火曜の深夜ドラマ「闇金ウシジマくん シーズン3」の第3話が終了しました。
前回は上原まゆみ以外の話が進みましたね。今回は上原まゆみ編で大きく動きます。神堂の本当の姿を垣間見ることに。
2016年8月9日(火)深夜25時28分放送のドラマ「闇金ウシジマくん シーズン3」第4話のあらすじ(ネタバレ)と感想を紹介します。
※以後ネタバレ注意
闇金ウシジマくん(シーズン3)4話のあらすじ&ネタバレ

第4話では、これまで複数の伏線として動いていた物語が一気に加速。
登場人物たちはさらに深い闇へと引きずり込まれ、それぞれの「依存」が限界を迎えていく。
神堂の本性が露わになり、上原家は完全に支配下へ。一方、美奈は母・恵美子との関係が壊れ、心の逃げ場を失う。
ニートの小瀬やサラリーマンの川崎も、闇金との関係を断ち切れず、人生の歯車を狂わせていく。
上原まゆみ編――神堂の支配が加速する
順調だった仕事と恋愛が、神堂の登場で一変する。
婚約をきっかけに神堂は家族の懐へ入り込み、妹・みゆきの夫の悩みに耳を傾けたり、家の修繕を手伝ったりと、信頼を得ていく。
しかし、まゆみが婚約指輪を外しているのを見た瞬間、神堂は豹変。
「これはあなたにふさわしくない行動だ」と怒鳴りつけ、暴力をにおわせながら再び指輪をはめさせる。
このシーンを境に、彼の“支配”は明確な暴力へと変わる。
神堂の狙いは上原家の財産。
父・重則の土地を奪うため、霊感商法まがいの投資を持ちかけ、高額な“供物”を買わせる。
家族は「家を守るため」と信じ込まされ、結果的に神堂に経済も生活も握られていく。さらに、みゆきの夫の代わりに神堂の手下・カズヤを同居させ、家の秩序を完全に崩壊させた。
上原家の閉鎖空間は、まさに洗脳の密室と化していく。
結城美奈編――母との断絶と新たな影
美奈は、母・恵美子の強要によって再び売春を続けている。
「家族のため」という言葉で正当化され、娘の抵抗心は完全に麻痺していた。そんな彼女の前に、遠くから様子をうかがう金髪の男が現れる。
派手な見た目で不気味なほど無表情な彼の存在が、美奈の転落に新たな不安を加える。正体は不明だが、犀原の関係者か、別の闇金業者の刺客である可能性も示唆される。
恵美子は借金返済も滞り、犀原の怒りを買う一方で、浪費をやめる気もない。
娘の身体を商品に変えることでしか生活を維持できないその姿は、母親としても人間としても崩壊している。
美奈は母への恐怖と憎悪を抱きながらも家を出られず、「家族」という呪縛に縛られ続けている。
小瀬章編――利息の重みと闇金の現実
隣人・希々空の借金を肩代わりした小瀬は、その利息を返すためカウカウファイナンスを訪れる。
ウシジマと対面した瞬間、彼は初めて闇金の現実を知る。
「金を借りるとは、相手に人生を握られること」――ウシジマの冷酷な一言が、小瀬の胸に重くのしかかる。
希々空に惹かれるあまり軽率な行動を取った彼は、その優しさが弱点となり、自らの首を締めてしまったことを痛感する。
ウシジマと関わったことで、彼の世界は“借りたら終わり”の領域に踏み込んだ。
川崎編――盗撮の代償とウシジマの助言
デリヘル嬢テルミを盗撮した動画をネタに、彼女の恋人から恐喝を受ける川崎。
支払いを迫られ、再びウシジマのもとを訪れる。ウシジマは金を貸す代わりに「縁を切るための方法」を教える。
内容は明かされないが、川崎が自分の愚かさを清算するための最後のチャンスとなる。
ウシジマは決して同情しないが、見捨てもしない。
“貸すこと”を通じてしか救わないその冷徹さが、彼を単なる悪人ではなく“システムの代弁者”にしている。
神堂の暴走とウシジマの接近
神堂の暴力はついにエスカレート。
まゆみの父を殴り、家族を完全に支配下に置く。さらにデリヘル客・柏木をも暴行し、上原家の中は恐怖で凍りつく。
その最中、玄関をノックする音が響く――現れたのは、金の回収に訪れたウシジマだった。この邂逅によって、神堂とウシジマという“二人の支配者”の世界がつながり、物語は新たな段階へ進む。
闇金ウシジマくん(シーズン3)4話の感想&考察

神堂という“完全支配者”の怖さ
第4話は、神堂の本性が完全に露わになる回だった。
婚約指輪を外したまゆみを怒鳴りつけ、暴力と罪悪感で支配する姿は、恋人ではなく支配者そのもの。
家族への恩を装いながら、恩義と恐怖で洗脳を完成させる。
彼の一連の行動はDV・カルト・詐欺の要素を併せ持ち、「優しさの裏にある支配欲」という本作のテーマを最も残酷に体現している。
まゆみが反抗できないのは、外界との接点を絶たれているからだ。
物理的な監禁ではなく、心理的な孤立によって家族全員を縛りつける構図がリアルで恐ろしい。ウシジマが現れたことで、ようやく外からの風が吹き込むが、それが救いになるのか、さらなる悲劇の導火線になるのかはまだ分からない。
美奈の崩壊と“金髪の影”
母の手によって売春を強要され続ける美奈の姿は、もはや悲劇そのものだ。
「家族のため」という言葉に騙され、少女としての尊厳を失っていく。金髪男の登場は、彼女の転落にさらに不穏な火種を加える。
この男が犀原の手先なのか、それとも新たな搾取者なのか。彼女の物語がどこへ向かうのか、緊張が高まる一方だ。
小瀬と川崎――“小さな過ち”が命取りになる世界
小瀬は軽い親切心で借金を肩代わりし、川崎は好奇心から盗撮を行う。
どちらも一見“些細な間違い”だが、闇金の世界ではそれが致命傷になる。ウシジマは彼らに“現実”を見せつける存在として描かれ、「弱さの結果にしか闇金は存在しない」というメッセージを際立たせる。
川崎がウシジマの助言を実行できるかどうかは、人間の理性がどこまで欲望に勝てるのかを測るリトマス試験紙でもある。
闇金業者と被害者――“悪”の中の構造的正義
神堂という無秩序な悪が描かれることで、ウシジマや犀原といった“理性的な悪”が浮かび上がる。
彼らは搾取者ではあるが、ルールに基づいて動く。対して神堂は、金ではなく人間の意志を奪う支配者だ。この対比によって、ウシジマが社会の歪みを映す“鏡”であることがより明確になった。
闇金という構造そのものが「依存の出口」を提示している点に注目したい。金を貸す=救いではなく罰、だがそこにわずかな秩序がある。
その秩序が、無秩序な暴力(神堂)と対比することで、闇金の世界に奇妙な“倫理”が生まれている。
第4話総括と今後の展開予測
第4話はシーズン3の転換点。
神堂が家族を完全支配し、美奈が壊れ、小瀬と川崎が現実に呑まれていく。すべての線がウシジマのもとに収束し始めた。
今後は、ウシジマがどのタイミングで神堂と交わるのかが最大の焦点だ。まゆみの一家を救うのか、それとも金の論理で切り捨てるのか。
また、美奈を見つめる金髪男の正体、犀原の動向、希々空が小瀬をどう利用するのかも鍵になるだろう。
第4話は、社会の“闇”がそれぞれの形で表面化した回だった。
愛、金、欲望、依存――そのどれもが人を縛り、同時に破滅へと導いていく。
ウシジマが再び扉を叩いたその瞬間、物語は次の地獄へ踏み出している。
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