ドラマ「夫を殺したはずなのに」第5話「切っても切れない縁」は、夫を殺すことをやめた莉乃が、初めて慶太との未来を選び直す回です。これまで同じ結婚記念日へ戻るたびに復讐方法を変えてきた莉乃は、自分の行動を変えなければ未来も変わらないと気づきます。
その決断によって、夏祭りの櫓倒壊は回避され、莉乃は妊娠、出産、レシピ本の出版という、かつて望んでいた以上の幸福へたどり着きました。しかし慶太との関係を守れたことは、エレナの傷や執着まで消したことを意味しません。
幸福をつかんだ莉乃と、すべてを失ったと感じるエレナの立場は完全に反転し、最後には生まれたばかりの美雨の前で新たな殺人が起きます。この記事では、ドラマ「夫を殺したはずなのに」5話のあらすじとネタバレ、伏線、見終わった後の感想&考察について詳しく紹介します。
ドラマ「夫を殺したはずなのに」5話のあらすじ&ネタバレ

第5話では、4度目の人生を迎えた莉乃が、慶太やエレナを殺すのではなく、自分の選択を変えることで悲劇を回避しようとしました。夫婦で本音を話し、夏祭りの事故を防いだ結果、莉乃は初めて結婚記念日の先まで生きることができます。
しかし半年後、妊娠と出産、仕事の成功まで手にした莉乃は、慶太への執着を捨てられなかったエレナに刺されて命を落としました。誰かを殺しても幸せにはなれないと理解した瞬間に再び死を迎えたことで、4度目の人生も救いではなく新たな問いを残します。
エレナへ宣戦布告した莉乃の4度目の決意
4度目の人生で莉乃が最初に選んだのは、エレナを殺すことではなく、慶太との関係をやり直す意思を本人へ伝えることでした。ただしその言葉には、復讐を手放した穏やかさだけでなく、慶太との結びつきに対する強い執着も表れています。
「慶太の前から消えてください」と告げる莉乃
莉乃はエレナと向き合い、慶太の前から消えてほしいと、正面から自分の意思を伝えました。これまでの人生では、莉乃は怒りのまま慶太やエレナへ刃物を向け、相手の命を奪うことで関係を終わらせようとしていました。
今回は暴力を使わず、慶太との関係を続けるのは自分だと宣言することで、エレナとの境界を引こうとします。莉乃にとっては、自分が妻であることを確認し、夫婦としての未来を選び直すために必要な行動だったのでしょう。
しかしエレナから見れば、その言葉は慶太に選ばれた妻が、選ばれなかった愛人へ勝利を突きつけるものにも聞こえます。莉乃が殺意を抑えたことは大きな変化ですが、エレナの傷や娘を抱えた生活まで理解しようとしたわけではありません。
何度死んでも一緒になるという「切っても切れない縁」
莉乃は、自分と慶太は何度死んでも必ず一緒になる、切っても切れない縁で結ばれているとエレナへ告げました。実際、慶太を殺しても自分が死んでも、莉乃は結婚記念日の朝へ戻され、再び慶太の妻として人生を始めています。
この経験を持つ莉乃にとって、慶太との結婚は偶然の関係ではなく、死さえ越えて続く運命のように感じられていました。その確信があったからこそ、莉乃は今度こそ慶太と幸せになる道を選び、エレナに退くよう求めます。
ただし、何度死んでも離れられないことは幸福な絆であると同時に、莉乃が慶太への執着から抜け出せない証拠でもあります。タイトルの「切っても切れない縁」は夫婦の愛を示しながら、殺意と愛情の両方で慶太に縛られた莉乃の危うさも映していました。
莉乃とエレナの会話を聞いていた樹
莉乃がエレナへ宣戦布告する場面を、波多野樹は離れた場所から見つめていました。樹は慶太とエレナの不倫を把握し、不倫現場を莉乃に見せて本庄夫妻を離婚させようとしていた人物です。
莉乃が慶太との関係を続けると知ったことで、樹が考えていた「莉乃を救う」という計画は、本人の選択と食い違うことになります。樹にとって離婚こそが救済だったとしても、莉乃は事情を知ったうえで慶太との再出発を選びました。
それでも樹は莉乃を監視するように見つめ続けており、彼の関心が単なる同僚への心配ではないことが伝わります。莉乃の幸福を尊重して身を引けるのか、自分の考える正しい人生へ動かそうとするのかが、樹の立場を判断する分岐点になりました。
最悪の結婚記念日を変えた莉乃と慶太の選択
過去の人生では不倫動画と殺意に支配されていた結婚記念日を、莉乃は慶太との対話のための日へ変えました。夫の行動を待って疑うのではなく、自分から迎えに行くことで、過去とは違う時間を作ろうとします。
慶太を会社まで迎えに行く莉乃
莉乃は慶太へ早く帰ってきてほしいと伝えたうえで、自ら会社まで迎えに行きました。これまでの結婚記念日では、莉乃は慶太が残業と嘘をついてエレナのもとへ向かうのを待ち、不倫配信を見て絶望していました。
4度目の人生では、慶太の選択を監視するのではなく、二人で過ごしたいという自分の希望を行動に変えます。慶太に拒まれる可能性もありましたが、莉乃は相手の本心を勝手に決めつけず、夫婦として向き合う場を作りました。
慶太も莉乃の誘いを受け入れ、エレナとの配信より妻と過ごす時間を選びます。不倫関係がなかったことにはなりませんが、慶太の中で莉乃との家庭を失いたくない気持ちが、行動としてはっきり表れた瞬間でした。
ホテルで慶太を待ち続けるエレナ
その頃エレナは、いつものようにホテルで配信の準備をし、慶太が来るのを待っていました。エレナにとって毎週金曜日の関係は単なる遊びではなく、慶太に必要とされ、自分が選ばれていることを確かめる時間になっています。
しかし慶太は現れず、エレナは約束をすっぽかされた現実を一人で受け止めることになりました。莉乃が未来を変えるために慶太を迎えに行った結果、エレナが信じていた愛情の形は音もなく崩れます。
慶太が来ない理由を知らないエレナには、妻のもとへ戻った男から一方的に捨てられたようにしか見えません。かつて妊娠中に夫から不倫され、選ばれなかった経験を持つエレナにとって、同じ傷が再び開く出来事になりました。
食事デートで子どもの未来を話す二人
莉乃と慶太は外で食事をし、これまで避け続けてきた子どもと家族の未来について話しました。慶太は以前から莉乃との子どもを望んでいましたが、莉乃が低用量ピルを飲んでいる理由を直接尋ねることができませんでした。
莉乃は親になることへの恐怖を抱えながらも、慶太と一緒に子どもを育てる未来を選ぶと伝えます。慶太から捨てられないためだけの返答ではなく、過去の悲劇を変えるには自分も本音を隠し続けてはいけないと考えたのでしょう。
慶太は莉乃の言葉を受け止め、二人は抱き合って夫婦として再出発する意思を確認しました。その姿も樹が遠くから見ており、莉乃の幸福が慶太との関係の中にあることを、樹も認めざるを得なくなります。
低用量ピルを捨てた莉乃と夏祭りの事故回避
莉乃は未来を変えるため、慶太だけに変化を求めるのではなく、自分が隠してきた低用量ピルを手放しました。さらに過去の記憶を殺人へ利用せず、夏祭りの事故を防ぐために使います。
「まず自分が変わる」と決めた莉乃
莉乃は、何かを変えるためには自分から変わらなければならないと考え、低用量ピルを捨てました。前の人生では、親になる恐怖を慶太へ話せず、子どもを望む妻を演じながら妊娠を避けていました。
薬を捨てる行為は、慶太の希望へ無条件に従ったというより、隠し事を続ける夫婦関係を終わらせる決意として描かれています。莉乃は自分が親になれるのかという不安を完全に克服したわけではありませんが、不安を抱えたまま未来へ進む道を選びました。
ただし妊娠への恐怖を十分に話し合わず、慶太との関係を守るために決断した部分が残っている可能性もあります。ピルを捨てたことが本当の自己決定なのか、愛され続けるための自己犠牲なのかは、第5話を見終えた後にも残る重要な問いです。
文枝へ櫓の近くで踊らないよう忠告する莉乃
莉乃は児童養護施設の文枝へ、夏祭りでは櫓の近くで踊らないよう強い口調で忠告しました。二度目の人生で、莉乃は櫓の倒壊事故を利用して慶太を殺そうとし、自分も巻き込まれて命を落としています。
今回は事故を殺人の手段にせず、大切な人々を守るための記憶として使いました。未来を知る力の使い方が復讐から救命へ変わったことは、莉乃が4度目の人生で最も大きく変化した部分です。
理由を詳しく説明できない莉乃の剣幕に、文枝は戸惑いながらも、その切迫感を受け止めます。文枝や子どもたちを事故から遠ざけようとした行動には、莉乃がまだ人を守る側へ戻れることが表れていました。
櫓を組み立てた業者へ安全確認を求める莉乃
莉乃は文枝へ忠告するだけでなく、櫓の設営に関わる業者にも安全確認と見直しを求めました。自分と慶太だけが事故を避けても、別の誰かが巻き込まれれば未来を変えたことにはなりません。
過去の莉乃は、事故が起きることを知りながら慶太を櫓の下へ誘導しましたが、今回は事故そのものを起こさないために動きます。同じ記憶を持っていても、その情報を誰かの死に使うか、命を守るために使うかで、莉乃の人生は大きく分かれました。
業者が莉乃の警告を受けて点検したことで、事故へつながる不備が修正されたと考えられます。タイムリープの本当の価値は復讐を成功させることではなく、過去の犠牲を未来で防ぐことにあると示す場面でした。
倒れなかった櫓と初めて越えた夏祭り
夏祭り当日、莉乃は慶太と一緒に櫓の近くで過ごし、倒壊するはずだった時刻を迎えました。事故が起きなかったことで、二人は死とタイムリープではなく、夏祭りの続きを生きることができます。
事故の時刻を待つ莉乃の緊張
莉乃は慶太と夏祭りを楽しみながらも、前の人生で櫓が崩れた時刻が近づくにつれて緊張を強めました。警告や点検によって未来を変えたつもりでも、本当に事故が防げるのかは、その瞬間になるまで分かりません。
慶太は何も知らず、莉乃と過ごす夏祭りを純粋に楽しんでいました。莉乃だけが二人の死を記憶しているため、穏やかな時間の中にも、過去の恐怖が重なっています。
事故の時刻を越えても櫓は倒れず、莉乃は初めて自分の行動で未来を変えられたと実感しました。誰かを殺すことでは得られなかった安堵が、人を守る選択によって初めて訪れます。
りんご飴を食べる莉乃と慶太
事故が回避された後、莉乃と慶太はりんご飴を買い、過去とは違う夏祭りの時間を過ごしました。りんご飴は、二人が出会った頃や、慶太が莉乃をかわいいと感じた記憶へつながる重要な小道具です。
二度目の人生では、りんご飴の思い出が慶太の最期の言葉となり、直後に二人は櫓の下敷きになりました。今回は同じ思い出が死の前触れではなく、生きて一緒に食べられる現在へ変わっています。
莉乃はりんご飴を二つ並べた写真を投稿し、慶太と一緒にいる幸福を記録しました。その投稿は莉乃にとって再生の証でしたが、エレナには自分が排除されたことを見せつける残酷な写真になります。
盆踊りを楽しむ二人とエレナの嫉妬
夜になると莉乃と慶太は盆踊りへ加わり、これまでたどり着けなかった夏祭りの終わりまで一緒に過ごしました。死を待つ時間だった夏祭りが、夫婦の再出発を祝う穏やかな夜へ変わります。
一方のエレナは自宅で娘エマと過ごしながら、莉乃が投稿したりんご飴の写真を見つめていました。慶太からしばらく連絡しないでほしいと言われた記憶も重なり、自分だけが切り捨てられたという感覚を深めます。
莉乃の幸福を見て喜べないエレナは、慶太への愛情より、選ばれた莉乃への憎悪を強くしていきました。ここからエレナの目的は慶太と幸せになることではなく、莉乃の幸せを壊すことへ少しずつ変わっていきます。
妊娠した莉乃と半年後まで続いた幸福
夏祭りを無事に越えた莉乃の時間は進み、クリスマスの頃には慶太との子どもを妊娠していました。夫婦関係も仕事も順調に見える一方、莉乃の中には母親になることへの根深い恐怖が残っています。
クリスマスを迎えた妊娠中の莉乃
季節は夏からクリスマスへ移り、莉乃のお腹には慶太との子どもが宿っていました。これまで同じ結婚記念日へ戻されてきた莉乃にとって、季節が進むこと自体が大きな奇跡です。
慶太も生まれてくる子どもを楽しみにし、莉乃との家庭を守ろうとしていました。不倫が始まった過去をなかったことにはできませんが、エレナとの関係を断ち、妻との未来を選ぶ行動を続けています。
それでも莉乃は、自分が親になってよいのかという不安を完全には消せませんでした。妊娠できたことと母親になれる自信を持てることは別であり、莉乃は喜びと恐怖を同時に抱えています。
「私でよかったのかな」と弱音を吐く莉乃
莉乃は文枝に、子どもは親を選べないのに、自分が母親でよかったのかと不安を打ち明けました。親の顔を知らず、愛された記憶を持たない莉乃は、自分も同じように子どもを傷つけるのではないかと恐れています。
児童養護施設で子どもたちを大切にしてきた経験があっても、自分の子どもを育てる責任は莉乃にとって別の重さを持っていました。慶太に愛される妻としては努力できても、母親として何をすればよいのかは、過去の記憶から学べません。
この不安は莉乃が子どもを望まなかった理由そのものであり、低用量ピルを捨てただけでは解決しない傷です。莉乃が本当に変わるためには、親になる恐怖を隠さず、慶太や文枝に支えてもらう必要があります。
文枝が伝えた「幸せを諦めない」という言葉
文枝は莉乃に、赤ちゃんも誰かと出会うために生まれてくるのだと語り、幸せになることを諦めなければよいと励ましました。莉乃にとって文枝は、血のつながりがなくても家族のように自分を支えてきた存在です。
文枝と出会えたことで莉乃が生きる場所を見つけたように、生まれてくる子どもも莉乃や慶太との出会いによって人生を作っていきます。親から愛を受け取れなかったことは、莉乃が子どもへ愛を渡せない証明にはなりません。
文枝の言葉によって、莉乃は完璧な母親になるのではなく、子どもと一緒に家族を作っていけばよいと考えられるようになりました。この場面は莉乃が自己否定を越え、初めて自分にも幸福を受け取る資格があると思い始めた転換点です。
樹が手放した救済とエレナの孤立
莉乃が妊娠して穏やかに暮らしている姿を見た樹は、本庄夫妻を別れさせる計画から身を引こうとしました。その一方で、エレナには慶太を失った孤独と経済的な苦しさだけが残ります。
エレナへ再び接触する樹
樹は莉乃が幸せそうに過ごしていることを確認した後、エレナのもとへ向かいました。以前の樹は、慶太の不倫現場を莉乃へ見せ、夫婦を離婚させることが救いだと考えていました。
しかし莉乃自身が慶太との関係を選び直し、妊娠までしている以上、外側から離婚を押しつける理由はなくなります。樹は自分の考える正解より、莉乃が実際に選んだ幸福を認める方向へ変わりました。
それでも樹が莉乃の生活を見続けていたことには、不自然な執着が残っています。純粋な心配だけであれば、本人の知らない場所から監視し続ける必要はなく、樹の背景にはまだ別の目的が隠されていそうです。
「誰かを傷つけるより幸せになる選択を」と告げる樹
樹はエレナに、誰かを傷つけるより、自分が幸せになるための選択をしてほしいと伝えました。慶太と莉乃を別れさせようとしていた樹自身も、他人の人生を動かす危うさに気づいたように見えます。
エレナが本当に望んでいたのは莉乃を苦しめることではなく、自分と娘エマが安心して暮らせる人生だったはずです。慶太への執着を手放せば、新しい仕事や人間関係を探し、娘との生活を立て直す道も残っていました。
しかしエレナには、慶太に選ばれなかったことを自分の価値の否定と受け止める思考が染みついていました。樹の言葉は正論でも、過去の不倫と離婚で負った傷や現在の貧困を変える具体的な助けにはならず、エレナの心には届きません。
莉乃を救う必要はなくなったと考える樹
樹は、莉乃が慶太と幸せに暮らしているなら、もう自分が救う必要はないと考え始めました。救済を理由に介入し続けるのではなく、莉乃の選んだ生活を認めて離れる姿勢を見せます。
これは樹が初めて、莉乃を守る対象ではなく、自分で人生を決められる一人の人間として見た変化です。慶太との関係が正しいかどうかを樹が決めるのではなく、莉乃が幸せを感じている事実を優先しました。
ただし不倫動画の差出人や、樹が配信日時まで知っていた理由は明らかになっていません。樹が身を引いたように見えても、莉乃へ近づいた最初の目的まで消えたわけではなく、後の真相へつながる謎は残されました。
レシピ本の出版と美雨の名前に込められた願い
半年後の莉乃は、慶太との家庭だけでなく、料理の仕事でも大きな成功をつかんでいました。生まれてくる娘の名前も決まり、本庄家は過去の人生では想像できなかった幸福に包まれます。
遠藤と琴子が訪れたレシピ本の出版祝い
慶太の同僚である遠藤誠と笹部琴子は、莉乃のレシピ本出版を祝うため、本庄家を訪れました。莉乃は料理を夫へ愛されるためだけに使うのではなく、自分の仕事として社会へ広げられるようになっています。
慶太の妻という役割以外にも、自分の力で評価される場所を得たことは、莉乃の自立にとって重要な変化です。慶太との関係が再び壊れたとしても、以前の莉乃にはなかった仕事や仲間とのつながりが残ります。
遠藤と琴子を交えた食卓は、夫婦が秘密を抱えて閉じこもっていた過去とは違い、周囲と幸福を分かち合える家庭になったことを示していました。莉乃が望んでいた家族は、血縁や夫婦だけでなく、仕事と友人を含む広い関係へ変わり始めます。
慶太が娘へ贈った「美雨」という名前
慶太は生まれてくる娘に、美しい雨と書いて「美雨」と名付けたいと莉乃へ伝えました。雨は人が生きるために必要であり、どのようなときにも美しい雨を降らせられる子に育ってほしいという願いが込められています。
死と夏祭りを繰り返してきた二人が、未来の子どもへ名前を贈る場面は、時間がようやく先へ進んだことを象徴していました。莉乃と慶太は過去を消すのではなく、新しい家族を通して人生の意味を作り直そうとしています。
一方で、美しい雨という名前は、第5話ラストの神戸の地震を伝えるニュースや、過去の災害へつながる不穏な響きも持っています。美雨の誕生が現在の幸福だけでなく、約30年前から続く因縁へ接続する可能性も感じさせました。
一人で配信を続けるエレナへの冷たい反応
慶太との関係を失ったエレナは、ホテルで一人きりの配信を続けていました。しかし視聴者からは、不倫だったから面白かった、一人ではつまらないという冷ややかな反応が寄せられます。
エレナが慶太との関係で得ていた注目は、彼女自身へ向けられた愛情ではなく、他人の家庭を壊す刺激への関心でした。慶太を失った途端に視聴者まで離れたことで、エレナは自分が誰からも必要とされていないように感じます。
配信はエレナが経済的な苦しさをしのぎ、女性としての価値を確かめる手段でもありました。その場所まで失ったことが、莉乃への嫉妬を現実の殺意へ変える一因になったと考えられます。
経済的に追い詰められたエレナの憎悪
莉乃が仕事、夫、子どもを手に入れていく一方、エレナは母親からの金銭要求と元夫の借金に苦しんでいました。同じ時期に二人の生活が正反対の方向へ進んだことで、エレナの嫉妬はさらに激しくなります。
母親から金を要求されるエレナ
エレナは離れて暮らす母親から再び金を求められ、余裕のない生活の中で追い詰められていきました。以前も母親のために金を用意しようとして危険な仕事へ向かっており、家族との関係がエレナの大きな負担になっています。
エレナは自分の娘を育てながら、同時に母親からも金銭的に依存される立場に置かれていました。誰かに守られたいと願っても、現実では自分が複数の家族を支えなければならず、慶太との関係が唯一の逃げ場になっていたのでしょう。
慶太に選ばれれば、愛情だけでなく経済的な安定も手に入ると考えていた可能性があります。その未来を莉乃に奪われたと感じたことで、エレナは自分の苦境の原因を本庄夫妻へ向けるようになりました。
元夫の借金まで背負うエレナ
エレナは、離婚した元夫が残した借金にも苦しめられていました。妊娠中に不倫され、家庭を失っただけでなく、別れた後も相手の負債が生活へ影響しています。
エレナにとって不倫された過去は終わった出来事ではなく、現在の貧困と孤独を生み続ける傷でした。その状態で慶太と出会い、自分を選んでくれる男性だと思い込んだからこそ、関係を手放すことができません。
ただし元夫から傷つけられた経験や借金が、莉乃の家庭を壊したことや暴力を正当化するわけではありません。エレナは被害者としての痛みを抱えながら、自分の苦しさを別の女性へ返す加害者へ変わっていきます。
ランニングする莉乃と慶太を見つめるエレナ
真由美が家事を手伝っている間、莉乃と慶太は並んでランニングへ出かけ、その楽しそうな姿をエレナが遠くから見つめていました。本庄家には夫婦、義母、生まれてくる子どもという家族の輪ができています。
エレナはその光景を見て、自分だけがなぜ苦しみ続けるのかと憎悪を募らせました。莉乃が幸せになるために努力した結果だと受け止めるのではなく、自分の幸福を奪って成立した家庭のように感じています。
この時点でエレナの怒りは、慶太に捨てられた悲しみより、満たされている莉乃への敵意へ変わっていました。慶太を取り戻すより、莉乃が持つものを壊したいという復讐心が、母親としての判断まで奪っていきます。
娘エマを置き去りにしたエレナの決別
莉乃を襲う決意を固めたエレナは、娘エマを児童養護施設へ連れて行き、戻らない覚悟で置き去りにしました。慶太への執着は、守るべき娘との生活よりも強いものになってしまいます。
大好きなアイスを買うと告げるエレナ
エレナはエマへ、大好きなアイスを買いに行くから待っていてほしいと伝え、施設に残しました。幼いエマは母親が戻ってくると信じて待つことになり、エレナが何をしようとしているのか知りません。
アイスを買うという言葉は、エマを不安にさせずにその場へ残すための優しい嘘でした。しかしエレナは、自分が不倫されたときに感じた見捨てられる恐怖を、今度は娘へ与える選択をしています。
エマを施設へ置いたことには、危険な復讐へ巻き込まず、安全な場所へ残そうとする母親としての意識もあったのでしょう。それでも娘の未来を他人へ委ね、自分は殺人へ向かう行動は、エレナが正常な判断を失っていることを示します。
「ごめんね、エマ」と謝りながら去る母親
エレナはエマへ謝りながら施設を離れ、自分が娘のもとへ戻れない可能性を理解していました。莉乃を殺せば逮捕されるか、自分も命を落とすかもしれないと分かったうえで進んでいます。
エレナにとって娘は大切な存在でしたが、それでも慶太に選ばれなかった傷を手放すことができませんでした。愛する人がいることと、その人を守れる選択ができることは別であり、エレナは自分の傷に支配されています。
エマへの謝罪は母性愛の証明であると同時に、これから娘を傷つけると分かっていながら止まれないエレナの弱さを表していました。自分が不幸だから他人も不幸にするという連鎖が、次の世代へ引き継がれる瞬間です。
エマを莉乃の職場へ残した意味
エレナがエマを残した場所は、莉乃が働き、文枝が施設長を務める児童養護施設でした。エレナは莉乃を憎みながらも、その職場なら娘が守られると知っていた可能性があります。
莉乃が子どもたちを大切にする人物であることを、エレナは清掃員として働く中で見ていました。だからこそ自分が戻れなくなっても、エマが見捨てられずに済む場所として、莉乃とつながる施設を選んだのでしょう。
この選択には、莉乃の幸福を壊そうとしながら、娘の未来だけは莉乃側の人々へ託すという矛盾があります。エレナと莉乃の縁は慶太をめぐる対立だけでなく、エマを通してさらに切れないものになりました。
美雨を出産した莉乃が手に入れた家庭
エレナが復讐へ向かう一方、莉乃は慶太との娘を出産し、名前どおり穏やかな家庭を手に入れました。しかし幸福の頂点に到達した直後、過去から切れなかったエレナが姿を現します。
無事に生まれた莉乃と慶太の娘
莉乃は無事に女の子を出産し、慶太とともに美雨の誕生を喜びました。親になる資格がないと思い込んでいた莉乃が、実際に子どもを抱くところまで未来を進められたことになります。
慶太も父親として美雨を迎え、莉乃が望んでいた家庭と、慶太が望んでいた子どものいる生活が一つになりました。二人が本音を話し、事故を防ぎ、季節を越えた結果として生まれた美雨は、4度目の人生の象徴です。
ただし美雨が誕生した世界でも、慶太の不倫があった過去やエレナの傷は消えていません。夫婦がやり直せたことと、関係した全員が救われたことは別であり、置き去りにされた問題がすぐ近くまで迫っていました。
退院後に美雨と二人きりになった莉乃
出産後、莉乃は退院し、自宅で美雨と二人きりの時間を過ごしていました。母親になることを恐れていた莉乃にとって、赤ちゃんの命を自分が守る現実が始まります。
慶太や文枝がいない時間にも、美雨を抱き、母親として生活しようとする莉乃の姿には成長が見えました。完璧にできる自信がなくても、目の前の子どもへ愛情を注ぐことで、過去の自己否定を少しずつ越えています。
しかし莉乃は、エレナが娘を施設へ置き去りにし、自分を殺す準備を進めているとは知りません。人生で最も無防備な時期に、幸せを象徴する家へ復讐者が近づく構図が強い緊張を生みました。
突然届けられた祝いの花
美雨と自宅にいた莉乃のもとへ、出産祝いを思わせる花が届けられました。花はこれまで慶太が結婚記念日に莉乃へ贈り、夫婦の愛情を象徴してきた小道具です。
莉乃は幸せな家庭へ届いた祝福だと思い、配達員を警戒する理由を持っていませんでした。慶太との関係をやり直し、殺意を手放した莉乃にとって、もう過去のように誰かを疑い続ける必要はないはずでした。
しかし愛情を象徴してきた花は、今回は刃物を隠して莉乃へ近づくための偽装として使われます。夫婦の幸福を示した小道具が殺意へ反転したことで、エレナが莉乃の人生そのものを壊そうとしていることが分かります。
配達員に化けたエレナが奪った4度目の人生
花を届けた配達員の正体は、帽子とマスクで顔を隠したエレナでした。エレナは慶太を取り戻すのではなく、莉乃が築いた幸福を終わらせるために自宅へ侵入します。
背後から莉乃を刺したエレナ
莉乃が花を受け取って背を向けた瞬間、エレナは背後から刃物で莉乃を刺しました。第3話ではエレナが莉乃の首を絞め、反撃を受けて命を落としましたが、4度目の人生では立場が完全に逆転します。
エレナは正面から慶太との関係を争うのではなく、莉乃が抵抗できない状況を選んで殺害しました。そこには愛する人を得たいという気持ちより、自分を不幸にした相手を同じ場所まで落としたい憎悪が表れています。
しかも近くには生まれたばかりの美雨がいるため、エレナの行動は莉乃だけでなく子どもの人生まで奪うものです。自分の娘エマを残してきたエレナが、別の幼い子どもから母親を奪うという最も残酷な連鎖が生まれました。
「幸せですか」と問いかけるエレナ
エレナは莉乃へ、幸せかと問いかけたうえで刃物を向けました。その質問には祝福ではなく、自分を捨てて得た幸福を本当に享受できるのかという激しい恨みが込められています。
エレナは莉乃の幸福を、自分の不幸の原因として見ていました。本来責任を負うべき慶太や、自分を苦しめた元夫、金を要求する母親ではなく、すべてを持っているように見える莉乃へ怒りを集中させます。
しかし莉乃が幸せになったことと、エレナが苦しい生活を送っていることは、単純な奪い合いの結果ではありません。エレナは自分の人生を立て直す選択を捨て、莉乃を殺せば不公平が解消されるという誤った答えへ進んでしまいました。
帰宅した慶太と逃走するエレナ
慶太が帰宅すると、莉乃は血を流して倒れており、エレナはその場から逃走しました。慶太は妻と娘のために不倫関係を断ったものの、その過去が最悪の形で家庭へ戻ってきます。
慶太がエレナとの関係を始めた責任は、莉乃がやり直しを選んだからといって消えるものではありません。エレナの殺人は本人の選択ですが、その執着を生む関係を作り、説明や清算を十分にしないまま切り捨てた慶太にも向き合うべき責任があります。
一方のエレナは、エマを置き去りにし、莉乃を刺したことで、自分がかつて最も憎んだ「家庭を壊す人間」になりました。慶太の帰宅によって逃げたとしても、娘と暮らしていた以前の生活へ戻る道は、すでに自分で断っています。
「人を殺して幸せになれるわけない」と気づく莉乃
命を失いかけた莉乃は、人を殺して幸せになれるはずがないと考えました。これまでの莉乃は、慶太やエレナを殺せば裏切りの痛みが消え、自分の人生を取り戻せると思っていました。
4度目の人生では誰も殺さず、相手と話し、事故を防ぎ、仕事と家庭の両方を築いたことで、莉乃は初めて本当の幸福へ近づきます。だからこそ、復讐が何も生まないという結論を、知識ではなく自分の人生として理解できました。
しかしその答えへたどり着いた瞬間、今度は復讐する側になったエレナによって命を奪われます。莉乃が学んだことを5度目の人生で生かせるのか、エレナを再び殺そうとせず向き合えるのかが次の課題になりました。
莉乃の死と30年前へつながる衝撃のラスト
エレナに刺された莉乃は4度目の人生でも死亡し、第6話では5度目の人生を迎えることになります。さらにラストには現在とは異なる時代を思わせる映像が入り、夫婦の不倫を超えた過去の因縁が浮上しました。
美雨を残して死亡した莉乃
莉乃は、ようやく出産した美雨を残したまま、エレナの襲撃によって命を落としました。これまでの死では慶太との関係をやり直すことが中心でしたが、今回は母親として守るべき子どもが残されています。
タイムリープによって結婚記念日へ戻れば、美雨がまだ存在しない時間へ移る可能性があります。莉乃にとっては自分が生き返る代わりに、愛した娘との時間や、美雨が生まれた人生そのものを失うことになります。
5度目の人生で美雨の記憶を持つのが莉乃だけなら、子どもを救うために同じ未来へたどり着く必要があります。慶太との関係を修復するだけでなく、妊娠、出産、エレナの襲撃までを変えるという、これまで以上に難しいやり直しが始まります。
エレナに殺されたことで始まる5度目の人生
第6話では、エレナに殺害された莉乃が5度目の人生を迎えることが示されています。つまり今回も莉乃自身の死が、時間を巻き戻す条件として働いたと考えられます。
一方で4度目の人生では、莉乃が行動を変えたことで、結婚記念日以降の時間と家族構成が大きく変化しました。ループは決まった未来をなぞるものではなく、莉乃の選択によって複数の人生へ分岐する仕組みになっています。
5度目の莉乃は、人を殺さずに幸福を築いても、エレナの憎悪によって死ぬ結末を知っています。復讐も再構築も失敗したと感じ、生きる意味そのものを見失う可能性が高いでしょう。
神戸の地震を伝えるニュース
第5話の最後には、神戸で地震が起きたことを伝えるニュース音声が流れ、物語の時間が過去へ移ったような映像が入りました。現在の莉乃と慶太の不倫問題とは一見無関係に見える出来事が、シリーズ後半の重要な起点として提示されます。
第6話では30年前に起きた不倫殺人事件が扱われるため、この地震のニュースはその時代を示す手がかりと考えられます。莉乃のループは結婚記念日だけではなく、親世代から続く因縁とつながっている可能性が出てきました。
災害によって社会全体が混乱している時代に、誰かの不倫と殺人が起き、その結果が莉乃の出生や現在の結婚へ影響しているのかもしれません。個人の復讐に見えた物語が、約30年前から繰り返される愛憎の螺旋へ広がるラストでした。
会社員姿の莉乃に似た女性は誰なのか
地震のニュースが流れる中、オフィスには莉乃とよく似た会社員姿の女性が映し出されました。現在の莉乃が過去へ移ったのか、莉乃と同じ顔を持つ別の人物なのかは、第5話では明らかになっていません。
第6話で松島苑子という不倫殺人事件の犯人が浮上することから、この女性は若い頃の苑子である可能性があります。苑子が莉乃の血縁者なら、同じ顔を持つ理由や、莉乃が不倫をきっかけに殺人へ進んだことにも新しい意味が生まれます。
莉乃は慶太を殺す人生を何度も繰り返しましたが、その行動自体が30年前の誰かの人生をなぞっていたのかもしれません。第5話は美雨の誕生という未来を描いた直後に、すべての始まりとなる過去へ視線を移して終わりました。
ドラマ「夫を殺したはずなのに」5話の伏線

第5話では、莉乃が過去の記憶を正しく使ったことで夏祭りの事故を防ぎ、美雨が生まれる未来へ進めると分かりました。その一方で、エレナに殺されたことで4度目の人生は終わり、タイムリープが幸福そのものを保存してくれるわけではないことも示されています。
さらに神戸の地震と会社員姿の女性が描かれ、莉乃たちの愛憎が約30年前の不倫殺人事件から続いている可能性が浮上しました。ここでは、第5話で回収された伏線と、次回以降へ持ち越された謎を整理します。
タイムリープと美雨に関する伏線
4度目の人生では、莉乃の選択によって未来が大きく変わり、これまで存在しなかった娘・美雨が誕生しました。しかし莉乃が死亡して5度目の人生へ移ることで、美雨がループ後も存在できるのかという新しい疑問が生まれます。
前話ラストで莉乃を「ママ」と呼んだ子ども
第4話のラストで莉乃を「ママ」と呼んだ子どもの姿は、第5話で誕生する美雨の未来を先に示していたと考えられます。莉乃には出産した記憶がない状態で子どもが現れたため、単純な時間の巻き戻しでは説明できない映像でした。
第5話で莉乃が妊娠し、美雨を出産したことで、あの光景は4度目の人生がたどり着く可能性を示した伏線として回収されました。タイムリープが未来の一部を予告する力まで持つのか、死の直前に莉乃が望んだ家庭を映したのかは、まだ断定できません。
莉乃の行動によって夏祭りの事故は防げる
二度目の人生で起きた櫓倒壊事故は、避けられない運命ではなく、安全確認によって防げる事故だったと判明しました。莉乃が業者へ点検を求めたことで、事故が起きるはずだった時刻を無事に越えています。
これは、ループ内の出来事が固定されているのではなく、莉乃の行動によって未来を変えられることを示す重要な伏線回収です。慶太の不倫やエレナの殺意についても、原因となる選択へ早く働きかければ、別の結末へ進める可能性があります。
エレナに殺されても再び時間が戻る
4度目の人生で莉乃はエレナに刺殺され、第6話では5度目の人生を迎えます。これまでと同じく、莉乃自身の死がタイムリープを発動させる条件である可能性が高まりました。
ただし戻る時点や世界の状態が毎回完全に同じとは限らず、美雨の存在がどうなるかは分かりません。ループは莉乃を生き返らせる代わりに、その人生で築いた関係や子どもまで失わせる残酷な仕組みなのかもしれません。
樹と不倫動画の差出人に関する伏線
樹は第5話でも莉乃と慶太の行動を遠くから見つめ、二人の関係が修復されたことを確認していました。莉乃を救いたいという言葉だけでは説明できない知識と監視が続いています。
莉乃とエレナの会話を盗み聞きする樹
樹は莉乃がエレナへ慶太との縁を語る場面を、本人たちに気づかれない場所から聞いていました。同僚として偶然居合わせたというより、二人の動きを意識的に追っていたように見えます。
莉乃が慶太を選んだことを知った後も、樹は夫婦の食事デートや抱き合う姿を確認しています。樹が誰かへ報告するために監視しているなら、その依頼者が不倫動画の差出人や30年前の事件へつながる可能性があります。
配信日時まで把握していた樹
樹は以前から慶太とエレナの不倫だけでなく、毎週金曜日に配信している時刻まで知っていました。匿名の視聴者として配信を確認していたか、誰かから調査を依頼されていた可能性があります。
莉乃へ不倫動画を送った人物であれば、配信日時とURLを知っていても不自然ではありません。ただし第5話では樹が差出人だと確定する証拠はなく、別の人物の指示で動く協力者である可能性も残ります。
「もう救わなくていい」と判断した樹
莉乃が妊娠し、慶太と幸せに暮らしている姿を見た樹は、もう自分が救う必要はないと考えました。この言葉から、樹の目的は慶太を罰することより、莉乃を不幸な結婚から離すことだったと分かります。
それでも本人へ真実を伝えず、監視と工作によって人生を変えようとした方法には支配性が残ります。樹が誰の価値観で莉乃を救おうとしていたのかが、30年前の事件とともに明かされそうです。
エレナと娘エマに関する伏線
第5話では、エレナが母親や元夫の借金に苦しみ、娘エマを施設へ残したうえで莉乃を襲ったことが描かれました。エレナの殺意は恋愛だけでなく、貧困、孤独、承認欲求が重なった結果です。
エレナの母親から繰り返される金銭要求
エレナは母親から金を要求され続け、自分とエマの生活だけでも苦しい中で家族を支えていました。第3話でも金を用意するため危険な行動へ進んでおり、経済的な負担は以前から示されています。
母親との関係は、エレナが慶太へ安定と救いを求めた背景につながる伏線です。誰かに守ってもらえなかったエレナは、慶太に選ばれることで家族と生活の両方を立て直そうとしていた可能性があります。
エマを児童養護施設へ置いた理由
エレナは莉乃を襲う前に、娘エマを莉乃の勤務する児童養護施設へ残しました。自分が逮捕されたり死亡したりしても、エマが安全に保護される場所を選んだと考えられます。
同時に、莉乃を憎みながらも、莉乃や文枝なら娘を見捨てないと信頼していたことになります。エマの存在によって、莉乃とエレナは慶太がいなくても関係を切れない状態になるかもしれません。
母親に捨てられたエマと莉乃の過去
母親が戻ると信じて施設で待つエマの姿は、親の顔を知らず施設で育った莉乃の過去と重なります。エレナは自分が不倫によって傷つけられた連鎖だけでなく、子どもを置き去りにする連鎖まで新たに生みました。
5度目の人生で莉乃がエマを救うなら、それは自分と同じ孤独を別の子どもへ繰り返させない選択になります。エマはエレナの弱点であるだけでなく、莉乃が復讐から救済へ進むための重要人物になりそうです。
30年前の不倫殺人事件へつながる伏線
第5話ラストでは神戸の地震を伝えるニュースと、莉乃に似た会社員の女性が描かれました。現在の不倫とタイムリープが、親世代の事件から始まっていることを示す導入と考えられます。
神戸の地震が示す約30年前の時間軸
神戸の地震を知らせるニュースは、場面が現在から約30年前へ移ったことを示す時代設定の手がかりです。第6話では、過去に起きた猟奇的な不倫殺人事件が莉乃の人生へつながります。
災害の混乱の中で起きた事件なら、当時の記録や人物関係に見落とされた事実がある可能性もあります。その隠された事実が、莉乃と慶太の結婚、樹の監視、タイムリープの原因を一つにつなぐかもしれません。
莉乃と同じ顔に見える会社員の女性
過去のオフィスに映った女性は莉乃とよく似ており、血縁者である可能性を感じさせました。第6話で名前が浮上する松島苑子が若い頃の姿なら、莉乃の母親や親族である疑いが強まります。
苑子が不倫殺人事件の犯人であれば、莉乃は知らないまま母親と同じ愛憎の道をたどっていたことになります。「血は争えない」と受け取れる過去の言葉や、繰り返される殺人にも新しい意味が生まれそうです。
「切っても切れない縁」は親子の縁でもある?
第5話のタイトルは莉乃と慶太の夫婦関係を指す一方、莉乃とエレナ、莉乃と実母の関係にも当てはまりそうです。人間関係を切ったつもりでも、その選択が別の世代や子どもの人生へ影響し続けています。
エレナはエマを施設へ残し、莉乃は美雨を残して死に、約30年前の女性は莉乃の人生へ影を落としている可能性があります。切れない縁とは愛する夫との運命だけでなく、親から子へ受け継がれる傷と罪の連鎖なのかもしれません。
ドラマ「夫を殺したはずなのに」5話の見終わった後の感想&考察

第5話を見終えて感じたのは、莉乃が正しい選択をしても、関係する全員が自動的に救われるわけではないという厳しさです。事故を防ぎ、夫婦で対話し、母親になる恐怖にも向き合った莉乃は、確かに以前より前へ進みました。
しかし慶太の不倫で傷ついたエレナを置き去りにしたまま本庄家だけが幸福になったため、エレナの苦しみは憎悪として戻ってきます。それでもエレナが選んだ殺人は許されず、第5話は理解することと正当化することを分けて考えさせる回でした。
莉乃の変化は本当の再生だったのか
4度目の莉乃は、相手を殺すのではなく、自分の行動を変えることで未来を動かしました。ただし慶太と幸せになるために親への恐怖を押し込めた可能性もあり、その再生には危うさも残っています。
復讐ではなく事故を防ぐために記憶を使った意味
莉乃が櫓倒壊の記憶を事故防止へ使った場面は、これまでのループとの決定的な違いです。未来を知る力があっても、過去の莉乃は慶太を殺すことしか考えられませんでした。
今回は文枝や祭りの参加者まで守ろうとしたことで、莉乃は被害者や加害者という立場を越え、命を救う側へ戻っています。この選択によって時間が進んだことからも、ループが求めているのは復讐の成功ではないと感じました。
低用量ピルを捨てることが自己決定だったのか
莉乃が低用量ピルを捨てた決断には、自分から変わろうとする強さと、慶太に愛されるために自分を変える危うさが同居しています。親になることを恐れる理由は、夫婦関係をやり直しただけで簡単に消えるものではありません。
慶太と子どもを持ちたいと心から考えられたなら前向きな決断ですが、夫を失いたくないために不安を押し殺したなら、以前と同じ自己否定が残ります。文枝へ弱音を吐けたことで、莉乃はようやく本当の恐怖と向き合い始めたのでしょう。
美雨の誕生は莉乃が自分を許した証し
美雨を出産できたことは、莉乃が「自分には誰かを愛する資格がない」という思い込みを越えた証しに見えました。親から愛されなかった経験があっても、自分まで同じ親になるとは限りません。
莉乃は美雨を抱くことで、慶太に選ばれる妻とは別の、自分自身が誰かへ愛を渡せる存在だと知ったはずです。だからこそ美雨を残して死ぬ結末は、夫を失う以上に残酷な喪失になりました。
エレナはなぜ慶太ではなく莉乃を憎んだのか
エレナを捨てる選択をしたのは慶太ですが、エレナの憎悪は慶太より莉乃へ強く向かいました。そこには不倫相手を愛する気持ち以上に、選ばれた女性への劣等感と承認欲求があったと考えられます。
莉乃の幸福が自分の敗北に見えたエレナ
エレナには、莉乃が努力して人生を立て直したというより、自分から慶太と幸福を奪ったように見えていました。夫婦で走る姿、妊娠、レシピ本の出版は、エレナが手にできなかったものを次々と見せつけます。
他人の幸福を自分の敗北と考える限り、エレナは自分の人生を自分で立て直すことができません。慶太への執着は恋愛ではなく、莉乃に勝てば自分の価値を証明できるという競争へ変わっていました。
娘エマを残して殺人へ向かった重さ
エレナが最も守るべきだったのは慶太との関係ではなく、自分を信じて待つ娘エマだったはずです。妊娠中に夫から裏切られたエレナは、親の選択によって子どもが傷つくことを誰より理解できる立場でした。
それでもエマを施設へ残して莉乃を殺しに行ったことで、エレナは元夫と同じように、自分の欲望を優先して家族を傷つける側へ回ります。謝罪しながら去る姿には愛情が残っていましたが、愛しているだけでは子どもを守れないことが伝わりました。
被害者だったエレナを単純な悪役にできない理由
エレナの殺人は許されませんが、彼女が最初から他人の家庭を壊すことだけを望んでいた人物とも言い切れません。母親からの金銭要求、元夫の借金、貧困、孤独が重なり、慶太への依存を強めています。
背景を理解することは行動を免罪するためではなく、傷つけられた人がなぜ別の人を傷つける側へ変わるのかを考えるために必要です。エレナを排除するだけでは、莉乃も同じように痛みを暴力へ変える可能性を持ったままになります。
慶太は本当に夫婦関係をやり直せたのか
慶太は莉乃との結婚記念日を選び、エレナとの連絡を断ち、美雨の父親として家庭を築きました。それでも不倫相手を一方的に切り捨てた結果が、妻の殺害へつながった責任は残ります。
莉乃を選んだことだけで不倫の責任は消えない
慶太が莉乃のもとへ戻ったことは、妻への愛情を示していても、不倫の清算が終わったことを意味しません。エレナとの関係をどのように終わらせ、配信や金銭の問題へどう責任を取ったのかは十分に描かれていません。
しばらく連絡しないでほしいという言葉だけなら、エレナに期待を残したまま距離を取った可能性があります。慶太が曖昧に関係を終えたことで、エレナは捨てられた理由を莉乃だけに求め、憎悪を深めました。
父親になった慶太の幸福と過去の代償
美雨の名前を考え、莉乃の妊娠を喜ぶ慶太は、家庭を大切にする父親として穏やかに見えました。莉乃への愛情が本物だったからこそ、なぜエレナとの不倫へ進んだのかという矛盾は消えません。
慶太が家族を守るには、現在の優しさだけでなく、過去に傷つけた相手へ責任を取る必要がありました。エレナの感情をすべて引き受ける義務はなくても、関係を作った本人として明確に終わらせるべきだったでしょう。
慶太の帰宅が遅れたことで莉乃は死んだ
エレナが配達員を装って現れたとき、莉乃は美雨と二人きりで、慶太は家にいませんでした。慶太が悪いという単純な話ではありませんが、夫婦の過去が莉乃と子どもの安全へ直接影響しています。
慶太は帰宅して初めてエレナの襲撃を知り、幸せな家庭が再び不倫の代償によって壊れた現実に直面しました。5度目の人生では、莉乃だけでなく慶太も、自分の選択が生んだ危険を理解しなければ同じ悲劇を防げません。
「切っても切れない縁」が示す作品テーマ
第5話のタイトルは、莉乃と慶太の運命的な夫婦関係を表すだけではありません。莉乃とエレナ、エレナとエマ、莉乃と美雨、そして約30年前の女性まで、切ったつもりの関係が次の人生へ影響し続けています。
莉乃と慶太を結ぶ愛と執着
何度死んでも慶太の妻へ戻る莉乃にとって、夫婦の縁は人生を支える希望であると同時に、逃れられない執着です。慶太を殺そうとすることも、慶太と幸せになろうとすることも、どちらも夫を中心にした人生である点は変わりません。
美雨の誕生によって、莉乃の人生には慶太以外にも守りたい存在が生まれました。5度目の人生では夫との関係だけでなく、母親として娘の未来を取り戻すことが、新しい生きる理由になりそうです。
莉乃とエレナを結ぶ同じ傷
莉乃とエレナは慶太をめぐる敵同士ですが、どちらも愛する相手に裏切られ、見捨てられる恐怖から暴力へ進んだ女性です。一方を消しても、残った側の傷が癒えるわけではありません。
4度目の人生で莉乃が復讐をやめたとき、今度はエレナが復讐する側へ回りました。二人の縁を本当に切るには、どちらかが死ぬのではなく、相手に勝つことで自分の価値を証明しようとする関係から離れる必要があります。
親から子へ受け継がれる傷の連鎖
エレナがエマを置き去りにし、莉乃が美雨を残して死亡した展開は、親の愛憎が子どもの人生へ影響することを示しています。さらに30年前の不倫殺人事件が莉乃の出生へつながるなら、同じ傷は親世代から続いていることになります。
子どもは親を選べないという莉乃の不安は、自分が悪い親になる恐怖だけでなく、親の罪から逃れられないのではないかという物語全体の問いへ広がりました。莉乃が連鎖を終わらせるには、血や運命ではなく、自分の選択によって生き方を変えなければなりません。
第5話ラストが第6話へ残した問い
莉乃は人を殺さずに幸福へたどり着きながら、エレナの復讐によって再び死にました。第6話では復讐も再構築も失敗したと感じる莉乃が、30年前の事件と自分の出生へ向き合うことになります。
美雨は5度目の人生にも存在するのか
莉乃が結婚記念日へ戻れば、美雨がまだ生まれていない人生へ移る可能性があります。美雨の記憶を持つのが莉乃だけなら、娘をもう一度誕生させるために、同じ選択を重ねなければなりません。
しかし同じ未来へ進めば、エレナの殺意も再び育ち、莉乃が刺される結末まで再現される危険があります。美雨を取り戻しながらエレナとエマも救うことが、5度目の人生で最も難しい課題になりそうです。
エレナを殺さずに止められるのか
エレナが自分を殺す未来を知った莉乃は、再びエレナへ先回りして殺意を向ける可能性があります。しかしそれでは、4度目の人生で学んだ「人を殺しても幸せにはなれない」という答えを捨てることになります。
エレナを止めるには、慶太との関係を切らせるだけでなく、貧困、借金、母親との関係、エマの生活まで含めて別の道を作る必要があります。莉乃が復讐相手を救う選択までできるのかが、作品の再生テーマを決めるでしょう。
松島苑子と30年前の事件は何を隠している?
第5話ラストの過去映像と第6話で浮上する松島苑子は、莉乃のループが夫の不倫だけから始まったものではないことを示しています。苑子が莉乃の母親や血縁者であれば、不倫と殺人を繰り返す構造にも親世代の因縁が関わってきます。
それでも莉乃の行動が血によって決められていると結論づければ、本人の選択と成長が意味を失います。第6話では過去の真相を知った莉乃が、自分は苑子と同じ道を歩む必要はないと気づけるかが重要になりそうです。
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