第1話で本庁の罠によって所轄に左遷されたエリート刑事・香坂真一郎(長谷川博己)。
「これは所轄の事件だ」と宣言した第2話では、彼が封じられた真実――風見京子の転落死に再び挑む。
所轄の執念が突き止めた“勤怠改ざん”と“映像加工”の事実、そして本庁の圧力による情報遮断。
「敵は味方のフリをする」という山田(岡田将生)の一言が、警察組織の構造的な闇を象徴する。
ここからは2017年4月23日(日)夜9時放送のドラマ「小さな巨人」2話のあらすじ(ネタバレ)を紹介していきます。
※以後ネタバレ注意
ドラマ「小さな巨人」2話のあらすじ&ネタバレ

第2話は、芝署編の“核心”――風見京子転落死の真相に迫る回。
香坂真一郎(長谷川博己)は「これは所轄の事件だ」と宣言し、誘拐事件の裏に隠された技術流出と改ざんの闇を追い始める。
所轄刑事として捜査一課長の小野田(演:香川照之)と戦う覚悟を宣言した香坂(演:長谷川博己)は、ゴーンバンク社社長・中田和正(演:桂文枝)誘拐事件にはまだ裏があると、風見京子(演:富永沙織)の自殺について捜査をするため渡部(演:安田顕)と共に、現場となったビルを訪れる。
渡部久志(安田顕)と共に現場へ戻った香坂が目をつけたのは、ナカタエレクトロニクスの防犯管理担当・池沢菜穂(吉田羊)。彼女のわずかな証言から、事件の構図が表から裏へと反転していく――。
「幕引き」を拒む所轄――再び動き出す捜査線
誘拐事件は表向き“犯人逮捕・被害者救出”で幕を閉じた。
だが渡部は「犯人は自首すると言っていた」と悔しさを滲ませる。香坂も本庁の“幕引き”に違和感を覚え、隠された真実を追うことを決意。
芝署は「所轄だからこそ掴める事実」を武器に、再び現場へと踏み込む。
鍵を握る防犯カメラ――消えた映像と不可解な空白
現場のナカタエレクトロニクス社ビルには最新の防犯カメラが導入されていた。
だが、屋上へ通じるエレベーター前以外には映像が残っていない。
モニターに映るのは、屋上へ向かう風見京子(富永沙織)ただ一人。まるで“自殺”を示すような記録だ。香坂は違和感を覚え、池沢への再聴取を決断する。
山田春彦の拒絶――「所轄」と「本庁」の壁
香坂は元部下の山田春彦(岡田将生)に協力を求めるが、「僕は捜査一課の人間です」と冷たく拒絶される。
本庁の序列意識と所轄軽視の構図が、現場の連携を断ち切っていた。
香坂は自ら資料と足で捜査を積み上げ、“現場の足”という原点に立ち返る。
「30時」のメモが暴いた在室記録――勤怠データの改ざん
突破口は、池沢の机に残されたカレンダーの「30」の記し。
香坂は発想を転換し、労働基準監督署に保管されている原本データを照会。
その結果、事件当夜は“2名が在室”していたことが発覚する。提出された勤怠記録は改ざんされていたのだ。
映像には京子一人でも、現場には“もう一人いた”――事件は再び動き出す。
池沢の供述と“第三者の影”
香坂が再聴取で「屋上に呼び出したのはあなたですね」と詰め寄ると、池沢は「映像を加工した」こと、屋上まで同行した事実を認める。
だが、「突き落としたのは私じゃありません」と強く否定。
彼女の言葉が示す“第三者の存在”によって、事件は自殺から他殺へと変わる。
法の壁――企業顧問弁護士の介入
そこに現れたのは、ゴーンバンク顧問弁護士・五十嵐仁(堀尾正明)と中田隆一(加藤晴彦)。
彼らの介入により、取り調べは弁護士同席の形に封じられ、香坂は一度退かざるを得ない。企業は法の盾で固まり、真実は再び封じ込められる。
二課の捜査で突破口――山田の裏切りと冷笑
夜明け、山田が捜査二課の情報を持って戻る。
個人投資家の名簿に池沢の名前――インサイダー取引の証拠が出たのだ。
だが現場で手柄を取ったのは山田。逮捕された池沢の前で、香坂は唇を噛む。山田の一言、「敵は味方のフリをする」が痛烈に響いた。
罪を背負う母――企業の庇護と沈黙
取調室で池沢は全てを自分の罪と認め、第三者の存在を否定する。
彼女が守ったのは病気の息子だった。企業からの支援と引き換えに、母は真実を沈黙で包み込む。
香坂はその選択に怒りよりも無力さを感じる。
第2話の結末――“所轄の矜持”が火を灯す
事件は表向き解決したが、真実にはまだ届かない。
香坂は言う。「所轄が真実を突き止める」。
勤怠改ざん、映像加工、企業隠蔽――小さな署が巨大組織の壁を叩く。敗北の中にある誇り、それが“所轄の矜持”だった。
第2話は、香坂が組織の論理に屈せず再び立ち上がる、静かな反撃の始まりを描いた回だった。
ドラマ「小さな巨人」2話の感想&考察

第2話は、「事件の真実に近づくほど、組織の論理が立ちはだかる」――その摩擦を描く緊張感が圧巻でした。
所轄が突き止めたわずかなズレ(勤怠・映像・導線)を、企業の法務と警察の序列が巧妙に上書きしていく。
“真実の速度”と“現実の速度”、どちらが早くゴールに辿り着くのか――この競争こそが第2話の主題です。
「足」と「データ」――所轄の武器は“積算値”
香坂は“足”、渡部は“嗅覚”で、机上の違和感を積み上げていく。
「30時」の走り書き、泊まり込みの兆候、労基原本との照合、そして“2名在室”という結論。この地道な積分的アプローチが、改ざんされた映像と勤怠の嘘を切り裂いた。
所轄の矜持=原データに立ち返る力。
第2話は、この「現場の累積値」こそが真実に最も近いという信念を描き切っていました。
「敵は味方のフリをする」――構造的裏切りのリアリズム
山田の台詞「敵は味方のフリをする」は、個人の裏切りではなく“構造的裏切り”の宣告。
本庁の評価軸は「失点回避」であり、所轄の成果すら“手柄”として吸い上げられる。
この回は、山田を単なる裏切り者ではなく、組織の歯車として描くことで現実味を強めた。
痛いのは、彼が正しくもあるということ。組織とは、正しさより安全を選ぶ場所だと突きつけてきます。
「救う嘘」と「壊す嘘」――池沢菜穂が抱えた倫理の断層
池沢の供述反転は単なる口裏合わせではない。病を抱える息子、企業からの支援、母としての決断。
「私ではありません」という一言は、第三者の存在を示唆しつつも、その人物を守る母の嘘。
救うための嘘と、真実を壊す嘘の境界線。
その狭間で揺れる池沢の姿が、このシリーズの“倫理の奥行き”を大きく広げました。
“映像=真実”という錯覚――現代社会への問い
第2話が示した最大の警句は、「映像があっても、それが真実とは限らない」という点。
最新の防犯カメラが加工され、客観の象徴が主観の武器に変わる。
証拠は“ある”だけではなく、“守られている”ことが大切。
情報の信頼性を確保するプロセスこそが、現代の正義の条件だと視聴者に突きつけた。
演出の妙――“机バンバン”から“静かな告白”へ
香坂の机叩き、池沢の叫び――熱量の高い衝突のあとに訪れる静かな説得。その緩急が、単なる尋問劇ではなく“人間の温度”をもつ対話へ昇華していた。
怒鳴りで自白を得るのではなく、言葉で理解させる。
第2話の核心は、静寂の中で真実が語られる瞬間のリアリティでした。
法務・二課・報道――情報戦の三つ巴
企業法務(五十嵐)、捜査二課、報道。
この三つが互いに真相を隠し合う構造が、物語の“現代性”を際立たせた。
香坂がこれから勝つには、
- 一次情報の確保
- 証拠の保全
- 世論の説得
という“三面作戦”が不可欠。
顔の見える所轄捜査を、どう“公的な言葉”に繋げるか――次回への課題です。
総括:第2話は“方法論”を描いた回
視聴率13.0%。物語は“所轄の勝ち筋”と“本庁の勝ち筋”を明確に対比させた。
所轄は「足と原本」、本庁は「手柄と遮断」。
この構図の中で、香坂が積み上げたのは“持久戦”の覚悟です。
一瞬の逆転ではなく、確かな積算によって真実へ迫る――。
小さな現場が、巨大な組織に抗うための“戦い方”を提示した、実に見応えある一話でした。
ドラマ「小さな巨人」2話のあらすじ(ネタバレ)
所轄刑事として捜査一課長の小野田(演:香川照之)と戦う覚悟を宣言した香坂(演:長谷川博己)は、ゴーンバンク社社長・中田和正(演:桂文枝)誘拐事件にはまだ裏があると、風見京子(演:富永沙織)の自殺について捜査をするため渡部(演:安田顕)と共に、現場となったビルを訪れる。
そこは、京子の元恋人で、中田の息子・隆一(演:加藤晴彦)が経営をするナカタエレクトロニクスのビルであり、ゴーンバンク社が新たに開発した防犯カメラが使用されていた。
香坂は、ビルの防犯管理担当・菜穂(演:吉田羊)から話を聞くも、新たな情報を得ることができずにいた。そこで、小野田の指示で共に捜査をしていた山田(演:岡田将生)にあることを頼む。
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