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ドラマ「嘘の戦争」7話のネタバレ&感想考察。2000万円の罠と“兄弟の断絶”…六車の登場が復讐劇を変えた夜

ドラマ「嘘の戦争」7話のネタバレ&感想考察。2000万円の罠と“兄弟の断絶”…六車の登場が復讐劇を変えた夜

草彅剛さん主演のドラマ『嘘の戦争』6話が終了しました。

2000万円の数字が、人の心を測る“秤”になる。

第7話の『嘘の戦争』は、金額でも策略でもなく、信頼を壊すための設計図として物語を展開させた。浩一が仕掛けた偽装メール、晃の失策、隆の冷徹な見立て。

三者の思惑が絡み合う中、六車という“暴力の言語”がついに盤面に置かれる。復讐の物語が、理性のゲームから命の匂いへと転じる夜。

それは、二科家という家族の最深部に潜む“罪の構造”が露わになる瞬間だった。

2017年2月21日(火)夜9時スタートの新ドラマ「嘘の戦争」7話のあらすじ(ネタバレ)と感想を紹介していきます。

※以後ネタバレ注意

目次

ドラマ「嘘の戦争」7話のあらすじ&ネタバレ

ドラマ「嘘の戦争」7話のあらすじ&ネタバレ

第7話は、「家族=二科家」という最奥へ、復讐の矢を折り返す回。

標的は首謀者・興三の長男にして、“善良すぎる無能”と評されてきた二科晃(安田顕)。

さらに30年前の実行部隊と目される六車了司(神保悟志)がついに姿を現し、物語は情報戦から実力行使の気配へと緊張を高めていく。冒頭から終盤までを、罠の「配置」と人物の「揺れ」に沿って整理します。

導入──興三の蘇生と六車の始動

工場跡地で発作を起こした二科興三(市村正親)は、浩一(草彅剛)の心臓マッサージで一命を取り留める。

病院に駆けつけた隆(藤木直人)は「お前がやったのか」と浩一を疑うが、医師の説明で浩一が命の恩人だと確認。その直後、興三の“影の執行人”である六車了司が隆の前に現れる。

「監視に留めよ」という隆の指示に対し、「命令できるのは会長だけだ」と不穏に返答。

復讐の盤面に、暴力という新たな言語が置かれた瞬間だった。

仕掛け①──晃を狙う罠、“2000万円”で信用を崩す

浩一は、晃が進める工場改修案件に“コンサル”として接近。

施工業者とのメール転送や偽アドレスを使って連絡経路をすり替える。晃は隆から前金2000万円を引き出し、指定口座に振り込むが、当日になって担当者は現れず、口座も存在しない。

2000万円はすでに引き出され、損失が確定。

失意の晃の前で、隆は「会社に損害を与えた」として解雇を通告する。信頼を軸に仕掛けられた罠が、晃の足元を静かに崩していった。

屋上の兄弟──粉飾決算と家族の断層

解雇直後、隆は晃を屋上に呼び出す。

「会社は粉飾決算で延命している」「2000万の損失でも致命傷だ」と告げ、さらに「社長をやりたいわけではない。兄さんがダメだからやっている」とまで言い切る。

統治の理屈と家族の情が正面から衝突する、痛切な対話の場面だった。

仕掛け②──見放す言葉と、泣き落ちの夜

会社を去る晃に、浩一は「僕はもう力になれない」と突き放す。

晃が「君にまで見捨てられたら」とすがる背に、浩一は「地獄に落ちろ」と告げる。復讐者の冷酷な一言が、晃の心を完全に折る。

夜、ふらつく晃は街中でトラブルに遭い、殴られる。

その場にいた“ニューハーフ”姿のハルカ(水原希子)が彼を手当てし、晃は酔った勢いで粉飾決算の事実を漏らす。

二科家の致命的な秘密が、ここで外部へと流出した。

カウンター①──隆の逆手の一手、「ここからは騙し合いだ」

隆は、最初から2000万円を“餌金”と見立てていた。
晃のPCに仕込まれたウイルス感染を逆手に取り、「感染源は浩一のデータ」と突き止める。
さらに、一度は晃を切ることで浩一に勝利した錯覚を与え、「ここからは一ノ瀬との騙し合いだ」と七尾に宣言。
受け入れて監視する統治の構えで、隆は静かに反撃の牙を研ぐ。


仕掛け③──六車に“聴かせる”罠、録音の在処とガス

浩一は事務所が盗聴されている前提で、「録音データはゴミ箱の下」とわざと漏らす。

侵入してきた六車がゴミ箱を漁った瞬間、麻酔ガスが噴出。

浩一はそのまま六車を確保し、30年前の真実を聞き出そうとする。

一方ハルカは「六車は危険。録音をネットに上げてタイへ戻ろう」と涙ながらに説得し、「好きだから、死ぬところなんて見たくない」と告白する。

しかしその頃、六車はすでに事務所へ侵入しており、監視カメラ越しに浩一を凝視する。無音の凝視が、次の惨劇を予感させる不穏なラストとなった。

ドラマ「嘘の戦争」7話を見た後の感想&考察

ドラマ「嘘の戦争」7話を見た後の感想&考察

第7話は、“設計された嘘”と“むき出しの暴力”が交差する前夜。

物語は(1)晃の破綻で家族の亀裂を露わにし、(2)隆の統治戦略で頭脳戦の成熟を見せ、(3)六車の登場で復讐劇を第二段階へと押し上げた。

それぞれの論点に沿って掘り下げます。

2000万円は“金額”ではなく“秤”──信頼を量る実験

「2000万円」は晃の能力と自律を測るための“秤”だった。

浩一は、快(期待)→作業(メール)→確認(入金)という平常の手順の中で、晃自身に“自ら踏ませるミス”を仕込む。
一方の隆は、同じ2000万を“信用崩壊の証拠”として使い、感染源=浩一の線を確定させる。同額を「信頼の崩し」と「犯人特定」という二重の秤に使い分ける構図が抜群に精緻だった。

晃の人間像──善良さが最短距離で罠に落ちる

晃は誠実で情にもろい。

「決めたのは俺だ」と虚勢を張り、成果を焦って手順を省く。浩一に「僕はもう力になれない」と告げられた瞬間の崩れ方は痛烈だった。

悪ではなく、弱さゆえに落ちる。

彼の破綻は、視聴者に“同情と罪悪感”を同時に喚起させる。

ハルカに粉飾を漏らしてしまう“泣き落ち”の夜は、善良さが情報漏えいへ転化する象徴だった。

隆の統治力──「受け入れて見極める」という最強のカウンター

隆は排除よりも観察を選ぶ。

2000万を投資として計算し、ウイルスの経路を冷静に追い、「ここからは騙し合いだ」と覚悟を決める。即時の勝利ではなく、長期の優位を目指す企業的な理性。

この冷徹な統治こそが、浩一にとって最も厄介な敵の形であると再確認させられた。

「六車」という暴力の言語──情報戦から力量戦へ

これまでの敵は記録(テープ)や手続(融資・入札)に弱点を持つ相手だった。

だが六車は、暴力そのものを第一言語とする男。

盗聴→侵入→確保という浩一の罠は、“理で殴る”復讐の最終形だった。しかし六車がカメラを通して見せた無言の眼差しは、理屈を超えた“命の匂い”を漂わせ、ドラマの温度を一段上げた。

ハルカの告白──“仕事の倫理”と“ケアの倫理”の衝突

「好きだから、死ぬところなんて見たくない」。

ハルカの告白は、復讐という仕事の論理と、目の前の命を守るケアの倫理を正面からぶつけた。録音を公開して逃げるという安全策を提案する彼女に対し、浩一は“より深い地獄”を見せるために残る。

勝ち筋と命のリスクの天秤が、ここからさらに揺れていく。

興三を“生かした”意味──赦しではなく、証言を引き出すため

第6話で浩一が興三を蘇生させた行為は、単なる情ではない。

7話ではその選択の効果がじわじわと効き始め、興三の恐怖と隆の警戒が最大化する。

“早い決着”を拒む倫理は、“より重い決着”を望む戦略と同義。謝罪と懺悔を本人の口から引き出すことこそ、復讐譚の人間的な帰着点である。

構造から家族へ──主題座標の縮小と濃度の増加

第2~5話で描かれた警察・政治・銀行という“構造の悪”を剥いだ物語は、第7話で再び二科家の内部(晃)へ矢を戻す。

「会社を守る」から「家を守る」へ——動機が縮小するほど罪の濃度は上がる。

粉飾の真実を“家族の会話”で描いた屋上シーンは、シリーズの主題転換点として鮮烈だった。

次回への見どころ──“理の罠”は“力の男”に通用するか

ゴミ箱=麻酔ガスという理の罠に対し、六車はカメラ越しに即座に反応する“現場の勘”を見せた。

情報優位 vs. 身体優位の衝突は、復讐劇の王道クライマックスの序章。

隆の長期戦略、六車の即時排除、ハルカの安全策——この三つ巴の中で、浩一の“最後まで嘘をつき通す”作法がどこまで貫けるのか。次回、第8話の最大の焦点となる。

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今回のドラマには草なぎ剛さんを初めとした豪華キャスト陣が登場します。合わせて以下記事も参照してくださいね。

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