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ドラマ『小さな巨人』の3話のネタバレ&感想考察。崩れたアリバイと「敵は味方のフリをする」…組織の嘘が露わになる回

ドラマ『小さな巨人』の3話のネタバレ&感想考察。崩れたアリバイと「敵は味方のフリをする」…組織の嘘が露わになる回

第2話で勤怠改ざんと映像加工の“二重の嘘”を暴いた香坂真一郎(長谷川博己)。

第3話では、風見京子の転落死の裏に潜む真犯人を追うなかで、さらに巨大な壁――

中田隆一(加藤晴彦)のアリバイと、組織内部の裏切りに直面する。

街のカメラが暴く一瞬の真実、副署長による証拠妨害、そして浮かび上がる“内通者”の影。捜査は個人の戦いから、組織全体の嘘を暴くフェーズへ――。

2017年4月30日(日)夜9時放送のドラマ「小さな巨人」3話のあらすじ(ネタバレ)と2話の感想を紹介していきます。

※以後ネタバレ注意

目次

ドラマ「小さな巨人」3話のあらすじ&ネタバレ

ドラマ「小さな巨人」3話のあらすじ&ネタバレ

第3話は、芝署編の核心――風見京子転落死の「自殺」か「他殺」かをめぐる攻防が、「証拠の作法」と「組織の論理」のぶつかり合いとして描かれる回。

香坂(長谷川博己)と渡部(安田顕)は、池沢菜穂(吉田羊)の“自白独占”で止まっていた捜査を再始動。

小野田(香川照之)は「事件解決のためなら何でも使う」と宣言し、所轄と本庁の合同本部を設置。

最重要人物・中田隆一(加藤晴彦)の鉄壁のアリバイを崩す戦いが始まります。

鍵を握るのは会員制バー「RED」のオーナー・山本アリサ(佐々木希)、店員・高瀬賢治、そして街中に張り巡らされた“監視カメラ”でした。

供述反転の痛手と「合同捜査本部」始動

前話のラストで池沢が供述を一転させ、「第三者の関与を否定」。

警察は“自白一本”に持ち込まれ、所轄も本庁も深い打撃を受けます。

小野田は打開策として「二課でも所轄でも使えるものは使う」と宣言し、合同捜査本部を芝署に設置。香坂と渡部は山田(岡田将生)を巻き込み、再び真犯人に迫っていくことになります。

最重要人物・中田隆一――盤石なアリバイの裏側

合同本部が直面したのは、隆一の“完璧なアリバイ”。

事件当夜、隆一は「RED」にいたと証言するのは、オーナー・アリサと店員・高瀬の二人。

高瀬は「朝方までアリサが個室で隆一を接客していた」と細かく証言し、アリバイは鉄壁。しかし香坂はアリサの顔写真に“既視感”を覚える。

彼女こそ、左遷の夜に隆一と料亭で同席していた女――過去の線が一気に繋がります。

「RED」潜入――利害で結ばれた“偽装アリバイ”

香坂はアリサと隆一の関係に「金の流れ」があると直感。

所轄の権限を超えて中村(竜星涼)と共に「RED」へ潜入します。

だが二人の間には仕事を超えた親密さが漂い、証言の信憑性は薄い。“利害で作られたアリバイ”という仮説が、少しずつ輪郭を帯びていきます。

突破口は“街のカメラ”――揺らぐ高瀬の証言

香坂たちは、隆一のアリバイを支える高瀬の証言を検証。

街の監視カメラ映像を洗う中で、深夜0時、ゲーム発売の列に並ぶ高瀬の姿を発見します。事件当夜に店を離れていた証拠です。

この瞬間、アリバイは崩壊。

“街カメラの一点突破”が、捜査の流れを一気に覆しました。

副署長の妨害――証拠DVDを奪おうとする影

決定的証拠となる監視カメラ映像のDVDを鑑識へ提出する直前、芝署の杉本副署長が証拠を持ち出そうとした事実が発覚

さらに、罪を中村に押しつけようとする工作まで映像に残っていました。

真実よりも“体面”を優先する組織の歪みが露呈する場面です。

それでも、証拠は映像によって守られました――この皮肉な構図が第3話の妙。

「RED」はもぬけの殻――内部に潜む“裏切り者”

アリサへの再尋問に向かった香坂と渡部が見たのは、もぬけの殻の「RED」。

捜査情報が隆一側に漏れた可能性が濃厚に。

「警察内部に内通者がいる」という疑念が強まり、物語は新たな緊張へ突入します。

口座が結ぶ新たな線――浮かび上がる“上層の影”

山田が入手したアリサの口座から、思わぬ名前が浮上します。――小野田一課長の妻・ゆかり。

アリサと小野田家の金の繋がりが見え、初回の“料亭の夜”の意味が反転。

小野田は香坂ではなく、隆一とアリサに会っていたのでは?

この仮説により、「上層の思惑」と「現場の正義」が交錯する新たな構図が明らかになります。

第3話の結末――崩れたアリバイ、見えてきた構造的な敵

隆一のアリバイは崩壊した。

だが、「RED」の空白、副署長の妨害、口座の線が示すのは――個人ではなく“構造としての敵”の存在。

第3話は、証拠でアリバイを壊すだけでなく、警察組織のどこに“嘘”が潜んでいるのかを可視化した回でした。

次話、香坂は証拠の保全・世論の説得・内部の裏切り者の特定という“三面作戦”を迫られることになります。

ドラマ「小さな巨人」3話の感想&考察

ドラマ「小さな巨人」3話の感想&考察

第3話は、「証拠は“ある”だけではなく、“守られている”ことで初めて意味を持つ」――その原則を、街カメラの一点突破と署内の妨害という対照構造で体現した回でした。

情報社会における刑事ドラマの更新が、ここまで理詰めで描かれたのは見事。緊張感と論理が両立した、シリーズ屈指のエピソードです。

一点突破のロジック――“街カメラ”で証言を折る技術

高瀬の証言は、「自分の目で見た」と「朝方まで接客していた」の二点で強固でした。

そこへ街中の監視カメラ映像を突きつけ、“その時間、別の場所にいた”という客観ログで主観を打ち砕く。

しかも舞台を「店内」ではなく「街」に移したことで、映像改ざんのリスクを超えた。

第2話で得た教訓――内部映像は操作される――を踏まえ、外部データで裏を取る。この一貫した“証拠の作法”がシリーズの信頼性を支えている。

“証拠を守る”第二の戦い――副署長事件の真意

副署長による証拠DVD持ち出しの一件は、単なる裏切りではない。

真相を「見つける戦い」から、「維持する戦い」への転換点だった。

証拠は発見で終わらず、破壊されずに残り、正しい場で提示されてこそ意味を持つ。

内部からの妨害を描くことで、組織の中にも“もう一つの敵”が潜む現実を照らした。芝署という“小さな組織”が、内部の力学に抗って正義を守る姿は、まさに“小さな巨人”のテーマそのものだ。

「内通者」という問い――キャッチコピーの本当の意味

もぬけの殻の「RED」。情報漏洩の形跡。

「誰が漏らした?」という個人の裏切り探しと同時に、「なぜ漏れる構造なのか?」という制度批判が始まる。

キャッチコピー“敵は味方のフリをする。”は、単なる裏切りの煽りではなく、組織の脆さそのものを指す。

第3話は、警察という組織のOS(基本構造)そのものへの問題提起として、この言葉を初めて真に回収した。

小野田=“巨悪”ではなく“現実”の象徴

小野田の妻・ゆかりの名がアリサの口座にある――視聴者に“巨悪”を想起させながらも、断定しない見せ方が巧妙だ。小野田は、悪ではなく“組織の生存を優先する現実主義者”。

彼が守るのは「正義」ではなく「秩序」であり、香坂の“理想”と最も噛み合わない。

この“正義vs現実”の二軸で人物を描く脚本の繊細さが、物語の奥行きを生んでいる。

山田春彦=可変抵抗としての魅力

山田は情報を持ってくる味方でありつつ、一課の論理を代弁する存在でもある。

香坂の“過去の姿”を映す鏡であり、彼がまだ現実側に立つことで二人の温度差が際立つ。

協力と対立の狭間で揺れる中間的立ち位置が、物語を人間ドラマへと引き上げている。

今後、山田がどちらの側に転ぶのか――それ自体が芝署編の核心になるだろう。

演出の緩急――静と動のリズムで魅せる情報戦

証拠を詰める過程は静かで理知的、後半の証拠妨害と「RED」空白は動的でスリリング。

Discovery(発見)とPreservation(保全)の流れを、静/動で反転させる構成が抜群だった。

机上の推理と現場のサスペンスを両立させる演出力は、刑事ドラマとしての完成度を押し上げている。

総括――第3話は「証拠×組織×裏切り」の三重奏

一枚のDVDが、組織と人間の“裏側”を暴く。

第2話で提示された「証拠は作れる/守らねばならない」という課題を踏まえ、第3話は“証拠を守る”過程と“内部の嘘”を同時に描き切った。

アリバイが崩れ、残されたのは――誰が、なぜ、風見京子を死に追いやったのか

“RED”の空白、小野田の妻の口座、内通者の影。

これらが動機・方法・機会の三辺を埋めるピースとして繋がるとき、芝署編はついに「組織の闇」へと突入する。

香坂が挑む次の戦いは、証拠の保全/世論の説得/内部裏切りの封じ込め。

この“三面作戦”を所轄の機動力でやり遂げられるか――その攻防が、第4話の焦点となる。

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