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ドラマ「そして、誰もいなくなった」6話のネタバレ&感想考察。新一の反撃と9月1日「世界は孤独になる」計画

ドラマ「そして、誰もいなくなった」6話のネタバレ&感想考察。新一の反撃と9月1日「世界は孤独になる」計画

ドラマ「そして、誰もいなくなった」6話は、藤堂新一が“奪われた側”から“奪う側に回されてしまう”転換回です。5話ラストで「7つの罪」を犯すことになった新一は、日下、馬場、砂央里と行動を共にしながら、いよいよ黒幕の計画へ踏み込んでいきます。

これまでの新一は、名前を奪われ、信用を奪われ、友人や恋人との関係まで壊される被害者でした。しかし6話では、母・万紀子に届いたメールをきっかけに、ミス・イレイズを使った反撃のような行動を始めます。

しかも、その行動は新一本人の意思なのか、黒幕に強制されたものなのかがまだ見えません。

一方で、早苗は新一を信じ直そうとし、小山内は新一の居場所を探し続け、五木は仕事を守るために新一を利用しようとします。誰もが新一に近づこうとしているのに、全員が少しずつ違う目的で動いている。

6話は、反撃の爽快感よりも、味方も敵も分からないまま世界が壊れていく怖さの方が強く残る回でした。

目次

ドラマ「そして、誰もいなくなった」6話のあらすじ&ネタバレ

あらすじ画像

6話では、新一が姿を消してから1か月後の世界が描かれます。L.E.Dではミス・イレイズのプロジェクトが止まり、早苗は万紀子の世話をしながら新一を待ち、小山内は新一を探し続けています。

そこへ新一からのビデオメッセージとミス・イレイズのメールが届き、物語は一気に“新一の反撃”のような形へ動き出します。6話の核心は、新一が自分を取り戻すために動いているようで、実はさらに大きな「世界を孤独にする計画」の歯車にされているところです。

新一が消えて1か月、ノーナンバー組の共同生活が始まる

日下の部屋でプログラミングを続ける新一

第6話は、新一が友人や家族の前から姿を消して1か月が経ったところから始まります。5話で黒幕から「7つの罪」を犯すよう命じられた新一は、日下瑛治の部屋に身を潜め、日下、馬場、君家砂央里と行動を共にしていました。

4人はいずれもパーソナル・ナンバーを持たない、あるいは失った側の人間です。ここで新一は、社会から消された孤独な男ではなく、同じように社会から外れた者たちの中に入っていきます。

新一は部屋でパソコンに向かい、何かのプログラムを組み続けています。これまでの新一は、ミス・イレイズを作った優秀な技術者でしたが、今の彼は会社のためではなく、黒幕に示された計画のために技術を使っているように見えます。

新一が自分の意思で反撃しているのか、脅されて従っているのかは、まだはっきりしません。ただ、少なくとも彼の技術は、もう会社の商品開発ではなく、社会そのものを揺さぶる道具へ変わり始めています。

日下、馬場、砂央里との生活には、不思議な穏やかさもあります。食事をし、雑に寝て、少しくだらない会話を交わす4人の姿は、追い詰められた逃亡者たちというより、奇妙な共同体のようにも見えます。

新一も一瞬だけ、その空気に安らいでいるように見えます。けれど、その画面の裏では「爆発」「侵入」「電波消失」のような不穏な言葉が並び、9月1日の決行へ向けた準備が進んでいました。

居場所を失った新一にできた仮の家族

6話の新一は、前回までと比べるとかなり変わって見えます。斉藤の死を背負い、早苗にも信じてもらえず、警察に出頭する機会さえ奪われた結果、彼は元の世界へ戻ることを半ば諦めているようにも見えます。

日下に対しても、もともと自分の居場所はあちら側にはなかったというような言葉をこぼします。新一は名前を奪われただけでなく、元の社会に戻りたいという感覚まで少しずつ失い始めていました。

この共同生活が怖いのは、救いと罠が同時に存在しているところです。日下たちは、新一を信じ、受け入れてくれる数少ない相手です。

しかし同時に、彼らは黒幕の計画に組み込まれた者たちでもあります。新一にとって居心地のいい場所が、実は犯罪計画の待機場所になっている。

ここに6話の不気味さがあります。

馬場は、5話ではガキの使いとして新一を導く不気味な案内人でした。しかし6話では、どこか面倒見のいい人物にも見えます。

砂央里もまた、冷めたような態度を取りながら同じ部屋にいます。この4人は仲間に見えますが、友情で結ばれているわけではありません。

彼らをつないでいるのは信頼ではなく、パーソナル・ナンバーを持たないという弱みと、黒幕に握られた逃げ場のなさです。

小山内、鬼塚、西条がそれぞれ新一を追い始める

小山内は本当に新一の居場所を知らないのか

一方、小山内保は暴力沙汰に巻き込まれ、警察の留置場にいました。彼は被害者側の立場のようですが、公安の鬼塚孝雄はその場で小山内に事情を聞きます。

取り調べ室では記録が残るから都合が悪いだろう、という鬼塚の言葉には、彼が通常の捜査手順の外で何かを探ろうとしている空気があります。鬼塚は新一だけでなく、小山内もまた事件の中心に近い人物として見ているように感じます。

小山内はこれまで、新一の親友として動きながら、裏では日下を脅して新一のグラスを回収させたり、西条と取引関係に入ったりしていました。だから、視聴者としては小山内が新一の居場所を知らないはずがないと思いたくなります。

ところが6話では、小山内自身も本気で新一を探しているように見える。ここが面白いところです。

もし小山内が黒幕なら、新一の居場所を知らないように振る舞う必要があります。しかし6話の小山内は、単なる芝居ではなく、本当に計画から外されている可能性も見えます。

つまり、彼は一時期新一を追い詰める側にいたが、今は日下たちの側に出し抜かれているのかもしれません。6話の小山内は、敵か味方かではなく、黒幕の計画に利用されたまま置き去りにされた人物にも見えてきます。

西条は鬼塚にも近づき、情報の流れを握ろうとする

小山内が釈放されたあと、西条信司は彼に接触します。しかし小山内は、もう関係ないという態度を見せ、西条を突き放します。

5話では早苗の部屋に盗聴器を仕掛けるなど、西条との関係に巻き込まれていた小山内ですが、6話ではその関係から逃げようとしているようにも見えます。

一方で、西条は鬼塚にも近づきます。新一を別々に探すより、一緒に探す選択肢はないかと持ちかけるのです。

西条は偽・藤堂新一側の弁護士でありながら、本物の新一にも関わり、小山内にも近づき、さらに公安にも接触する。彼の立ち位置は、どの陣営にも完全には属していません。

西条は真実の味方ではなく、真実へ向かう情報ルートを自分の手元に集めようとしている人物です。

鬼塚が西条を信用するかどうかは別として、この接触によって捜査線もさらに複雑になります。新一を追う人間は多いのに、全員の目的が違います。

鬼塚は公安として大きな陰謀を追い、西条は依頼人や自分の情報戦を守り、小山内は親友としての感情と自分の後ろ暗さの間で揺れる。6話は、新一が姿を消したことで、周囲の人物の本音が少しずつ浮き上がる回でもありました。

L.E.Dではミス・イレイズのプロテクトが外せず、五木が追い詰められる

新一がいない会社でプロジェクトが止まる

株式会社L.E.Dでは、五木啓太と田嶋達生が役員から激しく叱責されています。理由は、新一が開発したミス・イレイズのプロテクトを外せず、プロジェクトが完全に滞っているからです。

これまで会社は新一を疑い、自宅待機に追い込み、2億円横領疑惑まで押しつけるような流れにありました。ところが、新一がいなくなると、会社はその新一の技術に頼らなければ何も進められません。

この皮肉はかなり大きいです。会社はデータ上の不一致を理由に新一を切り捨てましたが、ミス・イレイズの中身を本当に理解しているのは新一だけでした。

五木は自信家で、新一に対抗心も持っていますが、プロテクトを前にすると自力では突破できません。L.E.Dは新一を排除した瞬間、自分たちが新一の能力に依存していたことを思い知らされます。

五木は役員に対し、あと1週間の猶予を求め、完成させると言い切ります。しかし内心では、新一にプロテクトを外させるしかないと分かっています。

田嶋もそれが現実的ではないと感じているようですが、五木は新一を探すと言って会社を出ていきます。五木にとって新一は、尊敬すべき先輩ではなく、自分の立場を守るために必要な鍵になっていました。

五木の焦りは、新一への劣等感にも見える

五木は、これまでも新一に対して複雑な感情を見せてきました。後輩として慕う顔もあれば、早苗への執着や、新一を見下すような態度もあります。

6話での五木は、仕事上の焦りと、新一への劣等感が混ざったように見えます。自分にはできると思っていたことができない。

しかも、その鍵を握っているのは、今や犯罪者扱いされている新一です。

だからこそ、五木は新一を探します。ただし、それは新一を救うためではありません。

プロジェクトを動かし、自分の評価と立場を守るためです。五木にとって新一は、助けたい相手ではなく、自分の失敗を埋めるために必要な道具になっています。

このあたりは、6話の人間関係を象徴しています。誰もが新一を求めているのに、誰も純粋に新一そのものを求めていない。

会社は技術を求め、五木はプロテクト解除を求め、小山内は真相と親友を求め、早苗は信じる根拠を求めています。新一の存在は必要とされているのに、新一という人間はどこにも戻れない。

そこがこの回の苦さです。

早苗は万紀子の世話をしながら、新一を信じ直そうとする

弥生の失踪と、早苗の変化

新一が姿を消したのと同じ頃、ヘルパーの西野弥生も行方不明になっています。弥生は前回、偽・藤堂新一である川野瀬猛の父親に関わる重要な情報を掴んでいました。

その彼女が消えたことで、真相に近づいた人物がまた一人、物語から外されたように見えます。弥生の失踪は、黒幕がデータだけでなく、証言者や情報の運び手まで消している可能性を示しています。

弥生の代わりに、早苗が万紀子の身の回りの世話をするようになっています。早苗は一時、新一を信じきれず、お腹の子どもについても迷っていました。

しかし6話では、何があってもこの子を産もうと決めたと語ります。これは大きな変化です。

早苗は新一を完全に信じられる状態ではありません。それでも、子どもを産むという決断によって、新一との未来をまだ捨てていないことが分かります。

ここで早苗は、ただ待つだけの婚約者ではなく、自分なりに現実を抱えようとする人として描かれます。早苗の決意は、新一への盲目的な信頼ではなく、不安を抱えたまま未来を選ぶ覚悟に近いものでした。

万紀子の誕生日に届く新一からのビデオメッセージ

そこへ小山内が万紀子の誕生日を祝うためにやってきます。小山内は、新一なら母の誕生日に何か連絡してくるのではないかと考えていました。

すると本当に、万紀子の携帯に新一からのビデオメッセージが届きます。1か月ぶりの連絡です。

万紀子にとっても、早苗にとっても、小山内にとっても、ようやく新一へつながるかもしれない瞬間でした。

しかし、映像の中の新一は、ただ誕生日を祝うだけではありません。世界を孤独に、という不穏な言葉とともに、プレゼントだと言ってメールを送ります。

万紀子が添付ファイルを開くと、ミス・イレイズが起動し、携帯のデータが次々と消えていきます。さらに、万紀子の連絡先へ同じメールが拡散されていきます。

これはかなりショックな場面です。母に届いた誕生日メッセージが、愛情ではなくウイルスの入口になる。

新一の姿をした映像が、本当に本人なのか、加工なのか、誰かに撮らされたものなのかも分かりません。家族の記念日すら、ミス・イレイズを広げるための装置にされてしまうところが、6話の残酷さです。

ミス・イレイズのメールが五木を誘い、L.E.Dのデータを消す

早苗は「新一じゃない」と信じようとする

万紀子の携帯が消されたあと、早苗と小山内の携帯にも万紀子からのメールが届きます。小山内はそれをウイルスだと見抜き、開かないように指示します。

早苗は、ビデオメッセージも音声も映像も今なら加工できると考え、あれは新一ではないはずだと訴えます。ここでの早苗の反応は、とても自然です。

早苗は新一を信じたいのです。新一が母の誕生日にウイルスを送り、携帯のデータを消すようなことをするとは思いたくない。

けれど、小山内は「俺もそう思う、けど」と言葉を濁します。つまり、新一ではないと信じたいが、ミス・イレイズを使える人物は限られている。

早苗の希望と現実の証拠が、ここでまたぶつかります。早苗は新一を信じ直そうとしているのに、新一の姿をした証拠が何度もその信頼を壊しに来ます。

その後、早苗と小山内のもとへ五木が現れます。五木は新一の居場所を知らないかと問い詰め、早苗に対しても疑いを向けます。

2億円を持っているのではないかというような言葉まで投げる五木は、早苗の不安をさらにえぐります。彼は元恋人としての感情と、会社員としての焦りを同時に持ち込んでくる人物です。

プロテクト解除の成功が、会社全体の消去へ変わる

小山内は、五木に万紀子の携帯へ届いたミス・イレイズメールの話をします。五木はそのメールにプロテクト解除のヒントがあるのではないかと考え、早苗に転送を頼みます。

五木にとっては、ついに新一のシステムへ入り込む手がかりを得た瞬間です。彼は会社へ戻り、メールを解析し、ミス・イレイズのプロテクト解除を試みます。

五木は解除に成功したと思い、喜びます。ところが次の瞬間、会社のコンピューター上のデータが次々と削除されていきます。

ミス・イレイズはL.E.Dのサーバーへ入り込み、会社のデータを消していきます。翌朝、会社は大混乱に陥ります。

五木が掴んだと思った突破口は、新一が仕掛けた会社破壊の入口でした。

ここで新一の反撃が初めてはっきり見えたようにも感じます。自分を疑い、切り捨て、横領疑惑まで背負わせた会社に対し、ミス・イレイズでデータを消す。

かなり過激ですが、因果としては分かりやすい復讐にも見えます。ただ、これが本当に新一の意思なのか、黒幕から命じられた「7つの罪」の一つなのかは重要です。

もしこれが7つの罪の始まりなら、新一は復讐しているのではなく、復讐に見える犯罪を演じさせられていることになります。

バーKING再開と、日下が小山内にぶつけた過去の脅し

日下は新一の居場所を知らないと言う

バーKINGは1か月ぶりに店を開けます。新一の失踪と同じ時期に休業していたことから、小山内は日下が何かを知っていると考え、店を訪れます。

日下は、新一と一緒に拉致され、自分だけ解放されたと語ります。右手を負傷したことも話し、新一の居場所は知らないと答えます。

ただ、日下の話をそのまま信じるのは難しいです。視聴者は、日下が新一と同居していたことを知っています。

だから日下の「知らない」は明らかな嘘です。けれど、小山内に対して嘘をつく理由はあります。

小山内は以前、日下がパーソナル・ナンバーを持たないことを知り、それを理由に新一のグラスを回収させていました。日下にとって小山内は、親友を助ける人物ではなく、自分の弱みを使って脅してきた相手でもあります。

この場面で、1話から引っかかっていたグラス回収の意味が整理されます。小山内は日下のノーナンバーという弱みを握り、新一の指紋や身体情報が残るグラスを保存させていた。

つまり、小山内はかなり早い段階から、新一の身体的証拠を必要としていたことになります。この行動が新一を助けるためだったのか、別の目的だったのかは、まだ判断できません。

日下の「人格が変わった」という言葉

日下は小山内に、新一は日に日に変わっていき、人格が変わってしまったようだと話します。この言葉は、6話の新一をよく表しています。

以前の新一は、理不尽に怒りながらも、母や早苗や友人を信じたい人でした。今の新一は、日下たちと共に潜伏し、ミス・イレイズを仕掛け、9月1日の計画へ向けて動いています。

小山内は、藤堂は真面目な奴だと反論します。親友として、そんな新一を信じたくないのです。

しかし、その信じ方にもどこか勝手さがあります。小山内自身も新一を追い詰める側の行動をしてきました。

それなのに、いざ新一が変わったと聞くと、それを認められない。小山内は新一を信じたいのではなく、自分が知っている新一のままでいてほしいのだと思います。

また、小山内が日下の年齢を尋ね、26歳だと聞いて「新一と6つ違いか」と反応する場面も気になります。単なる確認にしては、妙な引っかかりがあります。

新一、日下、万紀子の関係に何か年齢差の意味があるのかもしれない。6話ではまだ答えは出ませんが、日下の存在が新一の人生ともっと深いところでつながっている可能性を匂わせる場面でした。

馬場が小山内を拉致し、西条の通報で海へ突っ込む

日下を尾行した小山内が襲われる

日下との会話を終えた小山内は、店が閉まるのを待ち、日下を尾行しようとします。日下が新一の居場所を知っていると踏んだからです。

しかし、その背後から現れた馬場に殴られ、小山内は気を失います。馬場は小山内を車のトランクへ押し込み、どこかへ連れ去ろうとします。

小山内は新一を探す側だったはずが、ここで一気に事件に巻き込まれる被害者側へ落とされます。

この展開によって、馬場の立ち位置もより複雑になります。5話ではガキの使いとして新一を黒幕のもとへ導く人物でしたが、6話では新一たちの計画のために小山内を排除する実行役にも見えます。

馬場は不気味で、どこか軽く、しかも行動はかなり危険です。彼が黒幕そのものではないとしても、計画の中でかなり動ける駒であることは間違いありません。

その一部始終を、西条が目撃します。西条は車のナンバーを警察に通報します。

ここもまた読みにくいです。西条は小山内を助けようとしたのか、それとも馬場と小山内の動きを利用して、警察を動かしたかったのか。

西条の行動はいつも、助けにも罠にも見えます。

トランクの小山内と、馬場のカーチェイス

馬場は車を走らせますが、警察に止められます。トランクの中では小山内が暴れ、音を立てています。

不審に思った警察は、馬場にトランクを開けるよう命じます。馬場は一度は応じるふりをしますが、そのまま急発進します。

そこから警察とのカーチェイスが始まります。

追い詰められた馬場は、車ごと港へ突っ込み、海へ落ちます。トランクには小山内が閉じ込められたままです。

このラスト手前の展開はかなり派手ですが、同時に謎も残します。馬場は小山内を殺すつもりだったのか、それとも逃げるために結果的に海へ突っ込んだのか。

馬場の暴走は、小山内を消すための計画にも、計画が破綻した末の事故にも見えます。

小山内が本当に死ぬとは思いにくいですが、この出来事によって彼の立場はさらに変わります。新一を追う側だった小山内が、今度は新一側の人物に命を狙われる。

しかも西条がその流れを警察へつないでいる。6話は、人物相関が一気に反転していく回です。

誰が誰を追い、誰が誰を守り、誰が誰を利用しているのかが、ますます分かりにくくなっていきます。

万紀子の部屋に残されたボイスチェンジャー

早苗が見つけた不自然な機械

一方、早苗は万紀子の部屋を訪れますが、万紀子の姿はありません。渡されていた鍵で部屋に入り、ゴミを片づけようとしたところ、ゴミ箱の中からボイスチェンジャーのような機械を見つけます。

早苗はそれを面白がって使ってみますが、視聴者から見るとまったく笑えません。万紀子の部屋にボイスチェンジャーがあったことで、屋上の謎の声や黒幕の演出に万紀子が関わっている可能性が一気に浮上します。

万紀子はこれまでも、ただの病弱な母ではありませんでした。はるかと連絡を取っていたり、小山内を疑ったり、新一の出生について曖昧な部分を抱えていたりします。

6話でボイスチェンジャーが出てきたことで、その不穏さはかなり強くなります。

もちろん、ボイスチェンジャーがあったからといって、万紀子が黒幕と断定するのは早いです。誰かに置かれた可能性もありますし、別の目的で持っていた可能性もあります。

ただ、このドラマでは「なぜそこにあるのか」が必ず人物の隠しごとにつながります。万紀子の部屋から出てきたというだけで、彼女はもう完全な安全圏には戻れません。

母は味方か、それとも最も近い裏切り者か

万紀子は新一にとって、最後に残っているはずの家族です。早苗には信じてもらえず、友人は失われ、会社は敵になり、社会のデータからも消されました。

それでも母だけは自分を息子として覚えているはずでした。だからこそ、その母の部屋から怪しい機械が見つかる意味は大きいです。

新一にとって最も信じたい母の周囲に、最も黒幕に近い道具が置かれていることが、この作品らしい残酷さです。

さらにラスト近く、日下が馬場を探していると、車椅子に乗った万紀子が現れます。なぜ万紀子が日下の前に現れたのか。

日下と万紀子は面識があるのか。日下がパーソナル・ナンバーを持たないことと、万紀子の過去に何かつながりがあるのか。

この場面は短いですが、かなり大きな疑問を残します。

万紀子は息子を心配する母なのか、それとも息子を追い詰める計画に関わっているのか。6話時点では、どちらにも見えます。

むしろ重要なのは、彼女が単純な被害者家族ではないと分かったことです。万紀子は、家族の情と事件の謎が交差する危険な場所に立つ人物になりました。

9月1日、「世界は孤独になる」計画が動き出す

地図に付けられた7つの赤い印

新一は、地図に7か所の赤い印を付け、翌日の計画について準備を進めています。5話で示された「7つの罪」と同じく、ここでも7という数字が意味を持ちます。

新一たちは何かを7か所で起こそうとしているように見えます。画面には、爆発、侵入、電波消失といった穏やかではない言葉も見え、計画が単なるデータ操作ではないことを感じさせます。

新一は、明日が決行の日だと語ります。日下に後悔していないかと聞かれたとき、新一は自分の居場所はもともとあちら側にはなかったと言います。

これは、かなり重い言葉です。新一は元の世界へ戻るために戦っているのではなく、元の世界を壊す側へ自分を納得させ始めているように見えます。

この変化は、5話の白い部屋で「自分意外に味方はいない」と答えさせられたこととつながっています。あの瞬間、新一は論理的に孤独を選ばされました。

そして6話では、その孤独を根拠に、社会への攻撃に向かっている。黒幕の思惑通りに、新一の絶望が行動へ変換されているのです。

日本政府のデータサーバーを狙う計画へ

6話の終盤では、9月1日に日本国政府のデータサーバーを狙う計画が示されます。もしそれが実行されれば、個人情報やパーソナル・ナンバーに関わる巨大なシステムが危機にさらされることになります。

新一個人の復讐では済まない規模です。6話で物語は、藤堂新一一人の身元喪失から、国家レベルの個人情報崩壊へ広がりました。

ここで「世界は孤独になる」という言葉が、ようやく具体性を帯びてきます。パーソナル・ナンバーや個人情報が消えれば、人は社会的なつながりを失います。

家族、会社、金融、行政、通信、すべてが本人確認を前提に動いている以上、その基盤が消えれば、誰も誰かを証明できなくなる。黒幕が目指す孤独とは、心理的な孤独ではなく、社会システム上の孤独でもあるわけです。

馬場が戻らないため、日下と砂央里は彼を探しに出ます。計画には馬場がどうしても必要なようです。

しかし日下の前には万紀子が現れ、馬場は海に落ち、小山内は生死不明の状態になります。決行前夜のはずなのに、計画はすでに不安定です。

6話は、作戦の成功へ向かう高揚感ではなく、誰も全体像を掴めていないまま大きな破壊だけが近づいている怖さで終わりました。

ドラマ「そして、誰もいなくなった」6話の伏線

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6話は、第2章の本格始動回として、多くの伏線が一気に並びました。特に重要なのは、ミス・イレイズメール、弥生の失踪、万紀子のボイスチェンジャー、小山内と日下の年齢差、そして9月1日の計画です。

6話の伏線は、誰が犯人かという一点よりも、誰が新一を“世界を孤独にする側”へ押し込んだのかを考えるための材料になっています。

ミス・イレイズメールは新一の反撃か、黒幕の命令か

母の誕生日を使ったウイルス拡散

万紀子の誕生日に届いた新一からのビデオメッセージとミス・イレイズメールは、6話最大の伏線です。映像には新一が映っており、メールを開くと携帯のデータが消され、連絡先へウイルスが拡散されます。

その後、五木はそのメールを解析してプロテクト解除に使おうとしますが、結果的にL.E.Dのデータが全消去されます。この流れを見ると、メールは万紀子を狙ったものではなく、五木と会社を誘い込むための罠だった可能性が高いです。

ただ、問題は誰が仕掛けたのかです。新一本人が会社への反撃として仕込んだのか。

黒幕が新一の姿を使って実行させたのか。あるいは新一が黒幕に脅されながら、自分なりの計算も重ねていたのか。

6話ではそこをあえて曖昧にしています。

弥生の失踪は、川野瀬の父親情報とつながる

真相に近づいた人物が消える構造

5話で西野弥生は、介護施設で川野瀬猛の父親らしき老人に出会いました。偽・藤堂新一の本名につながる重要な情報です。

その弥生が新一の失踪と同じ頃から行方不明になっています。弥生の失踪は、偽者の正体を証明できる現実側の証人ルートが、黒幕によって潰された可能性を感じさせます。

このドラマでは、データだけでなく、人間の記憶や証言も次々と危険にさらされます。はるか、斉藤、そして弥生。

新一の過去や偽者の正体に近づいた人が、一人ずつ消えていく。タイトルの意味が、ここでもまた直接的に効いています。

万紀子のボイスチェンジャーは黒幕候補を一気に変える

母の部屋にあったという事実の重さ

早苗が万紀子の部屋で見つけたボイスチェンジャーは、非常に大きな伏線です。屋上で新一を脅していた声、これまでの謎の通信、黒幕の声の変化。

それらと同じ種類の道具が母の部屋にあるとなると、万紀子は一気に疑惑の中心へ浮上します。万紀子は新一を守る母でありながら、新一を脅す声に近い道具を持っていた人物でもあるのです。

もちろん、万紀子が直接黒幕だと断定するには早いです。誰かに置かれた可能性もありますし、万紀子自身が別の誰かに操られている可能性もあります。

ただ、6話のラストで日下の前に万紀子が現れたことを考えると、日下と万紀子の間には何らかの接点がありそうです。

日下の26歳と、小山内の「新一と6つ違いか」

年齢差が意味を持つ可能性

小山内が日下の年齢を尋ね、26歳だと聞いて「新一と6つ違いか」と反応する場面も気になります。普通の会話にしては、少し不自然です。

日下はパーソナル・ナンバーを持たない人間であり、バーKINGの店主であり、新一を匿う人物です。小山内が日下の年齢に引っかかったことは、日下の出生や万紀子との関係に何か隠された線がある可能性を示しています。

6話時点ではまだ情報が足りませんが、日下は単なるノーナンバー仲間ではなさそうです。新一を信じる優しい存在に見えながら、事件の中枢に近い秘密を抱えている。

年齢差への反応は、その秘密へつながる小さな手がかりに見えました。

馬場の拉致と西条の通報は、利害が読みにくい

西条は助けたのか、場を動かしたのか

馬場が小山内を拉致し、それを西条が通報する流れも重要です。西条がただ小山内を助けようとしたなら、彼は味方にも見えます。

しかし西条はこれまで、偽・藤堂新一を守り、新一や小山内や鬼塚にも接触してきた人物です。西条の通報は正義感ではなく、馬場と小山内の動きを警察へ接続するための一手だった可能性があります。

馬場もまた、なぜ小山内を拉致したのかが見えません。新一の居場所を探られたくなかったのか、計画の妨害者として排除したかったのか、あるいは小山内を何かに使うつもりだったのか。

海へ落ちる展開で答えは保留され、次回への大きな引きになりました。

9月1日と7つの赤印は「7つの罪」の実行計画

個人情報を消すことで世界を孤独にする

新一が地図に付けていた7つの赤印と、9月1日の決行日は、5話ラストの「7つの罪」と直結する伏線です。日本政府のデータサーバーを狙う計画が示されたことで、黒幕の目的はかなり具体化しました。

世界を孤独にするとは、人間関係を壊すだけでなく、本人確認の基盤そのものを消し、誰も社会的につながれない状態にすることだと見えてきます。

新一はその計画の中心でプログラムを書いています。これは非常に危険です。

彼は被害者でありながら、社会を壊すための技術者にもなっている。6話は、新一がどこまで自分の意思を保てているのかを問い続ける回でした。

ドラマ「そして、誰もいなくなった」6話の見終わった後の感想&考察

感想・考察画像

6話を見終わって強く感じたのは、これは“反撃開始”の回に見えて、実際には“加害者にされる準備”の回だったということです。新一が会社を出し抜き、ミス・イレイズでL.E.Dのデータを消す流れは一見スカッとする部分もあります。

けれど、その先にあるのは、自分を苦しめた相手への復讐ではなく、日本政府のデータサーバーを狙う国家規模の破壊です。6話の怖さは、新一の反撃がそのまま黒幕の望む犯罪へ接続されてしまうところにあります。

1か月後の新一は、かなり変わって見えた

変わったのは人格ではなく、帰る場所への信頼

6話の新一は、確かに前回までと雰囲気が違います。日下の部屋でプログラミングを続け、馬場や砂央里と普通に生活し、ミス・イレイズを使って会社のデータを消す。

その姿だけを見ると、日下が言うように人格が変わったようにも見えます。でも実際に変わったのは、新一の人格というより、元の世界へ帰れるという信頼だったのだと思います。

新一は何度も信じる相手を失ってきました。早苗は信じきれず、はるかと斉藤は死に、小山内は裏で動き、母の周辺にも謎がある。

会社は自分を切り捨て、社会システムは別人を藤堂新一として扱います。ここまで奪われれば、元の世界に戻ること自体が幻想に見えてもおかしくありません。

だから、日下たちノーナンバー組との共同生活は、新一にとって危険な安心になっています。彼らは社会の外側にいるからこそ、新一を受け入れてくれる。

しかしその受け入れが、新一をさらに社会の外へ押し出していく。6話は、その危ういぬくもりがよく出ていました。

ミス・イレイズで会社を消す展開は痛快だけど、かなり怖い

復讐に見える犯罪の始まり

五木がプロテクト解除に成功したと思った瞬間、会社のデータが消えていく場面は、サスペンスとしてはかなり面白いです。新一を切り捨てた会社が、新一の技術によって崩される。

因果としては分かりやすく、視聴者としても少しだけ「やり返した」と感じてしまいます。

ただ、ここで気持ちよくなりすぎると危ないです。データを消された会社には、直接新一を陥れた人物だけでなく、何も知らない社員や関係者もいるはずです。

ミス・イレイズが広がれば、被害はどこまで拡大するか分かりません。新一の怒りに納得できるからこそ、その怒りが犯罪として使われていく怖さが際立ちます。

このドラマは、復讐を単純な爽快感として描かないところが良いです。新一には怒る権利があります。

でも、怒りを使って他者のデータを消し始めた瞬間、彼は黒幕の思想に近づいてしまう。6話は、被害者が加害者へ変えられる瞬間をかなり冷たく見せていました。

早苗の「産む」という決意が切ない

信じたいのに、信じる材料が壊されていく

早苗が子どもを産むと決めたことは、6話の中で数少ない前向きな変化でした。4話では血まみれの新一を見て信じきれず、5話でも不安を抱えていました。

それでも1か月の間に、早苗は自分なりに新一を待つ選択をしたのだと思います。ここはかなり切ないです。

なぜなら、その直後に届くのが新一からのウイルスメールだからです。せっかく信じようとしたところへ、新一の姿をしたメッセージが母の携帯を壊していく。

早苗が「これは新一じゃない」と思いたくなるのも当然です。早苗は新一を信じるために前を向いたのに、世界の方が新一を疑う証拠ばかり差し出してきます。

早苗は、事件の全貌を知らないまま、一番大事な選択をし続けています。子どもを産むか、万紀子を支えるか、新一を信じるか。

しかも周囲には五木、小山内、西条、万紀子の秘密が入り込んでいる。早苗の孤独も、かなり深いところまで来ていると感じました。

小山内は黒幕候補というより、計画から外された男に見えてきた

本当に新一を探しているように見える違和感

小山内はずっと怪しい人物です。1話から新一を助けながら裏の顔を見せ、日下を脅し、グラスを回収し、早苗の部屋に盗聴器まで仕掛けていました。

だから黒幕候補として疑われるのは当然です。ただ、6話を見ると少し印象が変わります。

小山内は本当に新一の居場所を知らず、焦って探しているように見えるからです。

もし彼がすべてを操る黒幕なら、日下を尾行して馬場に襲われる展開は少し変です。もちろん演技の可能性もありますが、6話の小山内は、むしろ自分が操っていたはずの状況から置き去りにされた人物に見えました。

小山内は新一を裏切った側でありながら、黒幕の全体像までは知らない中間管理者のような立場に落ちているのかもしれません。

ここが面白いです。小山内は悪いことをしている。

でも、最終的な悪ではなさそう。親友を助けたい気持ちと、出世や保身や罪悪感が絡まり、気づけば自分も事件の駒になっていた。

6話の小山内は、そんな人間くささが出ていました。

万紀子のボイスチェンジャーは、さすがに怪しすぎる

母の愛情と秘密が同時に存在している

6話で一番「え?」となるのは、やはり万紀子のボイスチェンジャーです。母の部屋から出てくるには、あまりにも不自然な道具です。

しかもこれまで黒幕の声は加工されており、屋上の脅迫にも声の演出が使われていました。ここで万紀子が一気に黒幕候補へ上がるのは当然です。

ただ、僕は万紀子を単純な悪役とは見にくいです。彼女には新一への情があるように見えるし、はるかや小山内を通じて新一を気にかけてもいました。

だからこそ厄介です。愛情があるから無関係とは言えないし、秘密があるから愛情が嘘とも言い切れない。

万紀子の怖さは、母としての顔と事件に近すぎる秘密が同時に成立しているところです。

日下の前に万紀子が現れるラストも、かなり意味深でした。日下と万紀子がつながっているなら、日下のノーナンバー、年齢、万紀子の過去、新一の出生の空白まで一気に絡んでくる可能性があります。

6話は、母親ラインの不穏さをかなり強めた回でした。

6話は反撃回ではなく、共犯者にされる回だった

世界を孤独にする計画へ、新一が取り込まれていく

第6話は、表面的には新一の反撃が始まった回です。ミス・イレイズでL.E.Dのデータを消し、五木たちを出し抜き、9月1日の大きな計画へ向かう。

藤原竜也さん演じる新一の表情も、逃げ回っていた頃とは違い、どこか腹をくくったように見えます。

でも、見終わって残るのは爽快感ではありません。新一は自分の意思で立ち上がったのではなく、黒幕に日下を人質に取られ、ノーナンバーの仲間たちと同じ檻に入れられ、計画を進めさせられているように見えます。

新一は反撃しているのではなく、反撃しているように見える形で黒幕の犯罪を実行させられているのだと思います。

「世界は孤独になる」という言葉も、6話でかなり現実味を持ちました。個人情報やパーソナル・ナンバーが消えれば、人は社会的なつながりを失う。

誰も誰かを証明できず、誰も自分を証明できない。新一が味わってきた孤独を、社会全体へ広げる計画です。

だからこそ、6話は第2章の始まりとして強いです。新一が奪われたものを取り返す物語ではなく、新一が味わった孤独を世界へ拡散させる物語へ変わり始めた。

もちろん新一は本心でそれを望んでいるわけではないと思います。けれど、ここからは「やらされた」だけでは済まない領域に入っていきます。

第6話は、藤堂新一が被害者のままではいられなくなった、かなり重い転換回でした。

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