毎週日曜日夜9時よりフジテレビ系列で放送されるドラマ「HOPE〜期待ゼロの新入社員〜」の第1話が終了しました。いや〜社会経験がある方なら一度は体験したことがあるようなことが第1話で放送されました。

第2話は、「何を売るか」よりも、「誰のために売るか」を描く回。
与一物産インターンの最終試験が迫り、歩(中島裕翔)は人見(桐山照史)とチームを組むが、準備の温度差は埋まらない。
要領のいい人見と、不器用ながら誠実な歩。
そんな二人の関係は、“働くとは他人の呼吸に合わせること”を学ぶ過程として描かれる。一方で、織田(遠藤憲一)は同級生の社長との商談で“友情と仕事”の矛盾に苦しむ。
そして迎えた本番、壇上で言葉を失った人見を前に、歩が取ったのは“棒読み”という最悪の一手。だがそれは、相棒を立ち直らせるための最高の一手だった。
最後に歩が放つ「スーツを売ります」という答えが、彼自身の“働く覚悟”そのものを照らし出す。
毎週日曜日夜9時から放送の「HOPE〜期待ゼロの新入社員〜」の第2話(7月24日放送)のあらすじと感想を紹介したいと思います。(第2話の放送は7月24日夜9時30分からです)
※以後ネタバレ注意
HOPE(ドラマ)2話のあらすじ&ネタバレ

第2話は、「誰と、何を、どう売るのか」を問う一本。
与一物産インターン最終試験=プレゼン発表会に向けて、歩(中島裕翔)が人見将吾(桐山照史)と組み、資料を作り、言葉ではなく“態度”で勝負を決めていく過程が描かれます。
並走する織田(遠藤憲一)×同級生社長(温水洋一)の商談線は、「友と商売」の難しさを示し、ラストの“スーツ”という象徴へつながる構成。
順に整理します。
導入:〈ウチのヤツ〉は酔言? 歩は再び盤上へ
第1話ラストで織田に「ウチのヤツ」と受け入れられた歩。
翌朝意気揚々と出社するも、織田は「酔っていて覚えていない」と一蹴。拍子抜けの歩だが、すぐに大手スーパーチェーン社長・宮脇(温水洋一)との商談に同行させられる。同級生同士の仕事の難しさ――この現実が、今回の物語の出発点となる。
同期の準備:歩×人見のパートナーシップ、非対称の関係
最終試験はプレゼン。歩は場慣れした人見と組み、テーマは「文化と貿易」に決定。
資料作りは歩に一任され、人見は練習を拒否。努力と勘、誠実と要領――二人の間に微妙な非対称が生まれていく。
織田×宮脇:同級生は“やりにくい”——使い捨ての当て馬
宮脇は織田の中学の同級生。関係の親しさを武器にしたはずが、織田は待たされた挙句「また連絡する」とあしらわれる。実は自社の価格調整のために“当て馬”に使われていた。
それでも織田は“埋め合わせ”の会食に応じ、頭を下げる。歩は、会社と家族を守るために“心を殺す”現場の顔を、初めて目の当たりにする。
前夜:すれ違いの臨界点——“オシャレなスーツ”と“練習不要”
本番前、人見は歩に「目立つスーツ」を用意させる。
練習も拒む彼に、歩はつい「どうせ受からないんだろ」と投げやりな言葉を口にする。努力を信じる歩と、要領で立ち回る人見――両者の不信が決定的に噛み合わなくなり、口論して別れる。
本番:人見、フリーズ——歩は“棒読み”で時間を稼ぐ
プレゼン当日。壇上で緊張した人見は、真っ白になり言葉を失う。
見かねた歩が原稿を棒読みし、時間を稼ぐ。洗練ゼロ、ただ“相棒の呼吸を取り戻す”ための支援。ようやく人見が立ち直り、プレゼンを再開する。
歩は脇で盤面全体を見渡す。まさに“岡目八目”の瞬間だ。
質疑:専務・鷹野の一矢——「君は、何を売る?」
専務・鷹野(風間杜夫)の質問は直球だった。「パートナーに“物”を売るなら、君は何を売る?」
歩は少し考え、「スーツを売ります」と答える。満員電車、理不尽な上司、家族を守る責任――それらに立ち向かう“戦闘服”としてのスーツ。
個性を消す制服ではなく、仲間の証としてのスーツ。
「一緒に戦う仲間として、彼にこのスーツを売ります」。
人見は小さく「買います」と応え、会場の空気が変わる。
結果発表:4人の船出——歩は“1年契約”、他3人は正社員
発表の日。桐明(瀬戸康史)・香月(山本美月)・人見は本社正社員に採用。
歩は営業三課の“1年契約社員”として残る。
ゼロからの合格ではないが、「盤上に残る」という自分の一手を、歩は確かに打ったのだった。
HOPE(ドラマ)2話の感想&考察

第2話は、「個の勝敗」よりも「関係の継続」で勝つ回。
歩は相棒の時間を買うために自分を“悪く”見せ、最後に“スーツ”という象徴で仲間を提示する。ここにこのドラマが描こうとする“働く倫理”が集約されている。
プレゼンは“言葉の技術”ではなく“場の倫理”で勝つ
歩は逆転劇を狙ったわけではない。
彼がしたのは、相棒の呼吸を戻し、自分の言葉で場に立つこと。棒読みという“最悪の手”が、最良の支援となる――この逆説が胸を打つ。
言葉よりも、場を整える誠実さこそが、働く上での本当の“技術”だと感じられる。
“スーツを売る”の意味——制服から“共闘の証”へ
歩の答えは、会社員の象徴を“共闘”に変換するものでした。
スーツは誰かの命令に従う制服ではなく、仲間と肩を並べる証。
そこには、織田と宮脇の「誰かのために頭を下げる」現場の姿が重なっている。摩耗する日常を支えるのは詩ではなく繊維。現実を受け止める優しさが、歩の言葉の根底にあった。
織田の背中——“友に頭を下げる”を見せる教育
織田は説教ではなく、背中で仕事を教える人。
同級生との不利な商談でも頭を下げる姿を見せ、「立場ではなく関係で動く」ことを教えた。プレゼンで歩が選んだ「スーツ」という答えには、その背中が確かに映っている。
人見の変化——“自己演出”から“相棒”へ
人見は自己演出で場を取りに行くタイプだったが、歩の棒読みで救われ、歩の“スーツ”に心を動かされる。
ラストの「買います」は、言葉の勝負を関係の勝負に裏返す一語。
人見を“嫌な奴”で終わらせず、関係性の成長を描いた脚本が秀逸だった。
“岡目八目”の視点——盤から職場へ
囲碁の格言“岡目八目”を、仕事の戦術に翻訳した回。
自分が目立たない位置から相手を活かす、盤外の勝ち筋を拾えるかどうか。歩はここで初めて、囲碁の力を“職場”で応用してみせた。
“1年契約”という現実的な着地——勝利ではなく“合流”
歩だけが契約社員という結果は、夢物語ではない。
「まず盤上に残る」ことこそが、現実の最初の勝ち筋。
非対称なスタートこそが、これからの成長を生む。
第2話は“売る”という行為を、競争ではなく関係構築として描き切った。
韓国版『未生』の継承と日本版の翻案
原作『未生』では「合わないスーツ」が象徴的だが、日本版では“スーツを売る”に変換。
社会への違和感を、共闘の物語として再定義した。
歩が“会社語”を獲得していくプロセスが、誠実に描かれている。
まとめ
棒読みは失敗ではなく支援の技。
スーツ=仲間の証という再定義が、“個”の勝敗より“関係”を選ぶ物語を成立させた。
織田の背中が、歩の言葉を生み出した。1年契約は敗北ではなく合流の合図。
第2話は、「誰のために売るのか」という問いに、“相棒のために”と答えたエピソードだった。
結果より過程、能弁より態度――このドラマの美点が、はっきりと立ち上がった回だった。
今回の名言「岡目八目」について記事をまとめましたので、ぜひ、観てください。
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