Netflixシリーズ『今際の国のアリス』シーズン1第2話に登場する馬の鬼は、怪物でもロボットでもありません。その正体は、馬のマスクをかぶり、スペードの5「おにごっこ」でプレイヤーを妨害していた人間のディーラーです。
Netflix版には男と女の2人が登場し、男の馬はマンション内を巡回して参加者を襲い、女の馬は「じんち」の部屋に潜んでいました。二人ともプレイヤー側がゲームをクリアした直後に首輪を爆発させられ、死亡します。
恐ろしいマスクと銃によって怪物のように見える一方、二人も今際の国から命を管理されていた人間でした。アリスがゲームクリアを喜び切れなかったのは、生き残った結果として敵役の人間が処刑されたからです。
さらに、チシヤが馬の所持品から見つけた地図は、後に判明するディーラーの活動拠点へつながる伏線でした。この記事では、『今際の国のアリス』馬の正体、男女2人の役割、女の馬役を演じた俳優、死亡理由、地図の意味、原作漫画との違いについて詳しく紹介します。
『今際の国のアリス』馬の正体は?シーズン3までの結論

馬のマスクをかぶった鬼の正体は、数字札のゲームを裏側から成立させるディーラー側の人間です。参加者を一方的に支配する黒幕ではなく、プレイヤー側のクリアを妨害する役割を与えられ、失敗すれば自分も死亡する立場でした。
シーズン3まで物語が進んでも、二人の本名、現実世界での経歴、ディーラーになった経緯は明かされていません。確認できるのは、Netflix版には男女2人の馬が登場し、女の馬役を秋場千鶴子さんが演じていることです。
| 項目 | 判明している内容 |
|---|---|
| 馬の正体 | 人間のディーラー |
| 登場ゲーム | スペードの5「おにごっこ」 |
| 登場話 | Netflix版シーズン1第2話 |
| Netflix版の人数 | 男と女の2人 |
| 男の馬の役割 | マンション内を巡回し、参加者を銃で襲う |
| 女の馬の役割 | 「じんち」の部屋に潜み、クリアを妨害する |
| 女の馬役 | 秋場千鶴子 |
| 男の馬役 | 確実な役名付き資料を確認できず不明 |
| 本名・過去 | 不明 |
| 最終的な結末 | ゲームクリア後に首輪が爆発して死亡 |
| 原作漫画 | 第2巻に登場し、馬の鬼は1人 |
馬のマスクの鬼は人間で数字札を運営するディーラー
馬は、人間ではない生物や今際の国で作られた殺人ロボットではありません。マスクの下には普通の人間の顔があり、爆発する首輪も装着されています。
物語全体の仕組みを踏まえると、馬は数字札のゲームを動かすディーラー側の人間です。ディーラーはゲーム会場の準備や監視、プレイヤー側のクリアを妨害する役割を担います。
ただし、ディーラーは今際の国を自由に支配する運営者ではありません。ゲームの結果やルール違反によって自分たちも殺されるため、プレイヤーとは異なる場所に配置された駒ともいえます。
ドラマ版には男と女の2人の馬がいる
Netflix版のスペードの5には、2人の馬の鬼が登場します。最初に姿を見せる男の馬は、サブマシンガンを持ってマンション内を移動し、参加者を次々と襲います。
もう1人は、「じんち」となる部屋の内部に潜んでいる女の馬です。参加者が安全地点を見つけたと思った瞬間に現れ、最後のボタン操作を妨害します。
外側を巡回する男と、ゴール内部を守る女が役割を分けることで、参加者はどこへ逃げても安心できません。二人が夫婦、兄妹、恋人だったという情報はなく、個人的な関係は不明です。
本名・過去・男の鬼の俳優は明かされていない
馬の鬼には、劇中で個人名が与えられていません。二人が現実世界でどのような生活を送り、なぜディーラーになったのかも描かれていません。
男の馬役についても、役名と演者を直接結びつける確実な公開資料は確認できません。出演者一覧から候補を推測することはできますが、根拠のない俳優名は断定できません。
シーズン2やシーズン3で、別人として再登場した事実もありません。二人は第2話のゲーム内で死亡し、個人の背景を奪われたまま「馬の鬼」という役割だけを残します。
女の馬鬼を演じたのは秋場千鶴子
女の馬の鬼を演じたのは、秋場千鶴子さんです。出演歴では「馬鬼女役」として確認できます。
女の馬は、最初から素顔を見せる人物ではありません。マスク、武器、激しい動きによって恐怖の対象として登場し、マスクが外れた後に初めて人間の女性だったと分かります。
素顔が見えた瞬間の怯えた表情によって、それまで参加者を殺そうとしていた敵にも恐怖があると伝わります。馬の正体を単なる殺人者で終わらせない重要な演技です。
馬が登場した♠5「おにごっこ」のルールと役割

馬の鬼が登場するのは、シーズン1第2話で行われるスペードの5「おにごっこ」です。スペードは身体能力を中心に試すゲームで、参加者は巨大なマンションを走り回りながら武装した鬼を避けなければなりません。
ただし、鬼から逃げ続けるだけではクリアできません。制限時間内に「じんち」と呼ばれる部屋を見つけ、内部の仕掛けを作動させる必要があります。
シーズン1第2話のマンションがゲーム会場
ゲーム会場となるのは、多数の階段、廊下、部屋が入り組んだ巨大マンションです。参加者は建物の外へ逃げることができず、馬の鬼に見つかれば銃撃されます。
制限時間は20分で、時間切れになるとマンションに仕掛けられた爆弾が作動します。参加者は鬼から逃げるだけでなく、限られた時間の中で「じんち」の位置も探さなければなりません。
複雑な建物は、馬にとっては参加者を追い詰める狩り場です。一方、アリスにとっては鬼の動きや守っている場所から答えを逆算するための盤面になります。
男の馬は参加者を追い、女の馬は「じんち」を守る
男の馬はマンション内を巡回し、見つけた参加者へ容赦なく銃を撃ちます。単に殺害人数を増やすだけでなく、参加者を走らせ、考える時間を奪う役割を担っています。
女の馬は、クリアに必要な装置が置かれた「じんち」の部屋で待ち伏せていました。参加者が正解の部屋へ到着しても、装置を作動させる前に排除する役割です。
二人は外と内からプレイヤー側を挟み込みます。男の馬だけに注意を集中させると、最も安全に見えた「じんち」の内部で女の馬に襲われる仕掛けです。
2つのボタンを同時に押せばプレイヤー側がクリア
プレイヤー側のクリア条件は、「じんち」の部屋へ入り、離れた位置にある2つのボタンを同時に押して爆弾を止めることです。1人が部屋を見つけただけではクリアできません。
アリスは鬼の移動から「じんち」の位置を見抜きますが、最後の仕掛けにはもう1人の協力が必要でした。そこでウサギの身体能力とチシヤの援護が加わり、アリスとウサギが同時にボタンを押します。
この構造によって、アリスの観察力だけでは勝てないことが示されました。第2話は、彼が他者の能力を認め、協力することで初めて答えを現実のクリアへ変えるゲームです。
ゲームクリアで馬の首輪が爆発し死亡する
アリスとウサギが2つのボタンを押すと、プレイヤー側のゲームクリアが確定します。その直後、女の馬の首輪が作動し、爆発して死亡しました。
同じ頃、外側でアグニと戦っていた男の馬も首輪を爆発させられます。二人はプレイヤーを倒せなかったため、馬側の敗北として処分されたと考えられます。
ただし、馬側が参加者を全滅させた場合に得る報酬や、マンションの爆弾をどう止める予定だったのかは説明されていません。殺害人数に応じてビザが増えるなど、劇中で明かされていないルールを推測で補うべきではありません。
馬がディーラーだと分かる根拠

第2話の時点では「ディーラー」という名称や運営構造は明かされていません。しかし、馬の所持品、爆発する首輪、シーズン1終盤で判明するアサヒとモモカの正体をつなげると、馬が数字札ゲームのディーラー側だったと分かります。
特に重要なのが、チシヤがゲーム終了後に馬の遺体を調べて手に入れた地図です。この地図は、その場限りの小道具ではなく、プレイヤーとは別にゲームを動かす人間たちがいることを示す伏線でした。
チシヤが馬の所持品から地下鉄の地図を見つける
ゲーム終了後、ほかの参加者が生存を喜んだり、馬の死へ衝撃を受けたりする中、チシヤは冷静に馬の持ち物を調べます。そこで発見するのが、地下鉄に関係する地図です。
チシヤは、馬を恐怖の対象や死者として見るより、今際の国の仕組みに近づくための情報源として見ています。遺体を調べる行動には、感情よりも謎の解明を優先する彼の人物像が表れています。
この時点では、地図が何を示しているのかまでは分かりません。しかし、馬が一般の参加者とは異なる場所や組織へつながっていたことを示す証拠になります。
地図はシーズン1終盤のディーラー基地へつながる
地図の意味は、シーズン1終盤で回収されます。アリスたちは地下鉄の奥にあるディーラーたちの活動拠点へたどり着き、ゲームを監視していた人間の存在を知ります。
馬が所持していた地図は、この拠点へつながる早い段階の伏線です。馬がゲーム会場だけで生活していた怪物ではなく、別の活動場所を持つ運営側の人間だったことも分かります。
ただし、地図と無線から聞こえた「ビーチ」は別の手掛かりです。地図はディーラーの活動拠点へ、無線はカード収集を行うビーチという共同体へつながります。
アサヒとモモカの告白で数字札の運営構造が判明する
ハートの10「まじょがり」では、ビーチの一般メンバーに見えたアサヒとモモカが、実はディーラーだったと判明します。二人は数字札のゲーム会場を準備し、プレイヤーを監視していました。
この真相を踏まえると、スペードの5で鬼役を務めた馬も、同じ数字札側のディーラーとして整理できます。役割は異なっても、プレイヤー側のクリアを妨害し、失敗すれば自分も殺される立場です。
馬の正体は、第2話だけでは完全に説明されません。アサヒとモモカの告白によって、後から「あの鬼も運営側へ配置された人間だった」と理解できる構造になっています。
馬も支配者ではなく命を握られた運営側の駒
馬は銃を持ち、参加者を殺す側にいるため、一見するとゲームの支配者に見えます。しかし、プレイヤー側がクリアした瞬間に首輪を爆発させられることから、自由な権限はありません。
参加者を殺す加害者である一方、自分の命や役割を自分で選べない被害者でもあります。ディーラーであることは、安全な管理者になることではなく、プレイヤーとは別の勝敗条件へ縛られることです。
今際の国は、敵の顔を隠すことでプレイヤーにためらわず戦わせます。しかしマスクの下が人間だと分かった瞬間、参加者と鬼を単純な善悪に分けることが難しくなります。
なぜ馬の鬼は2人いた?ドラマ版の仕掛け

Netflix版が馬の鬼を2人にした具体的な制作意図は明言されていません。ただし、ゲームの構造を見ると、外を巡回する鬼と「じんち」を守る鬼を分けたことで、参加者の思い込みを利用する仕掛けが強化されています。
さらに、2つのボタンを同時に押すクリア条件と組み合わせることで、アリスとウサギが協力しなければ勝てない展開が作られました。
外を巡回する男の馬が参加者から時間を奪う
男の馬は、マンション内を移動しながら参加者を銃撃します。直接的な目的は参加者を減らすことですが、同時に探索と推理の時間を奪う存在です。
参加者は足音や銃声を聞くたびに移動しなければならず、落ち着いて部屋を調べられません。鬼がどこにいるのかを共有しなければ、ほかの参加者も突然撃たれます。
アリスは、男の馬がマスクによって視界を制限されていることや、特定の場所を守るように動いていることを観察します。恐怖の対象だった鬼の動きが、逆に「じんち」の位置を示す情報へ変わりました。
じんちに潜む女の馬が安全地帯という思い込みを壊す
参加者にとって「じんち」は、鬼から逃げ込む安全地点に見えます。しかし、正解の部屋へ到着すると、内部にも女の馬が待ち構えていました。
これにより、答えを見つければすぐに助かるという期待が崩れます。安全な場所にこそ最後の敵がいるという反転が、ゲーム終盤の緊張を高めています。
女の馬は、クリア装置へ近づく参加者を直接排除する最後の防壁です。外側の探索を難しくする男と、内側の操作を妨害する女が組み合わさり、ゲーム全体が成立しています。
2人目と2つのボタンがアリスとウサギの協力を生む
アリスは「じんち」の位置を推理できますが、部屋にいる女の馬を一人で倒し、2つのボタンを同時に押すことはできません。そこで必要になるのが、ウサギの身体能力とチシヤのスタンガンです。
ウサギが女の馬を止め、アリスとともにボタンを押すことでゲームはクリアされます。アリスの知性とウサギの身体能力が初めて明確に噛み合う場面です。
第2話の「おにごっこ」は、二人が出会っただけでなく、互いの不足を補えば生き残れると知るゲームでもあります。2人目の馬と2つのボタンは、その関係を行動で成立させる仕掛けと受け取れます。
馬を倒すだけではゲームクリアにならない
このゲームのクリア条件は、馬の鬼を倒すことではありません。「じんち」を見つけ、2つのボタンを同時に押し、爆弾を停止させることです。
仮に男の馬を先に倒しても、正解の部屋へ到達できなければ時間切れになります。女の馬を行動不能にしても、ボタンを押さなければプレイヤー側のクリアにはなりません。
敵を倒すことと、ゲームの構造を解くことは別です。アリスが強いのは暴力で相手を上回るからではなく、恐怖の中でも本当のクリア条件を見失わないからです。
原作漫画の馬の正体|ドラマ版との違い

原作漫画でも、馬のかぶりものをした鬼がスペードの5「おにごっこ」に登場します。ゲームは原作第2巻に収録されていますが、Netflix版では人数と終盤の攻防が変更されました。
大きな違いは、原作の馬の鬼が1人であるのに対し、ドラマ版では男と女の2人へ増えていることです。
原作の「おにごっこ」は第2巻に収録
原作漫画の「おにごっこ」は、『今際の国のアリス』第2巻に収録されています。団地を舞台に、サブマシンガンを持つ鬼から逃げながら「じんち」を探すゲームです。
アリスは、鬼の動きと建物の構造を観察し、安全地点の位置を推理します。Netflix版と同じく、身体能力だけでなく観察力と参加者同士の連携が必要です。
原作の馬の鬼は1人
原作で登場する馬の鬼は1人です。Netflix版のように、別の女の馬が「じんち」の部屋で待ち伏せする構成ではありません。
そのため、男女2人の馬が連携してゲームを守っていたという設定はNetflix版独自です。原作へ女の馬を混ぜて説明すると、ゲーム終盤の構造が異なってしまいます。
原作でも馬は人間のディーラーとして描かれる
原作でも馬は超常的な怪物ではなく、人間です。鬼役として参加者を襲っていますが、ゲーム終了後に所持品が確認されることで、同じ今際の国のルールへ組み込まれた存在だと分かります。
馬が自分の意思だけでゲームを作り、参加者を呼び寄せたわけではありません。数字札のゲームでディーラー側の役割を担わされていました。
チシヤがカードとビザを回収し鬼も同じ世界の人間だと示す
原作では、チシヤが鬼の所持品を調べ、カードやビザに関わる情報を回収します。この行動によって、鬼もプレイヤーと同じくカードや滞在期限が存在する世界に属していると示されます。
チシヤは相手の死へ感情的に反応するより、使える情報を探します。鬼の正体を解く場面でありながら、チシヤの冷静さと人間への距離も描かれています。
ドラマ版は女の馬を追加し、じんち内部の戦闘を強化
Netflix版では、正解の部屋へ女の馬を追加しています。これにより、「じんち」を見つけた後も銃撃と格闘が続き、最後まで安全が保証されない構成になりました。
さらに、アリス一人では2つのボタンを押せないため、ウサギとの協力が必要になります。原作のゲームを映像向けに拡張し、主人公二人の出会いと連携を強く見せる変更です。
馬のマスクに意味はある?演出と象徴を考察

なぜ鬼が馬のマスクを選んだのか、劇中で具体的な理由は説明されていません。『不思議の国のアリス』の特定人物やチェスの駒と直接対応する設定も、明示されていません。
ただし、映像上では人間の顔を隠し、参加者から敵の人間性を奪う重要な効果を持っています。
顔を隠して人間を怪物に見せる
人間の顔が見えれば、参加者は相手の年齢、性別、恐怖、迷いを読み取ってしまいます。馬のマスクはそれらを隠し、銃を持った鬼を倒すべき怪物へ変えます。
参加者にとって、相手が自分と同じ人間だと考える余裕はありません。生き残るためには、馬を人格のある相手ではなく、ゲームの障害として扱う必要があります。
今際の国は、マスクによって敵から人間性を奪い、参加者へ戦いやすい構図を与えています。しかしゲーム終了後、その構図は意図的に壊されます。
視界の悪さがアリスの隠れる判断とチシヤの観察を成立させる
大きな馬のマスクは、鬼へ威圧感を与える一方、視界を狭めます。アリスは鬼の見え方や移動の癖を観察し、身を隠す方法を考えます。
チシヤも、恐怖で逃げ回るより鬼と参加者の動きを冷静に見ています。マスクは単なる装飾ではなく、鬼側にも身体的な不利を与えるゲーム装置です。
銃を持つ鬼が完全無敵ではないと気づいた時、参加者は逃げるだけの獲物から、ゲームの構造を読むプレイヤーへ変わります。
マスクが外れた女の恐怖が敵と被害者の境界を崩す
女の馬のマスクが外れると、そこにいるのは恐ろしい怪物ではなく、首輪をつけた人間の女性です。ゲームに敗れたと理解した彼女の表情には、参加者と同じ死への恐怖が表れます。
その直後に首輪が爆発することで、敵として戦っていた相手もまた、見えない何者かに処分される側だったと分かります。
マスクがある間は加害者にしか見えず、外れた後は被害者の顔が現れます。この反転が、今際の国では人間の立場が役割によって簡単に変わることを示しています。
『不思議の国のアリス』との直接対応は明示されていない
作品にはアリス、ウサギ、チシヤ、ボーシヤなど、『不思議の国のアリス』を連想させる名前やモチーフがあります。そのため、馬のマスクにも原典との対応を探したくなります。
しかし、馬が白の騎士、チェスのナイト、特定の神話的存在を表しているとは説明されていません。象徴として考えることはできますが、確定設定として書くことはできません。
記事では、顔を隠す怪物化、視界の制限、人間性が露出する瞬間という映像上の意味を中心に読むのが自然です。
馬の死がアリスへ残した罪悪感と作品テーマ

スペードの5をクリアした後、アリスは純粋に勝利を喜べません。自分たちが生き残った瞬間、敵だった二人の首輪が爆発し、目の前で人間が死亡したからです。
この場面は、「ゲームへ勝つこと」と「誰かを死なせること」が同じ結果になる今際の国の残酷さを、アリスへ初めて強く突きつけます。
ゲームクリアが別の人間の死になる
アリスたちは、馬を処刑するためにボタンを押したわけではありません。マンションの爆発を止め、自分たちと生き残った参加者を救うためにゲームをクリアしました。
しかし、プレイヤー側の勝利は馬側の敗北となり、二人は首輪によって殺されます。正しい答えを出しても、誰も傷つかない結末にはなりません。
今際の国では、勝者が生きるために敗者が死ぬ構造が作られています。アリスの推理力が人を救うほど、その外側で誰かが死ぬ可能性も生まれます。
アリスは勝者と加害者の境界で揺れる
アリスは馬を直接処刑した人物ではありません。それでも、自分の判断とボタン操作が相手の死につながったという感覚から逃れられません。
この罪悪感は、後のハートの7「かくれんぼ」でさらに深くなります。自分が生き残ることと、ほかの人間が死ぬことを切り離せなくなるアリスの感情は、スペードの5ですでに始まっていました。
彼は勝つための能力を持ちながら、勝利の代償を無視できない人物です。そのため、ゲームを攻略する主人公であると同時に、生き残ることへ苦しみ続ける主人公になります。
ウサギとの協力が生き残る行為を一人の罪だけにしない
第2話の時点で、ウサギがアリスの罪悪感を言葉で完全に解消するわけではありません。しかし、ゲームクリアがアリス一人の判断ではなく、ウサギやほかの参加者との協力によって成立したことには意味があります。
アリス一人が誰かの生死を決めたのではなく、全員が生き残るために同じ仕掛けへ挑みました。ウサギとの出会いは、生存の責任を一人で抱え込もうとするアリスを、他者との関係へ戻していきます。
後の物語でウサギがアリスを生の側へ引き戻す関係になることを考えると、「おにごっこ」は二人の共同生存が始まるゲームでもあります。
プレイヤーとディーラーは異なる役割を押しつけられた同じ人間
プレイヤーはゲームをクリアしてビザを延ばし、ディーラーはプレイヤー側のクリアを妨害します。対立する立場ですが、どちらも自分の命を今際の国に握られています。
馬は参加者を銃撃する加害者であり、その行動を無かったことにはできません。一方、自分の意思でいつでも役割を降りられる支配者でもありませんでした。
プレイヤーとディーラーは、異なる勝敗条件を与えられた同じ人間です。互いを殺し合わせる構造こそが本当の敵であり、馬の死はその仕組みを早い段階で見せています。
馬は黒幕・ジョーカー・国民・ビーチの人物ではない

馬はゲームを運営する側にいるため、ミラ、ジョーカー、ビーチの武闘派と混同されることがあります。しかし、馬の立場は数字札ゲームのディーラーであり、それぞれ役割が異なります。
| 人物・立場 | 役割 | 馬との違い |
|---|---|---|
| 馬の鬼 | スペードの5を担当するディーラー | 数字札ゲームでプレイヤーを妨害する人間 |
| アサヒ・モモカ | 数字札を準備・監視するディーラー | 馬と同じディーラー側だが担当内容が異なる |
| ミラ・クズリュウ | 絵札のゲームを担う国民 | 前周期を生き残り今際の国へ残った存在 |
| ジョーカー | 生死の境界や最後の選択に関わる存在・概念 | 数字札の一ゲームを担当する馬とは別 |
| Watchman | ドラマ版シーズン3で境界を監視する存在 | 馬の鬼と同一人物ではない |
| ビーチ | プレイヤーが作ったカード収集の共同体 | 馬はビーチの幹部や武闘派ではない |
ミラやクズリュウのような絵札の国民ではない
ミラとクズリュウは、前の周期を生き残り、今際の国へ残ることを選んだ国民です。ハートのクイーン、ダイヤのキングとして、自らの絵札ゲームでプレイヤーと戦います。
馬は同じ立場ではありません。数字札ステージの一つで鬼役を担当するディーラーであり、絵札の主として永住権を選んだ人物ではありません。
アサヒとモモカと同じ数字札側のディーラー
馬の立場に最も近いのは、アサヒとモモカです。二人も数字札ゲームを裏側から準備し、プレイヤーへ正体を隠していました。
ただし、馬はゲーム会場で直接参加者を殺す実行役です。アサヒとモモカは会場設営や監視へ関わっており、同じディーラーでも担当する役割は異なります。
「ビーチへ帰還せよ」という無線は馬本人の正体とは別の伏線
ゲーム終了後、カルベは無線から「ビーチ」へ戻るよう促す通信を耳にします。この言葉は、後に登場するカード収集の共同体ビーチへつながる伏線です。
一方、チシヤが馬の所持品から見つけた地図は、ディーラー側の活動拠点へつながる手掛かりです。無線と地図は、どちらも今際の国の世界を広げる情報ですが、指している先は同じではありません。
馬が無線を持っていたことから、馬自身がビーチメンバーだったと考えるのも適切ではありません。無線を通じて別の集団の通信を受け取っていた可能性が示されたにすぎません。
シーズン3まで本名や再登場は確認されていない
馬の鬼は、シーズン1第2話で死亡した後、シーズン2やシーズン3に再登場しません。回想や別名の人物として正体が補完された事実もありません。
そのため、最新話時点でも「人間のディーラー」という立場以上の個人情報は不明です。今後の敵やジョーカーの関係者として予想する必要もありません。
『今際の国のアリス』馬の正体のよくある質問

最後に、馬の正体、人数、俳優、立場、死亡理由、地図、原作漫画について、よくある疑問を整理します。
馬の正体は誰?
馬の正体は、馬のマスクをかぶった人間のディーラーです。個人名や現実世界での経歴は明かされていません。
馬は人間?怪物やロボット?
人間です。マスクの下には人間の顔があり、女の馬の素顔もゲーム終盤で確認できます。
馬の鬼は何人いる?
Netflix版では男と女の2人です。男の馬はマンション内を巡回し、女の馬は「じんち」の部屋を守ります。
女の馬を演じた女優は誰?
女の馬鬼を演じたのは秋場千鶴子さんです。出演歴では「馬鬼女役」として確認できます。
男の馬を演じた俳優は誰?
役名と演者を直接結びつける確実な公開資料は確認できません。候補を推測で補わず、現時点では不明です。
馬の本名は?
男と女のどちらも本名は明かされていません。二人の関係や、ディーラーになる前の生活も不明です。
馬はプレイヤー?ディーラー?
数字札ゲームを担当するディーラー側の人間です。一般のプレイヤーや、絵札の国民とは異なる立場です。
馬はなぜ参加者を殺す?
スペードの5でプレイヤー側のクリアを阻止する鬼役を与えられていたためです。ただし、自発的にゲームを作った黒幕ではなく、馬側も敗北すれば死亡します。
馬が勝った場合はどうなる?
馬側の具体的なクリア条件や報酬は、ドラマ内で詳しく説明されていません。参加者側のクリアを阻止する任務だったことは分かりますが、全滅時に爆弾がどう処理されるのかまでは不明です。
馬はなぜ首輪で死亡した?
プレイヤー側が2つのボタンを押し、ゲームをクリアしたためです。馬側は敗北扱いとなり、装着していた首輪を爆発させられました。
チシヤが拾った地図は何?
ディーラーの活動拠点へつながる地下鉄関係の地図です。シーズン1終盤で登場する監視・運営側の拠点への伏線になります。
原作漫画にも馬は登場する?
登場します。原作漫画第2巻のスペードの5「おにごっこ」で、馬のかぶりものをした鬼が参加者を襲います。
原作の馬は何人?
原作漫画の馬の鬼は1人です。Netflix版では2人目となる女の馬が追加されました。
馬はビーチのメンバー?
ビーチの幹部や武闘派ではありません。ゲーム終了後の無線でビーチという言葉が出ますが、馬本人がビーチへ所属していたことを示すものではありません。
馬はミラやクズリュウと同じ国民?
違います。ミラとクズリュウは絵札ゲームを担う国民で、馬は数字札ゲームを担当するディーラーです。
馬はジョーカーやWatchman?
どちらでもありません。馬はスペードの5に配置された人間のディーラーで、ジョーカーやWatchmanとは役割も登場段階も異なります。
馬のマスクに意味はある?
劇中で具体的な理由は説明されていません。ただし、人間の顔を隠して怪物に見せること、視界を制限すること、マスクが外れた時に敵の人間性を見せることには演出上の意味があると考えられます。
まとめ

『今際の国のアリス』に登場する馬の鬼の正体は、怪物やロボットではなく人間のディーラーです。Netflix版では男と女の2人がおり、男はマンション内を巡回し、女は「じんち」の部屋でプレイヤー側のクリアを妨害します。
プレイヤーが2つのボタンを同時に押すと、スペードの5「おにごっこ」はクリアとなります。その直後、二人の首輪が爆発し、馬側は死亡しました。
女の馬役を演じたのは秋場千鶴子さんです。一方、男の馬役、本名、過去、ディーラーになった経緯はシーズン3まで明かされていません。
チシヤが馬の所持品から見つけた地図は、後に登場するディーラーの活動拠点へつながる伏線です。アサヒとモモカの正体が判明することで、馬も数字札ゲームを裏側から動かしていた人間だと分かります。
原作漫画でも馬は人間のディーラーですが、鬼は1人です。Netflix版は女の馬と2つのボタンを追加し、アリスとウサギが協力しなければクリアできない構造を強めています。
馬は参加者を殺す加害者である一方、自分の命を今際の国に管理された被害者でもあります。マスクによって怪物へ見せられた人間の顔が現れた瞬間、プレイヤーと敵を単純な善悪へ分けられなくなります。
アリスが勝利を喜べなかったのは、自分たちが生き残った結果として別の人間が死亡したからです。馬の鬼は第2話だけの恐怖演出ではなく、今際の国が人間へ役割を押しつけ、互いを殺し合わせる世界だと示す最初の伏線でした。

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