『VIVANT』シーズン2では、日本側とXinxi〈シンシー〉の間で情報が動き、誰がどの立場で関わっているのかが重要な謎になっています。野崎守や新庄浩太郎の行動も、過去の所属や現在の目的と合わせて読み解く必要があります。
第19話予告には、新たな裏切りを示唆する言葉があり、作戦メンバーの集合ビジュアルにアリがいないことや、乃木がアリへ渡した長野専務の名刺も注目されています。
『VIVANT』で描かれる裏切りは、敵へ情報を流すことだけではありません。目的のために仲間へ真相を伏せること、相手の信頼を利用すること、組織を守るために仲間の命を切り捨てようとすることも、人間関係には深い傷を残します。
この記事では、第18話までに確定した裏切りの真相と、第19話予告から浮上したアリ・長野・劉らの疑惑を、ネタバレを含めて詳しく考察します。
VIVANTシーズン2の裏切り者は誰?第18話時点の結論

第18話時点で整理すべきなのは、鈴木の内通、野崎の潜入、新庄の過去の裏切り、劉の工作員としての立場を同じものにしないことです。誰もが秘密を抱えていましたが、所属、目的、知らされていた情報、現在の行動はそれぞれ異なります。
公安からシンシーへ内通した鈴木祥は確定
公安の内部にいながら、シンシーへ情報を流していた人物として判明したのは鈴木祥です。鈴木は、日本側が誰を疑い、どのような調査を進めているのかを、敵側へ伝える位置にいました。
この内通が恐ろしいのは、秘密の会話が一度漏れたというだけではありません。日本側が安全だと思っていた場所や連絡手段そのものが、相手に見られている可能性を生んだからです。
仲間を守るための情報共有が、逆にシンシーの先回りを助ける材料になっていました。
ただし、鈴木の内通が判明したことと、シンシーの情報網の全体が解明されたことは別です。いつから協力していたのか、なぜシンシー側へ動いたのか、誰からどこまでの指示を受けていたのかは、まだすべてが明らかになったわけではありません。
鈴木はシーズン2の重要な裏切り者ですが、物語全体の最終黒幕と断定する段階でもありません。日本側へ入り込んだ一人の内通者が見つかったことであり、その背後にあるシンシーの目的や指揮系統は別に考える必要があります。
野崎は裏切り者ではなく、日本側の潜入捜査員
第13話で最大の裏切り者に見えた野崎は、日本を捨ててシンシーへ寝返った人物ではありませんでした。第15話で、野崎の行動が日本側の潜入捜査だったことが明らかになります。
野崎はシンシーから信用を得るため、別班員5人の情報を渡し、50億円の取引へ進みました。日本にとって不利益となる行動をあえて見せることで、本当に日本側を離反した人物だと信じ込ませようとしたのです。
しかし、潜入捜査だったと分かっても、別班員5人が実際に捕らえられた事実は変わりません。野崎の目的が日本側にあったことと、その作戦によって仲間が負った恐怖や危険は、分けて考える必要があります。
野崎は「裏切り者ではなかった」の一言で無傷の味方へ戻れる人物ではありません。国を守る任務に忠実でありながら、そのために仲間の意思を伏せ、危険へ送り込んだ人物でもあります。
そこに、正しさだけでは解消できない罪悪感と責任が残ります。

第18話で新たな裏切り者が確定したわけではない
第18話では、新庄の生存、乃木とノコルの共闘、別班員奪還へ向けたチームの結成が描かれました。しかし、この回で新しい内通者や裏切り者が確定したわけではありません。
むしろ第18話は、これまで敵味方の境界にいた人物たちが、ひとまず同じ目的のもとへ集まった回でした。乃木、ノコル、テント、チョッキー、新庄、長野のエージェント・ゲルンらが、捕らわれた5人を救うために準備を進めています。
ただし、共通の敵を前に集まったからといって、全員が互いを完全に信頼しているとは限りません。過去にテントを壊滅へ追い込んだ乃木、テントの側にいた人物、別班の関係者が同じ作戦へ参加しているため、目的が一致している現在にも、過去の傷や疑いは残っています。
第19話予告で示唆される「裏切り者」は、この不安定な共闘の中から現れる可能性があります。しかし、第18話終了時点では、アリ、長野、劉を含め、次の裏切り者の正体は未確定です。
鈴木祥はなぜ裏切り者と判明した?第17話の証拠を整理

鈴木への疑いは、印象や一つの表情だけで決まったものではありません。ジャミーンの反応を入口にしながら、乃木や太田たちが具体的な手掛かりを調べたことで、シンシーへの内通が明らかになりました。
ジャミーンの反応は調査の入口だった
乃木たちは、人物の善悪を感じ取る力を持つジャミーンに、公安関係者の写真を見せました。そこで反応があったのが、和久井俊作と鈴木祥です。
ただし、ジャミーンが反応しただけで、二人をシンシーの工作員と決めたわけではありません。反応は、見過ごされていた人物を調べ直すための入口でした。
実際に調査を進めると、和久井と鈴木には、それぞれ異なる問題があることが分かります。
和久井にはシンシーとのつながりとは別の重大な問題がありました。一方、鈴木には敵側への情報提供へつながる手掛かりが見つかります。
同じ反応があっても、何を隠していた人物なのかは同じではありません。
ジャミーンの力が捜査に役立ったことと、その反応だけで犯罪内容や所属まで特定できることも別です。人物を疑うきっかけと、裏付けとなる事実を分けたからこそ、鈴木の内通へたどり着けました。
イヤホンと追加調査からシンシーへの内通が判明
鈴木の自宅やスマートフォンを調べても、当初は決定的な不審点が見つかりませんでした。そこで乃木が注目したのが、鈴木がたびたび使用していたイヤホンです。
その形状は、過去に中国の工作員から押収されたものと一致していました。そこで日本側は、敵に見られている状況を逆に利用し、鈴木がどのような情報へ反応し、どこへ伝えるのかを追います。
この流れによって、鈴木は怪しい機器を持っていただけの人物ではなく、公安内部の情報をシンシーへ渡していた内通者だと判明しました。監視されていた日本側が、情報の流れを利用して監視する側をあぶり出した形です。
鈴木が裏切り者と分かったのは、ジャミーンの能力だけでも、イヤホンだけでもありません。人物への反応、機器の特徴、追加の調査を組み合わせた結果です。
一つの違和感を結論にせず、事実へつなげたことが重要でした。
動機・開始時期・情報網の全体はまだ残る
鈴木の内通が判明しても、なぜシンシーへ協力したのかは明確に語られていません。金銭、脅迫、思想、過去の関係など、動機を一つに決める材料はまだ不足しています。
また、公安や佐野の自宅を監視していた機器のすべてを、鈴木一人が設置したとまでは言い切れません。鈴木が情報を渡していたことと、監視網全体の構築や管理を一人で担っていたことは別です。
一人の内通者を拘束しても、シンシーが使ってきた情報経路がすべて止まったとは限りません。鈴木以外の協力者がいる可能性も、機器だけで自動的に情報が送られる仕組みも残されています。
そのため、第19話以降に現れると示唆される裏切り者が、鈴木と同じ情報網につながる人物なのか、まったく別の意味で誰かを裏切る人物なのかにも注目したいところです。
野崎の裏切りは偽装だった|潜入の目的と仲間へ負わせた危険

野崎は、日本を裏切ってシンシーへ移った人物ではなく、日本側の潜入任務を遂行していました。ただし、任務の目的が明らかになったからといって、仲間に負わせた危険や、東条から奪った選択まで消えるわけではありません。
第13話の疑惑から第15話の潜入判明まで
第13話では、新庄を追っていた日本側が空港記録や通信を調べた結果、野崎へつながる痕跡を見つけます。乃木たちを助けてきた野崎が、別班員5人の情報を売った人物に見える展開でした。
第14話では、野崎がシンシーとの取引で50億円を受け取る姿も示されます。それまで頼れる捜査官として描かれてきた人物が、自分の利益のために仲間を差し出したように見えたため、野崎への疑いは決定的になりました。
しかし第15話で、野崎の寝返りが日本側の潜入捜査だったと判明します。佐野雄太郎の承認を受け、シンシーへ入り込むための信用を得ようとしていたのです。
野崎へつながっていた記録が間違いだったわけではありません。情報提供も金銭の受領も実際に行われています。
その事実の意味が、私利私欲による裏切りから、日本側の潜入作戦へ変わったのです。
日本側の任務でも別班員5人の拘束は現実
野崎はシンシーへ信用させる材料として、黒須駿ら別班員5人を差し出しました。自分が本当に日本を離反したと示すためには、口先ではなく、日本側へ実害を与える必要があったからです。
しかし、野崎にとって作戦の一部であっても、捕らえられた5人にとっては現実の拘束です。彼らが全計画を知らされ、危険を承知して演技していたわけではありません。
乃木も、最初から野崎の意図をすべて知っていたわけではありませんでした。東条も過去のサイバー犯罪を材料に圧力をかけられ、映像加工に協力させられましたが、別班員の拉致を含む全体計画までは知らされていません。
味方を欺けなければ敵も欺けないという潜入の論理は理解できます。それでも、知らされなかった側には、自分の命や行動を選ぶ余地がありませんでした。
国を守るという目的と、人の意思を奪った作戦の傷は、どちらか一方だけでは語れない問題です。
第17話の露見と第18話の劉による救命
日本側と野崎は、東条へ送った二つの金額と円周率を使った暗号、市況掲示板を使った連絡によって情報をつないでいました。しかし、劉銘軒は野崎の動きを追い、通信と潜入の意図へ近づいていきます。
第17話では野崎の潜入が露見し、野崎とドラムは拘束されました。野崎は自分への追及には耐えようとしますが、ドラムの命を脅かされると、潜入捜査だったことを認めます。
第18話の野崎は、水も食事も与えられず深刻に衰弱していました。そこへ劉が現れ、水を与え、医師の診察を受けさせます。
ただし、命をつなぐ処置が行われたことと、拘束を解かれたことは同じではありません。
野崎はまだシンシー側に捕らわれた状態にあり、自由に日本側へ戻ったわけではありません。潜入の目的が判明した後も、作戦の代償を自らの身体で引き受ける状況が続いています。
【第18話ネタバレ】新庄・劉・救出チームの立場はどう変わった?

第18話では、それまで敵か味方か分かりにくかった人物たちの立場が大きく動きました。しかし、立場が変化したことを、過去の行動の消滅や、現在の本心の確定へ広げることはできません。
新庄は生存し、過去の内通者から奪還協力者へ
第14話で死亡したと思われていた新庄は、第18話で生きて再登場しました。乃木たちが新庄の死を偽装し、タイから脱出させた後、新庄はベトナムで療養していたのです。
新庄はシーズン1で、公安に所属しながらテントへ情報を流していたモニターでした。ベキたちの逃亡も助けており、日本側から見れば、実際に内通した過去を持つ人物です。
その新庄が、第18話では乃木たちの別班員奪還作戦へ協力します。愛する新庄を失ったと思っていたチョッキーも、再会によって乃木への反発を収め、作戦準備へ参加しました。
現在の新庄は救出側にいますが、それによって前作の内通がなかったことにはなりません。一方、過去に裏切ったから今後も必ず裏切ると決めることもできません。
新庄は、過去の選択と現在の選択を分けて見なければならない人物です。
また、作戦へ加わったことが、正式な別班復帰や処分の終了を意味するとも限りません。新庄が何を償い、どの組織でどのように生き直すのかは、奪還作戦の先に残る問題です。
劉は野崎を救命したが、味方確定ではない
劉は第18話で、瀕死の野崎を見つけると、野崎を追い詰めた沈俊宇を殴り、水を与えて医師を呼びました。野崎へ謝罪する様子もあり、この場面だけを見れば、劉がシンシーを裏切って野崎を助けたようにも見えます。
しかし、その後の劉は樊林杏と沈の前へ戻り、野崎を救ったように見せた行動にも目的があったと説明します。身体と精神を追い詰めたうえで、自分が救い手として現れ、野崎の意思を支配しようとしたというのです。
ここでは、実際に野崎へ水と医療を与えた行動、劉本人がシンシー側へ語った目的、その説明も敵を欺くための偽装ではないかという考察を分ける必要があります。
劉が野崎へ特別な感情を持っているように見えることも、味方確定の証拠にはなりません。好意があっても相手の自由を奪う人物は存在します。
反対に、シンシーへ支配目的を語っていても、今後の行動で野崎を逃がす可能性は残っています。
劉の本心を見極めるには、何を語るかより、これから誰へ情報を隠し、どの命令へ背き、野崎へ選択を返すのかを見る必要があります。救ったことと、自由にしたことは同じではないのです。
奪還準備が進んでも、新たな裏切り者や救出成功は未確定
第18話では、乃木が長野専務の言葉に背中を押され、ノコルへ協力を求めました。ノコルは、テントの全勢力を使って兄を助ける意思を示します。
さらに、民間軍事会社Y2K、チョッキー、長野のエージェント・ゲルン、新庄らが集まり、シャキ城への潜入を想定した訓練が始まりました。救出を諦めるしかなかった状況から、別の力を借りて命を取り戻す作戦へ進んだのです。
ただし、第18話で描かれたのは準備です。黒須たち5人が救出されたわけでも、全員の生還が確定したわけでもありません。
また、多くの人物が集まったことは、その中に裏切り者がいない保証にもなりません。互いに異なる過去と忠誠を持つ人物が協力しているからこそ、誰がどこまで情報を共有しているのかという不安が、第19話以降の緊張につながっています。
第19話予告「裏切り者は必ず現れる」は誰?候補を考察

第19話予告に登場した「裏切り者は必ず現れる」という言葉は、後半戦の新しい疑惑を生みました。しかし、裏切る対象が日本側なのか、テントなのか、シンシーなのかもまだ分かっていません。
ここでは、候補とされる人物の根拠と不足点を分けて考えます。
アリ説|集合写真の不在と長野の名刺
最も注目されている候補の一人がアリです。第18話後に公開された作戦メンバーの集合ビジュアルには、新庄やチョッキーらが写っている一方、作戦準備に関わったアリの姿がありませんでした。
さらに乃木は、ノコルがバルカを離れる際、ムルーデル社を預かるアリへ長野専務の名刺を渡しています。乃木に何かあった場合の連絡先として長野を紹介しましたが、長野が別班員であることまでは明かしていません。
アリが長野の名前に反応したように見えたことから、アリは以前から長野を知っていたのではないか、乃木が反応を確かめるために名刺を渡したのではないかという考察が生まれました。第12話でジャミーンのバルカ帰還に強く反応したことも、エリシャやシンシーに関する秘密を持っているのではないかという疑いにつながっています。
ただし、集合写真にいないだけで裏切りは確定しません。アリには、ノコル不在中のムルーデル社を守る役割があります。
作戦現場へ同行していないことには、会社とバルカを守るという自然な理由もあります。
名刺を見て長野の名前を口にしたことも、裏で共謀していた証拠ではありません。丸菱商事の専務である長野を、企業人として知っていた可能性もあります。
アリ説が真相へ近づくには、名刺を使って誰へ連絡するのか、その情報を誰へ渡すのかという次の行動が必要です。
長野説|救出への支援と名刺だけでは内通の証拠にならない
もう一人の候補として疑われているのが長野利彦です。長野は別班員であり、乃木へ救出を諦めない道を示し、自身のエージェント・ゲルンも作戦へ参加させています。
現在までの行動だけを見るなら、長野は奪還作戦を支える側です。乃木が組織の規律へ従おうとした際、本当に仲間を見捨ててよいのかと問い、別班外の仲間を頼る可能性を示しました。
それでも疑われるのは、長野が表の会社員生活と別班任務という二つの顔を持ち、なお説明されていない部分があるからです。さらに、乃木がアリへ長野の名刺を渡したことで、長野とアリの間に未知のつながりがあるのではないかという見方も生まれました。
しかし、秘密の身分があったことと、シンシーへ内通していることは別です。第18話までに、長野が敵側へ情報を渡した具体的な証拠は示されていません。
長野が裏切るとすれば、日本や別班を捨ててシンシーへ移るとは限らないでしょう。組織の命令より乃木や仲間の命を選ぶことも、別班司令部から見れば裏切りになり得ます。
「誰に対する裏切りなのか」を変えると、長野の行動は違って見えます。
劉説|シンシーへの裏切りか、野崎支配の継続か
劉は日本側からシンシーへ寝返った人物ではなく、もともとシンシー側から野崎へ近づいた工作員です。そのため、劉が今後裏切るとすれば、シンシーを裏切って野崎側へ動く可能性が焦点になります。
第18話で劉は、野崎を死なせる寸前まで追い込んだ沈に激怒し、自ら水を飲ませて医師へ診せました。この行動には、野崎を単なる情報源として失いたくなかっただけでは説明しにくい感情も感じられます。
一方、劉は樊林杏たちへ、救い手として現れることで野崎の意思を支配する計画だったと説明しています。この言葉どおりなら、救命はシンシーへの裏切りではなく、野崎を利用するための作戦です。
ただし、その説明自体がシンシーを欺くためのものという可能性は残ります。劉が野崎を助けたい本心を隠すため、支配計画を装っているという考察です。
劉説を確かめる鍵は、今後の具体的な選択にあります。野崎を逃がす、樊林杏へ報告しない情報を作る、沈やほかの部下から野崎を守るといった行動があれば、シンシーへの裏切りが現実味を帯びます。
現段階では、救命だけで結論を出すことはできません。
救出チーム内部・第三者説|候補を根拠なく増やさない
第19話予告の裏切り者が、アリ・長野・劉の誰でもない可能性もあります。救出チームには、別班、テント、モニター、民間軍事会社、個人のエージェントなど、異なる立場の人々が集まっています。
それぞれが乃木と同じ目的を持っているように見えても、忠誠を向ける相手は異なります。別班員5人を救いたい乃木、兄を助けたいノコル、新庄を失ったと思っていたチョッキー、長野の指示で動くゲルンでは、作戦へ参加する理由が同じではありません。
この違いを利用すれば、シンシーがチーム内の誰かへ接触する展開も考えられます。ただし、現在示されている情報だけで、チョッキー、ゲルン、Y2Kの人物などを新しい裏切り者候補へ追加する根拠はありません。
また、予告の「裏切り者」は、日本側を裏切る人物とは限りません。シンシー側の人物が組織を裏切る場合や、テントの命令より乃木を選ぶ人物が現れる場合もあります。
裏切る人物だけでなく、裏切られる側が誰なのかを見る必要があります。
裏切り者と誤認された人物を整理|東条・佐野・チンギス・櫻井

『VIVANT』シーズン2では、秘密の行動を取った人物が次々と裏切り者に見えました。しかし、映像加工、作戦承認、秘密の接触、仲間の処分命令は、それぞれ異なる事情から生まれています。
東条は脅迫されて映像加工へ協力した
東条翔太は、野崎の指示で空港映像などを加工し、乃木たちを誤った方向へ誘導しました。その行動だけを見れば、捜査を妨害する敵側の協力者に見えます。
しかし東条は、野崎から過去のサイバー犯罪を暴露すると脅され、協力を強いられていました。さらに、別班員5人を拉致させる計画の全体までは知らされていません。
脅迫されていたからといって、東条が行った加工の影響が消えるわけではありません。一方、自ら利益を得るためにシンシーへ忠誠を誓った内通者と、選択肢を奪われた東条を同じ裏切り者として扱うこともできません。
東条の立場が示すのは、味方の作戦であっても、必要な能力を持つ人物へ十分な説明をせず、弱みを使って動かせば支配になるということです。
佐野とチンギスは日本側の作戦を支えた
公安部長の佐野雄太郎は、野崎の潜入捜査を承認していました。野崎の寝返りが偽装だったことを知る人物ですが、シンシー側へ情報を流した内通者ではありません。
ただし、作戦を承認した以上、別班員5人や東条へ生じた危険から完全に切り離すこともできません。野崎一人の独断として処理すれば、日本側が組織として何を選んだのかが見えなくなります。
チンギスも、野崎と秘密裏に接触していたため疑われました。しかし、その接触は乃木へ手掛かりを届ける流れへつながっています。
人目を避けた接触があったことだけでは、シンシーへの内通を示す証拠にはなりません。
佐野とチンギスは、見えない場所で行動していた点では怪しく見えます。それでも、誰へ情報を渡し、その情報がどの作戦へつながったかを見ると、鈴木の内通とは方向が異なります。

櫻井の毒殺方針は内通ではなく組織判断
別班司令・櫻井里美は、捕らわれた5人の救出を断念し、機密を守るために毒殺する方針を示しました。仲間を守る人物の判断とは思えないほど非情ですが、敵へ協力した行動ではありません。
櫻井が優先したのは、5人の命より、別班の情報が敵へ渡ることで日本全体に生じる危険でした。個人の命を切り捨てても、組織と国を守るという判断です。
この決断は、シンシーへの裏切りではなく、乃木や捕らわれた5人にとっての裏切りとして読むことができます。同じ組織に所属し、国を守るために働いてきた仲間から、機密のために命を奪われようとしたからです。
そのため櫻井の判断は、「裏切り者ではない」で終わらせるより、組織への忠誠が人間関係をどこまで壊すのかという問題につながります。敵味方の分類では整理できない、『VIVANT』らしい裏切りです。
和久井の問題とシンシーへの内通は別
和久井俊作は、ジャミーンが鈴木とともに警戒した人物です。しかし調査の結果、和久井の問題はシンシーへの内通とは別のものでした。
ここで注意したいのは、内通者ではなかったことを、問題のない人物だったという結論へ変えないことです。人間として重大な問題を抱えていても、今回の情報漏洩へ関与しているとは限りません。
反対に、普段は親切で誠実に見える人物が、敵へ情報を渡していないとも限りません。裏切り者の特定には、善人か悪人かという大きな印象だけでなく、具体的に誰へ何を渡したのかを見る必要があります。

裏切りの伏線と回収を第11話から第18話まで時系列で整理

シーズン2の裏切り者をめぐる疑惑は、一人の犯人を追う直線的な流れではありません。新庄から野崎、鈴木へ疑いが移り、過去の内通者が現在は救出側へ回るという変化が重なっています。
第11〜14話|別班員拉致と野崎への疑惑
第11話では、前作で任務に関わった別班員たちが次々と襲撃され、黒須ら5人が捕らわれます。情報が漏れていたことから、過去に公安からテントへ情報を流した新庄が再び疑われました。
しかし調査が進むと、新庄が今回の情報売却を行ったという前提が崩れます。チョッキーの証言や記録の解析によって、今回の拉致事件と新庄の過去の内通を分けて考える必要が生まれました。
第13話では、新庄を追っていた手掛かりが野崎へつながります。第14話で野崎がシンシーから50億円を受け取る姿が示され、味方だった野崎が最大の裏切り者に見える段階へ進みました。
この時点では、新庄が過去に裏切った事実も、野崎へつながった記録もどちらも本物です。ただし、過去に裏切った人物が今回も犯人とは限らず、怪しい記録が示す目的も一つとは限らないという構造でした。

第15〜17話|潜入の真相と鈴木の内通
第15話では、野崎の行動が日本側の潜入捜査だったと明らかになります。野崎はシンシーへの信用を得るために寝返りを演じ、東条へも映像加工などを行わせていました。
第16話では、野崎の過去やシンシーを追う理由、通信の仕組みが整理されます。東条へ送られた二つの金額と円周率を組み合わせることで、別班員5人の拘束場所へつながりました。
しかし、野崎と日本側だけが理解できると思っていた通信を劉が見破ります。第17話では、5人が移送されたように見せる偽装も判明し、野崎の潜入まで露見しました。
同じ第17話では、公安内部の内通者として鈴木が浮かび上がります。野崎の疑惑が偽装だった一方で、日本側の内部には本当にシンシーへ情報を渡していた人物がいたという二重の回収です。

第18話|過去の裏切りと現在の共闘が交差した
第18話では、過去にテントへ内通した新庄が、生きて乃木たちの前へ戻りました。そして今度は、捕らわれた別班員を救うために力を貸します。
乃木もまた、シーズン1でテントを壊滅へ追い込んだ人物です。その乃木をノコル率いるテントが助ける構図は、過去の敵味方だけでは現在の関係を決められないことを示しています。
一方、シンシー側では、野崎を追い詰めた劉が野崎の命をつなぎました。敵側の工作員が救命し、過去の内通者が救出側へ回ることで、誰が味方で誰が敵かという境界はさらに複雑になります。
しかし、現在の共闘や救命を、過去の裏切りの帳消しにしてはいけません。第18話が示したのは、人物が過去とは異なる選択をできることです。
過去の傷を消すことではなく、その傷を抱えたまま何を選び直すのかが描かれています。
VIVANTシーズン2が描く裏切りと信頼|目的が正しければ傷は消えるのか

『VIVANT』シーズン2の裏切りは、敵へ寝返った人物を当てるだけの謎ではありません。目的のために誰かへ秘密を伏せ、信頼を利用し、本人の選択を奪うことが、関係する人々へ何を残すのかが描かれています。
知らされなかった仲間の意思と、国を守る作戦
野崎の潜入捜査は、日本を守るための作戦でした。それでも黒須ら5人は、計画の真意を知らされないまま捕らわれています。
東条も、自分の技術がどこまでの作戦へ利用されるのかを知らされていませんでした。
作戦を成功させるには、味方にも秘密を伏せなければならない場合があります。しかし、知らされなかった人物にとって、自分の命や能力を勝手に使われた事実は残ります。
目的が正しいから傷つかないのではありません。目的が正しいと信じている側ほど、相手の恐怖や怒りを「必要な犠牲」として見落としやすくなります。
『VIVANT』は、国家のためという大きな正義と、一人の意思を尊重することのずれを描いています。
現在の協力は過去の裏切りを消さない
新庄が救出作戦へ参加したことは、人物の見え方を変えました。過去に裏切った人物でも、現在は仲間を救う選択ができます。
ただし、現在の善い行動が、過去の内通によって生じた危険や不信を消すわけではありません。新庄が公安で得た信用をテントのために使った事実と、乃木たちを助ける現在の行動は、両方とも新庄という人物の一部です。
逆に、過去の裏切りだけで、その人物が今後も同じ選択しかできないと決めることもできません。罪を抱えた人物が、どのように別の行動を選ぶのかを見ることが、再生を読むうえで重要になります。
チョッキーが乃木への怒りを抱きながらも、新庄との再会によって作戦へ戻ったことも同じです。組織への忠誠だけでなく、失ったと思っていた大切な相手との関係が、現在の選択を変えています。
救うことと、相手を支配することの違い
劉が野崎へ水を与え、医師へ診せたことは、野崎の命を救う行動です。しかし、劉本人は、その救命を野崎の意思を支配するために使うと説明しました。
人を死なせないことと、その人へ自由を返すことは同じではありません。生きるために自分へ依存させ、判断する力を奪おうとするなら、救命は支配の入口にもなります。
一方で、劉の説明がシンシーを欺くためのものなら、劉は敵の中で野崎を守ろうとしていることになります。その場合でも、野崎へ十分な情報と選択肢を返さなければ、二人の関係が対等になったとはいえません。
野崎、新庄、劉、櫻井の行動に共通するのは、相手を救う、国を守る、組織を守るという目的が、相手の意思を奪う可能性を持つことです。誰を守ったかだけでなく、守られる側に選ぶ余地があったのかを見ることで、『VIVANT』の裏切りが持つ感情的な意味が見えてきます。
VIVANTシーズン2の裏切り者に関するFAQ

最後に、第18話までの確定事項と、第19話予告から生まれた考察を短く分けて整理します。予告段階の疑惑を、放送済みの真相と混同しないことが重要です。
第18話時点で確定している裏切り者は誰?
公安内部からシンシーへ情報を流していた人物として確定しているのは鈴木祥です。野崎は日本側の潜入捜査員、新庄は過去にテントへ内通した人物であり、それぞれ鈴木とは異なる立場です。




アリや長野は裏切り者と確定した?
アリも長野も、第18話時点で裏切り者とは確定していません。アリが集合ビジュアルにいないことや、乃木がアリへ長野の名刺を渡した場面は考察材料ですが、内通や共謀を示す決定的な証拠ではありません。
劉は本当は野崎の味方なのか?
劉は第18話で野崎へ水と医療を与えましたが、その後は野崎の意思を支配するためだったと説明しています。救命した事実はありますが、日本側の味方か、シンシーへの忠誠を装っているのかは未確定です。
第18話で別班員5人は救出された?
第18話で描かれたのは、乃木・ノコル・テント・Y2K・新庄らが集まり、奪還作戦の準備を進める段階です。黒須ら5人の救出成功や全員生還は、まだ確定していません。
まとめ|確定した内通と次の裏切り者候補を分けて見る

『VIVANT』シーズン2で、第18話時点の内通者として確定しているのは鈴木祥です。野崎は日本側の潜入捜査員であり、新庄は過去にテントへ内通したものの、現在は別班員奪還へ協力しています。
第18話では、新庄の生存と救出チームの結成、劉による野崎の救命が描かれました。しかし、新しい裏切り者や別班員5人の救出結果までは明らかになっていません。
第19話予告を受け、アリ、長野、劉へ疑いが向けられています。現段階では、アリの不在、長野の名刺、劉の救命はいずれも考察材料であり、裏切りを確定させる証拠ではありません。
今後見るべきなのは、誰が怪しい顔をしているかだけではなく、誰へ情報を渡し、誰の命令に背き、誰に選ぶ権利を返すのかです。過去の裏切りと現在の協力を分けながら、その人物が次に何を選ぶのかを見届けたいところです。


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