
佳乃は夫・将生が同じ研究室の大学院生と不倫していることを明かし、奈津子と麗奈に復讐同盟を持ちかける発起人になります。頭がよく行動力もあるリーダー格として描かれているだけあって、2話の佳乃は傷ついた妻というより、もう怒りを実行に変える側へ立っている感じが強かったです。あの冷静さが頼もしいのに、同時にちょっと怖いんですよね。
一方で麗奈は、夫・樹の不倫に傷ついてはいても、本妻の自分が一番大事にされているという自負があり、別れる気はない人物です。つまり3人は同じ”サレ妻”でも、奈津子は人生を壊された人、佳乃は復讐を主導する人、麗奈は夫婦を終わらせたいわけではない人で、最初から立っている場所が全然違うんです。私はこの温度差があるからこそ、同盟は救いにもなるけれど、後で必ずひずみも生むだろうなと感じました。
3つの鉄の掟が、3人を味方にも鎖にも変えていく
佳乃が提案する復讐同盟には、秘密厳守、足抜け禁止、全面協力という3つの鉄の掟があります。復讐同盟のことは口外しない、全員の復讐が終わるまで抜けられない、そして仲間の復讐には手を汚してでも協力する。このルールを聞いたとき、私はやっと”友情の延長”ではなく、”もう戻れない契約”が結ばれたんだと思いました。
ここが2話でいちばんゾクッとしたところです。助け合う約束って、本来は救いのはずなのに、この同盟ではそのまま逃げ道をなくす仕組みにもなっているんですよね。3人で手を組んだ瞬間は確かに頼もしいのに、足抜け禁止という言葉ひとつで、もうこの関係は優しいだけの女同士の連帯では済まないと分かってしまう。その怖さが、このドラマの面白さそのものだと思いました。
2話の伏線
- 佳乃が復讐同盟の発起人で、最初から主導権を握っていること。頭脳と行動力で引っ張る人だからこそ、この先は頼もしさだけでなく、佳乃の復讐心の強さが同盟全体を危うくしそうです。
- 麗奈だけは夫と別れる気が薄く、不倫そのものをやめてほしい立場にいること。3人の怒りが同じ方向を向いているようで、実はゴールがずれているのがかなり不穏でした。
- 秘密厳守、足抜け禁止、全面協力という3つの鉄の掟。味方を得たはずなのに、その瞬間から自由も失っていく構造が、今後の友情の崩れにつながりそうです。
- 次回、交換復讐の最初のターゲットが奈津子の夫・義隆になること。2話は結成回だったぶん、3話からはいよいよ”クズ夫どもをどう追い詰めるか”が本格的に動き出しそうです。
3話:隠しカメラが映した最低の裏切りと、奈津子が次の怒りを選んだ夜
3話は、復讐同盟が本当に動き出した回でした。奈津子の家に隠しカメラを仕掛け、義隆とまどかを自宅へ誘い込む作戦が始まったことで、口約束だった同盟が一気に現実になります。
義隆の不倫を押さえるだけなら痛快なはずなのに、奈津子が自分の結婚が壊れる瞬間を見届けるしんどさのほうがずっと強く残りました。だから3話は“ざまあ”の回というより、奈津子がもう見なかったことにできない現実へ踏み込んだ回として刺さります。
家そのものが、義隆を追い詰める罠になる
佳乃の作戦は、奈津子が義隆に偽の不在予定を伝え、家じゅうに隠しカメラを仕掛けるところから始まります。狙い通りまどかが家を訪れ、義隆は待っていたと言わんばかりに寝室を整え始め、不倫を隠すどころか自分の舞台のように盛り上がっていました。
キャンドルを並べ、精力ドリンクを飲み、鏡で上半身まで確認する姿は滑稽なのに、奈津子にとっては自宅を土足で踏みにじられる最悪の映像です。この場面で義隆の不倫が恋ではなく、自分に酔うための自己演出だとはっきり見えたのが本当に嫌でした。
証拠は取れても、奈津子の傷はその場で消えない
ただ、証拠が取れたからといって奈津子の心が軽くなるわけではありません。モニター越しに夫の裏切りを見届けたダメージはそのまま日常へ残り、スーパーではまどかの姿がフラッシュバックして動けなくなってしまいます。
そこで祐一郎が自然にフォローへ入る流れだけが少し救いで、奈津子のまわりにまだまともな優しさが残っていると感じました。復讐は相手を傷つける前に、自分の傷をもう一度開いてしまう行為なのだと、このパートがいちばん痛く教えてきます。
奈津子は“夫だけ”を罰する段階では終われなくなる
3話の終盤で奈津子は、義隆だけでなくまどかにも復讐したいとはっきり口にします。自分が大切にしてきた場所へ土足で入り込んだ相手も許せないと吐き出したことで、奈津子は“かわいそうな妻”の位置にとどまらなくなりました。
麗奈がすぐ共感し、佳乃も不倫は一人でするものではないと同調したことで、同盟はさらに踏み込みやすい空気になります。しかも奈津子が差し出したメイク付きのネクタイは次の一手の武器にも見えて、3話は証拠回で終わらず、本格的な反撃の始まりとして締まりました。
仲間がいる心強さと、後戻りできない怖さが同時に濃くなる
もう一つ印象的だったのは、奈津子が一人でこの地獄を見なくて済んだことです。佳乃の段取りと麗奈の共感があったから作戦は進んだし、奈津子は崩れきる前に“仲間がいる”と感じられました。
ただ、秘密厳守・足抜け禁止・全面協力の掟で結ばれた同盟だからこそ、一度踏み出した復讐から簡単に降りられない怖さも濃くなっています。3話は助け合いの頼もしさと、共犯関係になっていく危うさが同時に立ち上がった回でもありました。
3話の伏線
- 義隆だけでなくまどかにも復讐したいと奈津子が決めたことで、次回は不倫夫の処分より“不倫カップルを引き裂く計画”が本格化しそうです。
- 佳乃が変装して丸越デパートへ乗り込む流れが示されているので、家庭の中で押さえた証拠が次は職場へ持ち込まれていきます。
- 麗奈の夫・樹がまどかの新たな接触先に現れる流れも見えており、奈津子の復讐が麗奈側の問題まで一気に混線させる可能性があります。
- 祐一郎のさりげないフォローは、奈津子が復讐だけでなく自分の人生を取り戻す線へ進めるかを見る上でも気になるポイントです。
3話のネタバレはこちら↓

4話以降について:後ほど更新
後ほど更新
ドラマ「サレタ側の復讐〜同盟を結んだ妻たち〜」の原作はある?
原作はあります。本作の土台になっているのは、作画・きら、原作・雙葉葵による同名漫画『サレタ側の復讐〜同盟を結んだ妻たち〜』で、DPNブックスの「コミックなにとぞ」レーベルから配信されている作品です。テレビ東京の公式サイトでも原作として明記されており、電子書籍ストア上では既に完結巻まで配信されていることが確認できます。つまりドラマ版は、強い導入だけを借りたオリジナルではなく、もともと電子コミックとして高い引力を持っていた“不倫復讐劇”を実写の人間ドラマへ広げた作品だと見るべきです。
原作はDPNブックス発の女性コミックとして支持を集めた
電子書籍ストア上の作品情報では、本作は女性コミックとして分類され、作画・きら、原作・雙葉葵、出版社・DPNブックスと記されています。テレ東公式でも累計280万以上のダウンロードを記録した話題作として紹介されていて、実写化の時点ですでに一定の読者支持を得ていたことがわかります。つまり“刺激的な題材だから映像化された”というより、“読まれ続けたからこそ映像化まで届いた”作品だということです。原作が強いのは、不倫という見慣れた題材を使いながら、“3人の妻が交換復讐を誓う”という構図で一気に読み味を変えてしまったところにあるのだと思います。
完結している原作があるからこそ、ドラマ版の改変にも意味が出る
電子書籍ストアでは本作が10巻で完結していることが示されています。つまりドラマ版は、途中までしかない原作を追いかけるのではなく、結末まで見えている物語をどう再構成するかという段階に立っています。
原作者コメントで“漫画で描かれなかったもう一つの復讐劇”がドラマで用意されていると語られているのも、その自由度があるからこそでしょう。原作完結済みの実写化だからこそ、ドラマ版は結末をただなぞるのではなく、“原作が持っていた怖さ”を活かしながら、新しい痛みを足してくる余地が大きいのだと感じます。
ドラマ版は“友情の歪み”をより強く見せてきそう
雙葉葵のコメントでは、性格も生き方も夫婦関係のバックボーンも異なる三人が挑む復讐劇であり、意気投合して始まった友情が次第に歪に形を変えるとされています。原作の読後感が“夫たちへの制裁”だけではないことを考えると、ドラマ版もそこをかなり前面へ出してくるはずです。視聴者は最初、サレ妻たちへ共感して応援するでしょうが、その応援がやがて苦さへ変わる設計になっているのかもしれません。原作付きでありながらドラマ版に大きな期待が持てるのは、この作品が“誰に復讐するか”だけでなく、“復讐のために誰と手を組むか”の危うさまで、最初から物語の中に組み込んでいたからです。
原作のネタバレについてはこちら↓

原作「サレタ側の復讐〜同盟を結んだ妻たち〜」の最終回の結末はどうなる?
原作は電子版で全10巻まで配信されていて、復讐同盟の終着点まで描かれています。
物語は奈津子が義隆の不倫現場を目撃したところから始まり、佳乃と麗奈の事情が重なることで、ただのサレ妻ものではない群像劇になっていきます。3人は同じ裏切りを受けながらも、夫との温度差も復讐への本気度もまったく違います。ピッコマ|無料漫画・小説、新作コミックが毎日楽しめる!
だから最終回の見どころは、夫たちがどう落ちるかだけではありません。むしろ原作の結末で残るのは、復讐を終えたあとに3人が同じ場所へ戻れなくなる苦さです。私はこの作品、制裁の爽快感より「傷ついた女同士が最後まで同じ正義ではいられない」怖さがいちばん強く残ると思いました。
奈津子は義隆と決別し、人生を取り戻す側へ進む
奈津子は復讐同盟の最初の当事者として、義隆とまどかの証拠集めから真正面に立たされます。麗奈の張り込みや佳乃の潜入で外堀が埋まり、義隆は職場でも家庭でも少しずつ逃げ場を失っていきました。しかも奈津子は、ただ泣き寝入りするのではなく、自分の手で離婚の場を整えるところまで進んでいきます。
義隆編の終盤では両家の親を前に離婚を切り出し、義隆はまどかと道連れのように職場まで失うことになります。奈津子のラストは、義隆を罰すること以上に「もうこの人に人生を握らせない」と生活を立て直すことにあります。七瀬の会社で新しい仕事を始める流れまで描かれているので、奈津子だけは復讐の先にいちばんはっきりした再出発が用意されているんです。
佳乃は復讐を貫くが、その執念が同盟を壊していく
佳乃は最初に同盟を言い出しただけあって、原作の中でもずっと復讐の熱量が高い人物です。将生の不倫に怒る気持ちは本物ですが、その怒りが強いぶん、途中からは同盟のためならどこまででも踏み込める人にも見えてきます。樹への最終局面では、海外案件を餌にしたかなり危うい作戦まで主導し、奈津子と麗奈からもさすがに苦言を向けられました。
つまり佳乃の結末は、夫への復讐を貫く爽快さと、復讐に飲まれて仲間から離れていく危うさが同時に残る終わり方です。将生とは最終的に離婚し、やり切った側として物語を終えるのですが、私はいちばん無傷では終われない人も佳乃だと思いました。正しさを信じて突き進んだ人ほど、最後に自分の手の汚れも引き受けることになる、その痛さが佳乃のラインにはあります。
麗奈は別れない選択も抱えたまま、3人に違う結末を残す
麗奈は夫の不倫に傷つきながらも、最初から樹と別れたいわけではない妻でした。本妻として一番愛されているという自負があるからこそ、彼女の復讐は奈津子や佳乃よりずっと温度が揺れます。9巻では離婚を決意する流れまで行くのに、最終10巻では樹と田舎へ移り、自分の仕事に打ち込む道を選びました。
原作が面白いのは、麗奈を「離婚してスッキリ」の型にそのまま乗せず、いちばん割り切れない妻として残しているところです。その結果、3人の結末はきれいに揃わず、復讐同盟も自然消滅します。私はこのばらけ方があるからこそ、この作品は単純な制裁ものではなく、サレた側の正解が一つじゃない話として後味を残すのだと思いました。
ドラマ「サレタ側の復讐〜同盟を結んだ妻たち〜」のキャスト

現時点で発表されているキャストは、主演の水崎綾女、篠田麻里子、矢吹奈子を中心に、二階堂高嗣、落合モトキ、髙松アロハ、増子敦貴、小西桜子、矢野ななか、青島心まで並ぶかなり濃い布陣です。三人のサレ妻、三人のシタ夫、三人の不倫相手、そして外側の光を示す青年という整理された配置を見ると、このドラマが誰か一人の感情だけで走るのではなく、複数の欲望が絡み合う群像劇であることがよくわかります。配役を見た時点で、“誰が一番悪いのか”という単純な物語ではなく、“誰の弱さが一番危ない形で表に出るのか”を見るドラマなのだと感じさせるところがとてもいいです。
水崎綾女/岸本奈津子
水崎綾女が演じる岸本奈津子は、スーパーでパートとして働く30歳主婦で、モラハラ夫との生活に心を擦り切らせた末、不倫現場を目撃して復讐を決意する主人公です。水崎自身も、奈津子はただ復讐する女性ではなく、傷つきながらも尊厳を守り、一人の女性として人生を取り戻そうとする人物だと受け止めています。このコメントが示すとおり、奈津子は受け身の被害者に留まらず、復讐を通して自分の輪郭を取り戻していく役なのでしょう。水崎綾女の持つ静かな強さは、奈津子の“壊れそうなのにまだ壊れきっていない感じ”を支えるのにとても合っていて、主人公としての説得力を大きく底上げしてくれそうです。
篠田麻里子/遠藤佳乃、矢吹奈子/早乙女麗奈
篠田麻里子が演じる佳乃は、知性的で行動力があり、復讐同盟の発起人かつリーダー格となる人物です。一方の矢吹奈子が演じる麗奈は、夫に複数の不倫相手がいても離婚は望まず、冷静に相手の感情を読んで動く戦略型の妻として描かれます。この二人がいることで、奈津子の感情的な傷だけではなく、復讐を“どう進めるか”という頭脳と計算のラインが物語へ入ってきます。篠田の持つ押しの強さと、矢吹奈子の柔らかいのに冷静な雰囲気は、同盟を前へ進める力と、どこかでそれを裏切りかねない静かな怖さの両方を感じさせていて、とても面白い配置です。
シタ夫たちと周辺人物が、復讐劇をさらに濁らせる
二階堂高嗣の義隆、落合モトキの将生、髙松アロハの樹という三人の“シタ夫”は、それぞれモラハラ、不倫の本気度、女遊びの身勝手さと、違うタイプの裏切りを背負っています。さらに、小西桜子、矢野ななか、青島心が演じる不倫相手たちも、ただの悪役としてではなく、それぞれ欲望や危うさを持つ存在として扱われています。増子敦貴の七瀬祐一郎だけが少し違う温度を持ち、奈津子にとっての希望になりうる存在として配置されているのも大きいです。この脇を固めるキャストたちが濃いからこそ、サレ妻たちの復讐は単純な制裁では終わらず、“誰もが少しずつ自分の欲を持っている世界”として、より生々しく見えてくるのでしょう。
ドラマ「サレタ側の復讐〜同盟を結んだ妻たち〜」の最終回の結末予想

ドラマ版は4月1日にスタートし、第1話では奈津子が義隆の不倫現場を目撃し、佳乃と麗奈に再会するところまでが描かれました。第2話では3人が復讐同盟を結び、秘密厳守・足抜け禁止・全面協力という鉄の掟まで共有しています。さらに第3話では、義隆とまどかの証拠を押さえるため、奈津子が家に隠しカメラを仕掛ける段階まで進みます。
ここまでの流れだけでも、ドラマは義隆編をかなり丁寧に積み上げながら、同盟の息苦しさを強めている印象があります。しかも今回は、友情がゆがんでいくことや、原作にはなかったもう一つの復讐劇が用意されていると明かされているので、ラストは原作以上に同盟そのものが焦点になりそうです。私は最終回、夫たちへの制裁よりも先に、3人がこの同盟を続けられるのかが最後の問いになると見ています。
奈津子は義隆と決別し、自分の人生を選び直しそう
奈津子はドラマでも、モラハラと不倫の両方を一身に受ける最初の被害者として描かれています。そのぶん復讐の入口には立たされますが、物語の中心は義隆をどう落とすかより、奈津子が自分を取り戻せるかに置かれています。奈津子の近くには、何かと気にかける七瀬という外側の存在もいるので、家庭の外に新しい空気が入り込む余地もすでにあります。
義隆編が終盤まで続くとしても、奈津子はただの復讐の駒では終わらないはずです。私は最終回の奈津子が手にするのは派手な勝利より、「この結婚から降りる」と自分で言える生活の主導権だと予想しています。七瀬が恋の相手になるかは別としても、奈津子にとって復讐の外側を思い出させる出口になる可能性はかなり高いです。
佳乃の復讐心が、同盟を壊す引き金になりそう
佳乃は頭が良く行動力があり、同盟のリーダー格として最も物語を動かす人物です。でもその強さは、そのまま一番危うい復讐心にもつながっていて、夫たちへの怒りが強いほど仲間にも厳しくなっていきそうです。実際に原作でも佳乃は最後の復讐で一線を越えかけていて、ドラマ側も同盟が思わぬ方向へ進むと打ち出しています。
だから終盤でいちばん怖いのは、シタ夫たちより先に佳乃の正義が暴走し始める展開かもしれません。私は佳乃が単純な悪役になるのではなく、「同盟を救った人」がそのまま「同盟を壊す人」に変わっていく役割を担うと予想しています。ここが崩れたとき、このドラマは不倫復讐劇から女同士の心理サスペンスへ一段深く沈んでいくはずです。
麗奈は別れない妻の立場を揺らし、同盟は最後にほどけそう
麗奈は本妻の自分が一番大事にされているという自負があるぶん、3人の中でいちばん復讐と結婚継続のあいだで揺れやすい立場です。だから彼女は、奈津子のように再出発一本には振り切れず、佳乃のように徹底的にもなりきれません。この温度差は同盟のほころびになりやすく、後半に行くほど「同じサレ妻でも欲しい結末が違う」という現実を突きつけそうです。
原作でも3人は違う答えに分かれて終わるので、ドラマも最後は足並みのそろわない着地になる可能性が高いです。ラストは3人が同じ正義で手をつなぐのではなく、それぞれ違う答えを抱えたまま同盟がほどける終わり方になりそうです。私はそのほうが、この作品の「救いでもあり鎖でもある同盟」という本質にいちばん合っていると思います。
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