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ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」第12話のネタバレ&感想考察。ミル生命の女性差別と会社側勝訴の結末

ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」第12話のネタバレ&感想考察。ミル生命の女性差別と会社側勝訴の結末

ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』第12話「ヨウスコウカワイルカ」は、女性社員へ退職を迫った保険会社をハンバダが弁護し、ヨンウが組織の利益と自分の正義感の間で揺れる回です。

ミル生命は、社内結婚をしている夫婦のうち一人へ希望退職を求める制度を用意しました。文面上は男女どちらも対象に見えますが、実際には夫の無給休職をほのめかすことで、妻の側が仕事を辞めるよう誘導されていきます。

会社側の弁護士として裁判に勝つことを求められるヨンウに対し、原告側のリュ・ジェスクは、敗訴の可能性が高くても女性社員たちの隣に立ち続けます。二人の姿勢の違いは、弁護士の仕事が依頼人を勝たせることだけなのかという問いを、これまで以上に鋭く浮かび上がらせました。

さらに、ミヌによる妨害、ジュノとの関係認識のずれ、ミョンソクの体調異変も同時に進みます。この記事では、ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』第12話のあらすじ&ネタバレ、伏線、感想と考察について詳しく紹介します。

目次

ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』第12話のあらすじ&ネタバレ

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 12話 あらすじ画像

第11話でヨンウは、宝くじ当選金をめぐる事件を担当し、守秘義務と自分の良心が衝突する苦しさを経験しました。依頼人の権利を守ることが、必ずしも家族の幸福や社会的な正しさへつながらない現実を、改めて突きつけられています。

一方、ミヌはヨンウとテ・スミの関係へ近づき、ヨンウをハンバダから辞めさせることを、自分がテサンへ移るための取引材料にしようとしていました。第12話では、その妨害が実際の事件資料へ及び、ヨンウは相手側の弁護士より同じ職場の同僚から危険にさらされます。

第12話でヨンウが直面するのは、法廷で勝つために正しい仕事をするほど、自分が支持したい人々を傷つけてしまうという企業弁護士の矛盾です。

妻だけに退職を求めたミル生命

今回の事件は、大手保険会社ミル生命の人員削減から始まります。会社は社内結婚をしている夫婦を生活が比較的安定している世帯と判断しますが、実際の退職勧奨は妻である女性社員へ集中していました。

キム・ヒョンジョンへ向けられた「家庭を守る妻」という圧力

ミル生命は別の保険会社による買収を控え、大規模な人員削減を進めていました。人事部長ムン・ジョンチョルは、社内結婚をしているキム・ヒョンジョンを呼び出し、夫婦のうち一人が希望退職するよう求めます。

制度の文面では、夫婦のどちらが退職してもよいことになっていました。しかしムン部長は、ヒョンジョンが退職しなければ夫を無給休職の対象にすると告げ、家庭では夫の仕事を支えるべきだという価値観まで持ち出します。

ヒョンジョンは長く会社へ尽くし、管理職としてキャリアを積んできました。それでも会社は、一人の社員としての実績ではなく、妻という家庭内の役割を理由に退職を迫ったのです。

会社が示したのは強制的な解雇命令ではありません。本人が署名する希望退職という形を取ることで、会社側はあくまで自由な意思による退職だったと説明できる仕組みになっていました。

夫を人質にして妻へ選択させる仕組み

ミル生命の制度だけを読めば、女性社員だけを対象にしたものには見えません。夫婦の一方が希望退職へ応じなければ、夫の方が無給休職になるため、形式上は男性側にも不利益が用意されています。

しかし、夫が働き、妻が家庭を支えるべきだという社会的な価値観が強い環境では、夫を無給休職へ追い込む選択を妻が取りにくくなります。妻が仕事を続けることによって夫のキャリアを傷つけたと家族や周囲から見られる可能性もありました。

会社は直接「女性は辞めるべきだ」と書面に記載しなくても、既存の性別役割を利用することで、女性社員が自分から辞職する方向へ誘導できます。結果として、希望退職へ応じた社員は女性へ大きく偏りました。

自由な選択に見える退職届の背後には、夫の仕事と家庭の安定を失わせるという圧力が置かれていました。

訴えを起こしたヒョンジョンとイ・ジヨン

多くの女性社員が希望退職へ応じる中、キム・ヒョンジョンとイ・ジヨンは会社の方針を受け入れませんでした。二人は、社内夫婦を対象にしたように見せながら、実際には妻の側へ退職を迫った制度は女性差別だと訴えます。

夫婦で同じ会社へ勤めている以上、会社との対立は本人だけの問題ではありません。妻が訴訟を起こせば、現在も在職する夫の立場や評価へ影響する不安もあります。

そのため、不満を抱いた女性社員全員が原告になれるわけではありませんでした。二人が訴訟へ踏み切ったことは、失った職を取り戻すためだけでなく、同じ方法による女性社員の排除を繰り返させないための行動でもあります。

逆恨みされるかもしれないミョンソクの恐怖

ミル生命事件の依頼が持ち込まれる一方、ミョンソクは過去に担当した刑事事件をめぐる不安を抱えていました。以前、ミョンソクたちが弁護した人物が出所後に担当弁護士を襲い、そのまま逃走していると知らされたためです。

ミョンソクは依頼人の刑を軽くするために全力を尽くしたにもかかわらず、その結果を逆恨みされていました。弁護士が職務を果たしたからといって、依頼人から感謝されるとは限りません。

普段は落ち着いているミョンソクも、エレベーターや廊下で見知らぬ人物に遭遇するたび、襲撃者ではないかと警戒します。それでも事件を休まず、部下たちを率いてミル生命の裁判へ向かっていました。

会社側弁護士になったヨンウの葛藤

ミル生命は、希望退職が適法に行われたことを主張するため、ハンバダへ弁護を依頼します。ヨンウは会社側の論理を理解しながらも、制度が女性へ偏った結果を生んだ事実を見過ごせません。

ムン人事部長が説明した希望退職の条件

ハンバダの会議室で、ムン人事部長は人員削減の必要性を説明します。希望退職へ応じた社員には割増退職金が支給され、その後に契約社員として働ける機会も用意されていました。

会社側から見れば、一方的な解雇ではなく、通常より有利な条件を提示した合意退職です。社内夫婦を対象にしたのも、一世帯から二人の収入がある家庭は、ほかの社員より生活が安定していると判断したためだと説明します。

ヨンウは、妻が辞めなければ夫が無給休職になるなら、形式上は夫の方が不利益を受ける制度ではないかと疑問を口にします。するとスヨンは、家父長的な価値観が残る環境では、夫を無給休職へ追い込んだ妻として批判されるのは女性の方だと指摘しました。

制度の文面だけでは見えない社会的な圧力を理解したヨンウは、ミル生命の方針が中立な仕組みとは言い切れないと感じ始めます。

優秀な社員だった原告二人を問題社員にはできない

ミョンソクは、ヒョンジョンとジヨンの勤務態度に問題がなかったかをムン部長へ確認します。業務上の問題があれば、退職勧奨には性別以外の合理的な理由があったと主張できるからです。

しかしムン部長は、二人ともよく働いていた社員だったと認めます。女性社員として能力が低かったから対象になったのではなく、社内結婚をしていたことと、妻であることが大きく影響していました。

依頼人である会社へ有利な事実を探すはずの面談で、ヨンウはむしろ原告側の主張へ近づいていきます。それでも、事件を引き受けた以上、ハンバダは会社の権利と損失を守らなければなりません。

リュ・ジェスクを「勝率が低い弁護士」と見るハンバダ

原告側を担当するのは、女性、労働、人権に関する事件を多く引き受けてきたリュ・ジェスクです。ミヌは、リュが勝つ可能性の低い事件ばかり担当しているため、裁判上の勝率は高くないと説明します。

大手法律事務所の基準では、勝訴数や企業からの信頼、売上が弁護士の価値として評価されます。その基準だけを使えば、敗訴の多いリュは優秀な弁護士には見えません。

しかしリュが扱ってきたのは、資金や組織力で相手へ劣る労働者側の事件です。最初から不利な立場にいる人々の訴訟を引き受け続けている以上、勝率だけでは彼女の力や仕事の意味を測れません。

裁判所の外で抗議するリュ・ジェスク

最初の手続の日、リュは原告の女性たちと同じ服装で裁判所前に立ち、ミル生命の退職勧奨へ抗議していました。弁護士が法廷内の主張だけでなく、依頼人とともに声を上げる姿に、ハンバダ側は戸惑います。

担当裁判官が同じ本貫を持つと分かると、リュはその関係へ迎合するだけではなく、性別への先入観を持たず事件を見るよう釘を刺しました。理想を語るだけの人物ではなく、相手の価値観や法廷の空気も利用できるしたたかさを持っています。

ヨンウは、勝率や事務所の規模では説明できないリュの存在へ興味を持ち始めます。自分とは異なる場所から、法律を使っている弁護士がいると知ったためです。

リュ・ジェスクが示した別の弁護士像

法廷では、会社が女性を狙って退職させたのか、それとも適法な希望退職を行っただけなのかが争われます。リュは制度の文面ではなく、面談で使われた言葉と、退職者が女性へ偏った現実を前面に出しました。

ムン人事部長が性差別的な発言を個人的な失言とする

リュはムン人事部長へ、ヒョンジョンとの面談で、妻は夫を支えるべきだという趣旨の発言をしたか尋ねます。ムン部長は発言そのものを否定せず、あくまで自分の個人的な考えであり、会社の方針ではないと説明しました。

この答えによってミル生命は、制度自体は男女へ平等に設計されていたが、担当者が面談中に不適切な言葉を使っただけだと主張できます。会社全体の差別ではなく、一人の人事担当者による失言へ問題を縮小したのです。

リュは、女性社員にだけ同じような言葉が向けられていたことを示そうとします。しかし、面談内容を記録した録音などはなく、ムン部長個人の言動と会社の意図を結びつけることは容易ではありませんでした。

会社側の証人チェ代理へ向けられた疑い

ハンバダ側は、社内夫婦のうち夫が希望退職した女性社員のチェ代理を証人として呼びます。チェ代理は、会社の方針を女性差別だとは感じておらず、退職金や契約社員として働ける条件の方を重視していたと証言しました。

チェ代理の家庭では夫の方が退職しているため、ミル生命は妻だけに退職を迫っていたわけではないという反証になります。形式上の制度が男女双方へ適用されたことを示す重要な証言です。

しかしリュは、チェ代理の夫が重い病気の治療を受け、その際に会社から長期の有給休暇を認められていたことを指摘します。会社から大きな配慮を受けたチェ代理が、その恩を感じて会社へ有利な証言をしている可能性を示したのです。

原告女性たちが会社側証人を責めなかった理由

法廷を出たチェ代理は、ヒョンジョンとジヨンへ会います。自分が会社側の証人となり、二人に不利な証言をしたため、責められることを覚悟しているように見えました。

ところが二人は、チェ代理の夫の手術が成功したかを心配し、会社の要求へ応じた彼女を責めません。夫の治療や自分の雇用を守るため、会社の証人になるしかなかった事情を理解していたからです。

チェ代理は二人の優しさに触れ、涙を流します。原告と会社側証人という立場に分けられても、三人が同じ会社で働き、同じ制度に揺さぶられた女性であることは変わりません。

この再会は、後にチェ代理が会社の内部資料を原告側へ渡す行動へつながっていきます。リュが彼女を攻撃して証言を崩したのではなく、原告女性たちの連帯が、本人の良心を動かしました。

イ・ジヨンのかばんから見つかった不妊治療の手掛かり

原告側から差し入れを受け取ったヨンウは、ジヨンのかばんに付いていたマークを記憶します。帰り道、同じマークが描かれたタクシーの広告を見つけ、ジュノへ車を追うよう頼みました。

広告は、不妊治療を扱う女性病院のものでした。ヨンウは、ジヨンが退職前に早退や休暇を取ることが多かった理由が、不妊治療だった可能性へ気づきます。

会社側にとっては、ジヨンが妊娠準備のため自分から仕事を辞めたいと考えていたと主張できる材料です。一方、本人にとっては、非常に個人的な医療情報を公の法廷で取り上げられることになります。

ヨンウは事件に有利な発見をしたにもかかわらず、素直に喜べませんでした。女性社員への差別を否定するため、別の女性の妊娠と身体に関する事情を利用しなければならないからです。

ハンバダの意見書とヨンウの良心

ミヌは、ヨンウの葛藤を深めるため、ハンバダが以前ミル生命へ作成した意見書を渡します。そこには、性差別と判断されにくい形で女性社員の退職を進めるための助言が記されていました。

ミヌが見せたハンバダの事前助言

ミヌはヨンウの執務室を訪れ、今回の人員削減方針が突然作られたものではなく、ハンバダの法的助言を受けて整えられていたことを明かします。

会社が女性だけを退職対象にすれば、性差別と判断される危険があります。そこで、社内夫婦の一方を対象にし、妻が退職しなければ夫へ無給休職を命じる形にすることで、表面上は男女を区別しない制度にしていました。

ミヌは、ヨンウが会社の方針へ疑問を持っていると知っています。ハンバダ自身が制度設計へ関わっていたと知らせれば、ヨンウが事件方針へ反発し、組織内で問題を起こすと考えたのです。

表面上は資料を共有する同僚の行動ですが、目的はヨンウを助けることではありません。スミとの取引を実現するため、ヨンウが自分からハンバダを辞める状況を作ろうとしていました。

依頼人を守るのが弁護士だと説くミョンソク

ヨンウは意見書を持ってミョンソクのもとへ行き、ハンバダが女性社員の退職を進める方法を会社へ教えたのかと尋ねます。さらに、ジヨンの不妊治療を法廷で取り上げることにも抵抗を示しました。

ミョンソクは、法律事務所が依頼人へ適法な方法を助言することは業務の一つだと答えます。弁護士の仕事は、依頼人の権利を守り、損失を最小限に抑えることであり、どちらの側が社会的に正しいかを決めることではないという考えです。

ヨンウは、弁護士が社会をよくすることへ貢献できないとしても、悪くする方へ力を貸してよいのか疑問を抱きます。しかしミョンソクは、事件を受任した以上、個人の価値観より依頼人への責任を優先するよう強く求めました。

ミョンソクの言葉は企業弁護士として正しい一方、ヨンウには自分の専門知識が差別を成立させる道具になっているように聞こえました。

イルカの解放運動でジュノへ悩みを話す

休日、ヨンウとジュノは水族館の前で、イルカを海へ戻すよう求める活動に参加します。ジュノはヨンウの関心に合わせ、イルカをかたどった物を身につけながら一緒に声を上げました。

ヨンウは、ミル生命事件とハンバダの関わりについてジュノへ話します。会社の方針へ疑問があっても、弁護士として依頼人を守らなければならない状況を、どう受け止めればよいか分からないと打ち明けました。

ジュノは、同じ葛藤を抱えた弁護士をこれまでにも見てきたと話します。組織の論理を受け入れた人もいれば、悩み続けた末に大手法律事務所を去った人もいました。

ジュノはどちらを選ぶべきか答えを与えず、ヨンウが自分で決めるまで支える姿勢を示します。恋人として解決するのではなく、ヨンウ自身の職業上の選択を尊重しました。

不妊治療を使って原告を追い詰めるヨンウ

次の法廷で、ヨンウはイ・ジヨンへ不妊治療について質問します。退職前から治療のために早退や休暇を取っていたなら、希望退職は会社の圧力によるものではなく、治療へ専念するため本人にも都合のよい選択だったのではないかと主張しました。

ジヨンは、妊娠したとしても仕事を続けるつもりだったと反論します。子どもを望んでいたことと、キャリアを手放したかったことは同じではありません。

ヨンウは質問を続けながら、自分の言葉がジヨンの身体と人生を、会社の防御材料へ変えていることを理解しています。それでも会社側代理人として、依頼人に有利な可能性を法廷へ示さなければなりません。

事件に勝つための有効な尋問であるほど、ヨンウの表情には迷いが残ります。仕事を正確に遂行することと、自分が正しいと思うことが完全に分かれてしまった瞬間でした。

ミヌがヨンウの名を使って仕掛けた罠

ヨンウが会社側の仕事へ疑問を深める中、ミヌはハンバダの意見書を原告側へ送ります。しかもヨンウの名刺を同封し、ヨンウ自身が内部資料を漏らしたように見せかけました。

リュ・ジェスクが示した「人を守る弁護士」

法廷後、リュはヨンウへ、自分とは異なる側に立つ理由を尋ねます。ヨンウは、弁護士は依頼人の格好よさを選ぶのではなく、受任した依頼人を守るものだと、ミョンソクから教えられた考えを説明しました。

リュは、弁護士も一人の人間であり、誰の隣に座るのかを完全に仕事だけの問題にはできないと伝えます。依頼人へ、あなたは間違っていないと伝え、手を握ることも弁護士の役割だという考えです。

リュは会社側のヨンウを責めるのではなく、どのような弁護士になりたいのかを自分で考えるよう促します。ヨンウは、ミョンソクとは異なる弁護士像が存在することを初めて強く意識しました。

ミヌが執務室から意見書を持ち出す

ミヌは、ヨンウとリュが話している様子を見ます。ヨンウが原告側の弁護士へ敬意を抱いていると分かり、その関係を利用すれば、内部資料を漏らした疑いをヨンウへ向けやすいと考えました。

夜、ミヌはヨンウの執務室へ入り、ハンバダがミル生命へ提出した意見書を封筒へ入れます。さらにヨンウの名刺を同封し、リュ・ジェスクの事務所へ送付しました。

リュがその意見書を証拠として法廷へ提出すれば、ミル生命とハンバダは、ヨンウが守秘義務や組織上の規則を破ったと疑うはずです。ヨンウを自発的に辞職させるか、解雇へ追い込むための偽装でした。

ミヌは情報隠しや匿名投稿よりさらに踏み込み、ヨンウがしていない行為を、本人の名を使って実行します。職場の競争は、成果を争う範囲から、相手の職業生命を壊す妨害へ変わりました。

ヨンウとジュノの「付き合っている」の認識がずれる

グァンホは、家の前でヨンウとジュノがキスしている姿を目撃したため、二人は交際しているのかと娘へ尋ねます。ヨンウは、交際すると明確に確認していないため、まだ付き合ってはいないと答えました。

ヨンウにとって、キスや複数回のデートがあっても、関係の名称を互いに合意していなければ、恋人とは断定できません。一方のジュノは、イルカの活動、漢江での清掃、キンパ店巡りなどを一緒に行ってきた時点で、二人は交際していると考えていました。

ジュノは、自分にとって楽しいとは限らない活動にも参加してきたのは、ヨンウを好きだからだと説明します。それでもヨンウから交際相手ではないと言われたことで、理解者であるだけでは満たされない寂しさを初めてはっきり表しました。

ジュノの寂しさはわがままではなく、関係の当事者として、自分たちが何者なのかを一緒に決めたいという願いでした。

リュが提出したのはミヌの資料ではなかった

次の法廷で、リュはミル生命が女性社員の退職を計画的に進めていたことを示す新証拠を提出します。ミヌは、自分が送った意見書が使われ、ヨンウへ疑いが向けられると期待しました。

ところがリュが示したのは、ハンバダの意見書ではなく、ムン人事部長の業務手帳です。手帳には、上司から夫へ不利益を与えると告げて妻を退職へ誘導するよう指示された内容が記録されていました。

会社側証人だったチェ代理が、原告女性たちの優しさに触れ、匿名で手帳を提供していたのです。会社から配慮を受けた立場でも、女性社員を狙った方針が正しかったとは思えず、最後には自分の良心を選びました。

差別が見えても法廷では勝てない

ムン人事部長の手帳によって、ミル生命が夫への不利益を使い、妻の退職を誘導しようとしていた事実が見えてきます。それでも裁判所は、女性差別を理由とする原告二人の請求を認めませんでした。

内部手帳で会社の意図が明らかになる

ムン部長はこれまで、妻は家庭で夫を支えるべきだという発言は、自分個人の考えにすぎないと説明していました。会社の制度は男女を区別しておらず、自分の失言と会社方針は別だという防御です。

しかし業務手帳には、上司とのやり取りが記録され、夫を無給休職の対象にすると伝えることで妻を退職させる案が、事前に共有されていたと分かります。女性へ退職を促す言葉は、現場担当者の偶発的な失言だけではありませんでした。

法廷の外では、女性団体や元社員による抗議も広がります。会社が男女平等の制度を装いながら、社会の性別役割を利用して女性を減らしたという見方が、世論では強くなっていきました。

裁判所が会社側の主張を認めた理由

それでも裁判所は、社内夫婦の一方を人員削減の対象とすること自体には、経済的な合理性があると判断します。制度上は妻だけを対象にしておらず、実際に夫が退職した夫婦も存在していました。

さらに、原告二人は会社から一方的に解雇されたのではなく、割増退職金などの条件を確認したうえで希望退職へ署名しています。強い圧力があったとしても、本人による退職の形式が残っていました。

退職者が女性へ大きく偏った結果や、面談で使われた性差別的な言葉は認められても、それだけで制度全体が女性だけを狙った違法なものだったと立証するには足りないと判断されたのです。

社会の中では差別として見える構造も、法廷では明確な制度上の区別と証拠へ変えられなければ、違法と認められないことがあります。

会社側の勝訴を喜べないヨンウ

判決は原告二人の請求を退け、ミル生命とハンバダが勝つ形になります。ヨンウは会社側代理人として職務を果たし、不妊治療の事情まで使って依頼人へ有利な主張を組み立てました。

しかし勝訴した瞬間、ヨンウに達成感はありません。女性社員を退職へ追い込んだ意図が見えているのに、制度上の形式を守った会社が勝ったからです。

第5話では、依頼人の嘘へ気づきながら勝利を助けたことを後悔しました。第12話では事実を隠していなくても、自分の専門知識を正確に使うことで、差別的な結果を残す会社の勝利へ貢献しています。

弁護士として誤った行為をしたわけではないからこそ、何を変えればよかったのか分からず、ヨンウの葛藤はより深くなりました。

ムン人事部長も会社に切り捨てられる

勝訴後、ミョンソクはムン人事部長の暗い表情へ気づきます。ムン部長にとって判決は会社の勝利であっても、自分の地位を守る勝利ではありませんでした。

買収後のミル生命では、新しい経営陣が自分たちの人材を人事部長へ置こうとしており、今回の混乱を理由にムン部長も退職させられる可能性があります。女性社員の退職を進めた人物自身が、会社の都合によって不要な人材として扱われようとしていました。

ムン部長は、多くの社員を辞めさせた以上、自分だけ無傷ではいられないと受け止めます。ただし、彼が失う立場と、女性社員たちが性別役割によって失ったキャリアが同じになるわけではありません。

会社の方針へ従った管理職も最後には切り捨てられる姿からは、企業の人員削減が誰か一人の悪意だけで動いているのではなく、組織が人を交換可能な資源として扱う構造が見えてきます。

敗訴後に残った連帯と次の亀裂

法廷ではミル生命が勝ちましたが、リュと原告女性たちは戦いを終えません。敗訴を受け止めながら、控訴と活動を続ける姿を見たヨンウは、勝敗とは異なる弁護士の価値へ心を動かされます。

敗訴を美化せず次の裁判へ進む女性たち

判決後、リュ、ヒョンジョン、ジヨンは裁判所の外で支援者たちに囲まれます。三人は負けた事実をなかったことにはせず、雇用の安定と平等を求めて、今後も争いを続ける意思を示しました。

原告二人には、職を失った現実が残っています。世論から支持されたとしても、収入やキャリアが直ちに戻るわけではなく、次の裁判にも時間と費用が必要です。

それでも二人は、会社に反対した自分たちの選択を後悔せず、リュと手を取り合います。裁判で負けても、同じ問題を抱える人々へ、声を上げた記録を残すことはできます。

ヨンウは勝った側に立ちながら、原告側へ集まる人々の表情を見つめます。法廷の勝者と、社会から支持される側が一致していないことを、目の前の光景から理解していました。

リュがミヌの資料を使わなかった理由

後日、ヨンウとスヨンはリュの事務所で開かれる集まりへ招かれます。そこでリュは、匿名で送られてきたハンバダの意見書をヨンウへ返しました。

封筒にはヨンウの名刺が入っていましたが、リュはヨンウ本人が内部資料を漏らしたとは考えていませんでした。資料を証拠として使えば、ヨンウがハンバダで重大な責任を問われると分かっていたため、裁判では使用しなかったのです。

リュにとって意見書は、原告側へ非常に有利な証拠でした。それでも相手側の若い弁護士を陥れる形で勝つことを選ばず、別の証拠で会社の意図を示そうとします。

敵対するリュがヨンウを守り、同じ職場のミヌがヨンウを陥れたことで、倫理は所属ではなく個人の選択に宿ることが示されました。

ヨウスコウカワイルカに重なるリュ・ジェスク

屋上の集まりでは、リュと原告女性たちが食事をし、詩を読み、敗訴後とは思えない穏やかな時間を過ごします。リュは裁判だけへ人生のすべてを差し出すのではなく、依頼人たちと同じ生活者として笑い合っていました。

ヨンウは、リュをヨウスコウカワイルカのような弁護士だと表現します。すでに絶滅したとされる希少なイルカのように、大手法律事務所ではほとんど見かけない存在だと感じたためです。

それはリュを完全な正義の弁護士として神格化した言葉ではありません。リュも法廷の駆け引きを使い、相手の弱点を突き、結果として裁判には負けています。

それでも、依頼人と敗訴を引き受け、相手側の若い弁護士まで守ろうとする姿勢は、ヨンウがこれまでハンバダで見てきた弁護士像とは明らかに異なりました。ヨンウは、リュのような弁護士が消えずに残ってほしいと願います。

交際の曖昧さとミョンソクの吐血

仕事では別の弁護士像に出会ったヨンウですが、私生活ではジュノとの関係をどう呼ぶのか決められずにいます。ジュノは、好きだから一緒に活動し、デートを重ね、キスもしたのに、まだ交際相手ではないと言われたことへ寂しさを伝えました。

ヨンウはジュノを嫌っているのではありません。明確な合意がない状態を交際と呼ぶことができず、行動の文脈から関係を判断するジュノとの間に認識のずれが生まれています。

一方、ミョンソクは自分を襲うかもしれないと恐れていた人物が逮捕されたと知らされ、ようやく安心します。ところが緊張がほどけた直後、激しくせき込み、手には血が残りました。

ハンバダが法廷で勝つ一方、その勝利を率いたミョンソクの身体には、長年仕事を優先してきた代償を思わせる異変が現れます。女性社員の生活、ジュノの寂しさ、ミョンソクの健康が不安として残る中、第12話は終わりました。

ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』第12話の伏線

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 12話 伏線画像

第12話ではミル生命事件が第一審の判決を迎えますが、人物の問題はほとんど解決していません。リュの弁護士像、ミヌの妨害、ジュノとの関係のずれ、ミョンソクの体調異変が、ヨンウの今後の選択へ影響しそうな伏線として残されました。

ヨウスコウカワイルカが示す消えかけた弁護士像

ヨンウがリュをヨウスコウカワイルカに重ねたのは、珍しい人物だからというだけではありません。組織の利益より、自分が正しいと考える依頼人の隣へ座り続ける弁護士が、社会の中で生き残りにくいことまで含んだ比喩に見えます。

勝率だけでは測れないリュ・ジェスクの価値

ハンバダでは、裁判に勝つこと、企業から依頼を得ること、組織へ利益をもたらすことが弁護士の重要な評価になります。その基準では、敗訴の多いリュは成功した弁護士とは言いにくい存在です。

しかしリュが担当するのは、労働者や女性など、最初から資金力と情報量で不利な側の事件です。勝てる案件だけを選べば、彼女の勝率は上がりますが、助けを必要とする人は弁護士を失います。

ヨンウが残ってほしいと願ったのは、敗訴しても平気な弁護士ではありません。負けた依頼人と同じ場所へ立ち、敗訴による生活上の損失も一緒に引き受けようとする弁護士です。

ヨンウはリュと同じになる必要はない

リュの姿に心を動かされたからといって、ヨンウがすぐハンバダを辞め、労働者側の弁護士になるとは限りません。企業側の弁護士にも、依頼人の権利を守り、複雑な事業を支える役割があります。

重要なのは、ミョンソクの弁護士像だけを唯一の正解としなくなったことです。依頼人の利益を最優先する弁護士と、誰の隣に座るかを自分で選ぶ弁護士の両方を見たことで、ヨンウは自分の答えを探せるようになります。

ヨウスコウカワイルカのイメージは、リュへの憧れであると同時に、ヨンウがどのような弁護士として生きるかを考え始めた合図と受け取れます。

ミヌの罠とリュが使わなかった意見書

ミヌはヨンウの名前を使い、内部資料を原告側へ送付しました。しかしリュは、その資料を勝訴の道具にせず、ヨンウへ返します。

この対照は、法律家としての倫理が職場や陣営だけでは決まらないことを示しました。

ミヌの競争が虚偽の工作へ変わった

これまでのミヌは、事件情報を共有しない、匿名で採用を批判するなど、ヨンウを競争相手として妨害してきました。第12話では本人の名刺を利用し、していない情報漏えいをヨンウの行為へ見せかけます。

ミヌには、契約更新や将来への焦りがあり、ヨンウだけが特別扱いを受けているという不公平感もあります。しかし、自分が生き残るために他人へ虚偽の責任を負わせれば、組織の不公平を批判する立場も失われます。

妨害が発覚した場合、ヨンウとの関係だけでなく、ハンバダで働く弁護士としてのミヌ自身の信用にも影響する可能性があります。それでも実行した点に、追い詰められた焦りと越えてしまった一線が表れていました。

有利な証拠を使わなかったリュの判断

ハンバダの意見書を提出すれば、ミル生命が最初から女性社員の退職を狙って制度を設計していたと、より直接的に主張できた可能性があります。リュにとっては、原告を勝たせるために使いたい資料です。

それでもリュは、証拠の入手経緯によってヨンウが職場を失う危険を考え、使用しませんでした。依頼人へ尽くすことと、無関係な若手弁護士を犠牲にすることを分けています。

結果として原告側は敗訴しました。資料を使わなかった選択が正しかったと、勝敗だけから証明することはできません。

しかしリュは、勝つためなら誰かを陥れてよいという方法を拒否しました。その姿が、勝訴より深くヨンウの記憶へ残ったと考えられます。

ジュノが感じた寂しさと関係の定義

ヨンウとジュノは互いに好意を伝え、身体的な距離も縮めています。しかしヨンウは、交際すると明確に合意していないため、二人はまだ恋人ではないと考えました。

ヨンウの答えはジュノへの拒絶ではない

ヨンウにとって、行動から暗黙の意味を読み取り、関係を自動的に定義することは簡単ではありません。デートやキスをしていても、交際を始めるという会話がなければ、恋人だと断定できないのです。

そのためグァンホへ交際相手はいないと答えたことは、ジュノへの愛情がないという意味ではありません。自分が確認できる事実をそのまま答えただけです。

一方で、ジュノがその説明によって傷ついたことも事実です。意図がなければ相手は傷つかないわけではなく、二人には関係の意味を明確な言葉で共有する必要があります。

理解者であるジュノにも説明を求める権利がある

ジュノはこれまで、ヨンウの感覚や会話の方法へ合わせようとしてきました。しかし、ヨンウへ合わせることと、自分の希望を持たないことは同じではありません。

ジュノも、ヨンウから恋人として選ばれたいと望み、自分がしてきた行動を交際の一部として受け止めてほしいと感じています。その寂しさをわがままとして処理すれば、関係はジュノだけが配慮を続ける一方的なものになります。

二人が対等な関係へ進むには、ヨンウが明確な言葉を必要とすることと、ジュノが関係の実感を必要とすることの両方を話し合わなければなりません。

ミョンソクの吐血が示す仕事中心の人生

ミョンソクは依頼人を守ることを弁護士の最優先事項とし、夜遅くまで仕事を続けています。第12話の吐血は、逆恨みへの恐怖だけではなく、長年の働き方そのものへ不安を残しました。

襲撃の恐怖が消えても身体は戻らない

元依頼人が逮捕されたと知らされるまで、ミョンソクは見知らぬ人物へ強い警戒を続けていました。依頼人のために刑を軽くした結果、その依頼人から恨まれるという経験は、弁護士の職務だけでは整理できない恐怖です。

逮捕の知らせを受け、精神的な緊張は一度ほどけます。しかし直後に血を吐いたことで、問題は恐怖だけではない可能性が生まれました。

普段から食事や休息を後回しにし、深夜まで仕事を続けてきた生活が、身体へ影響しているようにも見えます。勝率の高い企業弁護士としての成功と、健康的な生活が両立していない違和感が残りました。

リュの屋上とミョンソクの深夜残業の対比

リュは敗訴後、依頼人たちと食事をし、詩を読み、屋上で笑っています。一方、勝訴したミョンソクは夜遅くまで事務所に残り、体調を崩しました。

リュの働き方が簡単で、ミョンソクの働き方が間違いという意味ではありません。リュにも経営や敗訴の負担があり、ミョンソクにも部下と依頼人へ責任を持つ立場があります。

それでも、弁護士として成功するために何を失っているのかという問いは残ります。ヨンウがどの弁護士像を選ぶか考えるうえで、リュの姿だけでなくミョンソクの身体も重要な材料になりそうです。

ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』第12話を見終わった後の感想&考察

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 12話 感想・考察画像

第12話を見終えて最も苦しく感じるのは、ミル生命による女性社員への圧力が見えているのに、原告側が法廷では負ける点です。制度の文面と本人の署名だけを見れば適法でも、その制度が社会の性別役割を利用していた事実は消えません。

女性社員はなぜ差別が見えても敗訴したのか

ミル生命事件では、退職者が女性へ偏り、人事担当者も妻の役割を強調していました。それでも裁判所は、原告二人の退職が女性差別による違法なものだったとは認めません。

形式上は女性だけを対象にしていなかった

会社は女性社員だけを名指しして、退職を命令したわけではありません。社内夫婦のどちらか一人を対象とし、妻が辞めなければ夫が無給休職になる仕組みにしています。

実際に夫が希望退職へ応じた夫婦もいたため、会社側は制度が男女双方へ適用されていたと主張できました。女性の退職者が圧倒的に多くても、結果の偏りだけで制度の違法性が直ちに認められるわけではありません。

さらに女性社員は、退職条件を確認したうえで希望退職の書類へ署名しています。社会的な圧力を受けた選択でも、法廷では本人の同意が存在する形として扱われました。

構造的な差別は一つの証拠にしにくい

妻が仕事を続け、夫が無給休職になることへの周囲の批判や家族内の圧力は、会社の書類には残りません。多くの女性が辞めると予測できても、その予測を利用した会社の意図を具体的に立証する必要があります。

ムン部長の手帳によって、妻の退職を誘導する意図はかなり明確になりました。それでも裁判所は、制度上は夫婦の一方を対象にしたものであり、女性だけを明示的に排除したとは言えないと判断します。

第12話が描いたのは、法律が差別へ無関心だという単純な話ではありません。差別が社会の常識や家庭内役割を利用して行われる時、違法性を証明できる形へ変えることが非常に難しいという現実です。

差別は露骨な禁止や命令だけではなく、誰がどの選択をしやすいかを利用する制度として現れる場合があります。

会社側を弁護したヨンウは間違っていたのか

ヨンウは、不妊治療という個人的な事情を使い、原告女性の退職が自発的だったと主張しました。見ていて苦しくなる場面ですが、会社側代理人としては依頼人へ有利な事実を示す職務があります。

依頼を受けた弁護士には会社を守る責任がある

ハンバダがミル生命の依頼を引き受けた以上、ヨンウたちは会社へ不利な事実を積極的に作ることはできません。原告の主張へ共感しても、法廷では依頼人の権利と損失を守る必要があります。

ミョンソクがヨンウを厳しく叱ったのも、差別を支持しているからとは限りません。弁護士が自分の価値観によって途中から依頼人を裏切れば、誰も安心して弁護を依頼できなくなるからです。

社会的に正しい側だけを担当したいなら、受任前に依頼を断る選択もあります。しかし受任後に相手側へ有利な行動を取ることは、別の職業倫理の問題を生みます。

職務を果たすほど傷つくヨンウの矛盾

ヨンウは不妊治療の証拠を見つけ、効果的な尋問を行い、会社側の勝訴へ貢献しました。弁護士としての能力を十分に発揮した回です。

それでも、自分が優秀に働くほど、仕事を続けたかった女性の身体的な事情が攻撃材料になります。能力を発揮できた喜びと、その能力によって誰かを傷つけた痛みが同時に残りました。

第5話では依頼人の嘘へ加担したことが問題でしたが、第12話では嘘を使っていません。正しい事実と適法な手続によって勝ったため、ヨンウは何を反省すればよいのかさえ分からない状態です。

この苦しさが、単純に正義の側へ移れば解決する問題ではないところに、本作のリーガルドラマとしての強さがあります。

リュ・ジェスクを理想化しすぎない方がよい

リュはヨンウへ強い影響を与える人物ですが、常に正しい理想の弁護士として描かれているわけではありません。依頼人を勝たせるため、証人の事情を厳しく追及し、裁判官との関係も巧みに利用します。

リュも勝つために相手の弱点を突いている

会社側証人となったチェ代理に対し、リュは夫の病気や会社から受けた配慮を取り上げます。証人が会社へ恩を感じ、有利な証言をしている可能性を示すためです。

その尋問は原告を守るために必要ですが、チェ代理本人の家庭事情を公の法廷へ出す行為でもあります。正義の側に立つ弁護士であっても、相手の弱い部分を使わずに裁判へ勝てるわけではありません。

リュがミョンソクと全く異なるのは、手段を使わないことではなく、誰のためにその手段を使うのかを自分で選んでいる点です。

敗訴を精神的勝利だけで終わらせない

原告女性たちは支援者から拍手を受け、リュとともに次の裁判へ進む決意をします。その連帯は美しく見えますが、女性たちの職が戻ったわけではありません。

敗訴による生活上の損失、夫への影響、裁判費用や時間は残ります。社会へ問題を提起できたから実質的には勝利だったと美化すれば、原告本人が負った現実を軽く扱うことになります。

リュの価値は、負けても笑っていることではありません。依頼人へ敗訴を受け入れさせて離れるのではなく、その後の損失と次の戦いにも同席し続けることにあります。

ミヌの行動は生存競争では正当化できない

ミヌには、契約更新や出世への不安があり、代表とのつながりを持つヨンウへ不公平感を抱いています。しかし第12話の偽装送付は、競争相手を出し抜く範囲を超えています。

ヨンウが自分から辞める状況を作ろうとした

ミヌは単に意見書を原告側へ送っただけではありません。ヨンウの名刺を同封し、彼女自身が情報を漏らしたように見せかけています。

資料が使用されれば、ヨンウは依頼企業やハンバダから重大な責任を問われる可能性があります。仕事上の評価を下げるのではなく、弁護士としての信用そのものを壊す計画です。

ミヌが自分の将来へ焦りを持つことは理解できます。それでも、他人へ虚偽の行為を着せて地位を得ようとすれば、守ろうとしている自分の職業人生も同じ方法によって成り立つことになります。

リュの判断によって罠が成立しなかった

ミヌの計画が失敗したのは、ヨンウが罠を見破ったからではありません。資料を受け取ったリュが、ヨンウを犠牲にする方法を選ばなかったためです。

つまりヨンウの職業生命は、敵側弁護士の倫理によって偶然守られました。リュが勝利だけを優先する人物なら、ヨンウは自分が知らないまま疑いをかけられていた可能性があります。

この状況は、ハンバダの内部でヨンウが安全とは限らないことを示します。リュから周囲へ気をつけるよう忠告されたヨンウが、ミヌの行動へいつ気づくのかが大きな不安として残りました。

ジュノの寂しさは二人の関係に必要な感情

第12話のジュノは、ヨンウを理解して待つだけの人物ではありません。自分たちは恋人だと思っていたのに、ヨンウから違うと判断されたことで、はっきり寂しさを伝えます。

二人は同じ出来事へ違う意味を与えていた

ヨンウにとって、デートやキスは互いを知るための行動であり、交際開始の合意そのものではありません。明確な会話をしていない以上、まだ恋人ではないという判断には一貫性があります。

ジュノにとっては、好意を伝え合い、複数回デートをし、キスまでした時点で交際は始まっています。行動と文脈から関係を理解するため、改めて名称を確認する必要を感じていませんでした。

どちらかが間違っているのではなく、関係を理解する方法が異なります。この違いを放置すれば、ヨンウは相手が傷ついた理由を理解できず、ジュノは自分の気持ちが軽く扱われたと感じ続けます。

対等な恋愛にはジュノの希望も必要になる

ジュノがヨンウへ配慮する場面が多いため、二人の恋愛はジュノが支える関係に見えやすくなります。しかしジュノにも、恋人として認められたい、楽しい活動を一緒にしたい、自分の気持ちを理解してほしいという希望があります。

その希望を言わず、ヨンウへ合わせ続ければ、関係の表面は穏やかでもジュノの孤独が深くなります。第12話で不満を口にしたことは、二人が対等な関係へ進むために必要な行動でした。

相手へ配慮することと、自分の寂しさを我慢し続けることは同じではありません。

勝敗の外に残るものを描いた第12話

ミル生命事件では会社側が勝ち、原告側が負けました。しかし第12話の結末で強く残るのは、判決文ではなく、女性たちの連帯、リュの倫理、ジュノの寂しさ、ミョンソクの血です。

法廷の勝敗だけでは人物の未来を説明できない

ミル生命は勝訴しましたが、世論からの批判を受け、ムン人事部長も会社から切り捨てられようとしています。企業にとって法的な勝利が、そのまま信用や組織の安定を意味するわけではありません。

原告女性たちは敗訴しましたが、同じ問題を抱える人々から支持され、控訴へ進む力を得ました。ただし、その支持だけで失職の苦しさが消えるわけでもありません。

本作は、勝ったから救われ、負けたからすべてを失うという整理をしません。法律上の結果と、人間関係や社会へ残る影響を分けて描いています。

ヨンウが自分の弁護士像を探し始める

ヨンウはミョンソクの下で、依頼人の利益を正確に守る企業弁護士の仕事を学びました。第12話ではリュと出会い、誰の隣に座るかを自分で判断する弁護士の姿も知ります。

どちらか一方をそのまま選ぶのではなく、依頼人への責任と自分の良心をどう両立するかが、ヨンウ自身の課題です。自分に嘘をつかず、それでも職務を放棄しない方法を見つけなければなりません。

リュをヨウスコウカワイルカへ重ねたヨンウの視線には、憧れだけでなく、同じ種類の弁護士が消えつつあることへの不安も感じられます。

ミョンソクの吐血によって、仕事へすべてを捧げる弁護士像にも限界が見え始めました。ヨンウが誰かの模倣ではなく、自分の違いを消さずにどのような弁護士になるのかが、これまで以上に気になる第12話でした。

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