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ドラマ『小さな巨人』の9話のネタバレ&感想考察。裏帳簿と“切れ端”が暴く真実。父の名が示す衝撃の核心とは?

ドラマ『小さな巨人』の9話のネタバレ&感想考察。裏帳簿と“切れ端”が暴く真実。父の名が示す衝撃の核心とは?

ドラマ「小さな巨人」の8話が終了しましたね。

第9話は、豊洲署編の物語が一気に“核心”へ踏み込んだ回でした。

裏帳簿17冊をめぐる攻防、富永の偽装、そして切れ端に記された“ある名前”。

すべての線が過去と現在をつなぎ、香坂の正義と組織の論理が激しくぶつかる。物語を根底から揺さぶる衝撃の展開と、最終回へ向けた決定的伏線を解説します。

2017年6月11日(日)夜9時放送のドラマ「小さな巨人」8話のあらすじ(ネタバレ)と9話の感想を紹介していきます。

※以後ネタバレ注意

目次

ドラマ「小さな巨人」9話のあらすじ&ネタバレ

ドラマ「小さな巨人」9話のあらすじ&ネタバレ

豊洲署編は“核心”へ。原本(裏帳簿)を奪い合う攻防戦

豊洲署編はいよいよ“核心”へ入る。第9話は、裏帳簿という“原本”を誰が確保し、誰の手で公開するかをめぐる攻防が最大の軸となる回。

物語序盤で香坂(長谷川博己)は謹慎処分を受け現場を外されるが、そこで待っていたのは横沢(井上芳雄)と山田(岡田将生)。ここから“家内会議”とも言うべき、真相への最短距離を探る密室戦が始まる。

横沢の口から語られた“江口(ユースケ・サンタマリア)殺害の夜”は、富永(梅沢富美男)という人物の制度的な黒を浮かび上がらせ、裏帳簿・山田家・学園スキャンダルが一本の線を描いていく。

失踪直後——謹慎中の家に三人が集う

横沢と山田が取調室から同時に消え、香坂には“自宅謹慎”の処分が下る。ところが帰宅した香坂を待っていたのは、逃走扱いの横沢と山田だった。

山田は「本庁のレールに乗ったままでは真相にたどり着けない」と判断し、横沢を“所轄の家”へ連れてきたと明かす。
「どの場で、誰が監視し、どの順序で話すか」を奪い返すための作戦だった。

横沢の証言 —— 毛髪の“仕込み”と“電話の相手”

横沢は、江口と会う予定の場所に到着した時点で江口は既に倒れていたと語る。そこで横沢は、富永がビニール袋から数本の毛髪を取り出し、手袋越しに江口の傍らに置くのを目撃した。

その毛髪こそ後に“横沢のDNA一致”として扱われる“決め手”の証拠となるものだった。さらに富永は携帯電話で
「横沢の毛髪を仕込んでおいた。あとは横沢にすべて被ってもらえばいい」
と話していたと述べる(相手の正体は不明)。

横沢が逃げた理由は「警察OBである富永に敵うはずがない」と感じたからで、唯一頼れたのは江口から託されていた“山田の連絡先”だった。

裏帳簿コピーの意味 —— 17年前から続く“線”

山田は裏帳簿のコピーを保持していた。そこには山田の父・山田勲(高橋英樹)の名前が繰り返し記載され、早明学園からの金銭授受を示唆していた。

最初の記載は17年前で、
「山田勲 5000万円」「富永拓三 2000万円」
と記され、ページの下半分は破り取られていた。横沢によれば“最初からこの状態だった”という。

コピーは入口に過ぎない。
「原本(全17冊)を押さえる」ことが最重要である
と三人は方針を共有する。

香坂の父・敦史の“謎語”——「山田さんとの絆だ」

香坂は過去の鍵を握る人物として、父・敦史(木場勝己)を訪ねるが、認知症が進んだ状態で息子の顔も曖昧。

しかし裏帳簿コピーを見せると、敦史は繰り返し
「山田さんとの絆だ」
とつぶやく。“山田”とは副長官なのか、別人なのか——曖昧な言葉が残り、過去と現在が薄くつながる手がかりが示される。

山田の“原点” —— 運転担当・松山義則の不審死

17年前、刑事局長だった山田勲の運転担当・松山義則が不審死を遂げる。幼い山田は、父が部下に
「捜査は打ち切れ。自殺で処理しろ」
と指示する場面を聞いてしまう。

この出来事こそ山田の人生の“棘”となり、彼がキャリア官僚ではなく“一課長”を目指した理由となっていた。
松山が亡くなった場所も、早明学園のある豊洲も同じ地区。点と点が一本の線へつながる。

山田はとうとう父・勲の邸宅を訪れ、真相を問い質す覚悟を決める。

小野田の“現実主義” —— 過去を“政治献金”と言い換える

山田の訪問を受けた勲は、小野田(香川照之)に連絡。
小野田は
「副長官が受け取ったのは政治献金であり、便宜供与の証拠がなければ罪ではない」
と冷静に言い切る。さらに
「優秀な人材を育てる学園は国家の礎を支えている」
と、“結果の公益”を根拠に過去の不正を正当化する。

ここで山田は拘束。制度の論理が、個人の正義を圧倒する瞬間だった。

理事長・金崎の“嘘”を暴く —— 可視化の実験

香坂は、もう一つの“ほころび”に着目。
理事長・金崎(和田アキ子)は「事件当夜は理事長室にいた。何も聞こえなかった」と供述していた。

そこで香坂は屋上から鉄骨を落とすという“実験”を敢行。
理事長室まで大音量が響き、“聞こえなかった”という供述が虚偽であることを可視化する。

供述崩しに成功した香坂は、この段階で捜査二課の松岡課長を巻き込み、金崎の任意同行を実現。

原本“奪取”作戦 —— 渡部と横沢の並走

一方で裏帳簿“原本”を押さえるため、渡部(安田顕)が横沢を連れて保管場所へ向かう。
Discovery → Preservationの手続を進め、原本(全17冊)に手が届く寸前まで迫る。

しかしそこへ捜査一課が突入し、横沢を逮捕。原本17冊は一課が押収。
“証拠の物理的支配”の主導権争い
は、この瞬間一課の勝利となる。

“切れ端”に記された名前 —— 裏切り者は香坂の父なのか

香坂は「1ページ目の破れにこそ真実がある」と推理し、その部分に小野田の名前があるのではと問い詰める。

小野田は黙って“切れ端”を取り出す。
そこに記されていた名前は
「香坂敦史 1000万」

香坂の父。
犯行の設計図は過去へ折れ曲がり、“裏切り者”は香坂の父であるかもしれないという衝撃で9話は幕を閉じる。

エピローグ —— 原本をめぐる戦いは最終フェーズへ

横沢の逮捕、原本17冊の押収、切れ端に記された名前——
三つの事実が豊洲署編の盤面を一気に塗り替えた。

誰が原本を公開し、どの場で真実を可視化するのか。
最終回を前に、物語は最大の臨界へ突入する。

ドラマ「小さな巨人」9話の感想&考察

ドラマ「小さな巨人」9話の感想&考察

第9話は、
「素材(証拠)よりも、それを“誰が持つか”で真相の温度が決まる」
という日曜劇場の王道テーマを最大限に描いた回だった。

私が導き出した結論は三つ。

①“原本の政治”が始まった
②“父の物語”が主題へ浮上した
③“可視化の作法”がさらに更新された

以下、7つの論点で深掘りする。

1|“原本の政治”——コピー vs オリジナル、そしてChain of Custody

芝署編のUSB欠片とは異なり、豊洲署編の最大のマクガフィンは裏帳簿の原本(17冊)。
コピーは入口にすぎず、原本をどの組織が握るかが“語り手”を決める

渡部×横沢が原本に手を伸ばした直後、捜査一課が奪取し、Chain of Custodyは一課へ移動。
この瞬間、物語の主導権も書き換えられた。

2|“父の物語”へのシフト —— 「山田さんとの絆」の意味

敦史が発した
「山田さんとの絆だ」
という謎の言葉は、副長官・山田のことか、理事長(金崎=旧姓・山田)のことか、複層的に解釈可能。

17年前の“自殺処理”を目撃した山田春彦の物語と、
“香坂敦史1000万”という切れ端が示す香坂家の物語。

二つの“父と子”の物語が重なり、倫理の軸が最終回へ強烈に迫ってくる。

3|“可視化の作法”のアップデート —— 実験/二課/家内会議

第9話は、可視化を三段階で描いた。

(a)物理実験: 鉄骨落下で理事長の嘘を可視化
(b)制度的可視化: 二課を巻き込み贈収賄の文脈へ広げる
(c)物語的可視化: 家内会議で情報の主導権を奪い返す

香坂の“情報の順序設計力”が、芝署編よりさらに進化している。


4|小野田の“現実主義”——結果の公益で過去を正当化する

「政治献金」「便宜の証拠がなければ無罪」「学園は国の礎」

小野田は善悪の議論を超えて“制度の保存”を優先する立場。その冷徹な論理が、香坂の正義と正面から衝突する。

5|横沢の“語り手”復帰 —— 逃亡と帰還の合理

横沢が逃げた理由(富永の仕込み)と、戻ってきた条件(香坂の家)が言語化され、
語り手の立ち位置が物語の解像度を決めることが浮かび上がる。

第8話で藤倉が横沢を“所轄に戻した”伏線が、ここで生きてくる。

6|渡部という“楔”——現場の手触りを保つ人物


原本搬出の現場に渡部が配置されたことで、
誰の命令で何を持ち出すか
という“証拠の境界線”が人間の動きで描かれた。

現場を現場のまま描くための“楔”として重要な役割。

7|総括——“切れ端が物語を奪う”残酷さ

“香坂敦史1000万”というたった五文字で、
物語全体の“語り手の主導権”が奪われ、主人公の倫理が揺らぐ。

積み上げてきたラインを一気に反転させる、日曜劇場らしい切れ味。


最終回への注目点

  • 原本17冊はどう扱われるか
  • 切れ端の意味
  • 「山田さんとの絆」は誰のことか
  • 香坂は“父の罪”をどう可視化するのか

最終回は、可視化の最終工程=“法廷で通る真実の提示”が最大の鍵になる。

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